ギーツ&龍騎IF   作:巽★敬

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最終章4「古代人達の大乱闘」

 

頭上に浮かぶモニターで龍騎達の乱闘を見届けたギーツは満足げに視線を下ろし、銃口をリガドΩに向けた。

 

〘 さて、あとはもう一度世界を造り変えるだけだ。スエル。そしてバットエンドを望んだオーディエンス。お前達を倒した後でな? 〙

 

「..............ふふふ......ふはははは.................ふははははははは........」

 

少しの間を置いて、リガドΩは乾いた笑い声を上げ始めた。

先程まで発していた相手を煽る様な冷笑とは全く違う。

暫く何かが壊れた様に笑い続けたあと......

 

「....................................浮世英寿うううううううぅぅぅっ!!!」

 

拳を振り上げ、怒号と共にギーツへと走りだした。

 

未来人と古代人の息子と言う存在その物がイレギュラー。

 

コイツが関わらなければ何の問題も無くデザグラを存続出来た。

コイツ一人居なければ全て思惑通りだった。

コイツが全てを台無しにした。

コイツさえ居なければ。

 

自分の気迫など物ともせず、

余裕気に銃口を向けるギーツに全ての怒りをぶつけるべく、リガドΩは疾走した。

 

            ◆

 

場所は変わり、街中では数千人規模のライダー集団対堕天使達の熾烈な大乱闘が繰り広げられていた。

英寿により自爆装置から解放されたジエンドライダー達はアームドアロー、ウォーター、ハンマーなどなど小型バックルが基本だが持てる力を振り絞って堕天使達に抵抗していく。

 

「今までよくもやってくれたな!お返しだー!」

「娘はまだ小さいのよ!こんな奴等のせいで死なせてなるもんですか!」

「俺はこんな事する為に国家試験に合格した訳じゃない!医者になって皆を助けるんだ!」

 

皆、それぞれの想いや目標を胸に目の前の敵に立ち向かう。

内一体の堕天使は参加者の猛攻と言う異常事態に戸惑う。ゲームマスターの意志が宿った個体だ。

 

『き、貴様等!こんな事してただで済むと—――』

「っるせぇよ!」

『ごあ!?』

 

一人のジエンドライダーが堕天使の後頭部に豪快な飛び膝蹴りを喰らわす。

うつ伏せに転倒した堕天使に向け複数人のジエンドライダー達が束になって自らの武器を振るった。

 

「未来人がなんぼのモンじゃあ!」

「コケにしやがってボケナス!」

「日本の大和魂ってもん見せたるぞコラァ!!」

 

彼等は余程鬱憤が溜まっていたのだろう。今までの運営の所業を考えると無理も無い光景である。

 

と言うか、このジエンドライダーの何人かはゾンビやモンスターと言った大型バックルを装備している。英寿が自爆装置を解除する前に物好きなオーディエンスが提供したか、はては他県では大型を使用させる地域も有ったのだろう。

 

しかし彼らは少々頭に血が上り過ぎて周りが見えてない。その彼等に向け、別の堕天使が光弾を放とうと準備するが横から割り込んだ龍騎サバイブが反撃し撃破した。

 

「皆、あまり無理するな!危なくなったら直ぐ逃げるんだ!」

 

援軍とは言えジエンドライダー達は一昨日まで戦いとは無縁だった素人。悪戯に命を散らす光景は見たくないのが龍騎サバイブの本心だ。

 

 直ぐ側ではナイトサバイブ、ドラグランザー、ダークレイダーも奮闘している。

ダークアローの矢で周囲の敵を攻撃していくナイトサバイブ。

そんな彼を真上から狙撃しようとする堕天使が複数居た。しかし....

 

「でえええええやああああ!!」

「!」

 

仮面ライダーシーカーが空中からギガントハンマーを振りかざしナイトサバイブを狙う堕天使を叩き伏せた。地上に降り立ったシーカーはナイトサバイブを見て声を掛けた。顔を合わせたのはコラス主催のデザイアロワイヤル依頼である。

 

「ほう、久しぶりだなナイト。秋山蓮」

「お前は.....轟戒真?」

「こうして再開したのも何かの縁。貴様とは真面な決着を付けたいと思っていた」

「......勝手にライバル視するな。あんなゲームに興味は無かった」

「っふ、どうとでも思え。丁度新しい目標を欲してた所でな。ギーツや貴様を倒す為、再び強さを求めるのも悪くない」

《GIGANT BLASTER》

 

そう言いながらシーカーはパワードビルダーバックルにギガントブラスターバックルを装填。所持する武器がギガントハンマーからギガントブラスターに変化する。

 

そしてブラスターの銃口を目の前のナイトサバイブに向けた。

ナイトサバイブも無言でダークアローをシーカーに向け構える。

 

やがて両者は同じタイミングで飛び道具を放つ。

ギガントブラスターの弾丸とダーククローの矢。

その二つは互いのライダーの頭部……

 

の、横を通り過ぎ背後の堕天使に命中。

お互い最初から背後の敵を狙っていたのだ。

 

「無駄話する暇が有るなら生き残れ」

「言ってくれる」

 

ナイトサバイブとシーカーは互いに背中合わせの状態で周囲の堕天使達を撃ち抜いて行った。

 

 

 

 更に別の場所ではビートフォームに身を包んだジエンドライダーがビートアックスを振り回し一人奮闘していた。

彼も意気込んで挑んだは良い物の、素人である以上大型バックルの力を存分に引き出せず苦戦していた。

故に複数の堕天使の攻撃の的となってしまう。

 

「うわあああ!」

 

諸に攻撃を受けてしまい、吹き飛んだジエンドライダーはドライバーが破損。

変身が解除された会社員の男性に堕天使達が襲い掛かる。

そこへパンクジャックが割って入り、堕天使達を殴り飛ばし窮地を救った。

 

「大丈夫か? ホラ、あっちに隠れてな」

「す、すみません!」

「あと、コイツはこう使うんだよ」

 

男性を助けた後、パンクジャックは彼が使っていたビートバックルを拾いあげ自らのドライバーに装填。

リボルブオンした後、パンクジャックの上半身がビートフォームへと変化。

 

仮面ライダーパンクジャック・ビートモンスターフォームとなりビートアックスのエレメンタドラムを2回叩き、インプットリガーを押す。

 

「HEYHEY!痺れるの一発かましてやるぜ!Hooooooo~!!」

《TACTICAL THUNDER》

 

周囲にヘビメタの音楽が響き渡りビートアックスを地面に突き刺す。途端に上空から雷撃が降り注ぎ堕天使達を一網打尽にしてしまう。

直ぐ側で戦っていたハクビはパンクジャックのド派手な戦い方に目を奪われた。

 

「うわ~、すっごい派手ですね」

「俺の演奏に惚れたかい?」

「うーん、ごめんなさい!私何処までも祢音ちゃん推しなので!」

「はは、そりゃ残念!」

 

大勢の仲間が出来た事で多少心に余裕が出来たのか、短い軽口を飛ばし合う。

 

 その側ではブーストフォームのロポが堕天使達を蹴散らしていた。

彼女だけでも相当数の敵を討伐したが尚も堕天使は大群を維持している。

 

「ホントキリが無い、だったら」

 

すると彼女は徐に別のバックルを取り出し、ドライバーに装備する。

それはフィーバースロットレイズバックルであり、英寿は顔見知りにはドライバーと同時にこれも譲渡していたのだ。

 

《SET FEVER!》

 

意外なバックルの登場に横で戦っていたパンクジャックが声を漏らす。

 

「え?フィーバー?」

 

ロポはブーストフォームを下半身に移動させ、キックで応戦しながらバックルのスロットを回す。

軽快な待機音と共にスロットはやがて停止。

 

《GOLDEN FEVER》

《JACK POT HIT GOLDEN FEVER》

「当たりね!」

 

引き当てたのはフィーバーブースト。

襲い来る堕天使達を肉弾戦で応戦しがら、ロポの上半身に真紅のボディが追加される。

首に追加された金色のスカーフも靡かせながら、仮面ライダーロポ・フィーバーブーストフォームは炎を身に纏った両手足で堕天使達を駆逐。

 

その後、一瞬彼女の姿が消えたかと思うと、いつの間にかロポは数100メートル先の道路で立ち止まっていた。ソニックムーブが発生する程の超スピードで移動した結果、一瞬姿が消えた様に見えたのだ。

彼女が通った地面には炎の一本道が出来ており、この場に到達するまでに交差し全身をぶち抜かれた堕天使達は一瞬の間を置いて爆散していく。

 

 

 

 更に別の場所ではダパーンが集団の堕天使相手に単独で奮闘している。

彼もフィーバースロットレイズバックルを装備しており、マグナムフォームを下半身に移してるが上半身は小型バックルであるアームドドリルとなっていた。

 

「クソ! さっさと当たれよ! 今最高に機嫌悪いからさぁ!」

《SET FEVER!》

 

先程から何度もハズレ武器ばかりを引いてしまう。

ただでさえ半ば強引に戦いに駆り出されたと思い不機嫌なダパーン。

英寿は奏斗に犯した事の償いをさせるつもりなのだろう。

つくづく上から目線な気がして余計腹が立つ。ヤツに文句の一言でも言うには生き残るしかない。

 

荒々しくドリルを振り回し軽くジャンプした後、目の前の堕天使の顔面を踏みつけ転倒させる。

そのまま頭を踏んでいる足に備え付けのアーマードガンを連射し、堕天使の顔面に風穴を開ける。

事切れた堕天使を踏みつけたまま、再びスロットを回す。

スロットが回る度に鳴り響く楽し気なBGMが一層神経を逆なでする。

しかし、リセマラの甲斐あってようやく当たりを引く事に。

 

《MAGNUM》

《HIT ! FEVER MAGNUM !》

「っち、遅いんだよ....」

 

ダパーンの上半身にもう一つのマグナムフォームが追加される。

当たりを引き当て、一気に畳みかける為にダパーンはマグナムレイズバックルを起動させる。

 

《HYPER MAGNUM VICTORY!》

 

拡張武装として追加された2丁をマシンガンの如く連射し、ダパーンは上空を飛び回る敵を一層していく。

 

 

 

場所は戻り、爆速するロポの暴れぶりを目の当たりにしているパンクジャックとハクビ。

と、ここでハクビが何かを思い出した。

 

「よーし、私も英寿様から貰ってたコレ、使ってみよう!」

「って、持ってたのかい!?」

《SET FEVER!》

 

驚くパンクジャックを他所に、ハクビは取り出したフィーバースロットレイズバックルを装備し、リボルブオン後にスロットを回す。バックル知識もまだ豊富と言えず武器も運次第である事を考慮して彼女は使うタイミングを見計らっていたのだ。

スロットが止まる。

しかし引き当てたのはデザロア初参加時に使っていたアームドクローだった。

 

「うーんコレかぁ、でも頑張る!」

 

ハズレを引いたと言うデメリットを気にも止めず、ハクビは堕天使を切り伏せた。

一度外れても当たるまでリセマラすれば良い。

二本崩壊と言う絶望的な状況でも彼女は持ち前の明るさを決して捨てないでいた。

これでも恐怖が一切ないと言う訳ではない。

しかし今は絶望的な状況の中で奇跡が起きている。

大勢の同士と共に戦ってると言う事実が彼女の恐怖心を大幅に緩和させているのだ。

また何時もの様に祢音TVを観れる明日が来る。そんな可能性が少しでもあるなら、今はその可能性にかけて戦いたい。そう思ったから。

 

「景和も!祢音ちゃんも!英寿様もバッファローさんも! 知ってる人みーんな幸せでいてほしいから!」

 

怒涛の引っ掻きで敵を相手取るハクビ。しかし、つい前に出過ぎたのが災いし他の堕天使の体当たりを諸に受けてしまい吹き飛んでしまう。

 

「きゃあ!」

 

危うく地面に叩き付けられそうなる。

しかし、直前で地面からマーレラジャマトの上半身が生え、ハクビの体を受け止めた。

彼は特殊能力により無機物を砂状へ分解し地面の中を泳ぐように移動したのである。

マーレラジャマトは片手から紅の光弾を複数放ち堕天使達を撃破するのだった。

ハクビは複雑そうに声のトーンを低めて一応感謝の言葉を送る。

 

「................ありがと......」

「別に。自分の宣言を実行したまでさ.........」

「....................」

「....................」

 

再び無言になる2人。

ハクビ・桜井沙羅は基本誰にでも明るく接し振舞い人当たりの良い女性である。

だが大智に対して過去の所業故にどうしても塩対応にならざる得ない。

マーレラジャマトも沈黙を長引かせる事に抵抗が有ったのか、とりあえず何か話して場を収めようとする。

 

「感情が高ぶると一人で状況の打開に飛び出す。成程。そう言う所、タイクーンと似てるね」

「まあ........姉弟だから.....貴方も、大切な物を持ったら解るよ」

「そう言う物なのかな.......」

「そう言う物だよ」

 

それだけ言ってハクビは再び立ち上がりスロットを回す。

 

マーレラジャマト・大智はごく普通のあり触れた家族と言う物がイマイチ理解出来なかった。

憖世間よりも賢く優秀な頭脳を幼い頃から持ってたが故に、大智と言う人間を理解出来る人は居なかった。

 

周囲が自分より下な環境が続いてしまうとどうしても周りを見下しがちだ。

知恵の樹によって一度他人の記憶を見てしまって以降、普通の家庭の幸せと言う物に深く興味を持つ事が出来た。

今の自分の目標は人間と共存できるジャマトを作る事。

共存の為にはジャマトに人の幸せを理解させる必要がある。

その為にはまず、製作者である自分が普通の家庭の幸せと言う物に触れなくてはならない。

この桜井姉弟の幸せを守れば、ヒントが見つかるかもしれない。

普通の幸せとな何かと言うヒントが。

 

やがてハクビのスロットが止まる。

引き当てたのはニンジャだった。

 

「わぁ! 当たりキター!」

《NINJA》

《HIT ! FEVER NINJA !》

 

フィーバーニンジャフォームとなったハクビは大量の手裏剣や分身の術を駆使して堕天使達を蹴散らしはじめた。

マーレラジャマトは軽くため息をついた。

先の台詞は前に出過ぎるなと言う警告のつもりでもあったのだが、そんな事はお構い無しの暴れっぷりである。

 

「やれやれ....意外と難問だね。幸せを守ると言うのは」

 

軽く呆れながらもマーレラジャマトはハクビの援護に回るのだった。

 

 

「あ~、俺もフィーバー貰っとくんだったか?」

 

一方パンクジャックは敵をアッパーで殴り飛ばしつつも、つい恨めしそうに呟く。

確かに英寿ならバックルを生み出す事ぐらい訳ないが、人間の状態で創生の力を駆使するのは負担が掛かる。彼ばかりに頼るのは良くないと遠慮してたが、こうして目の前で何人も使われると少し羨ましくなる。

すると、横から現れたケイロウが肩をつつき、自らのフィーバーレイズバックルを差し出して来た。

 

「若いの。良かったらこれを使いなさい」

「え!?良いのか!?」

「ワシより君の方が上手く使えるだろう。誰かを助けられるなら、それで良いんだ」

「サンキュー爺さん!」

 

パンクジャックは礼を言いながらモンスターバックルを外しフィーバースロットレイズバックルを装備し早速スロットを回す。

 

「必ず勝ち抜くと信じた奴だけが、運を引き寄せる.....だったな、英寿?」

 

そして引き当てたのは......

 

《BEAT !》

《HIT ! FEVER BEAT !》

「へへ....まだまだ現役で良いって事か!」

 

上半身に第2のビートフォームが追加。

パンクジャックはフィーバービートフォームとなり金色のマントを輝かせ、2本のビートアックスで敵を切り伏せていく。

途中、側に乗り捨てられたトレーラーの真上に飛び乗った。2本のビートアックスを合体させ過激にビートアックスをかき鳴らす。

 

「オラぁ、見てっかエセ天使共! お前等の腐ったハート、俺のビートでノックアウトしてやんぜええぇぇぇぇ-!」

 

豪快なシャウトと共に再び雷撃や炎、氷結攻撃で敵を一掃する。

今、パンクジャックは最高にハイな気分だった。

晴家ウィンは元は大物ロッカーを夢見るバンドマンである。

諸々の事情により音楽の道を断念し、祖父がデザグラのスポンサーであった為に運営スタッフとして働く事になる。

しかし同じバンドメンバーである雨宮ヒロキがメンバーの成功を願いデザグラに参加していた事を知る。ヒロキの音楽に対する情熱とメンバーを想う気持ちに心を打たれ、ウィンは現役復帰を視野に入れ始めたのである。

 

この土壇場で二つの大型バックルを入手し、当てたのがビート。

何だか運命を感じて止まない。

 

一旦地上に降りた後、パンクジャックはケイロウの前でビートバックルの鍵盤「セレクトケンバーン」を軽く叩くと両肩のスピーカー・アクティブビートAからノリの良い音楽が鳴り響く。

するとケイロウの周囲に音符のエフェクトが飛び交う。

ナーゴが初めてビートフォームを使用した時と同じだ。

 

「お礼だ、爺さん!」

「おおお~~!力が湧いてくるぞおおお~!おりゃあ~~!!」

 

ケイロウは腕のプロペラを高速回転させながら堕天使達に攻撃を加えていく。

フィーバービートから発せられるノリの良い音楽の力により、ケイロウは一時的に身体能力が向上。堕天使達に確実にダメージを与えていく。

 

 

大勢のライダー達の活躍により、街に蔓延ってた堕天使は瞬く間に数を減らしていった。

これで突破口は開かれ、被害が他の街まで拡大する可能性は最小限まで防げる。

 

しかし、当然この光景を良しとしない者が居る訳で......

 

 

 

 

【 神に仇なす者達に、裁きを 】

 

 

 

 

上空を浮遊する邪神が持つ3つの水晶玉が光を放ち始める。

その光は前方へと延び、やがて一つの光の球体へと変化する。

 

「! 危ない、皆伏せろぉ!!」

『 !!!? 』

 

真っ先に状況に気づいた龍騎が鬼気迫る声で警告した直後、

 

光の球体から大量の光線が発射される。

 

地上のライダー達に向けて光線の雨が降り注いだ。

 

 

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