自分の中では最終話まで本当にあと少しなのです。
次もまた何時更新出来るか解りませんが、せめて年内に終われたらと思ってます。
「............皆、無事か!?」
光線の豪雨が止み、周囲を見渡す龍騎サバイブ。
回りは先ほどより瓦礫の山が増え黒煙が立ち並ぶ。
一応攻撃が届く直前でガードベントを発動させ一番近いジエンドライダー達を庇う事は出来た。
しかし、周りはどうなったのか?
「hoo...危なかったぜ...」
「あ~ビックリしたぁ...」
パンクジャックとハクビが手を上げながら生存報告を行う。ダパーンも機嫌が悪そうに体を起こし、ロポも周囲を見渡す。
「こっちも...大丈夫よ。でも.....他の参加者は?」
パンクジャックも、ロポも、ハクビも、攻撃が到達する直前に近くにいたジエンドライダー達を逃がすなど最低限の行動をとっていたが、あれらの軍勢全員を庇うのは物理的に不可能。
煙により遮られた視界は徐々に晴れていく。
皆、一瞬最悪な事態を覚悟したが.....
煙が晴れると異様に明るい光が龍騎サバイブ達の視界には居る。
その光の中にはケイロウやマーレラジャマト、ひまわりジャマトやその他のジエンドライダー達が身を縮めていた。
ケイロウは自らの円形の目・ケイロウアイを眼鏡を上げる様に触れながら光に見とれる。
ひまわりジャマト達も流れ星でも見てるかの様に子供らしく燥いだ。
「おお...この光は?」
「ジャ~☆」
それは宙に浮かぶ大量の光の盾だった。
一人のライダーのファンタジーエフェクトにより生み出された光の盾。
ナーゴと同じくファンタジーフォームに身を包む者。
祢音と面識があったナイトが彼の存在に真っ先に反応する。
「お前は....」
「っふ.....まだまだ、罪滅ぼしには遠いか....」
息切れしながらも盾に向かって手を翳すギャーゴ。
実家である鞍馬家が襲撃に合うも無事堕天使達を退けた光聖。
その後は我が家の護衛をベンとジョンに任せ、故郷を脅かす邪神を倒しに来たのである。
彼もまた、自らが犯した過ちに苦悩する者の一人だ。
かつては己の欲望の為にスポンサーとしてスエル達運営に手を貸し、娘の祢音を心身共に傷つけてしまった。紆余曲折ありながらも取り戻した家族の絆。
しかしこれ程の事態に発展した事は自分には無関係に思う程、今の光聖は薄情になれなかった。
だからこうしてライダー達の軍勢に加わったのだ。
運営に手を貸した罪滅ぼし。
そして今度こそ愛する家族の未来を守る為に。
因みに説明が遅れたがSPであるベンとジョンはデザグラ経験者であり、その伝手で英寿からドライバーを託されている。
ギャーゴの盾により多数のジエンドライダー達は無傷で済んだ。
だがやはり4千人規模の軍勢を全てカバーするのは至難の業。
幾らかは負傷し地面に突っ伏している。
何とか攻撃を凌いだ参加者が負傷者達を介抱している。
人数が人数なのでこの場で参加者全員の安否確認は不可能である。
それでもまだ相当数の大群が健在だった。
「......やはり全員は.....守り切れなかった......」
気を落とすギャーゴの元に龍騎サバイブが駆け寄り激励する。
「顔を上げてくれ、アンタは立派だ!」
その側でマーレラジャマトもフォローする。
「皆覚悟の上でここに来た筈だ。嘆くのは後にしよう。今すべき事は.....」
上空を見上げるライダー一同。
視線の先には自分達を痛みつけた異形の女神が我が物顔で此方を見下ろしている。
偽りの女神は語る。
【 定められた未来を知らず命に縋る。 古代人とは実に滑稽である 】
「定められた.......未来?」
「どういう事だ?」
龍騎サバイブとナイトサバイブが疑問を投げかける。
【 世界は何れ、滅びの運命を辿るのだ―――― 】
邪神は答えると、上空に再び多数の巨大映像が出現した。
映像を流しながら邪神は尚も高圧的に語る。
【 この時代から100年後、新たな植物が誕生する。植物は瞬く間に成長し世界は浸食され、やがてほぼ全ての人類が死滅する...... 】
一瞬の砂嵐が晴れるとそこには身の毛もよだつ 恐ろしい光景が映し出されていた。
尋常じゃない程巨大な植物の根。
植物の葉には接触しただけで人を壊死させる毒が備わっており、特効薬を作る暇も無くその成長速度は凄まじかった。
根は道路を砕き街を飲み込み建造物を意図も簡単に倒壊させた。
【 目を背けるな。これは全て実際の出来事であり、古代人にとっては未来の出来事である 】
インフラは機能停止、張り廻られた植物の根はやがて太陽の光を遮る程膨張。
やがて世界中が草木に浸食され文明は崩壊。
大規模災害と呼ぶ事すら生易しい天変地異。
ジエンドライダー達だけでなく、世界中の人間達がこの映像をSNSや報道番組を介してリアルタイムで使用し、その光景を前にただ愕然とする。
【 しかし、僅かに生存した者達が進化する術を手にした 】
成長しきった植物はやがて動きを止めた。映像は高速な早送りになり、根の周りにコケが生え、草がおいしげ昆虫や花で溢れかえる。
映像で見る限り世界の一面は森で生い茂り、最早文明など存在しないかに思えた。
やがて映像内のカメラは地上から離れ始め、一気に宇宙へ辿り着き緑が生い茂った地球を映し出す。地球の周りには何やらデジタル映像が乱れたノイズの様な物体が幾つも浮遊している。
【 時が経ち僅かに生き残った人類は肉体を捨て、母星から旅立ちデータ生命体と言う新たな存在へと進化した 】
生存者達がどんな方法で滅びさった世界でそんな技術を獲得したのか説明は無い。
100年後と言う月日で人間が予めそんな技術を手に入れたのか、それとも未来人との接触で何らかのパラドックスが発生したのかは解らない。
その場にいる参加者達はただただ動揺するだけ。
世界は滅びる。邪神はデータ化した人類は進化した存在だと言った。
しかしデータとなった者は果たして人間と呼べるのだろうか?
焦りも、時間も、努力からも解放された完璧な存在。
そんな事を言われても混乱するだけだ。
【 こうして旧人類が築き上げた文明は価値を失う。
お前達愚かな古代人の人生など、全て無意味となるのだ 】
人々にトドメの一言を浴びせる邪神。
一同がどよめきの声を上げる。
何れ世界が滅ぶ?じゃあ俺達は何の為に生きてるんだ?
これからどうすれば良いんだ?と。
そんな中。
今まで無言だった龍騎サバイブがようやく口を開いた。
「へぇー.........そうか......
で?」
【 .........なに? 】
龍騎サバイブの酷くあっけらかんとした応答に、今度は邪神は疑問を投げかけた。
「100年後に世界が滅亡する。それがどうした?」
サッパリとした返答する龍騎サバイブに続き、ナイトサバイブも立ち上がりながら口を開く。
「そんな話を聞いて、俺達が生きる事を諦めるとでも思ったのか?」
次にパンクジャックが痛みに堪えながら叫ぶ。
「俺達はなぁ、今を必死で生きてんだよ!」
今度は泥だらけになったハクビが声を張り上げる。
「欲しい物もやりたい事も.......まだまだいーーーっぱい有るんだから!」
ロポとシーカーも続いた。
「自分が進む道ぐらい、私は自分で決めるよ!」
「お前等に俺達の行く末を決められる筋合いなど無い。自惚れるな」
不祥事を起こしてしまったとは言え、元格闘技チャンプの座は紛れも無く努力の積み重ねで勝ち取った称号だ。
ロポも伊達に霊長類最強の異名を与えられた訳ではない。
同じスポーツ選手として自ら選んだ道を突き進み、努力した結果今の自分がある。
ギャーゴも声を響かせた。
「ようやく取り戻したんだ.....娘への愛を......家族の絆を......もう二度と失うつもりは無い!」
あかりを失ったあの日から自分の中の何かが壊れた気がした。
沢山の紆余曲折を得て修復した家族の絆を、これ以上他者に踏みにじられるなど御免だ。
ケイロウも続く。
「ワシはすっかり歳だが....最後まで笑って生きていたい!」
如何に他人からとやかく言われ様が、最後に笑ってられるかどうかは自分次第。
ならば全身全霊を持って後悔のない人生を駆け抜けたい。
続いてダパーンが口を開く。
「大体、100年も先なんて一々考える奴そう居ないだろ。少しは頭働かせろ馬鹿が....」
相変わらず辛辣だが彼の言葉は的を射ている。
人生100年時代と言うが、そこまで元気に長生きする人間はまだまだ限られている。
普通の一般人で100年先の人生まで考える者がどれだけ居るのやら。
気にするならせいぜい老後の生活、社会や子供か孫の事だろうか。
少し前のダパーンならその話を受け入れ更なる世界の破滅を望んだろうが、
現在は我武者羅ながらも生きていく決断をしている。
今はただただこの場を終わらせたいが故に酷く苛立ってるのだ。
更にマーレラジャマトも口を挟む。
「それに、世界を破滅させる植物と言うのはジャマトの元なんだろう?
僕が居る限り破滅なんてさせないよ。その為に彼等が居るんだから」
「ジャ~☆」
創造主に煽てられ気を良くするヒマワリジャマト達。
彼の言う通り、未来人は世界を破滅させる植物を元にジャマトを作成した。
しかしマーレラジャマトこと五十鈴大智は既に人間に友好的なジャマトを生み出した。
彼らの研究を進めればその植物の生態を事前に知り破滅の未来を防ぐ事も出来る筈。
本来の時代に存在しない物が未来の危機を救う鍵となる。
これは好き放題過去を改変して来た未来人達のいわばツケと言えよう。
今度は再びナイトサバイブが口を開く。
「昔、ある奴が言っていた。" 決まった未来ほど変えたくなる "とな。今なら奴の気持ちが解る。お前達の言う未来が本当に訪れるって言うなら、俺達で変えてやる」
嘗て神崎士郎が仕組んだ13人のライダーバトル、その最中に出会った男の言葉をそのまま口にする。
恵理を失いたくない焦りから勝ち残る事に固執していた自分に、彼は何度も罪を背負わせまいと説得してきた。
もしこの場に彼が居れば、城戸と共に同じセリフを吐いただろう。
最後に、その城戸真司こと龍騎サバイブが邪神に対し一括する。
「俺は人を守る為にライダーになった。誰かを守るって事はその人の未来を守るって事だ。
でも確かに、世の中には生きる事自体止めたくなる人も居る....。だからその人達の為に言い続けなきゃいけないんだ。未来は輝いてる。明るい未来が待ってるって思わせなきゃダメなんだ。それが誰かの未来を守る事の責務....って、俺は思ってる。
だからさあ....お前達運営がどうしても許せない。
未来を知ってるからって、必死で生きようとする人の夢を、生き様を! 勝手に決めつけて弄ぶ権利なんて無いんだ!一人一人が自ら変わって行けば、未来だって変えられる!」
龍騎サバイブは大声で叫んだ。
彼は思いだしていた。20年前に経験した13人のライダーバトルの犠牲者達の事を。
仮面ライダー達は己の願いを叶える為に命を懸けて戦って来た。
己の欲望を叶える為なら他人を犠牲にする。
ライダーバトルを知り始めの頃の自分なら一方的に否定していただろう。
浅倉威の様に許せないライダーも確かに存在した。
しかし今となっては命を懸けて戦ったライダー達を全否定する気持ちにはなれない。
彼等も必死だったからだ。
やり方はどうあれ、自分の願いの為に全力で戦ったことに変わりはないのだから。
仮面ライダーだけでなく、自分の知らない所で大勢の人間がミラーモンスターに捕食された。
遺体が一切残らない故に行方不明扱いされ、残された者達はただただ不安と悲しみが続く日々を強いられ人生を大きく変えられた。
神崎兄妹が自らの存在と引き換えに、それらの出来事は全てなかった事となった。
あの時犠牲者となる筈だった人達はきっと今も何処かで生きてるだろう。
決して全員が素敵な人生とは言えない。もしかしたら病気や事故、事件など何らかの理由で息絶えた者もいるだろう。
しかし何かしら紆余曲折あってこの20年間を生き抜いた人も多い筈だ。
ミラーモンスターに喰われる事無く生き抜いた人生。
目の前に居るヤツ等は神崎兄妹の犠牲を、必至で生きぬいた者達の人生を踏みにじろうとしている。
幾らミラーワールドの戦いの歴史が無くなったとは言え、必死で誰かを守って来た自分の戦いすらも全て否定し侮蔑してる。
どうせ世界は何れ新人類の物となる。
だから不自由の多い旧人類は無意味なので全部諦めて娯楽の為に殺し合えだと?
ふざけるのも大概にしろよ。何様のつもりだ。
そもそもどれだけ未来人が進化しても過去の時代の価値観や文化も考慮せず驕り高ぶる時点で
たかが知れてるのだ。
これだけの想いを込めた叱責だったが、目の前の人形には決して響かない。
【 現実を直視出来ず、感情論で我を通す。実に原始的で低俗な古代人らしい言動である。自らの愚かさを後悔しながら神罰を受けるが良い 】
相も変わらず排他的体制を崩さない邪神を見てマーレラジャマトが心底呆れた声色で一言漏らす。
「無駄だよ。所詮奴は模造品。運営に従う事しか出来ない傀儡さ」
「そうか......」
龍騎サバイブは短く返答する。
ミラーモンスターと違って言葉も交わせるが、話が通じなければ意味がない。
解っていたとは言え、結局戦いでしか解決できないのは何とも空しい物である。
「..........皆、もう一度行くぞ!」
ライダー達は再び武器を手に、偽の女神に挑んだ。
※ギーツ世界の未来がどんな滅び方をしたのか明確にされてないので、
此方でも滅び方や進化の類を曖昧にしてます。