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龍騎が新たに真紅の鎧を纏うと、周囲を包んでいた炎が止んだ。
銃剣型の召喚機、ドラグバイザーツバイから炎と共に刀身「ドラグブレード」が出現し構える龍騎サバイブ。
「......まだ....邪魔をする気なのか...」
静寂が辺りを包む中、タイクーンBSは拳を震わせながら龍騎Sを睨みつける。
「.....何で......何で.....」
憤怒。
仮面の奥で景和は唇を噛みしめ、怒りに燃えていた。
この男は何だ? 何故こうも出しゃばって邪魔をし、英寿に味方するのだ?
自分はただ家族を救いたいだけなのに。
一度でも尊敬した人物だからこそ、ショックと怒りが増幅する。
「何でなんだよおぉぉ!!!」」
再び武刃を振りかざし龍騎Sに飛び掛かる。
武刃とドラグブレードが激しくぶつかり合い火花を散らす。
暫く斬り合いを続けるが、通常よりもスペックが向上した龍騎サバイブを前に徐々に押され始める。
(さっきより早さも威力も桁違いだと...でも、負けてたまるか!)
それでもタイクーンBSは巧みな剣裁きで抵抗を続ける。
ただの斬り合いでは埒が明かないと見た龍騎Sは一旦距離を取り、
デッキから何かカードを引いてみる。
しかし意外なカードが出て来た事で思わず声を漏らす。
「あれ?これって....」
それはストライクベント・ドラグクローのカードだ。
本来サバイブ化前でしか所持してないカードが何故?
そう言えば先日、英寿はカードデッキを譲渡する際「前のよりパワーアップしてる筈だ」と言っていた。
てっきりサバイブカードの事だけだと思っていたが、どうやら所持カードが増幅すると言う意味合いだったらしい。
そこへ迫り来るタイクーンBSの刃。
考えてる余裕は無い。すぐさまストライクベントのカードをドラグバイザーツバイに読み込ませる。
《STRIKE VENT》
左手に装備されるドラグクロー。そして寸での所で刃をドラグクローの口部分で挟み受け止めた。
「!?」
武刃を掴まれ動きが止まるタイクーンBSの腹筋に向けて、右手に所持されたドラグバイザーツバイから単発のビームが発射される。これにより激痛で大きくのけぞり膝をつくタイクーンBS。
(クソ、やっぱり強い....)
経験の差からして実力は向こうが上。このまま無様に降参するしかないのか?
痛みに堪えながらも必死で思考するタイクーンBS。
だがここで思いもよらぬ出来事が起こった。
突然目の前で何かが光ったかと思いきや、そこから派手な装飾の箱が現れ地面に落下したのだ。
これはミッションボックスと言い、リアルエンターテイメントショーであるデザグラ内で、オーディエンスが応援するライダーに送り込む強化アイテムが入ったボックスである。
タイクーンBSは違和感を覚えた。
これが来ると言う事は今この戦いをオーディエンスが視聴している事になる。
だがオーディエンス達のカメラである「オーディエンスアイ」は今の所何処にも見当たらない。
.....気になってる場合ではない。一刻も早くこの場を切り抜けなくては。
タイクーンBSは手早くボックスを開ける。中にはポップ調のモンスターが描かれたレイズバックル、モンスターレイズバックルが入っており瞬時にデザイアドライバーに装着する。
《REVOLVE ON...SET》
《オンギャー!》
バックルを半回転させ音声と共にタイクーンBSの胴体と両腕に装備が加わっていく。
《DUAL ON GREAT!》
《MONSTER!》
《READY FIGHT!》
「!!」
モンスターバックルを装着したタイクーンBSは、タイクーンブジンモンスターへと姿を変えた。
相手が新たな形態へ変化し一層警戒を強める龍騎Sに、タイクーンBMはボクサーの構えで駆け出した。
再びドラグバイザーツバイを乱射し応戦する龍騎S。だがタイクーンBMは発射されたビームを全て殴り飛ばし直撃を回避。一気に距離を詰め容赦なく殴りかかる。
幾度と無く繰り出されるパンチを避け続ける龍騎S。
拳が壁に当たる度に「プギャー!」と響く打撃音と星が飛び散ると言うファンシーな演出とは裏腹に殺傷能力は本物。
両腕に装着された籠手・モンスターグローブが当たる度にコンクリートの壁が陥没、粉砕していく。
次々と繰り出されるストレートを何とか回避し続けるが限界が来たのか、最後に下方向から繰り出す強烈なパンチを龍騎Sの腹部に打ち込み上空へ高く打ち上げた。
「ぐああ!」
しかし龍騎Sは痛みに堪えながらも空中でカードを引きドラグバイザーツバイに装填する。
《ADVENT》
「グオオオオオオ!」
ベントイン後、サバイブによるドラグレッダーの進化態、烈火龍ドラグランザーが飛来し地面に落下する前の龍騎Sを背中で受け止める。
そして龍騎Sを背中に立たせたまま地上に居るタイクーンBMに向け複数の火球を放った。
「またアイツか!」
ステップや前転などで火球を回避し続けるタイクーンBM。
と、ここで再び新たなミッションボックスが現れる。
タイクーンBMは迷う事無くそれを掴む。一々開ける時間すら惜しいので乱暴に地面に叩きつけた。 粉々になったボックスから飛び出したのは、ブーストレイズバックル。
レイズバックルの中でもトップクラスのスペックを持つバックルであり今の状況下でこれ程有難い物は無い。
モンスターバックルを外し、手早くブーストを装着しグリップ上の部位「ブーストスロットル」を捻る。
《SET》
《DUAL ON GREAT!》
《BOOST!》
《READY FIGHT!》
背後にBOOSTのロゴが現れモンスターの装甲が消えると同時に、タイクーンBSに新たな紅色の装甲が装備された。
タイクーンブジンブーストである。
タイクーンBBは腕部の「ブーストパンチャー」に着いたマフラーから炎を吹かし、上空に居るドラグランザーに向かって高くジャンプ。火球を回避しつつも一気に距離を詰め、ドラグランザーの頬を力一杯殴り飛ばしてしまった。
「グガアアア!……」
呻き声と共に地面に叩きつけられるドラグランザー。
背中に乗っていた龍騎Sは殴られる直前に飛び出し地面に着地していた。
だが空かさず方向転換したタイクーンBBが炎を吹かしながら高速で向かってきた。空中で武刃を構え斬りかかる。
向かってくる刃を前転で回避し、龍騎Sはドラグバイザーツバイからレーザーを乱射するも当たる気配がない。 やがて周り込まれ、後ろから斬りかかろうと急接近するタイクーンBB。
すぐさま龍騎Sは新たなカードをベントインする。
《GUARD VENT》
すると先ほどまで地面に倒れていたかと思われたドラグランザーが龍騎Sを守る様に周囲を旋回、
やがて流れる様な動きで振るう尻尾から炎の防御壁「ファイヤーウォール」を作りだし、タイクーンBBを弾き飛ばした。
奇襲が失敗し地面に転倒するタイクーンBB。主人を守るかの様に尚も龍騎Sの側に居座るドラグランザーを睨みながらブーストバックルのスロットルを捻った。
「そう言うの…こっちにも居るんだよ」
《BOOSTRIKER》
すると何処からか真紅の無人バイクが一台、颯爽と現れドラグランザーに体当たりを仕掛ける。
尻尾で弾き飛ばされるがバイクは空中で一回転したかと思うと、そのまま各パーツが変形しだし、
やがて4足歩行動物の様な外見となりタイクーンBBの前に降り立つ。
ブーストライカー
デザイアライダーがブーストフォームに変身すると呼び出せるバイク型ビークルだ。
変形後の見た目は呼び出したライダーと連動し、ギーツやバッファの物と比べ若干首と両手足が短く頭部がタイクーンの様なタヌキを模したデザインとなっている。
ブーストライカー・タイクーンモードである。
「キュイイイイ!」
威嚇する様に咆哮し終えたブーストライカーはマフラーから炎を吹かせドラグランザーに向けて疾走。再び体当たりを仕掛けるも空中を泳いで回避される。
しかし自らも上空へ飛翔し、そのまま熾烈な戦いを繰り広げる。
「キュイイイイ!」
「ゴアアアア!!」
ブーストライカー対ドラグランザー
上空で人外同士のバトルが繰り広げられる一方で、地上では龍騎SとタイクーンBBの争いが尚も続く。
お互い目立った外傷は未だに無いが、次第に龍騎Sの方が押され始めた。
ブーストレイズバックルはただ超高速を手にすると言うだけではない。装備したライダーのレイズバックルと併用し能力と武器のスペックを強化する機能が備わっているのだ。
タイクーンBBの両腕部に装備されている「ブーストパンチャー」により強化された武刃は禍々しいオーラを放つ。ドラグブレードで受け止めるだけでも骨の髄まで響く衝撃を与えた。
更にはサバイブ化前にタイクーンBSの一撃を受けた事と疲労蓄積も災いし着実に追い詰められている。
遂に武刃の剣先を連続で受けてしまい、大きく怯んだ隙に蹴り飛ばされてしまう。
「ぐああ!」
地面を転げ何とか立ち上がろうとする龍騎S。だが膝を着いたままの体制がやっとだった。
勝利を確信したタイクーンBBは必殺技の準備に取り掛かる。
「今度こそ終わりだ....」
ブーストスロットルを素早く2回捻りバックルが軽く炎を吹かす。
「景和君....」
焦りを見せる龍騎Sは当てずっぽうにデッキからカードを引き抜き、絵柄を見て「これか...」と一瞬躊躇した。
彼が引いたのは螺旋状に絡まった大量のアドベントカードが描かれた「ストレンジベント」のカードだった。これは一度読ませると状況に応じて様々なカードに変化する特殊なカードである。
変化した物によっては起死回生に繋がるが、どんなカードに変化するかは完全にランダムで使用した本人でも予測不能であり、運が悪ければそのまま敗北に陥る事すらある。
だが今のタイクーンの能力を鑑みて射撃で応戦しても大した効果は期待出来ない。
援護してほしいドラグランザーは尚もブーストライカーと交戦中だ。
思考してる内にブジンブーストの両腕部のマフラーから猛炎が噴射、拳を振り上げ超スピードで飛び掛かって来た。
《GREAT BOOST VICTORY!》
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
迷ってる暇は無い。龍騎Sはストレンジベントのカードを素早くドラグバイザーツバイに入れ込んだ。
《STRANGE VENT》
ドラグバイザーツバイに入力が完了するとカードの絵柄が別物へと変化した。
変化後の絵柄を確認もせず、一か八か再度ベントインする。
その変化後のカードは.....
《CONFINE VENT》
次の瞬間、タイクーンBBは眼を疑った。ドラグバイザーから音声が聞こえたかと思った途端、
自分を纏うブーストのボディとブーストライカーが一瞬で消滅したのだから。
「な!?」
ボディが消え、胸部と両腕だけが素体であるエントリーフォームの物に戻ってしまう。
「でやああああ!」
このチャンスを見過ごす訳もない。丸腰のまま急接近するタイクーンBSを、
龍騎Sは炎を纏ったドラグブレードで切り裂いた。
※仮面ライダー龍騎サバイブ(英寿産デッキ)
概要…浮世英寿が創生の力で作り出したデッキとサバイブ-烈火-のカードで変身するライダー。
見た目は嘗ての戦いで使っていた龍騎サバイブと全く同じだが、サバイブ化前の初期装備など所持カードが複数枚追加されている。