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「ランボーグッ!!!!」
「わわわわわわわわッ!?」
雄叫びを上げたランボーグが、狭い路地に無理やり体をねじ込んできた。
慌てるプリズムの横ですぐに動いたスカイは、片手でプリズムの手を、もう片手でエルを抱いて。
一目散に走り出す。
「追いつかれちゃう!」
大通りに出てもなお追いかけてくるランボーグ。
カバトン渾身の力作故か、あっという間に距離を詰めてくる。
「ッ上に!」
何はともあれ距離を取ろうと、スカイの導きで街灯を伝い、ビルの壁を蹴って。
どんどん昇っていく。
「私が囮になります!エルちゃんを連れて、遠くへ!」
「二言目にはそれ言いますよね!?もう一人じゃないんですよ!!」
ランボーグが、街灯をブーメランの様に飛ばしてきたので。
「
反応したスカイが剣を振るい、衝撃波を放って弾き飛ばした。
なかなかしぶとい二人に、腹を立てたカバトンは。
ランボーグの表示を『急行』から『特急』へ変更。
スピードもパワーも強化されたランボーグが突っ込んできて、さらに追い込んで来る。
「一人じゃないから、失くしたくないんです!」
「・・・・分かりました!」
そんな状況でも協力を拒むスカイに、益々むっとなったプリズムは。
走る足を止めないまま声を張る。
「友達が傷つくのがいやっていうなら、わたし、友達止めます!」
「はあっ!?」
「これからわたし達は、友達じゃなくてパートナーってことで、どうですか!?」
「そんなの言葉遊びじゃないですか!?」
ビルとビルの間を軽々飛びながら、言い争いは続く。
「じゃあ、相棒!コンビ!ペア!」
諦めないプリズムは、飛びながら『二人組』の名称を次々上げていく。
「他になにかありますっけ!?」
「知りませんよ!」
「えうぅ・・・・!!」
なおも収拾がつかない口げんかに、とうとうエルが涙目になり始めた。
「ああ、すみません!ケンカしてるんじゃないですよ!」
「そうそう!泣かないでー!」
さすがの二人も、赤子の涙には勝てず。
宥めるために思わず足を止めてしまう。
その隙を、ランボーグは見逃さなかった。
「ランボーグッ!!」
「・・・・ッ!」
「あっ、スカイ!!」
咄嗟に反応したスカイが、エルを手放すと同時に。
プリズムを突き飛ばす。
体当たりの直撃を受けたスカイは、隣のビルに叩きつけられた。
「ぐ・・・・!ッしまった!」
スカイもプリズムも離れてしまい、エルが無防備になる。
眼前に迫るランボーグ、スカイは瓦礫に埋まってすぐに動けない。
「ッダメ!!」
よって、身軽だったプリズムが飛び出して。
――――スカイの脳裏。
事切れたましろが、再び現れる。
「ましろさん!!」
「はあっ!!」
ランボーグの攻撃を紙一重で回避したプリズムは、両手から光弾を放つ。
「ヒヒヒッ!YOEEEEE!!」
二つとも簡単に受け止められてしまうが、それこそが狙いだった。
「きらめけッ!」
プリズムが合図すれば、スタングレネードと化した光弾が激しく煌めいて。
閃光を放つ。
「――――やっぱり、ダメだ」
スカイも、思わず顔を庇う中。
光を背負って、プリズムが向かい合った。
「友達以外の言葉、上手く見つかりません」
無事に保護したエルの頭を撫でながら、プリズムは語り掛ける。
「パートナーとか、相棒とか、そうじゃなくて・・・・あなたは、わたしの友達」
「・・・・ッ」
「あなたが心配です、助けたいです。気持ちは同じです」
まっすぐな目に気圧されながら、それでも逸らすことが出来ず。
スカイは耳を傾ける。
「それって、一緒に戦う理由になりませんか?」
差し伸べられた手と、プリズムを見比べて。
スカイは、項垂れた。
◆ ◆ ◆
――――嗚呼、なんて。
情けない・・・・!
彼女の強さは、その優しさにあると。
理解していたはずなのに。
夢まぼろしに囚われて、眼前の恐怖にただただ慄いて。
守ろうとしていた?遠ざけようとしていた?
違う、どれも違う。
私は、ただ。
逃げていたんだ・・・・!
久方ぶりに、友人がいる幸せに触れてしまって。
その温かさを思い出して。
失いたくないばかりに、危うく取り返しのつかない事態を引き起こすところだった。
・・・・嗚呼、私は弱いな。
まだまだ未熟だな。
――――だから。
「ぐぎぎぎぎぎッ!小細工ムカムカ!!本当のTUEEEを見せてやるのねん!!」
「ッあ!」
表示を『超特急』に変えたランボーグが、彼女達の後ろから迫る。
『本当のTUEEE』と言うだけあって、ただでさえ大きかった躯体がさらに巨大になっていた。
当然の様に上がったスピードで、飛び掛かってきていたので。
「――――
「ランボオオォーッ!?」
思いっきり、叩き飛ばしてやる。
「――――まずは、ここを乗り切りましょう」
隣に、立つ。
「力を貸してください、プリズム」
ましろさんに、プリズムに。
やっと、向き合えば。
「やっとその名前で、呼んでくれた」
嬉しそうに、笑ってくれた。
並んでランボーグを見上げる。
さて、依然相手は強敵。
どうしたもんかと、改めて考えている時だった。
「ふぅー!・・・・ぷいきゅあー!!」
「「えっ?」」
そんなエルちゃんの声が聞こえて、プリズムと一緒に振り向くと。
向かってくる二つの光。
受け止めると、新しいアイテムが手のひらに収まっている。
これはもしかしなくても・・・・。
「エルちゃんの、新しい力・・・・!」
視線を合わせる。
プリズムも同じ考えのようだ。
一緒にスカイミラージュを構えて、アイテムを発動させる。
「スカイブルー!」
「プリズムホワイト!」
・・・・なんだか、初代の白黒を彷彿とさせるような口上。
ぎゅっと手を握り合うとこなんて、『いかにも』って感じじゃない?
まあ、いいか悪いかで言ったら、悪くないんだけど。
「「――――プリキュアッ!!」」
スカイミラージュを掲げれば、二人の浄化の力が重なって。
まるでレコードの様な円盤を出現させる。
「「アップドラフト・シャイニングッ!!」」
放たれた光は、あんなに苦戦したランボーグをあっという間に呑み込んで。
「スミキッター・・・・!!」
一気に浄化してしまったのだった。
「――――すみませんでした」
「ソラさん?」
戦いが終わってまずやったのは、頭を下げることだった。
いや、ここでこれやらなかったら本当にどうしようもなくないか?
人としても、大人としても・・・・!
「貴女の決断を尊重するべきだったのに、貴女を信じ切ることが出来なかった・・・・ひどい醜態だったでしょう?」
「そんな!」
対するましろさんは、ひとしきりあたふたしてから。
「その、そりゃあ、『プリキュアやめて』とか言われてちょっとショックでしたけど・・・・」
んぐぅ・・・・!
ほんっとうにごめんなさい・・・・!
「でも、わたしもプリキュアになって、ちょっと浮かれてたところもあったし、心配されてもしょうがないなって思うところがあったので。これでおあいこってことで!」
ああああ、そしていい子・・・・!
これからプリキュアとして頼らせてもらうのはもちろんだけど、やっぱり守らなきゃいけないな。
友人と言えど、私が年上なんだから。
無理しないように気に懸けないと。
「えるー?」
「エルちゃんにも心配かけましたね、もう大丈夫ですよ」
ひっそり決意していると、エルちゃんが覗き込んで来る。
まるで『もう大丈夫?』と聞かれてる様に感じたので、肯定しながらよしよし頭を撫でると。
「えあーい!きゃっきゃっ!」
満面の笑顔を見せてくれたのだった。
ああ^~、とってもかわいいんじゃぁ~。
「帰りましょうか?ソラさん」
「はい、ヨヨさんにも謝らないと・・・・」
「きっと許してくれますよ」
慰めてくれるましろさんが、手を差し出してきたので。
握り返して、帰路に就く。
◆ ◆ ◆
「――――ん」
その日の夜。
ましろはなんとなしに目が覚めてしまった。
時計を見れば、とっくに日付が変わっている。
『変な時間に起きちゃった』と、再び床につこうとして。
ふと、ソラのことが頭を過ぎった。
(・・・・ちゃんと眠れてるかな?)
この頃、悪い夢を見ていたのだという彼女。
悩みは解決したようだったが、少し気になったましろは。
ソラの部屋を訪ねてみることにした。
(見るだけ、見るだけだから・・・・)
寝ているなら良し、魘されている様なら声をかけてみよう。
言い訳の様な文言を自分に言い聞かせながら、部屋のドアを開ける。
エルもいるので、細心の注意を払いつつ覗き込んでみると。
「んー・・・・ぅうん・・・・」
始めは寝息かと思った。
だが、耳を済ませれば唸り声だと分かる。
忍び足で枕もとに行ってみると。
薄明りの中、ソラは険しい顔をして眠り続けていた。
顔を寄せると、かすかに歯ぎしりも聞こえる。
「・・・・どうしよう?」
悩んでいる間にも、ソラの眉間には深いしわが刻まれていく。
ましろの行動は、早かった。
「ソラさん、ソラさん」
ややひったくる形になるが、ソラの手を握る。
そして、静かに名前を呼んだ。
「わたし、ここです。ここにいますよ」
夢の中の自分は死んでしまっているらしいので。
温もりを伝える様に、握った手を顔に寄せて。
努めて冷静に語り掛ける。
「大丈夫、大丈夫・・・・わたし、生きてます」
辛抱強く、根気強く。
言葉をかけ続けると。
ゆっくり、ゆっくり。
ソラの寝顔から、険しさが薄れていく。
「ん・・・・ぅ・・・・」
「ソラさん、大丈夫ですよ」
やがて、寝顔はすっかり穏やかになった。
また静かに寝息を立て始めたソラを見て、ましろも安堵の息をつく。
「よかったぁ・・・・ん?」
ふと、ソラの指先が動いて。
偶然にも、ましろのこめかみをくすぐって。
「・・・・ましろさん」
不意に笑ったと思ったら、嬉しそうに名前を呼んで来るものだから。
何だか子どもみたいに見えて、思わず笑みを零してしまった。
そこで、はたと気付く。
(・・・・手が、離れない!?)
いつの間にか、ソラの手がましろの手をしっかりつかんでいて。
簡単に離れそうにない。
(どーしよう・・・・?)
今度は別の意味で困り果ててしまったましろ。
いや、振り払えないわけではない。
しかしやったらやったで、せっかく穏やかに寝ているソラを邪魔してしまうのではと考えてしまう。
・・・・ここで、思いつくことがあった。
(添い寝、してみるとか?)
そもそもソラが悪夢に魘されていたから、こうなっているわけで。
上手く手を離せたとしても、また魘されないとも限らない。
もしそうなってしまったらと考えると、このまま離れようとするのは無責任な様な気がして。
(これは必要なこと・・・・必要なこと・・・・!)
「おじゃましまーす・・・・」
そおっと、布団をめくって体を滑り込ませる。
こんなに大胆なことをしていても、ソラは眠り続けている。
それだけ眠れてなかったのかもしれないと考えながら、ソラの背中に手を回して。
ぽんぽんと、一定の間隔で叩いてみると。
ソラの寝息が、もっと穏やかになったように思えた。
「ふあ・・・・」
すっかり落ち着いたのを見て、ましろの眠気も戻って来た。
「――――おやすみなさい」
そっと抱き寄せて、目を閉じる。
◆ ◆ ◆
「・・・・」
朝。
お布団の中。
ましろさんに抱き着いている。
なんなら胸に顔を埋めてる。
私、成人。
ましろさん、未成年。
「ふあ・・・・あ、おはようございます。ソラさん」
「アッ、ハイ。オハヨウゴザイマス」
「ごめんなさい、寝ぼけて入っちゃったみたいで・・・・よく眠れました?」
「ソレハモウグッスリ」
眠れたけど・・・・なんなら過去一眠れたけど・・・・!!
「青少年保護法・・・・迷惑防止条例・・・・傷害罪・・・・暴行罪・・・・!」
「ソラさん?」
嗚呼、なんてこと・・・・。
「おまわりさん、わたしです・・・・」
「ソラさーん!?」