ヒーローガールは異物入り   作:数多 命

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活動報告でもアナウンスしましたが、Ⅹにて再びトラブルに見舞われました為。
退会してきました。
これからは本格的にブルースカイを活動拠点にしますので。
今度ともよろしくお願い致します・・・・(平伏)


偽物、第七の試練

「――――アイッテェ!?」

 

怒鳴り声の代わりに、雷が轟く。

あえて避けることなく、直撃を受けて転がるメイテイを。

『彼女』は冷ややかに見下ろしていた。

 

「カバトンも、バッタモンダーも、ミノトンも・・・・お前も」

 

その声には、重みがあった。

その声には、恐怖があった。

 

「どこまで、私を失望させる」

「アイタタタ・・・・そんなわけないデショ、ひぃさん」

 

絶対零度の眼差しに射貫かれても、メイテイの態度は変わらない。

 

「報告見てくれてると思うけど、連中こっちの想像以上にタフなんだよ?カバさんもモンちゃんもミノさんも、二癖どころか三癖もある連中なのに、全部退けてやがる。だったらこっちも相応に準備しないとサァ!」

「それがこの体たらくと?」

「それだけの子達なんだヨォ・・・・」

 

『ヨヨヨ・・・・』と小芝居をしながらも、『彼女』へ話しかけ続けると。

返事の代わりに、雷鳴が唸る。

 

「だからッ・・・・ぁででででででッ!!ねえ!?やめて!?無言で出力あげるのやめてよひいさん!!」

「・・・・」

「ンギャーッ!!やめてやめて!!腰はやめてって!!オレそんなに若くないんだから、アッー!!」

 

体中を紫電に貫かれ、吊り上げられた魚の様にびったんびったんと藻掻くメイテイは。

ぶすぶすと焦げた臭いを発しながらも、なんとか突っ伏したまま『彼女』を見上げて。

 

「と、とにかく!あいつらどうにかする策は、ちゃぁんと考えてるからさ!あとは仕上げを御覧じてくださいな!ネッ!?」

「・・・・よかろう」

 

踵を返すと同時に、雷鳴が遠のく。

 

「今はお前の戯言に乗ってやるが・・・・次はない」

「ヘヘーッ!仰せのままに!」

 

足音が聞こえなくなるまで平伏し続けたメイテイは、『彼女』が完全にいなくなったのを確認して。

ゆっくりゆっくり、顔を上げた。

 

「――――どうやら、時が来た様です」

 

吐息と聞き間違えそうな声で、話しかけたのは。

果たして、誰か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――『ハレバレジュエル』。

スカイランドのあらゆる物流において、実に重要なアイテムだ。

特に暗闇に閉ざされる夜では、灯台のような役割を担い。

遊覧鳥達を導いてくれている。

そんな有難がられるアイテムだが、実物を誰も見た事が無い。

鎮座している浮島の周囲が激しい乱気流に包まれているため、そもそも島にすら上陸した者がいないのだ。

故に人々は、やれ『怪物がいる』だの、『神がおわすのだ』だの。

それぞれに妄想を膨らませては、畏れ慄くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなハレバレジュエルの輝きが消えてしまったのは。

ともすれば、キルミラが暴れていた頃と同じくらいの危機的状況なのである。

 

 

 

 

 

 

 

「――――だからシャララ隊長達、あんなに慌ててたんだね」

「そうなんです」

 

ツバサの説明を聞いたあげはは、納得の声を上げながら。

遊覧鳥と交渉するソラを眺めていた。

 

「尽きるはずのないハレバレジュエルの輝きが失われるなんて、前代未聞です」

「灯台がなくなるようなものだもんねぇ」

 

難しい顔をして、首を横に振る遊覧鳥に。

残念そうにしながらも、頭を下げるソラ。

・・・・これで、何羽(なんにん)目か。

ややあやふやになりつつあった。

 

「またダメでした・・・・」

「みんな結構嫌がるねぇ・・・・」

 

あの浮島の周囲は、それほど危険な空域なのだろうと。

素人ながらになんとか納得するあげは。

それはそうと、自分達の役目も大切なので。

どうにかならないものかと悩んだ時だった。

 

「――――みんな!」

 

呼びかけに振り向くと、ましろと一緒に一羽(ひとり)の遊覧鳥がやってきていた。

 

「この人が、話を聞きたいって」

「サキいいます、よろしゅう」

 

あげはの知識の中では、ツバメによく似ている遊覧鳥は。

物腰柔らかに頭を下げてくれた。

 

「なんや、ハレバレジュエルが光らんようなって難儀しとったら、浮島に行きたい言うお方がいるって聞いてなぁ」

「そうなんです、私達ジュエルの輝きを取り戻したくて」

「あそこの気流がエライことになってるんは、承知の上やよね?」

「はい」

 

歩み寄り、こっくり頷くソラに。

サキは『ふむ』、と顎に手を添えて。

 

「まあ、王様もアホに仕事を任さへんよなぁ。気流も何かアテがあるんやろ?」

「はい、彼が風を読めるんです」

「ど、どうも・・・・」

「この(ぼん)が?」

「少年すごいんですよ!こんなにちっちゃいのに、航空力学マスターなんです!」

「こうくう・・・・?」

 

頭をはてなでいっぱいにするサキの目の前で、ツバサはプニバードに変身した。

 

「向こうの世界の学問です。飛ぶ力が無くても、空を飛ぶために研究されているんですよ」

「あちらには、みなさんみたいな遊覧鳥はいないので」

「はぁー、そんなもんが」

「少年もプリキュアの一員なんですけど、変身したら空を飛べるようになるんですよ!なので、知識はもちろん、実戦経験もばっちり!!」

 

『何度も助けられました』という、ソラ達の補足を聞いて。

飛べないプニバードが風を読めるのは、本当らしいと信じてくれるサキ。

 

「受けていただけるでしょうか?」

「うん、かまへんよ。けど、あの乱気流をこの人数運ぶとなると、ちと不安やねぇ」

 

『あともう一羽(ひとり)ほしいわぁ』と、サキがぼやいた時だった。

 

「――――ネェちゃん!?やっぱりあんたやったか!」

「貴方は・・・・」

 

そこへやってきたのは、ソラ達と顔馴染みの遊覧鳥だ。

 

「あらハッつぁん」

「ああっ!サキ!」

 

どうやら、サキとも顔見知りらしい。

 

「聞いたでネェちゃん!あんたら、ハレバレジュエルんとこ行きたいらしいな!?」

「え、ええ」

 

いつもと違う剣幕に圧されながらも、ソラがこっくり頷くと。

彼の勢いがさらに増す。

 

「悪いことはいわんから、やめときや!命がいくつあっても足らん!」

「せやったら首突っ込まんと、他所いけばよろし」

「お前もやサキ!いくらオカンが病気しとるからって、無茶な仕事引き受けよってからに!」

「なぁんであんたにそんなこと言われなあかんの?」

「そっ、れはやなァ・・・・お前みたいに無茶して墜ちたヤツを、何羽(なんにん)も見とるからや!」

「た、ターイム!!」

「お二人とも、落ち着いてください」

 

と思ったら、サキと言い争いを始めてしまった。

終わりそうにない二羽(ふたり)の口論を見かねたましろが、手でサインを作りながら割り込めば。

その好機に、ソラも便乗して同じくするりと身を入れた。

 

「まず、ハツさん。ご心配はもっともですが、ハレバレジュエルの輝きが失われてしまったのは事実。国王陛下も早急な原因究明を求めておいでです」

「う、ううーん」

「とはいえ、サキさんも。これから行くのは、貴女の普段の業務よりも過酷なものになります。今一度、考えてみてください」

「・・・・マ、一理ありますなぁ」

 

二人掛かりで諫められたからか、二羽(ふたり)ともクールダウン出来た様だ。

 

「・・・・けど、気流はその(ぼん)が何とかしてくれるんやし、王様直々のお仕事なら、お駄賃も期待してエエんやろ?」

 

気を取り直して、サキが身を乗り出しながら問いかけて来る。

やや考えたらしい間はあったものの、決意は揺るがない様だ。

 

「えっと、僕も全力を尽くしますが、完全に読みきれる保証はないです」

「報酬も、私達は額を決められる立場になくて・・・・もちろん、サキさん達が助けてくれたことは、きちんと報告させてもらいますが」

「んー・・・・まあ、ここは王家の依頼を完遂して、評判上げる方がエエかな。金払いの良い依頼も来やすくなりそうやし」

「ボウズの方も、変に言い切られるよりは信頼出来るで」

「せやねぇ、エエ専門家さんは、色んな可能性を考えてはるから、滅多に断言せぇへん言うし」

 

ソラとツバサの言葉に、ふむふむ頷く二羽(ふたり)

どちらもベテランであるからか、しっかりした考察を基にしばし吟味して。

 

「・・・・うん、やっぱり受けさせてもらうわ」

「ワイも行くでぇ!ネェちゃん達はお得意様や、ここで断るんは男が廃る!」

「ありがとうございます!」

「助かります!」

「まーっしゅ!」

 

こっくり頷き、改めて依頼を受けてくれた二羽(ふたり)へ。

ソラ達は、勢いよく、あるいは元気よく礼を述べるのであった。

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

「――――今のうちに聞いておきたいんだが」

 

ハレバレジュエルまでの飛行を引き受けてくれた、ハツさんとサキさんの離陸手続きを待っていると。

隣に座っていたベリィベリーさんが話しかけて来た。

 

「ましろと何かあったのか?」

「・・・・アリ、マシタネ」

 

そのものずばりな問いかけを、上手く誤魔化す術を知らなかったので。

潔く認めると、『やっぱり』とため息をつくベリィベリーさん。

 

「いや、昨日の夜、ただ事ではない雰囲気だったから・・・・邪魔してしまっただろう」

「・・・・あまり、お気になさらず」

 

『すまなかった』と、申し訳なさそうにハの字眉毛になるベリィベリーさんへ。

私は、首を横に振る。

 

「昨夜は、私もましろさんも冷静ではありませんでしたから・・・・来てくれてよかった」

 

それはそうと、話し合わないといけないのも事実なんだけどなー!

いつまでも逃げるわけにはいかないし、どこかで時間を作らないと・・・・。

 

「・・・・出来るだけ、早いうちに話しておけよ。必要なら、私やあげはも協力する」

「・・・・ありがとうございます」

 

『手続き済んだでー』『早速行きまひょー』という、ハツさん達の声で。

立ち上がった。




ひろプリによく出て来るあの遊覧鳥さんを、ネームドにしてしまいました・・・・!(死に装束)
いや、あの・・・・職人さんとかが、『喧嘩か?』ってくらい遠慮なく言葉を交わし合うのが好きなんですけど。
そうなると名無しのままでやるのは、私の技量では難しくてですね・・・・!(辞世の句)
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