退会してきました。
これからは本格的にブルースカイを活動拠点にしますので。
今度ともよろしくお願い致します・・・・(平伏)
「――――アイッテェ!?」
怒鳴り声の代わりに、雷が轟く。
あえて避けることなく、直撃を受けて転がるメイテイを。
『彼女』は冷ややかに見下ろしていた。
「カバトンも、バッタモンダーも、ミノトンも・・・・お前も」
その声には、重みがあった。
その声には、恐怖があった。
「どこまで、私を失望させる」
「アイタタタ・・・・そんなわけないデショ、ひぃさん」
絶対零度の眼差しに射貫かれても、メイテイの態度は変わらない。
「報告見てくれてると思うけど、連中こっちの想像以上にタフなんだよ?カバさんもモンちゃんもミノさんも、二癖どころか三癖もある連中なのに、全部退けてやがる。だったらこっちも相応に準備しないとサァ!」
「それがこの体たらくと?」
「それだけの子達なんだヨォ・・・・」
『ヨヨヨ・・・・』と小芝居をしながらも、『彼女』へ話しかけ続けると。
返事の代わりに、雷鳴が唸る。
「だからッ・・・・ぁででででででッ!!ねえ!?やめて!?無言で出力あげるのやめてよひいさん!!」
「・・・・」
「ンギャーッ!!やめてやめて!!腰はやめてって!!オレそんなに若くないんだから、アッー!!」
体中を紫電に貫かれ、吊り上げられた魚の様にびったんびったんと藻掻くメイテイは。
ぶすぶすと焦げた臭いを発しながらも、なんとか突っ伏したまま『彼女』を見上げて。
「と、とにかく!あいつらどうにかする策は、ちゃぁんと考えてるからさ!あとは仕上げを御覧じてくださいな!ネッ!?」
「・・・・よかろう」
踵を返すと同時に、雷鳴が遠のく。
「今はお前の戯言に乗ってやるが・・・・次はない」
「ヘヘーッ!仰せのままに!」
足音が聞こえなくなるまで平伏し続けたメイテイは、『彼女』が完全にいなくなったのを確認して。
ゆっくりゆっくり、顔を上げた。
「――――どうやら、時が来た様です」
吐息と聞き間違えそうな声で、話しかけたのは。
果たして、誰か。
◆ ◆ ◆
――――『ハレバレジュエル』。
スカイランドのあらゆる物流において、実に重要なアイテムだ。
特に暗闇に閉ざされる夜では、灯台のような役割を担い。
遊覧鳥達を導いてくれている。
そんな有難がられるアイテムだが、実物を誰も見た事が無い。
鎮座している浮島の周囲が激しい乱気流に包まれているため、そもそも島にすら上陸した者がいないのだ。
故に人々は、やれ『怪物がいる』だの、『神がおわすのだ』だの。
それぞれに妄想を膨らませては、畏れ慄くのであった。
そんなハレバレジュエルの輝きが消えてしまったのは。
ともすれば、キルミラが暴れていた頃と同じくらいの危機的状況なのである。
「――――だからシャララ隊長達、あんなに慌ててたんだね」
「そうなんです」
ツバサの説明を聞いたあげはは、納得の声を上げながら。
遊覧鳥と交渉するソラを眺めていた。
「尽きるはずのないハレバレジュエルの輝きが失われるなんて、前代未聞です」
「灯台がなくなるようなものだもんねぇ」
難しい顔をして、首を横に振る遊覧鳥に。
残念そうにしながらも、頭を下げるソラ。
・・・・これで、
ややあやふやになりつつあった。
「またダメでした・・・・」
「みんな結構嫌がるねぇ・・・・」
あの浮島の周囲は、それほど危険な空域なのだろうと。
素人ながらになんとか納得するあげは。
それはそうと、自分達の役目も大切なので。
どうにかならないものかと悩んだ時だった。
「――――みんな!」
呼びかけに振り向くと、ましろと一緒に
「この人が、話を聞きたいって」
「サキいいます、よろしゅう」
あげはの知識の中では、ツバメによく似ている遊覧鳥は。
物腰柔らかに頭を下げてくれた。
「なんや、ハレバレジュエルが光らんようなって難儀しとったら、浮島に行きたい言うお方がいるって聞いてなぁ」
「そうなんです、私達ジュエルの輝きを取り戻したくて」
「あそこの気流がエライことになってるんは、承知の上やよね?」
「はい」
歩み寄り、こっくり頷くソラに。
サキは『ふむ』、と顎に手を添えて。
「まあ、王様もアホに仕事を任さへんよなぁ。気流も何かアテがあるんやろ?」
「はい、彼が風を読めるんです」
「ど、どうも・・・・」
「この
「少年すごいんですよ!こんなにちっちゃいのに、航空力学マスターなんです!」
「こうくう・・・・?」
頭をはてなでいっぱいにするサキの目の前で、ツバサはプニバードに変身した。
「向こうの世界の学問です。飛ぶ力が無くても、空を飛ぶために研究されているんですよ」
「あちらには、みなさんみたいな遊覧鳥はいないので」
「はぁー、そんなもんが」
「少年もプリキュアの一員なんですけど、変身したら空を飛べるようになるんですよ!なので、知識はもちろん、実戦経験もばっちり!!」
『何度も助けられました』という、ソラ達の補足を聞いて。
飛べないプニバードが風を読めるのは、本当らしいと信じてくれるサキ。
「受けていただけるでしょうか?」
「うん、かまへんよ。けど、あの乱気流をこの人数運ぶとなると、ちと不安やねぇ」
『あともう
「――――ネェちゃん!?やっぱりあんたやったか!」
「貴方は・・・・」
そこへやってきたのは、ソラ達と顔馴染みの遊覧鳥だ。
「あらハッつぁん」
「ああっ!サキ!」
どうやら、サキとも顔見知りらしい。
「聞いたでネェちゃん!あんたら、ハレバレジュエルんとこ行きたいらしいな!?」
「え、ええ」
いつもと違う剣幕に圧されながらも、ソラがこっくり頷くと。
彼の勢いがさらに増す。
「悪いことはいわんから、やめときや!命がいくつあっても足らん!」
「せやったら首突っ込まんと、他所いけばよろし」
「お前もやサキ!いくらオカンが病気しとるからって、無茶な仕事引き受けよってからに!」
「なぁんであんたにそんなこと言われなあかんの?」
「そっ、れはやなァ・・・・お前みたいに無茶して墜ちたヤツを、
「た、ターイム!!」
「お二人とも、落ち着いてください」
と思ったら、サキと言い争いを始めてしまった。
終わりそうにない
その好機に、ソラも便乗して同じくするりと身を入れた。
「まず、ハツさん。ご心配はもっともですが、ハレバレジュエルの輝きが失われてしまったのは事実。国王陛下も早急な原因究明を求めておいでです」
「う、ううーん」
「とはいえ、サキさんも。これから行くのは、貴女の普段の業務よりも過酷なものになります。今一度、考えてみてください」
「・・・・マ、一理ありますなぁ」
二人掛かりで諫められたからか、
「・・・・けど、気流はその
気を取り直して、サキが身を乗り出しながら問いかけて来る。
やや考えたらしい間はあったものの、決意は揺るがない様だ。
「えっと、僕も全力を尽くしますが、完全に読みきれる保証はないです」
「報酬も、私達は額を決められる立場になくて・・・・もちろん、サキさん達が助けてくれたことは、きちんと報告させてもらいますが」
「んー・・・・まあ、ここは王家の依頼を完遂して、評判上げる方がエエかな。金払いの良い依頼も来やすくなりそうやし」
「ボウズの方も、変に言い切られるよりは信頼出来るで」
「せやねぇ、エエ専門家さんは、色んな可能性を考えてはるから、滅多に断言せぇへん言うし」
ソラとツバサの言葉に、ふむふむ頷く
どちらもベテランであるからか、しっかりした考察を基にしばし吟味して。
「・・・・うん、やっぱり受けさせてもらうわ」
「ワイも行くでぇ!ネェちゃん達はお得意様や、ここで断るんは男が廃る!」
「ありがとうございます!」
「助かります!」
「まーっしゅ!」
こっくり頷き、改めて依頼を受けてくれた
ソラ達は、勢いよく、あるいは元気よく礼を述べるのであった。
◆ ◆ ◆
「――――今のうちに聞いておきたいんだが」
ハレバレジュエルまでの飛行を引き受けてくれた、ハツさんとサキさんの離陸手続きを待っていると。
隣に座っていたベリィベリーさんが話しかけて来た。
「ましろと何かあったのか?」
「・・・・アリ、マシタネ」
そのものずばりな問いかけを、上手く誤魔化す術を知らなかったので。
潔く認めると、『やっぱり』とため息をつくベリィベリーさん。
「いや、昨日の夜、ただ事ではない雰囲気だったから・・・・邪魔してしまっただろう」
「・・・・あまり、お気になさらず」
『すまなかった』と、申し訳なさそうにハの字眉毛になるベリィベリーさんへ。
私は、首を横に振る。
「昨夜は、私もましろさんも冷静ではありませんでしたから・・・・来てくれてよかった」
それはそうと、話し合わないといけないのも事実なんだけどなー!
いつまでも逃げるわけにはいかないし、どこかで時間を作らないと・・・・。
「・・・・出来るだけ、早いうちに話しておけよ。必要なら、私やあげはも協力する」
「・・・・ありがとうございます」
『手続き済んだでー』『早速行きまひょー』という、ハツさん達の声で。
立ち上がった。
ひろプリによく出て来るあの遊覧鳥さんを、ネームドにしてしまいました・・・・!(死に装束)
いや、あの・・・・職人さんとかが、『喧嘩か?』ってくらい遠慮なく言葉を交わし合うのが好きなんですけど。
そうなると名無しのままでやるのは、私の技量では難しくてですね・・・・!(辞世の句)