ヒーローガールは異物入り   作:数多 命

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すみません、すみません!!(命乞い)
先輩とのコラボじゃなくてすみません!!(死に装束)
『100万ドルの五稜星』と、『隻眼の残像』が無茶苦茶面白かったんです!!(辞世の句)
どっちも3~4回リピートしたんです!!(貼り付け)


10話前後でサクっと終わらせるので、ご容赦ください・・・・!(火炙り)


水面の底の空の夢《ブルースカイ》
偽物、魂のSOS


「――――ついたー!!」

「俺いっちばーん!!」

「あ、元太君ずるーい!」

 

賑やかな声を上げながら、駅を飛び出していく子ども達。

 

「走らないで!危ないわよ!」

「はぐれても知らねーぞ!」

 

そんな彼らを追いかけて、自分と相棒も駅を出る。

 

「くぉら!!ガキどもッ!!走り回るんじゃないぞ!!」

「あんまり遠くに行かないでね!」

「霧がやばいらしいから、迷子になったらおしまいよー」

「分かってるー!」

 

一度足を止め、付き添いの人々にも手を振って。

今度こそ駅舎を出た。

 

「うお、ホントにすげぇ霧だな」

「ええ、私もこんなに濃いのは初めて」

 

外を見れば、文字通り一面が真っ白。

まるで、途方もなく巨大な緞帳が降ろされた様だった。

 

「うおっ、すげぇ霧だ」

「ほんとだ、何にも見えない」

「シャトルバスは、来れるのかのう」

 

やがて追いついてきた付き添い達も、同じように濃霧に慄いている。

 

「ここが『晴谷湖(はれやこ)』村、か」

 

霧の中、うごめく何かを見定めようと。

少年、『江戸川コナン』は。

その瞳を静かに細めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――俺は高校生探偵の『工藤新一』!

幼馴染で同級生の『毛利蘭』と、遊園地に出かけた帰り。

黒ずくめの男の、怪しい取引を目撃する。

取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から来るもう一人に気が付かなかった。

頭を殴られ気絶してしまった俺に、男は毒薬を飲ませ。

目が覚めると――――

 

――――体が縮んでしまっていた!

 

奴らに工藤新一が生きているとバレたら、再び命を狙われるだけでなく。

周りの人間にも危害が及ぶ。

そこで俺は、近所に住む『阿笠博士』のアドバイスで正体を隠すことになり。

名前も『江戸川コナン』と偽った。

そして、奴らの情報をつかむために、父親が探偵事務所をやっている蘭の家に転がり込んだんだ。

 

阿笠博士以外にも、俺の秘密を知る者が二人いる。

 

一人は『灰原哀』。

本名は『宮野志保』といい、黒ずくめの組織では『シェリー』を名乗っていた研究者。

俺を縮めた毒薬の開発者でもある。

彼女は組織に姉を殺されたことで反抗。

脱出する際、同じ毒薬を口にして、体が縮んでしまった。

今は博士の家に居候し、毒薬の解析をしてくれている。

 

もう一人は『服部平次』。

大阪に住む、俺と同じ高校生探偵だ。

その推理力は、かつては『西の服部、東の工藤』と並び称されていたほど。

本人曰く、『剣道の腕前は大阪府警本部長の父譲りで、度胸は母譲り』らしい。

 

 

 

 

――――今回は何やら不思議な遭遇がありそうだが・・・・。

 

 

 

「――――はっくしゅん!!」

「ソラさん、風邪ですか?」

「でしょうか・・・・ちゃんと着込んでいるんですが・・・・」

 

 

 

何が相手だって、探偵は諦めない!

 

 

 

小さくなっても頭脳は同じッ!迷宮無しの名探偵ッ!

その名はッ!!

 

 

――――名探偵コナン!!

 

 

真実は、いつも一つッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回はお招きありがとう、園子」

「俺からも、ありがとうな。園子ちゃん」

「ありがとうございます!園子お姉さん!」

 

コナンの居候先の親子である『毛利小五郎』と『毛利蘭』が。

新一のもう一人の幼馴染、『鈴木園子』に礼を言えば。

コナンの友人である『小嶋元太』『円谷光彦』『吉田歩美』の三人。

通称『少年探偵団』(コナンと哀もメンバーである)が、蘭に倣って口々にお礼を述べる。

 

「いいってことよ、こないだのお詫びもあるから」

 

――――世界的財閥の令嬢である園子は。

半月ほど前、自身の父が母ではない女性と二人きりでいるのを見かけた。

自宅にてそのことを聞いてみると、明らかに挙動不審となった父を目の当たりにする。

元々そそっかしいところがあった園子は、『すわ、浮気か』と疑いを抱いてしまい。

結果として、コナン達少年探偵団を巻き込んだ騒動に発展してしまった。

真相は、『誕生日が近付いている妻へのプレゼントを選んでいただけ』というものであり。

挙動不審だったのも、サプライズとして計画していたため。

さらに、『一緒に行動していた女性』こと、大手文具メーカーの代表取締役も。

園子が抱いた誤解を招かないようにと、事前に『こういう理由でしばらく旦那様と行動する』と母に連絡していた。

結局は、園子一人の早とちりだったのである。

 

「それに、オープンしたてのリゾートホテル『ベルツリーリゾート・ハレヤ』の感想も欲しいからね。ばっちりレビューお願ーい!」

「はぁい」

 

商売人らしい抜け目のなさに、勝手知ったる蘭は微笑ましげに返事をした。

 

 

 

 

閑話休題。

 

 

 

 

「7番乗り場、7番乗り場・・・・向こうかな?」

「道に沿って行けばいいみたいですね!」

 

件のリゾートホテルまでは、シャトルバスでの移動になるが。

周囲は依然濃霧。

来るかどうかも分からないが、他に当てもない。

とにかく、バスの停留所まで行ってみることにした。

山に囲まれた田舎の駅だが、長野を始めとした複数の目的地への中継点になっている様だ。

足元の案内は、霧で視界が遮られがちな土地柄なりの工夫だろう。

 

「あははっ!今度は歩美がいちばーん!」

「あ、待ってくださいよー!」

「だぁから走んなっつってんだろーが!」

「はぁーい!」

 

歩美を先頭に、スキップで走っていく子ども達。

視界は不明瞭だというのに、やや無防備な彼らへ。

小五郎が苦言を口にした。

次の瞬間、返事の為によそ見した歩美の前に。

人影。

 

「あ」

「あっ!?」

「え?」

 

気付いた時には、もう遅く。

 

「きゃ!!」

 

どん、と。

ぶつかってしまった。

文字通り跳ね飛ばされた歩美は、あわや尻もちをついてしまいそうになって。

 

「っと・・・・」

「わっと」

 

ぶつかってしまった人物――首元までの髪を、一つ結びにした女性――は。

流れる様な動きで、歩美を抱き留めた。

 

「勝手に触ってすみません、大丈夫でしたか?」

 

支えるためとはいえ、許しなく触ってしまったことを謝りながら。

倒れかけた歩美を支えてくれる。

 

「ぁ・・・・えっと・・・・」

 

一方、歩美は息を詰まらせてしまった。

いつもならきちんと『ごめんなさい』を言える彼女だが。

対面した女性の顔に、気圧されているようだった。

 

「す、すみません!!うちの連れが!!」

「いいえ、こちらこそ」

 

『怪我がないといいんですが』と、申し訳なさそうに微笑んだ顔には。

満月の様な左目と、それを分断するような古傷が刻まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

助けて助けておじいさん!!(やまごやいっけん)

商店街の福引が当たって、『わぁい、リゾート☆』とみんなで来たのはいいものの。

 

 

世界一有名な死神御一行に遭遇しちゃったの!!!!(むせび泣き)

 

 

世界観も放送局も制作会社も、何もかもが違い過ぎるんヨォッ!!(発狂)

こんなん卑怯やん!!ズルじゃん!!

オールスターズ時空じゃなかったんか!!

せめてまた先輩キュアが出てきてくれよ!!

まだデリシャスチームとヒーリングチームにしかお会い出来てないんやぞ!!

・・・・ッハ!(アイデアロール)

もしかして、私が知らないだけで。

私達のチームって、何処かしらのアニバーサリー作品なのでは?*1

私の記憶は『十五周年を過ぎたらしい』、というところで止まっているし、少なくとも『ひろがるスカイ!プリキュア』だなんて聞いた事が無い。

プリキュアというシリーズが、二十年以上も続いたのなら。*2

他の有名作品とコラボしてもおかしくないかもしれない。*3

つまり、制作スタジオや放送局の垣根を越えてのコラボだって微レ存(なきにしもあらず)・・・・!*4

だって、ほら!!ちび〇子ちゃんとド〇ゴン〇ールだってコラボしたことあるんだもん!*5

年始の特番で、〇子と悟〇さが、一緒におこた入ってたもん!!*6

でも、だからって・・・・!

こんなのあんまりだ!!

あんまりにもあんまりだよオォーッ!!(雷の呼吸による汚い高音)

 

「へぇー、お姉さん達もおんなじホテルに行くんだ!」

「うん!この頃出来たところなんだってね」

「そうなの!お風呂もいっぱいあるんだって!」

「うな重もあるってさ!」

「楽しみだねぇ」

「ねー!」

 

行き先が一緒ということもあって、そのまま同じバス停で待つことになってしまった。

子どもの扱いに慣れているあげはさんは、速攻で仲良くなっている。

 

「いやはや、まさかこんなところでお会いできるとは」

「ええ、不思議なものですねぇ」

 

さらに、ヨヨさんと阿笠博士も知り合いだった。

なんでも、サイエンス同好会の発表会で会ったことがあるらしい。

所属は違えど、同じ知識人として仲良くなったんだとか。

 

「それにしても来ませんね、バス」

「これだけの霧だし、動いてるかどうかも怪しいぜ」

「あ、それならさっきホテルに問い合わせましたよ。今、ゆっくりだけど、来てくれているらしいです」

「おお、そりゃありがてぇ」

 

光彦君、毛利探偵の疑問とぼやきに、ツバサ君が答えてる。

・・・・こんな濃霧の中で、シャトルバスの運行はさすがに危なさそうだけども。

ホテルからここまでがほぼ一本道なのと、今日チェックインのお客が私達だけということもあって。

今、なんとか動かしてくれているそうだ。

心配であると同時に、本当にありがたいことだ。

この辺霧が出やすいって聞いたから、あげはさんのピヨちゃんはお留守番にしちゃったもんね・・・・。

ここから宿まで結構あるし、正直助かる・・・・。

 

「晴れたら、結構いい景色みたいよ。日本の絶景100選にも選ばれてるって」

「わぁ!楽しみですね!」

 

・・・・それは、そうと。

 

「ここって、ネッシーのウワサがあるんだろ!?俺、見たい!」

「歩美もー!お友達になって、背中に乗せてもらうの!」

「えるも!えるも!」

「うん!エルちゃんも一緒だよ!」

「晴谷湖にいるのはネッシーじゃなくて、『ハッシー』ですよ!」

 

・・・・誰か。

誰か褒めて、頭を撫でて!!

この動揺をがっつり隠しきって!!表に出してない私を!!

誰か褒めて!!

褒めろォッ!!

 

「あ、ちょっと晴れて来たんじゃない?」

「ほんとだ、お日様の光がちょっと見えて来た」

 

・・・・げふん。

一行を連れて来た園子さんと、お誘いを受けた蘭さんの声に顔を上げると。

確かに、日光に照らされた山の影が浮かび上がっている。

 

「こりゃあ、出発する頃には晴れるかもしれんなぁ」

「ほんとか!?博士!」

「ハッシー見えるかな!?」

「見えたらいいのう」

 

博士と子ども達のやり取りでSAN値を回復していると。

 

(――――うん?)

 

――――霧の向こうで。

何かが動いた様な気がした。

次の、瞬間。

耳をつんざく轟音と、金属を引きずる様な甲高い音。

 

「な、なんだ!?」

 

私達もコナン一行も動揺する中。

答えを示す様に現れたのは。

片方のタイヤをひしゃげさせ、火花を散らしながら迫ってくる大型車。

 

「う、うわーっ!!」

「逃げろッ!!」

「おめーら走れ!」

 

一気にパニックになったものの、みんなの行動は速かった。

私達はともかくとして、あっちも毎週事件に巻き込まれてるだけあるな・・・・!

 

「っあ・・・・!」

「哀ちゃん!!」

 

なんて言ってる場合じゃないか!

お約束か偶然か。

哀ちゃんが足をもつれさせて転んでしまう。

 

「待て歩美!」

「でもッ!・・・・あ!?」

 

駆け寄ろうとした歩美ちゃんを、コナン君が引き止める横を駆け抜けて。

哀ちゃんを確保。

 

「掴まって!」

「・・・・ッ!」

 

思いっきり、横に飛ぶ。

 

「ソラさん!」

「哀ちゃん!」

 

轟音を上げて、待合所のベンチに突っ込んだ大型車を挟んだ場所に。

なんとか着地した。

 

「お怪我は?」

「ないわ・・・・ありがと」

「何よりです・・・・ッこっちは無事です!哀ちゃんも怪我はありません!」

 

哀ちゃんの安否を確認してから、向こう側にいる人達へ無事を伝えると。

安堵している様子が、手に取る様に分かった。

 

(それにしても・・・・)

 

改めて、突っ込んできた大型車を見る。

車体にはホテルのロゴ、乗る予定だった物に違いないだろう。

運転席には、苦しそうに突っ伏している運転手さんが。

今まさに、毛利探偵によって運び出されるところだった。

向こうにはあげはさんもベリィベリーさんもいるので、すぐに応急手当が施されるだろう。

 

「・・・・」

 

そちらは任せて良さそうだったので、私は送迎バス・・・・ではなく。

未だに視界を遮る霧の方へ目をやる。

 

「そっちに何かあるの?」

「・・・・いえ、まだ確証を持てなくて」

「そう・・・・」

 

下手に誤魔化しても見透かされてしまいそうなので、素直に伝えてから。

さっき見えたものを思い出す。

――――バスじゃなかった。

もっと大きくて・・・・そう、塔か何かみたいに縦長かった。

 

『晴谷湖には、ネッシーじゃなくて――――』

 

・・・・一瞬しか見えなかったけれど、間違いないと思う。

覚えている限りの地図では、去っていった方向は。

 

「晴谷湖のハッシー・・・・か・・・・」

*1
当たってる。

*2
続いてる。

*3
それはそう。

*4
違う。

*5
これは本当。

*6
ある意味衝撃映像である。




怪我の療養でしばらく寝ていたのと、無事に七試練を終わらせたので。
髪がちょっとだけ伸びたソラ(偽)さん。
地の文の彼女は、『鬼滅』の善逸をイメージするとより楽しんでもらえると思います。
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