ヒーローガールは異物入り   作:数多 命

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もう来年のプリキュアのタイトルが発表される時期になってしまった・・・・。
『名探偵プリキュア』・・・・敵は何がモチーフなんだろうか?


偽物、聖地へ

――――あれから二週間。

すっかり傷が癒えたソラは、ヨヨに付き添って再び永逢神社を訪れていた。

つい先日に意識を取り戻した、頼人の両親に依頼され。

ましろを伴って聖地の秘密を教えることになったのだ。

ソラは根志来組の残党に備え、引き続き護衛として。

ましろについては、なんでも出生に関わることらしいとのことで同行することになった。

他のメンバーは、船の定員もあって留守番である。

結構な大人数になるのもそうだが、何より桟橋ごと船が吹っ飛ばされたのも大きな要因だ。

 

「――――そんなに大事なことなのに、俺もご一緒していいんでしょうか?」

「ええ、頼紘君からも『是非』って」

 

砂浜に保管されていたお陰で、難を逃れた一艘の上で。

どこか困惑している聖に、ヨヨは頷きながら微笑んだ。

 

「ソラさん、船漕げるんですね」

「ええ、故郷でよくやっていたので」

「へぇー」

 

頼人とましろもまた、船を漕ぐソラと会話。

ほどなく島に着岸。

ソラと聖が協力して、流されないように浜辺に船を曳き上げて。

以前は急いだ小山の道を、今度はゆっくり歩いていく一行。

そして、入口である社に辿り着いた。

 

「さて、ここからは仕掛けを解いていくんでしたか」

「ええ」

 

入口の『狛龍』に、一つ目の部屋のスイッチ。

もはや復習とばかりに、てきぱきと仕掛けを解いていくましろと頼人。

 

「手際がいいな」

「一回来たからなぁ・・・・」

「ちょっと複雑だけどね」

 

そんな二人に聖が感心していると。

頼人とましろは揃って、得意げでありながら、どこか複雑そうな笑みを浮かべていた。

 

「――――でも」

 

そうしてやってきたのは、最後の部屋。

ヨヨが機転を利かせて、鬼塚達に反撃した場所だ。

固く閉ざされた扉を開くには、鍵が必要なのだが。

今回ヨヨは、それを持ってこないように指示していた。

 

「本当に持ってこなくてよかったんですか?」

「もちろん」

 

頼人の疑問に、ヨヨは笑顔で頷く。

 

「言ったでしょう?今日は全部話すって」

 

『あなたのルーツにも関わることよ』と言われて、頼人の口元がきゅっと締められる。

 

「では、今日は『スペアキー』を持ってきているんですか?」

「ああ、実は・・・・」

 

聖の問いに、一度答えかけたヨヨだったが。

一度口を閉ざしてから、にっこり笑顔になって。

 

「いえ、見てもらった方が速いわね」

 

まるで、いたずらを思いついたとばかりの表情で、ソラに振り向いた。

 

「ソラさん、お願いしてもいい?」

「・・・・いいんですか?」

「言ったでしょう?全部話すって」

 

ここで託されるのが予想外だったのか、目を見開くソラ。

問いかけに対し、ヨヨはシンプルに頷く。

 

「・・・・分かりました」

 

本当に全部話すのだと悟り、観念したソラは。

改めて扉に目を向けて、口を開いた。

 

「――――扉に向かって右の背後の壁を倒せ、現れし石柱に鍵をはめ込み、聖地へ至るべし」

「・・・・えっ!?」

 

突然諳んじられた厳かな文言に、頼人がぎょっと跳ね上がる。

無理もない。

ヨヨしか知らないはずであろう開錠方法を、言い方は悪いが部外者であるはずの彼女が口にしたのだから。

 

「ソラさん・・・・!?」

「なんっ・・・・知っ・・・・!?」

「・・・・実は、ヨヨさんと同じ出身でして。扉に故郷の文字が書かれているんです」

「あの但し書きにある『資格』というのは、その文字を読めることなのよ」

「そ、そうなんすか・・・・」

 

ソラはどこか観念したように肩をすくめる横から、ヨヨが補足を入れるも。

驚きっぱなしの頼人と聖は、返事するだけでいっぱいいっぱいだ。

 

「・・・・鍵が無い場合、扉を背にして右側の壁を倒せ。血を証として道を開くが良い」

「背にして右・・・・こっちだね」

 

読み上げられた指示に従い、ましろが壁を探ると、反対側と同じようなとっかかりを発見。

指を駆けて引き倒せば、扉の両側から筒形の石柱がせり出してきた。

 

「さて、ここは・・・・ましろさんと頼人君にやってもらおうかしら」

 

現れた仕掛けに、思い思いに上がっていた感嘆の声は。

ヨヨの提案で困惑に変わる。

復帰が速かったのは、ましろだった。

 

「『血を証として』って、何をすればいいの?」

「手を入れるだけでいいわよ、傷はつけなくて大丈夫」

 

孫娘なだけあって、慣れているらしい。

先に歩き出した彼女に遅れる事一拍、頼人も同じように石柱に駆け寄ると。

互いを見合って、同じタイミングで手を突っ込んだ。

肘まで入れながら、一番奥に手のひらを付ければ。

かちん、と何かが外れる音。

 

「あ・・・・!」

「ほんとに開いた・・・・!」

「私とライゼン、それから美智代ちゃんの血にしか反応しないの」

「えっ」

 

扉が、重々しく石を引きずって開いていく中。

ヨヨの解説に目を見開いたのは聖だ。

 

「・・・・ヨヨさんが、この仕掛けを作ったのは、50年前ですよね?」

「そうねぇ」

「そんな昔に、触れるだけで遺伝子を読み取る技術が・・・・?」

 

曲がりなりにも、医療分野を学んだからこその疑問。

 

「私にはあったのよ」

 

対するヨヨは、聖の知識を微笑まし気に感心しながら。

『先に行きましょう』と促した。

いよいよ開いた扉を潜れば、やや急な石の階段が下へ下へ続いている。

手すりらしき出っ張りに掴まりながら、慎重に下っていくことしばし。

 

「――――わあ!」

 

一行はついに、広い空間に出た。

規模は大き目の体育館くらいだろうか。

岩屋とも言うべき天然ドームの天辺には、ぽっかりと穴が開いているが。

地上で生い茂った木が枝葉を広げているお陰で、光源を確保し、外からは見られない。

何より目を引いたのは、空間の中央。

ヨヨが言った通りの大きな池と、手前の鳥居。

そして、

 

「・・・・何か、沈んでいる?」

「何だこれ・・・・骨?」

 

――――水底に沈んだ、蛇らしき生き物の骨。

しかし、大きさが普通ではない。

頭だけでも、軽自動車ほどに見える。

もしかしたら、現実にもこれほどの大きさになる種類はいるかもしれないが。

頭から伸びる六本角が、それを静かに否定していた。

 

「これって、一体・・・・?」

 

ましろと共に、落ちない程度に身を乗り出して。

水中を覗き込んでいた頼人が。

揃って水辺から離れながら、ヨヨに問いかけると。

 

「――――改めて、名乗りましょうか」

 

彼女は微笑みを湛えて、背筋を正す。

 

「私の名前は、虹ヶ丘ヨヨ、旧名は『ヨヨ・アキエス』」

 

「貴方のおじいさん、『ライゼン・ドーバーハ』と共に、スカイランドという異世界からやってきたの」

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

「えっ、な・・・・へっ!?」

 

本当に全てを話すことにしたんだなと思う横で、びっくりした頼人君が慄いている。

 

「分かる、分かる・・・・」

「ましろさんは知っていたのかい?」

「ええ、まあ・・・・なんなら、わたしとあげはちゃん以外、みんな向こうの人ですし」

「エッ!?」

 

福城さんにこっくり頷いたましろさんにも、頼人君はびっくり。

私とヨヨさんの間を、彼の目線が何度も往復していた。

 

「い、異世界って・・・・!?」

 

やっぱり呑み込めないらしい頼人君。

言葉にこそ出ないものの、本当かよと言わんばかりの視線を私に向けて来ていた。

 

「これでどうでしょう?」

「・・・・マジかよ」

 

ので、ミラージュペンを手にして、バーストカリバーを取り出せば。

嘘ではないことは信じてもらえた様だった。

 

「・・・・だったら、何故。異世界からわざわざこちらに来たんですか?」

 

一段落したところで、疑問を口にした福城さん。

その声の感じは、『ようやっと』という印象を受けた。

 

「そうねぇ」

 

対するヨヨさんは、しばし思案してから。

 

「・・・・もう、50年以上前になるかしら。始まりは、スカイランドを記録的な大嵐が襲ったことだったの」

 

とつとつ、話し出してくれた。

――――『ノーエストタイフーン』。

今から55、6年ほど前に発生した、超大型の嵐だったか。

人的・物的被害はもちろんのこと、豪雨と暴風に破壊され、空に散った島々も数知れず。

今でも激甚災害として語り継がれている、歴史的大事件である。

 

「結構有名な災害なんですか?」

「ええ、特に北と西が甚大な被害だったと聞いています。今も災害遺構がいくつか残っていたかと」

「伊勢湾台風みたいなものか・・・・?」

 

一方、王都にいたので被害を免れていた、若き日のヨヨさんとライゼンさんは。

『ネフキ』という西の地方都市からのSOSを受け取っていた。

 

「そこには『カスミオロチ』という生き物が信仰されていたのだけど、その方が行方知れずになったというの」

 

『カスミオロチ』。

ネフキ周辺固有の、巨大な蛇型の生き物だ。

首周りの襟の管から水を噴射して、素早く泳げる他。

名前にもある通り、霧を吹き出して隠れることが出来る。

目の前の池に沈んでいるのも、恐らく同種だろう。

 

「私達が調べた結果、その頃見つけたばかりのこの世界に来た可能性が高いことが分かったわ」

 

ネフキにおけるカスミオロチは『おぼろ様』と呼ばれて、しろがね様と同じく大切にされている生き物。

嵐の日に、住処の池ごと空に放り出されてしまったのを連れ戻す為。

ヨヨさんとライゼンさんは、こちら側に来ることになったのだそうだ。

 

「この世界に来て最初に出会ったのが、美智代ちゃんだったわ」

 

『ましろさんとソラさんと同じね』と、ヨヨさんは微笑む。

始めこそ、空から降って来たお二人にびっくりしていた美智代さんだけど。

神職という、普段から不思議に触れやすい職業であったためか。

割と簡単に受け入れてくれたらしい。

 

「私達が来た頃には、すでに『晴谷の竜神様』として大騒ぎになっていたの。マナーの悪い観光客もいて、美智代ちゃんもとっても困っていると教えてくれたわ」

 

こうして、騒ぎを早く解決したい美智代さんと、おぼろ様をスカイランドに戻したいヨヨさん達は協力することになったのだそう。

幸いにも、私達が今いる聖地を隠れ場所にしていたおぼろ様とも早くに接触出来たヨヨさん達は。

ここと永逢神社を拠点に、向こうへ渡るための研究を始めたそうだ。

異世界という、スカイランドとはまるで違う環境ながらも。

設置されている鳥居を素体にすることを始め、柔軟な発想で様々な課題をクリアしていったお二人。

そうして、なんとかおぼろ様を元の世界に戻す手立てを確立していったのだけど・・・・。

 

「――――いよいよ、というところで、問題が発覚してしまったの」

 

一つは単純な技術不足。

もう一つはおぼろ様の年齢だった。

当時のミラーパッドで作ったトンネルは、通過する際の負担が今よりも大きかったそうだ。

曰く、『乗り物酔いの状態で、フルマラソンを完走させられる様な疲労感』。

若かったヨヨさんとライゼンさんでもそうだったのだ。

大分年を取っていた、おぼろ様が通ろうものなら。

最悪、死んでしまうことも分かったらしい。

 

「そんな・・・・」

「なんとも・・・・出来なかったんですか・・・・?」

 

・・・・すぐ横に、答えがあるにも関わらず。

そう問いかけてしまうのは。

頼人君が、思いやりのある子であるという、何よりの証明で。

だからこそ、ヨヨさんはゆっくり首を横に振った。

 

「時間をかければ、出来ないことはなかったの・・・・けれど、あの子の寿命はそれよりも早かった」

 

諦めたくなくて、どうにか出来ないかと藻掻いて。

なんとか試行錯誤を繰り返したお二人だけども。

やっぱり技術面が追いつかないのが大きな要因となって。

断念せざるを得なかったそうだ。

・・・・それが、どれほど苦渋の決断だったかなんて。

語るまでもないだろう。

 

「だから・・・・せめて、ここで看取ろうとしたの・・・・結局、帰すことが出来なくなってしまったから・・・・」

 

ネフキの町には、角の一部と数枚の鱗を、事情を説明して謝罪した手紙とともに贈ったそうだ。

幸いにも、ヨヨさん達の誠意が伝わったらしく。

尽力してくれたお二人へ感謝する、丁寧なお返事が来たらしい。

 

「ここで眠る『彼女』は、最後まで私達を責めることはなかった・・・・けれども、故郷をずっと恋しがっていた・・・・」

 

言いながら、木漏れ日が揺れるドームの天井を見つめるヨヨさん。

・・・・かつてのおぼろ様も、同じ様に見上げていたのかな。

 

「それから、おばあちゃん達は・・・・?」

「その頃には、ライゼンと美智代ちゃんは、お互いがすっかり大好きになっていたのもあって、ここで眠るおぼろ様を見守ることに・・・・私は、同じ悲劇を繰り返さない為に、もっとたくさんの知識を求めることにしたわ」

「それで、ソラシド市にいらしたんですね」

 

私に頷いたヨヨさんは、『あなた達には、ホテルで少しお話したわね』と微笑んだ。

 

「・・・・これが、ここの始まり。そして、あなた達の始まりでもある」

 

話はこれで一通りなのだろう。

ほう、とため息が出ると同時に。

いつの間にか張りつめていた空気が、軽くなったのを感じた。

 

「・・・・その」

 

誰もが、内容を呑み込むべく黙り込んだ中。

最初に口を開いたのは、福城さんだった。

 

「本当に、俺が聞いてもよかったのでしょうか?」

「ええ、もちろん」

 

その顔は、まさに『困惑してます』と言わんばかり。

見つめてくる福城さんに、ヨヨさんはにっこり笑って即答。

 

「あの後、あなたのことは調べさせてもらったわ・・・・その上で、大丈夫と判断したの」

「――――」

 

・・・・私は、『福城さんが犯罪に関わっていたらしい』ということくらいしか把握していないんだけども。

ヨヨさんは、どうやら大体の事情を把握している様だ。

 

「・・・・どうして?」

「人は、生き物は、いつか死ぬ・・・・分かっていたつもりでも、きちんと理解出来ていなかったというのを、今回痛感したわ」

 

言いながら、ましろさんを抱き寄せるヨヨさん。

 

「ライゼンや美智代ちゃんのみならず、息子の頼紘君や愛理紗さんまで危ないところだった・・・・もちろん、頼人君と、あなたも」

 

寂しそうに目を細めるヨヨさんへ、ましろさんが気づかわし気に笑いかける。

 

「ここを守り伝える人が、いなくなってしまうところだったわ」

 

・・・・独り眠るおぼろ様を、危うく孤独にしてしまうところだったということか。

彼の御方を、故郷に戻せなかった後悔は。

今も、ヨヨさんの心に残っているんだろう。

言葉にされなくたって、手に取る様に分かる。

 

「――――福城聖さん」

 

仕切り直しとばかりに背筋を正したヨヨさんに対し、私達も同じく姿勢を正してしまう。

もちろん、名前を呼ばれた福城さんも。

 

「斧江圭三郎が遺した遺産に関わったあなただからこそ、信頼できるのよ・・・・一度間違えたあなたなら、今度は正しく伝えて、守ってくれると」

「・・・・ッ」

 

『この子と一緒にね』と、頼人君の肩を叩いたヨヨさんに言われて、一瞬目を見開いた福城さんは。

何かを噛み締めるように俯くと、くすっと笑って。

 

「・・・・なんて暴論を展開するんですか」

「だって私、異世界人だもの。こちらの常識なんて、軽々飛び越えちゃうわよ」

 

ヨヨさんも同じように笑い声を上げていた。

 

「・・・・また、後悔するかもしれませんよ」

「その時は、その時よ」

 

念を入れるように問いかける福城さんだけども、ヨヨさんの気持ちは変わらないみたいだ。

そんな彼女の様子を、しばし見つめていた福城さんは。

やがて、『参りました』とばかりに、ため息をついたのだった。

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

(『因果なもの』って、こういうことを言うんだろうか)

 

――――目の前の池に、手を合わせる。

考えるのは、水底で眠る死者の冥福と。

新たに託された使命のこと。

かつて、言い伝えられた『暴力』を滅ぼさんが為に、犯罪に染まってしまったこの身を。

『だからこそ』と信頼してくれたヨヨ。

皮肉なものだと、内心苦笑いをしながら。

閉じていた目を開いて、改めて池を見つめる。

天井から吹き込んできた風に、水面が揺れていて。

聞こえて来るさざ波の音は、故郷の函館を思わせた。

 

「――――聖兄ちゃん」

 

哀愁に浸り始めていたところへ、頼人が歩み寄ってくる。

 

「その・・・・まだまだ、飲み込むのにいっぱいだけど」

 

並んで池を見つめ始めた彼は、とつとつ内心を零していく。

教えてもらった情報だけでいっぱいいっぱいなのは、聖と同じ様だが。

しかし、しっかりと目の前を見据えて。

 

「でも、ちゃんと伝えたい・・・・ここで生きていた命があったんだって」

 

だから、と。

強い眼差しに、見上げられて。

 

「出来たら、で、いいから・・・・兄ちゃんも一緒にやってくれると、頼もしい・・・・!」

 

それっきり、口を結んで黙りこくった頼人。

・・・・引き取られて、数か月。

すっかり弟の様に思えてきている、従弟の願いを。

 

「・・・・前科者でよければ、こき使ってくれ」

「わ・・・・!ッ、ありがとう!!」

 

無下にするには、仲良くなり過ぎていた。




ヨヨさんの旧姓は、拙作オリジナルです。
ライゼンさん共々、大学の名前が元ネタ(『ドーバーハ』→『ハーバード』、『アキエス(akies)』→『精華(seika)』)。


おまけ

『カスミオロチ』
スカイランドに生息する巨大な蛇型の生き物。
一見六本角に見えるが、実際は二本。
残りの突起は、水を吹き出す管。
霧を吹き出して、身を隠すことも出来る。

『おぼろ様』
『ネフキ』という町で信仰されていた、老齢のカスミオロチ(♀)。
56年以上前、大嵐で住処の池ごと大空に放り出されて。
異世界の晴谷湖村に流れされてしまった。
若き日のヨヨとライゼンにより、元の場所へ戻す試みが為されたが。
技術不足と本人(?)の老齢により、断念せざるを得なかった。
今は永逢神社の聖地、雲ヶ島内の洞窟池で、静かに眠っている。

『ネフキ』
スカイランド西部郊外の町。
社近くの池に住み着いたカスミオロチを、『おぼろ様』と呼び敬ってきた歴史を持つ。
56年前の超大型嵐に池諸共おぼろ様を失った際は、深い悲しみに包まれたそう。
晴谷湖村から贈られてきた角と鱗は、今も大事にされている。
ネーミングは、『貴船』をひっくり返して『ネフキ』。
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