名探偵プリキュアが・・・・名探偵プリキュアが、想像以上に面白いんです・・・・!!!
トップオブリリィが脳を焼いてくるんです!!!
「――――ワッハッハッハッ!!」
ごっしゃん、と。
木製のジョッキを突き合わせる音が響く。
それからおいしそうにお酒を呑みほして、ぶはーっと息を吐き出していた。
――――私達は今、エルフの村で歓待を受けている。
タイボクさんと共に駆けつけて、村の危機を救ったのはもちろんだけど。
手にしてしまったブラックオニキスが、ちゃんと力が安定していると。
見てもらったリコ先生やタイボクさん等の、専門家の皆さんにお墨付きをもらうことが出来た結果。
なんとエルフの皆さん、こちらを非難するどころか大喜び。
なんやかんや、永い間悩みの種であったこともあって。
それから解放されると分かるや否や、どっと大盛り上がりしてしまったのだ。
加えて、魔法学校へ避難していた皆さんも、スパンダさんやガメッツさんの様な闇の住人の他。
人魚やペガサスなどなど、様々な種族が同じ学び舎に通っている様子を見て。
外の世界の進歩ぶりに思うところがあったらしく。
因縁からの解放と、これからの未来の多幸を願って。
村を上げての大宴会となったのである。
・・・・それにしても。
「朝比奈みらい!いっきまーす!!」
「姉ちゃんいいぞーっ!!」
「飲め飲めー!!」
・・・・みらいさんは、楽しそうにジョッキを煽り。
「みらい!前から言おうと思っていたんだけどね!やっぱり中学校の制服で魔法ガール活動するのはどうかと思うのよ!」
「リコ、それ切株モフ」
リコ先生は切株の前で正座して、みらいさん宛てらしいお説教を始め。
「はー!みーんな仲良し!!」
「なかよちー!!」
「ぷ、プリンセス、危ないですよ!」
ことはさんはエルちゃんと一緒に、ツバサ君に心配されながらゆらゆら揺れていた。
うーん、カオス(小並感)
特にみらいさんなんか、あちらでも『魔法ガール』という活動をしている所為で。
あんまり飲めない生活をしているらしく。
もう『飲み溜めだ』とばかりにはっちゃけている。
・・・・箒にも飲酒運転って適用されるんだなぁ。
「イヨッ!!切れてるよォッ!!」
「肩にちっちゃいヨクバール乗っけてんのかいッ!!」
「カァイッ!!」
ちなみに。
バッティーさん達の方では、ガメッツさんとマテバシさんによる即席ボディービル大会が始まってしまっている。
・・・・後で筋トレについてお話聞けないかな。
お二人とも仕上がってて、ちょっとうらやましい。
「みんな出来上がっちゃってるねぇ」
「あげはさん」
・・・・ごほん。
ジョッキ(中身はジュース)をぶつけてくれたあげはさんと、並んで座る。
宴会場は、どこもかしこも大盛り上がりだ。
「・・・・ソラちゃん、それお酒?」
「ええ、スカイランドでは18からオーケーなんです」
「へぇー、いいなぁ」
そう。
実は私のジョッキの中身はお酒だ。
異文化同士の飲み会において、一番の悩みどころである『お酒いけるか問題』。
この場では、『故郷における基準を満たしていればOK』ということで頂いている次第。
りんごに似た果物を発酵させて作ったものらしく。
香りと甘みが絶妙な、結構おいしいやつである。
「スカイランドでもあまり飲む方ではなかったんですが・・・・せっかくのお祝いですからね」
「あはは、だねー!」
宴会の盛り上がり具合を眺めながら、あげはさんと笑い合っていると。
「そらさーん!!」
「わっ!?」
「ワオッ!?ましろん!?」
後ろからの不意打ちに、ジョッキの中身を零してしまう。
「ど、どうされたんですか?ましろさん」
「えへへー!飲んでますかー!?」
『屋外でよかった』と思いながら振り向くと。
なんだか物凄い上機嫌な様子のましろさんに頬ずりされてしまった。
・・・・なんか。
ちょっとお酒臭い?
「ましろん、まさかお酒飲んじゃった?」
「のんれないよぉ?」
「飲んでる人の反応してるよォッ!?」
あげはさんも異変に気付いたらしい。
心配そうに話しかけると、ましろさんはふわふわとした声でお返事。
いや、誰がどう見ても飲んじゃってる!?
「ああ~・・・・大きな飲み会あるあるがこんなところで・・・・」
「悪い部分のあるあるなのはよく分かりました・・・・」
「むへへ~、あるある~」
あげはさん共々、並んで頭を抱えてしまう横。
ましろさんはゴロゴロと喉を鳴らす猫の様に甘えて来る。
か、かわいいけど・・・・!
今はそれどころじゃない・・・・!
「とにかく介抱しなきゃ!」
「ええ、異論はありません」
「にゃぁ~ん♪ごろごろ~♪」
とにもかくにも、放っておくわけにもいかない。
すっかりネコチャンになったましろさんを抱えて、シラフのあげはさんと一緒に。
あてがわれた小屋へ走っていく。
◆ ◆ ◆
「ましろーん、お水のもっかー?」
「のむー・・・・」
宿泊場所として提供された小屋の中。
ベッドに座らされたましろは、すっかり大人しくなっていた。
体が成熟していない状態で、アルコールを摂取したからだろう。
心なしか、顔色も悪くなってきている。
「横にさせた方がいいでしょうか」
「うーん、それだと却ってきつくなる場合もあるからなぁ」
ソラとあげはが話し合った結果。
クッションを重ねて、文字通り枕を高くした場所に寝かせることに。
「ましろさん、どうですか?」
「うぅん・・・・」
ソラの問いかけには、うめき声が返ってくるだけだったが。
先ほどまでとは打って変わって、穏やかな顔になっていたので。
具合はよさそうだと、二人はほっと溜息をついた。
「ましろんはこのまま寝かせとこ、私が診てるから、ソラちゃんは戻りなよ」
「いや、あげはさんこそ戻ってください。会場にはエルちゃんやツバサくんもいますから、飲んでない人がいてくれる方が安心できます」
「そういうことなら」
敵ではないと分かっているからこそ、酒に付随する
ソラの言い分に理解を示してくれたあげはは、こっくり頷いたが。
すぐに、いたずらを思いついた子供の笑みを浮かべて。
「『イタズラ』しちゃダメだぞ~」
「何言ってんですか」
「にゃははっ!」
呆れかえるソラのリアクションが面白かったのか、満足そうな笑い声を上げながら。
あげはは宴会場へ戻っていった。
「まったく・・・・」
困った笑顔であげはを見送ったソラは、一気に静かになった部屋でましろの様子を見る。
具合が悪いのを堪えている様な息遣いを聞きながら、ソラはアルコールが回って来た頭と背中をベッドに預けていると。
「・・・・そらさん」
「ッ、はい」
名前を呼ばれ、思わず返事。
振り向くと、ましろは変わりなく眠っている。
(寝言か・・・・)
すっかり夢の世界に行ってしまった彼女を、しばし見つめたソラは。
元の姿勢に戻ろうとして。
「・・・・んん~」
聞えた唸り声に、また振り向いた。
ましろの眉間にしわが寄り、何だか寝苦しそうだ。
「ましろさん・・・・」
ほとんど反射で、体が動いていた。
ブランケットからはみ出ていた手を握り、頬に寄せる。
「大丈夫・・・・大丈夫ですよ」
起こさないように、しかして夢の中の彼女に届くように。
静かな一方で、根気よく語り掛け続けると。
魘されていたましろの顔が、段々と穏やかになっていって。
最後には、落ち着いた寝息に戻っていったのだった。
「・・・・ふぅ」
すっかり落ち着いたましろに、ソラは安堵のため息。
しばし、寝顔を眺めてから。
「――――良い夢を」
その額に、唇を落とす。
◆ ◆ ◆
「――――お待たせしたね!」
――――そもそもの目的である、バーストカリバーの修理が終わったのは。
どんちゃん騒ぎの、三日後のことだった。
「これが・・・・」
「ああ、あんたの新しい剣だよ!」
改めて一人で訪れた、魔法学校の校長室。
自信満々なタタラさんが、指し示してくれたテーブルの上に。
すっかり打ち直された『剣』が安置されていた。
折れた先を補う様に、真っ黒な刀身が継ぎ足されている。
・・・・まるで、接ぎ木をしたみたいだ。
そして、極めつけは柄だろう。
バイクハンドルの様だった見た目に、拳銃の引き金の様な仕掛けが追加されていて。
ビジュアルがガラッと変わっている。
柄尻には龍の装飾が施されていて、その顎にブラックオニキスが咥えられていた。
・・・・ちょっと、身もふたもない言い方をしてしまうと。
ファ〇ズエッ〇から、立○起○装置になったと言えば。
物凄く伝わると思う・・・・!
「持ってみな」
「はい!」
タタラさんに促されて、その通りにしてみる。
・・・・少し重くなった?
でも、振りやすくもなっている。
「すごい・・・・すごいです!」
いや、語彙力無くて申し訳ないけど!!
なんか!!想像の三倍良いのが出てきて感動してる!!
すっごーい!!(某ふれんず)
「んっふっふっふ、そう言ってもらえると鍛冶師冥利に尽きるというものさね」
「ん"っん"ん"・・・・すみません、騒ぎ過ぎました・・・・」
小学生みたいなリアクションをする私を、寛大にも嬉しそうに眺めるタタラさん。
し、しまった・・・・ちょっと騒ぎ過ぎたかしら・・・・!?
「いやはや、良い経験になりました」
「バッティーさんや校長先生も、ありがとうございます!」
「うむ、力になれて何よりじゃ」
バッティーさんや校長先生にも、もちろんお礼を述べてから。
今回一番お力添えをくれた、エルフの皆さんと向き合う。
今日この場にいるのは、タイボクさん、コーナさん、マテバシさんのお三方だ。
「改めて、皆様にも最大の感謝を・・・・本当に、言葉を尽くしても尽くしきれぬ恩を賜りました」
「それはこちらの台詞である・・・・郷を守ってくれたこと、心よりお礼を申し上げる」
「とんでもないです」
深々と頭を下げてくれるタイボクさんへ、私も思わずお辞儀を返していると。
「――――俺はまだ認めていないからな」
コーナさんが、剣呑な声を上げた。
「コーナ!」
「いいんです・・・・まずは、全部聞かせて下さい」
すぐにマテバシさんが諫めてくれたけど、コーナさんからは敵意は感じても暴れ出す気配はない。
何より、私も話を聞きたかったのでまあまあと諫める。
「・・・・ブラックオニキスが無くなったからとて、お前の下で暴走しないとも限らない」
コーナさんは、睨みを利かせたまま私と真正面から向き合うと。
指をびしりと突き付けて。
「ブラックオニキスだけではないぞ、お前が闇に呑まれるようなことがあれば・・・・このコーナ、例え一族郎党から縁を絶たれようとも、お前を討つッ!!」
「・・・・ええ、お願いします」
その宣言に、私は最敬礼で頭を下げる。
「貴方の様な方がいらしてくれれば、私も安心できますから」
「な、ぐッ・・・・小娘がッ!大人ぶるなッ!!」
多分、予想外のリアクションだったんだろうな。
そっぽを向かれてしまったけれど、顔がちょっと赤くなっているのが見えた。
「しかし、不思議なめぐりあわせもあるものじゃな・・・・クシーの研究が、本当に世界を救う一助になろうとは」
「ふふ、クシーさんに恥じないように努めます!」
「そう言ってもらえたら、あやつも浮かばれるじゃろうて」
校長先生とも笑い合っていると、『それにしても』とみらいさんが声を上げる。
「随分とイメチェンしちゃったね」
まじまじと見つめながらのコメントに、『確かに』となる。
いや、改めて見ると大分別もんやな・・・・。
「じゃあ、新しいお名前考えちゃう?」
「モフー!考えるモフ!」
「確かに・・・・そうした方がいいのかもしれません」
ことはさんとモフルンさんの提案に賛成して、新たに撃ち上がった『剣』をながめることしばし。
「・・・・ぁ」
ふと。
白と黒の境目の、マーブル模様が目に入って。
「――――スパイラル」
「おっ?」
「『魔剣・スパイラル』、というのはどうでしょうか・・・・?」
頭に浮かんだ単語を口にして、周囲を見渡す。
・・・・ど、どうかな。
ちょっとシンプル過ぎたかしら・・・・!?
なんて、ドキドキしていると。
「いいんじゃないかな!」
「ええ、光も闇も使いこなして、人助けする貴女にぴったりだわ」
「はー!カッコイー!!」
「えへへ・・・・ありがとうございます」
みらいさん達魔法つかいチームにもお墨付きをもらって、ちょっとくすぐったい気分になりながら。
再三、『バーストカリバー』改め、『スパイラル』を眺めた。
(・・・・これから、よろしくね)
そんなことを、心で呟くと。
ブラックオニキスとスカイジュエルが、きらりと輝いて。
まるで、返事をくれたように見えたのだった。
おまけ
「――――ここは?」
「あ、また新しい人!」
「いらっしゃーい!」
「今度は細い人だー!」
「王様が太いから余計に細く見えるね」
「おい!我が太っているような言い方はやめろ!!これは筋肉だ!!き・ん・に・くッ!!何より王ではなく皇帝だと何度言えば・・・・!」
「あの、ここはいったい・・・・?」
「まあまあ、お茶でもどうぞ」
「色々聞かせてくださいな!」