ヒーローガールは異物入り   作:数多 命

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別名、一つ上の先輩達とのコラボストーリー。


それから、お知らせが一つ。
Twitter(現Ⅹ)にて、以前から交流のある『こー。様』から。
拙作のファンアートを頂きました!!
しかも三枚も!!ありがとうございます!!!!(平伏)(擦り付けた頭から発火)
思い切って掲載していいかどうか聞いたところ、快く承諾してくださいましたので。
目次ページに上げておきます!
他にも素敵なイラストを描いていらっしゃいますので、是非是非ご覧ください!
改めましてこの場を借りてお礼を申し上げます!
こー。樣、ありがとうございました!!


偽物、おいしーなタウンへ

「――――それじゃあましろん、ソラちゃん!いってらっしゃーい!」

「あっしゃーい!」

「プリンセスの守りは任せてくれ」

「二人とも、気を付けて下さいね」

 

さて、来る7月16日。

あげは達に見送られながら、ソラとましろは出発した。

 

「ふふふ、楽しみだなぁ」

「ええ、私もソラシド市以外のプリティホリックは初めてなので、ワクワクします」

「それもありますけど!」

 

話しながら、振り向いたましろ。

何を隠そう、今日はましろの誕生日。

昼間はソラのエスコートで、少し離れた町の『おいしーなタウン』へ。

プリティホリックのおいしーなタウン支店限定品を買いに行き。

そして夜は、家で仲間達とお祝いすることになっていた。

 

「みんながどんなお祝いをしてくれるのか、楽しみで!」

 

まだ手を振ってくれているあげは達へ、手を振り返しながら。

ウキウキが抑えられない年相応の笑顔を、ましろが見せるものだから。

ソラもつられて、笑顔がこぼれてしまった。

 

「では、夜までの間、エスコートさせていただきますね」

「はい!」

 

ましろの手を取って、歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

ついにやってきてしまった、ましろさんの誕生日。

バイトながらもプリティホリック店員である、あげはさんからの情報により。

おいしーなタウン支店の限定品を目指して、電車に揺られる事一時間と少し。

 

「ここがおいしーなタウン・・・・」

「すごい、どこもかしこもご飯屋さんだ」

「ええ、もともとは飲食店の町としてアピールしているみたいですし・・・・」

 

それにしても、なんだ。

あの、でっかい招き猫チャン・・・・。

 

「ふふ、これだけご飯屋さんが並んでるなら、招き猫もあれくらい大きくないといけないのかも」

「なるほど」

 

町のど真ん中に鎮座する、巨大な招き猫に慄きながらも。

まずはメインの目的である、プリティホリックへ足を運んだ。

 

「――――わぁ、ここが!」

「ええ、おいしーなタウンのプリティホリックですね」

 

飲食店街を抜けた先。

ソラシド市でも見かけた看板が見えてくる。

まだ店内に入ってすらいないのに、ましろさんは目をキラキラとさせている。

うーん、かわいい(確信)

 

「でも、なんだか人が多いですね・・・・?」

「ええ、確か、あげはさんがくれたチラシだと・・・・」

 

貰ったチラシを取り出してみる。

そもそも限定品を出すことになったのは、ここが開店して5周年を迎えたからとのこと。

 

「アニバーサリーセールなんだ!」

「そのようです」

 

限定品以外にも、色々なアクセサリーが値引きされているらしい。

 

「ましろさんは、何が狙いでしょうか?」

「このネイルです!色が可愛くて、絶対ゲットしたいなって!」

 

ましろさんが指さすチラシを覗き込んでみると、淡いピンク色のネイルコスメがあった。

・・・・プリズムの、髪の色の様だ。

と、店内からスタッフらしき人が出て来て。

 

「これより!限定品購入の、整理券を配ります!希望者の方は、こちらにお並び下さい!」

「一組につき、おひとり並ぶようにお願いします!小学生以下のお客様は、保護者の方と一緒にお並びくださーい!」

 

どうやら、件の限定品は整理券で販売する方式らしい。

 

「いってきます!」

「はい、いってらっしゃい」

 

一目散に駆け出していくましろさんを見送って、私は店内で待っていようかしらと考えていると。

 

「ど、どうするメン・・・・?」

「盲点だったパム、人間から見たパムパム達は、どうみてもお子様パム・・・・!」

「でも、並ばないとげんてーひん買えないコメ・・・・」

 

横を見ると、顔を突き合わせて困っている様子の子ども達がいた。

・・・・いや、子どもは子どもだけど。

人間、じゃ・・・・ないよな?

隠すつもりもない、悪く言えば駄々洩れの気配は。

彼らが人間ではないことを如実に物語っている。

っていうか、耳、ツノ、尻尾。

時々ぴるぴるゆらゆら動くそれらも、物理的に隠していない。

 

(なんなんだろうか・・・・)

 

悪い、ものでは、なさそうだけども・・・・。

 

「あの、どうしたんですか?」

「コメェッ!?」

「パムゥッ!?」

「メェンッ!?」

 

不思議な子ども達を、なんとなく放っておけなくなって。

思い切って話しかけてみる。

すると、まさか話しかけられると思っていなかったのか。

びゃっと飛び上がった子ども達は、今更ながら頭と尻尾を隠しながらこちらを見た。

 

「な、なななななんの御用ですメン?」

「ああああ怪しい者じゃないパム!」

「そうコメ!悪い妖精じゃないコメ!」

(もう半分以上自白してるんだよなぁ・・・・)

 

疑う余地もなく、悪い子ではなさそうだと結論付けながら。

 

「いえ、何か困っている様だったので」

 

あくまで何も気づいていないのを装いながら、落ち着いて話しかける。

 

「・・・・どう思うパム?」

「悪い人じゃないと思うメン・・・・」

 

再び、ひそひそ話し合う子ども達。

急かさずに、彼らの反応を待っていると。

 

「・・・・あの」

 

狐っぽい耳と尻尾を揺らした女の子が、こちらに寄って来て。

 

「げんてーひんが買えないかもしれなくて、困ってるコメ」

「そうなんですか?」

「コメ!」

 

他の二人が、あわあわしているのを後ろに。

女の子は事情を話してくれる。

 

「コメコメ達、お小遣いは足りてるけど、大人は誰もいないコメ・・・・」

 

『コメコメちゃん』と言うらしいその子がしゅんとすると。

耳も一緒にぺたんと下がってしまう。

・・・・やっぱり本物だよな、この耳。

 

「今からでも来てもらえる、おとなの人はいないんですか?」

「いないコメ・・・・マリちゃんにプレゼントしたいのに・・・・」

 

どうやら、お友達らしい『マリちゃん』とやらにプレゼントするためにここまで来たようだ。

となると、サプライズの可能性もある。

下手に知り合いを頼りにくいのかもしれない。

・・・・ふむ。

 

「私でよければ、一緒に並びましょうか」

「えっ?」

「いいコメ!?」

「はい、人を待っていて余裕があるので。もちろん、貴方達さえよければ、ですが」

「ありがとうコメー!」

 

『やったー!』と喜ぶコメコメちゃんだけど。

対照的に、他の二人は神妙な顔で考え込んでいる。

赤の他人の、大の大人が割り込むんだ。

警戒されてもしょうがないけれど・・・・。

 

「パムパム、どうするメン・・・・?」

「・・・・ほかに手はないパム」

 

神妙な顔で相談し合った二人。

やがて、茶髪の女の子が決心したように頷いて。

 

「その、お願いしますパム」

「はい、よろしくお願いします」

 

緊張した面持ちで、歩み寄ってきてくれた。

どうやら彼女が代表者として並ぶようだ。

 

「ソラ・ハレワタールと言います、貴女はなんとお呼びすれば?」

 

『偽名でも構わない』というニュアンスで問いかけてみると、女の子はやや得意げに笑って。

 

「パートナル・フワフワン・コーバシィヌ・イースト・パムサンド!!」

「うん?」

 

なんて???????????

 

「パムパムでいいパム!」

「アッ、ハイ」

 

・・・・ひとまず。

知らない人にフルネームを名乗るのはやめなさいね・・・・。

危ないから、マジで・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

(よかった、もらえた!)

 

開店記念限定品を購入するための、整理券。

無事に手に入れることが出来たましろは、ソラと合流しようとして。

あたりをきょろきょろ見渡した。

すると、

 

「整理券、本日分配布終了でーす!」

「また明日お越しくださーい!」

 

ちょうど、ましろの後ろ数人が受け取ったところで。

今日の分は終わったらしい。

ギリギリだったんだなと思いながらも、ソラを探し続けていると。

 

「ぱ、パムパムさん、泣かないでください。パムパムさん」

「で、でも、今日しか来れないパム。夕方にはクッキングダムに帰らないと・・・・今日だけだったのに・・・・」

「あわわわわ・・・・!」

 

いた。

何故か、泣いている女の子と一緒に。

 

「ソラさん?」

「あ、ましろさん!」

 

声をかけると、天の救いとばかりに名前を呼んで来る。

 

「何してるんですか?」

「そ、それが・・・・!」

 

あわあわしながらも、しっかり経緯を説明してくれたソラ。

困っている子どもを放っておけない優しさに、相変わらずだなぁと思いながら。

ぽろぽろと涙する女の子を見た。

 

「パムパム!」

「大丈夫コメ!?」

「ん・・・・んっ・・・・!」

 

友達らしい二人の子どもも駆けつけて、ソラといた茶髪の女の子を慰める。

 

「・・・・しょうがないパム、決まりはちゃんと守らないといけないパム」

 

ぐしぐし涙を擦った女の子は、何とか笑いながらソラを見上げて。

 

「ソラさんありがとうパム。ソラさんがいなかったら、並ぶことすら出来なかったパム」

「パムパムさん・・・・」

「コメコメ、メンメン、帰ろうパム。マリちゃんなら、こんなことで怒ったりしないパム・・・・」

 

笑顔は保てている。

なのに、目に見えてしょんぼりしている様子を見て。

ましろは、手元の整理券に視線を落とした。

そして、

 

「・・・・ねえ」

「パム?」

 

女の子に、声をかける。

 

「よかったら、これ」

「――――え」

「コメ!?」

「いいメン!?」

 

思い切って、整理券を差し出せば。

目をまあるく見開いて、手元とましろを見比べてくる女の子。

友達の男の子やもう一人の女の子も、仰天して見上げてくる。

 

「うん、今これが必要なのは、あなた達の方かなぁって思うから」

「ぱ、パム・・・・!」

 

頬を紅潮させ、感激に震える女の子。

やがて、感無量とばかりに。

震える手で整理券を受け取って。

 

「ありがとうパム!!この御恩は決して忘れないパムー!!」

「本当にありがとうメン!!」

「ありがとうございますコメ!!」

 

三人そろって、深く、そして勢いよくお辞儀をすると。

店内に駆け込んでいったのだった。

 

「・・・・すみません、私のお節介の所為で」

「いいんですよ・・・・確かに、せっかくの誕生日なのにっていうのはあるんですけど」

 

嬉しそうにレジに並ぶ三人の子ども達を見て、ましろは柔く笑って。

 

「誕生日だからこそ、かなぁ。誰かの泣き顔を放っておきたくないんです」

「・・・・ましろさん」

 

自分を後回しにしてでも、人の為に行動出来る優しさ。

あまり人のことを言えない立場だが、ましろのそんなところが魅力なのだと。

ソラは再認識した。

 

(まあ、普通に恋とか関係なく見守るけどさ)

「ソラさん、行きましょう!気になるのは限定品だけじゃないんですから!」

「おっと・・・・はい!」

 

気を取り直して手を引くましろに、ソラは笑いかけながらついていく。

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

不覚・・・・!!

ましろさんが、今日と言う日をどれだけ楽しみにしていたかも知っているだけに。

自分の軽率な行動を呪う他ない・・・・。

ましろさんの優しさも、友達想いのパムパムさん達も悪くない。

私の余計なお節介の所為だ。

ぐぬぬ・・・・。

せめて、ましろさんがこれ以上悲しい思いをしないように努めなければ・・・・!

気合を入れろ、ソラ・ハレワタール!!

 

「ソラさん?」

「ッはい、なんでしょう?」

「いえ、考え事してるみたいだったので」

「ああ、すみません」

 

って、反省した傍からこれだよ!!

 

「・・・・さっきのことなら、あまり気にしないでください」

 

猛省が顔に出ていたのか、コスメを選びながらましろさんが口を開く。

 

「小さい子を放っておけないのはソラさんらしいと思いましたし、わたしもあれが正しいって思ったから譲りました・・・・ちょっと、いいことしたなって、今は嬉しい気分なんですよ?」

「ましろさん・・・・」

 

そう言って、言葉の通り嬉しそうに笑うましろさん。

言葉も笑顔も本音であることが分かったから、私の気持ちも少しだけ上向きになった。

 

「よし、これでいいかな」

 

ほっとしている間に、買いたいものが決まったらしい。

パウダーフレグランスと、ハンドクリーム。

それから髪飾りを手にしたましろさんと一緒に、レジに向かう。

お会計を進めていると、店員さんがにこっと営業スマイルを見せてくれて。

 

「お客様のお会計、三千円を超えましたのでくじを引いて頂けます!」

「そうなんですか?」

「はい!こちらの箱からどうぞ!」

 

差し出された箱にましろさんが手を入れて一枚引く。

紙を開いて出てきたのは、三等。

 

「おめでとうございます!三等ですので、こちらの中からお好きなアクセサリーをお選びください!」

「わあ、どれも素敵・・・・!」

 

流れる様に見せられたカタログを見つめること、しばし。

 

「あのっ、これでお願いします!」

「かしこまりましたー」

 

ましろさんが店員さんから受け取ったのは、青い羽根が下がったイヤーカフスだった。

 

「ソラさん、こっち!」

「おっと・・・・」

 

何だか楽しそうなましろさんに再び手を引かれて、パウダーコーナーにつれていかれる。

 

「あの、これ。一緒につけてくれませんか?」

 

『何をするつもりだろうか』と思っていると。

さっきのイヤーカフスを差し出して、そんないじらしいことを提案してきたのだった。

 

「構いませんけど、いいんですか?」

「はい!今日はそうしたいんです!」

 

ましろさんの笑顔のキラキラとしたオーラが直撃して。

何だか大人特有の汚れた部分が浄化されそうな気分になった。

・・・・まあ、誕生日だし、いいかな。

さっきはご迷惑をかけちゃったわけだし、悲しい思いをさせないようにって決めたし。

 

「・・・・いいですよ、今日はお揃いでつけましょう」

「ふふっ、やった!」

 

早速封を切って、イヤーカフスを一つ受け取る。

ましろさんは迷わず左耳につけていたので、私もなんとなく右耳につけた。

揃って鏡を見ると、こちらを覗き込む私達が笑顔になるのが見えて。

 

「・・・・ありがとうございます、ソラさん」

 

隣で、ましろさんが笑ってくれる。

 

「今日は、素敵な誕生日になりそうです!」

「・・・・それはよかった」

 

私も、なんだか嬉しくなって。

自分の口元が、笑みを浮かべるのが分かった。




ひろプリが明後日で最終回とか、何かのバグでしょう?(錯乱)
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