ヒーローガールは異物入り   作:数多 命

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長い上に内容も薄いですが、上げてしまいます。
オリジナルの話は、なるべく、サクサク・・・・。


偽物、特訓開始

「――――シャララ殿」

「これは、ヴェオウルフ閣下」

 

日も傾き、空が赤みがかってくる中。

話しかけて来た人物がいた。

フードをかぶっていても分かる、体格の良さ。

纏った鎧は使い込まれ、実に風格たっぷりだ。

・・・・大きな特徴と言えば、右腕が欠損していることだろうか。

 

「あの人は・・・・?」

「――――『ヴェオウルフ・スンゲナグル』騎士団長、クシザス騎士団の指揮を任されている、まさにクシザスの守護者だ」

「スカイランドのヒーローがシャララ隊長なら、クシザスのヒーローはヴェオウルフ団長なんです」

「「へぇー」」

 

護衛隊や騎士団に混ざって、警戒に当たっていたバタフライに耳打ちされて。

エクリプスと、ついでにウィングがひそひそ話す。

 

「――――む」

 

ふと。

ヴェオウルフの視線が、エクリプスに止まった。

 

「むむむむ・・・・?」

「あれ、なんかこっちに・・・・?」

「あ、あの・・・・?」

「・・・・そなた」

 

難しい顔をしながら、ずいい、とエクリプスの顔をまじまじ覗き込んで。

 

「もしや『鉄拳ドラフル』の孫か?」

「そっ、祖父をご存じなのですか!?」

「忘れたくても忘れられんわ!!あんな豪傑!!」

 

慄きながら、一歩距離を取るエクリプスへ。

ヴェオウルフは豪快に笑いかける。

 

「えっと、知り合い?」

「い、いや、私は初対面だが・・・・」

「いやはや、懐かしき哉!!子どもの誘拐働きで稼ぐ賊を追っていたワシと、村の迷子を捜していた彼奴!!時勢が時勢だっただけに、互いに互いを賊と思い込んでな!!三日三晩の殴り合いよ!!!」

「いや、想像以上の脳筋・・・・!!」

 

ちなみに、四日目の朝にやっと誤解は解け。

そのままヴェオウルフが追っていた賊をぶちのめしに行ったらしい。

迷子は、ヴェオウルフの部下が保護の上、とっくに送り届けていたとのこと。

 

「あっ、そういえば」

「何か聞いてたの?」

「あ、ああ。クシザスの軍人と、誤解から殴り合いのケンカになったという話を聞いた事があったんだが、まさか団長閣下とは・・・・!!」

「――――シャララ隊長!!」

 

意外な接点に驚いていると、スカイが駆け寄って来た。

 

「本陣防衛の一班を除く、二班から五班、配置につきました!」

「ご苦労、お前も所定の位置につけ」

「っは!!」

 

報告を終えたスカイは、他のプリキュア達と合流しようとして。

ヴェオウルフを前に、固まってしまう。

 

「――――なるほど、戻ったというのは本当らしいな」

 

張りつめた空気に、プリキュア達は思い出した。

クシザスの防衛を任されているということは、即ち。

操られていたソラと、一戦交えたということで。

 

「ッ、あの」

「あの時はやってくれたのぅ!?」

「えっと・・・・」

 

頭を下げようとしたスカイの背中を、ヴェオウルフが全力でシバき倒し、大笑いする。

思ったよりも好意的な反応に、スカイは終始戸惑いっぱなしだ。

無理もない。

彼の右腕を奪ったのは、他でもない彼女なのだから。

『あの日のこと』を、誰よりも何よりも後悔しているスカイにとって。

満面の笑顔と、ぐいぐい来るフレンドリーさは。

逆にどう扱えば良いか、分からないものであった。

 

「何、お前さんがちょくちょくクシザス(こっち)に来て、日雇いに紛れて復興を手伝っちょるって報告は上がっとる。出た給金全部募金に突っ込んどることもな!!」

「いや、その・・・・当然のことなので・・・・」

「なぁーに!!謙遜するな!!プリンセスの護衛に、アンダーグ帝国への対応、あちらの世界での生活もあるだろうに!!殊勝なことだの!!」

「あの、本当に、何も・・・・」

 

ともすれば、あげは以上にぐいぐい来る彼に、スカイはたじたじ。

そんな様子すら楽しみながら、ヴェオウルフは破顔したままマシンガントーク。

 

「その!いつ敵襲があるか分かりませんので!!これで!!」

「んっ!?それもそうだな!!」

 

これ以上問答をしていては、時間を食うだけだと判断したスカイ。

シャララにも無言の敬礼をしてから、仲間達の下に向かいかける。

 

「――――今回で見極める、精々励め」

 

背中に、それだけ告げられた。

思わず振り向くと、打って変わって、鋭い眼差しが射貫いてきている。

 

「はっ」

 

だからスカイも、再び敬礼して返したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

「――――聞いてないんですけど」

「いえ、あの・・・・あまり、言うことでもないかなって・・・・」

 

合流すると、むっとしたプリズムに迎えられた。

理由は分かっている。

黙ってクシザスにちょくちょく行っていたことだろう。

――――確かに。

私は時間を見つけてはクシザスに足を運んで日雇いの復興作業に従事している。

でもそれは、『自分で壊したものを自分で直す』という、至極当たり前のことをやってるだけで。

なんなら、無給でも構わないとすら考えている、贖罪の一環だ。

 

「怪我したらどうするつもりですか」

「でも、皆さんが巻き込まれるのは嫌です」

「わたしはソラさんが怪我する方が嫌です」

 

黙っていたのは、怨恨によるトラブルを防ぐため。

今でこそ、明言しない分見逃してもらえている部分があるけれど。

もしも何かの拍子で、『あの日の襲撃者がいる』と広く知れ渡ってしまったら。

きっと、復興作業どころではなくなる。

私にかまけているせいで、復興が遅れてしまうのはよくないしね。

仲間達に言えば『一緒に行く』と言い出しかねないので、なおさらだった。

 

「むぅ~・・・・」

 

それはそうと、納得してもらえないのも分かっていた。

現に、じとっとした目をプリズムに向けられている。

 

「――――難しいよねぇ」

 

そこへ割り込んできたのは、バタフライだ。

私とプリズムの間に入ると、肩を組む。

 

「あげはちゃん・・・・」

「ましろんの気持ちも分かるけど、ソラちゃんの気持ちもよく分かるんだよなぁ」

 

『大人だから』と、おどけるバタフライ。

 

「でも私にくらいは言ってもよかったんじゃない?一緒に行く行かないは別にしてさ」

「まあ一理ありますけど・・・・『壁に耳あり障子に目あり』とも言いますし」

「それもそうだけどさぁー」

 

ぐでぇ、と体重をかけて来るバタフライに。

私は苦笑いを零すしか出来なかった。

んん~・・・・心配させちゃうのは申し訳ないけれど、かと言って『じゃあ次から一緒に行く?』と誘える訳ないしねぇ・・・・。

 

「むむむ・・・・」

 

それはそうと。

ますますほっぺを膨らませて、不機嫌になるプリズム。

・・・・こりゃあ、骨が折れそうだなぁ。

どうやって機嫌直してもらおう・・・・・。

バタフライは早々に離れてしまって、手助けしてくれないスタンスだし・・・・。

 

(まあ、自分で何とかするか・・・・)

 

なんて、考えていた時だった。

 

「――――助けてくれーッ!!」

「・・・・ッ!!」

「何!?」

 

遠くから、助けを求める声。

暗くなってきた中へ目を凝らすと、複数人が駆け寄ってきているのが見える。

 

「あの服装・・・・坊主の言っていた賊の特徴と、一致するな」

 

人間よりも夜目が利くヴェオウルフ団長が、はっきり断言した。

なるほど、あれが件の盗賊団か。

 

「ッ、ねえ!!上!!」

 

剣に手をかけたタイミングで、バタフライが上空を指さした。

つられて見上げると、

 

「――――ッ」

 

――――息を、呑んだ。

半月が照らす、薄暗い星空に。

擦りガラスの様な大翼が広がる。

月と星の輝きを受けて、キラキラと光を帯びた体は。

怒りと憎しみに、ぶるぶると震えていた。

 

「あれが、グラスイーグル・・・・!!」

「――――ギュオアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

躍動溢れる美しさに、プリズムが呆然と呟く中で。

グラスイーグルの咆哮が轟いた。

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

「ッ標的を目視で確認ッ!!」

「総員ッ!!警戒体勢ーッ!!」

 

護衛隊や騎士団の、堰の声が上がる中。

角笛の音までも響き渡って。

周囲の空気が、張りつめた。

 

「ギュアアアアアア!!!」

 

先手を打ったのは、上空を陣取るグラスイーグル。

めいいっぱい広げた両翼が、月と星の光を蓄えていく。

例え、最初の光が小さくたっていいのだ。

後は自前のガラスの様な羽で反射して、増幅してやれば。

無数のレーザーが、放たれる・・・・!!

 

「ぅわわわわわわ!!?」

「待って待って待って!!想像の三倍やばいんだけど!?」

「とにかく動け!!立ち止まるな!!」

「ひぃーっ!!」

 

まさしく光線が降り注ぎ、成す術なく逃げまどう面々。

 

「・・・・ッ」

 

そんな中で踵を返したのは、スカイ。

 

「――――全集中・雷の呼吸」

 

猛攻の豪雨を駆け抜けると、相手の真下を陣取って。

 

「――――壱ノ型 霹靂一閃」

 

ぐ、と、両足に力をため込み。

 

「――――百閃連真(ひゃくせんれんま)!!」

 

雷鳴と共に、夜空へ駆け上った。

そのままグラスイーグルの頭上を取ると、呼吸を切り替える。

 

「――――全集中・蛇の呼吸」

 

斬撃が、ぐにゃりとしなって。

 

「参ノ型 塒締め(とぐろじめ)!!」

「ギュオッ!?」

 

まるで、蛇が巻き付くような斬撃を。

怪鳥の全身に満遍なく。

傷つけず、しかし痛みを覚える程度に叩き込んだ。

 

「ップリズムショット!」

「ギャアアアアアアッ!!」

 

猛攻が途切れた隙。

姿勢を大きく崩したところへ、プリズムはすかさず光弾を放ち、グラスイーグルの眼前で炸裂。

強烈な閃光に視界を奪われ、今度こそ切り揉みしながら落ちていく。

 

「・・・・ッ!!」

 

ぐるんぐるんと目まぐるしく回転していく視界。

優れた猛禽の目は、(にっく)き仇の姿を捕らえて。

 

「グゥッ、ギュウウウウウウ!!!!」

「わっ!!」

 

再び両翼を力強く羽ばたかせた。

巻き起こした暴風で、邪魔者たちが怯んだ隙をついて。

猛然と低空飛行を開始。

邪魔なものをなぎ倒しながら、番を手に懸け、大切な卵すら盗み出した下手人達を。

その、鋭い鉤爪で千々に引き裂いてしまおうとして。

 

「――――すまんな」

 

そこに割り込む、影。

魔力の籠った両の目が、グラスイーグルを捕らえた。

もうトップスピードに乗ってしまった今は、逸らすことすら叶わない。

 

「ギュ、オォ・・・・!」

 

魅了の術をもろに受け、意識を朦朧とさせるグラスイーグル。

体をふらふらさせながらも、なお向かおうとしたものの。

最後には、意識を失って倒れてしまった。

 

「・・・・貴殿の悲しみ、己が災難の如く理解する」

 

巨体を見下ろして、ヴェオウルフは静かに口を開く。

 

「だが、外道極まる奴らでも、殺させるわけにはいかんのだ」

 

青の護衛隊やクシザス騎士団が、グラスイーグルを拘束していくのを見ながら。

今度こそ、鈍く息を吐いたのだった。

――――やりきれない、とは。

このことを言うのだろう。

グラスイーグルに罪がないことは、百も承知。

だからこそ、

 

「あ、ありがとうございます!!」

「死ぬかと、死ぬかと思ったぁ・・・・!!」

「んっ?おおー!お前ら、無事だったか!」

 

まさか正体がバレているとは露知らぬ盗賊団が、ヴェオウルフに縋ってくる。

険しい顔をしたエクリプスが、怒鳴り込もうと前のめりになると。

それをシャララが制した。

 

「ところで、何故グラスイーグルに追われていたのだ?」

「いいっ!!」

「いやぁ、っじ、じじじ自分ら、保護活動団体なんですがね!」

 

隠し事が壊滅的に苦手らしい彼らは、しどろもどろになりながらも必死に言い訳を並べ立てるが。

はっきり言って怪しいことこの上無かった。

 

「今回グラスイーグルの卵を保護したところ、移送中に盗まれてしまいましてな!」

「まったく!子どものいたずらにも限度というものがある!!」

「その通り!!」

(嘘こけ)

 

スカイが白けた目を向けていることに気付かぬまま、調子の良いことを言い続けていく。

――――確かに。

証拠は、レッドの、子どもの証言一つだけ。

普通なら信憑性に欠けるところではある。

しかしながら、命を想って行動を起こしたことが分からないほど、目は曇っている者は。

この場には一人もいないのである。

 

「ふむ、ではライセンスを見せてもらおうか」

「はい!こちらに!」

 

ヴェオウルフの催促に反応したのは、リーダーらしき男だ。

十中八九偽造であろう、名刺サイズのプレートを自信満々に取り出す。

しかし、

 

「――――あら、良く出来ているわね。その偽物」

「ヘェッ!?」

「むむっ、その言い方から察するに、これは偽物?」

「ええ、こことここと・・・・ああ、ここも違うわね」

 

ひょっこり現れたヨヨによって、あっさり看破されてしまった。

 

「これは、これは・・・・じっっっっっくり話を聞く必要がありそうだな?」

「ええ、是非とも・・・・詳しいお話を聞きたいものだ」

 

始めから見抜いていただろうに。

白々しくも鋭い目を向けるヴェオウルフと、ちゃっかり便乗するシャララ。

哀れな盗賊達は、ただただ縮み上がるしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――あの後。

盗賊達はヨヨさんと、ヴェオウルフ閣下にシャララ隊長。

それから、途中から加わったウィング改めツバサくんに。

可哀そうなくらいに詰められていた。

それから警備隊にしょっぴかれていたので、投獄まで秒読みだろう。

グラスイーグルの親も、一晩経てば落ち着いてくれて。

村に住むプニバードの夫婦を介して、話し合いにも応じてくれた。

ひとまず、レッドに関する誤解は解けたらしい。

よかった・・・・。

・・・・それで、その。

立ち会っていた私にもよく分からない内に、何故か『牧羊犬』ならぬ『牧羊鳥』にスカウトされていた。

な、何を言っているか分からねーと思うが、私自身にも分からなかった。

頭がどうにかなりそうだった・・・・。

 

『ヒナは俺達で守るから、お前さんはうちのプーシを守ってくれないか?』

『この辺は大型の生き物もいるから、飯にも困らないと思うぞ』

 

それがラムカンさんの言い分だった。

牧羊鳥がいないわけではないけれど、それでもちょくちょく大型の猛禽類にプーシがさらわれることが度々ある。

いくらラムカンさんが投石の名手だからと言っても、限界はあるのだ。

話を聞いたグラスイーグルも、大事なヒナを守ってもらえることに大きなメリットを感じたらしく。

色よい『了承』の返事をしたのだった。

――――意外な着地点ではあるけれど。

命が奪われるような危機はだったのだから、いい、の、かも、しれない。

多分、きっと、メイビー・・・・。

いや、まさかこんなことになるなんて思わんやん・・・・。

ヨヨさんも事後処理に関わってくれているし、後は任せて大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、今何してるかと言うと。

 

 

 

 

 

 

 

 

護衛隊のテントで一夜を明かした私達。

それぞれジャージなどの動きやすい服装に着替えて、集合場所に向かう。

 

「いよいよだね」

「ええ」

 

ベリィベリーさん以外のみんなの反応は、ドキドキ半分緊張半分と言ったところか。

 

「プリキュアのみんなはこっちに!」

 

ツムジ先輩が手を振って呼んでいるのが見える。

『プリキュア』と言われたので、そっちに行こうとしたけれど。

 

「ベリィベリー、お前はこっちだ」

「ハレワタールはこっちな」

 

まずベリィベリーさんがシャララ隊長に、そして私はハヤテ先輩にそれぞれ引っ張られて行く。

・・・・なるほど、鍛える項目ごとにコーチが違う感じか。

で、私が引っ張られた先に何があるかと言うと。

 

「重い・・・・!」

「ただただ重い・・・・!」

 

リストバンドの様な器具を付けて、めっちゃ呻いている皆さんがいた。

な、何事・・・・!?

 

「クシザスではこんなのつけてんの・・・・?」

「いやいやいやいや」

「そんなまさか」

「嘘でしょ・・・・」

 

クシザス側が持ってきたものみたいだけど、騎士団の皆さんも困惑している。

・・・・状況を見るに、あれか。

少年漫画なんかでよく見る、『手足につける錘』か。

クシザス騎士団も青の護衛隊も、錘がついているのは両手のみだけど。

それでも結構重たそうなのが、表情からありありと読み取れる。

 

「おお、お前さんはこれだよ」

 

これから私もつけるんだろうな・・・・。

なんて考えていると、いつの間にか隣にいたヴェオウルフ閣下が、私の両手に似たような器具を付けていく。

現時点で重みは感じないので、どうやら魔力で起動させるタイプらしい。

らしい、んだけど。

・・・・なんか、他の人のより幅広くないか?

しかも両足にもつけられるし・・・・。

・・・・嫌な予感がした。

 

「あの、これって――――」

「ではいくぞー」

 

質問する前に、有無を言わさず起動させられて。

 

「ぐえぇっ!?」

 

――――どしゃん、と。

崩れ落ちてしまった。

いや。

いやいやいやいやいや・・・・!!

 

(おっっっっっっっっっっっもぉッ!?)

 

想像を絶する重量に、戦慄を覚えてしまう。

こ、これが・・・・予測可能回避不可能・・・・!

よくよく見ると、他の人の器具は緑色に光っているのに対し。

私のそれは真っ赤だ。

さては最大出力にしてあるな!?

いや、本当に。

重いにもほどがあるっすよォッ!!コレェッ!!!

 

「これより貴様らには、この山中を十周走り回って、基礎体力を鍛えてもらう!!」

 

這いつくばったままの私を置いてけぼりにして、ヴェオウルフ閣下が訓練内容を説明していく。

 

「なお、周回遅れした者には、走り込み終了後、一周につき百回のスクワットをやってもらうからな!!多少の遅い速いはこの際無視だ!!」

 

お、鬼・・・・!!

鬼がおる・・・・!!

這いつくばって、腹を持ち上げるので精いっぱい・・・・!!

だ、ダメだ。

まずは動けるようにならないと・・・・!!

 

(こんな時は、反復動作・・・・!)

 

まず、ましろさんの顔を思い浮かべて。

それから、シャララ隊長に貰った言葉を。

『立ち止まるな、ヒーローガール』を思い出して・・・・!

 

「っふ・・・・!」

 

よっし!立ち上がれた!

まずは第一段階!

――――一周分のペナルティは、覚悟しよう。

とにかくこの重量に体を慣らさないと。

訓練どころじゃなくなるぞ・・・・!!

 

「すぅ・・・・はぁ・・・・!」

 

呼吸を整えてから、少し遅れて走り出す。




ヴェオウルフ・スンゲナグル
拙作オリジナルキャラ、クシザス騎士団の団長。
幅広い世代から厚い信頼を寄せられる、クシザスのヒーロー。
筋肉隆々で、豪快な性格のおっさん。
卓越した格闘術の達人であったが、キルミラの襲撃の際、洗脳されたソラに片腕を切り落とされている。
グラスイーグル戦ではソラをあまり見極められなかったため、訓練で改めて見るつもりでいる。
ネーミングはデンマークの英雄「ベオウルフ」と「すんげぇ殴る」。
イメージCV大塚明夫。

『鉄拳』ドラフル
拙作オリジナルキャラ、ベリィベリーの祖父。
今は引退しているが、未だに伝説に語られる辺境警備隊のエース。
十年前の災害で、ベリィベリーの両親でもある息子夫婦を亡くしている。
ネーミングは「ドラゴンフルーツ」。
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