奥空アヤネは僅かに気だるさの残る体を引きずって対策委員会の部室の扉を開ける。
「はぁ、お疲れ様です……」
この数日、あまりよく眠れていなかった。
カイザー理事から提示された三億円という法外な金額を、真っ当な手段で用意しようと皆で決めたはいいものの結局目標金額に到達する見込みすらない。
期日までもう三日を切った。何とかしなければ、という気持ちだけが先行するけれど、どうしたらいいかは分からない。
ため息を吐きながら、部室の中に入ってアヤネはあることに気が付く。
誰もいない。この時間なら、ノノミ辺りがいてもいい頃なのに。
珍しいこともあるものだと部室を見回して、そこで見慣れないものが机の上に置かれていることに気が付く。
一体何だろう、と近寄ってソレを手に取ってみる。
そして、見る見るうちにアヤネの顔から血の気が引いて行った。
「嘘……何でッ……どうしてっ!!!?」
それは、ホシノの退部届だった。
ジャック・オーがアヤネからの連絡を受けて慌ててアビドス高校廊下を急ぎ足で歩いていると、部室からセリカの大声が響いてきた。
「ホシノ先輩っっっ!!! なんで!? こないだ、もうどこにも行かないって皆に約束してくれたじゃない!! なのにどうしてっ!!?」
「……ホシノ先輩を連れ戻す。今度という今度はもう頭に来た。対策委員会に迷惑がかかるし、私が一人で行って先輩のこと殴ってでも連れて帰って来る」
「落ち着いてください、今はまず足並みをそろえないと……!」
「ごめんね皆、遅くなったわ」
ジャック・オーの到着に、生徒達の強張った表情が少しだけ和らぐ。
「ホシノちゃんが退部届を出してまだ学校に来てないんですって? 連絡は?」
ジャック・オーの言葉に、全員がハッとした表情をする。
「そ、そうよ! もしかしたらまだカイザーのところについていないかもしれない! 連絡して、説得すれば!」
「私が連絡します!」
セリカの言葉にスマホを取り出して電話をかけ始めたのはノノミだった。
その表情は、いつになく切羽詰まっている。
誰もが、お願いだから電話に出てくれと祈るようにノノミの方を見る。
そして、机の上から着信音が鳴り響いたことに生徒達全員が驚いた。
「そんな……ホシノ先輩、スマホを部室に……」
ノノミの表情が絶望に染まっていき、手からスマホを取り落とした。
音を立てて床に落ちた彼女のスマホを、けれど生徒の誰もが拾いに行けない。
だって、この状況は明らかにホシノが数日前の皆との約束を反故にして自分を犠牲にしてしまったことを物語っているからだ。
裏切られた。どうして? なんでこんなことになっている? ホシノは何を考えているのか?
そんな沈鬱な空気で部室が満たされる。
その中を、ジャック・オーは険しい表情で歩いていき、ノノミのスマホを拾い上げる。
それから、視線を机の上の退部届に落とした。
「あら……?」
退部届の隅。そこに、四桁の数字が書き込まれていることに気が付く。
これは一体なんだろう、とジャック・オーが退部届を手に取ろうとした時だった。
アビドス高校からそう離れていないところから爆発音が響き渡った。
「爆発音……!?」
「近いです、場所は……!?」
アヤネが即座に部室の端末で爆発した場所を確認する。
「……そ、そんな!?」
アヤネが口元を手で押さえて驚愕を露にする。
一体何が映っているのか、とジャック・オーが彼女の背後からモニターを見ればそこには完全武装をしたカイザーPMCの兵士達がアビドス市街に攻め入っていた。
市民達がいようがお構いなしに市街地へ無差別攻撃をしている彼らは、どこかを目指しているように真っすぐと進行している。
そしてその方角は──。
「こ、こちらに向かって、数百近いPMCの兵力が進行中です!」
「カイザーPMC!? なんでこのタイミングで……!?」
「お、応戦しないとです!! 何はともあれ、アビドスが攻撃されているのを見過ごすわけには……!」
「考えている時間が惜しい。すぐに行こう! ジャック先生!」
シロコの声に、ジャック・オーは小さく頷く。
「全員戦闘態勢を整えて! とにかくあの騒がしいお客さんにアビドス流のマナーを覚えて帰ってもらうわよ!」
「で、ですが先生! あの兵力相手に私達だけでは……!」
そんな弱音を吐くアヤネに、ジャック・オーは安心させようと微笑みながらウィンクをする。
「大丈夫。私、こう見えてその辺は何とかできるから」
「え……?」
アヤネがジャック・オーの言葉に首を傾げた時、ドタドタと品のない複数の足音が校内に響き渡った。
生徒達に緊張が走り、その直後乱暴に部室の扉が蹴破られる。
「対策委員会を発見! こっち──ぐあっ!?」
「ノックも無しに人の家に上がり込むのは失礼だって、お母さんから教わらなかった?」
マナーのなっていない招かれざる客の顔に、
ジャック・オーの熱い歓迎のキスを食らった兵士は、そのまま反対側の壁に体をめり込ませて意識を失った。
「斥候が、もうこんなところにまで……」
「行くわよ皆! マナーもエスコートもなってないおバカさん達に目にもの見せてやりましょう!」
ジャック・オーの指示に、対策委員会の生徒達は皆一斉に返事をして戦闘態勢を整える。
そこからは怒涛の反撃だった。
元より勝手知ったる庭での戦闘だ。いくら相手が場慣れしたPMCだろうと、地の利は完全に対策委員会側にある。
結局、それほど時間もかからずに校内に侵入してきたPMCは全て無力化され、全員が
『校内の敵は全て無力化しました! 次は市街地の市民の皆さんの避難誘導をしましょう!』
オペレートの為に部室に残ったアヤネの指示に全員がアイコンタクトをした後、小さく頷く。
「皆、ここから先はもっと敵の攻撃も激しくなるわ。気を付けてね」
ジャック・オーが真面目な表情でそう言いながら、どこからともなく絵本に出てくるような小さな家を取り出して校門の前にポンと置いた。
その行動に、思わずシロコ、ノノミ、セリカが固まる。
「? どうしたの?」
「いえ……その。ジャック先生、それは……?」
困惑したノノミがおずおずとジャック・オーが取り出した
ちょうどその時だった。
<<おまたせ!>>
「えっ!?」
「さっきいた妖精みたいなのが出て来た!?」
「もちもち……?」
ゴースト*1からジャック・オーのサーヴァントが次々と出てくるのを見て、生徒達が驚きに声を上げる。
「これはゴースト。まあ、この子達のお家だって思ってくれればいいわ」
「なんか……急にメルヘンになってきましたね~」
「このサーヴァント……? は戦ってくれるの?」
シロコの問いにジャック・オーは頷く。
「ええ。あ、こんな可愛い見た目だけど結構強いから期待してくれていいわ」
「こ、こんなもちもちそうな子達が?」
「ま、百聞は一見に如かずね。さあ、市民の人たちを助けに行きましょう!」
ジャック・オーがどこから出したのか、小さな旗を市街地の方に向けて掲げる。
すると、ゴーストから出現したサーヴァント達が手に持った武器を掲げてその方向へと飛んで行く。
現実離れした光景にしばし呆然とした対策委員会の生徒達も、すぐに我に返ってサーヴァント達の後を追った。
アビドス市街に無差別攻撃をしかけるカイザーPMCを無力化しつつ、見かけた市民達の避難誘導をしながらジャック・オー達は市街の中心地付近までやってきた。
こちらに気づいた兵士にセリカ、ノノミが先制攻撃を仕掛け、無力化をする。
それでも撃ち漏らしたものはシロコがフォローをした。
そこへアヤネからの通信が入る。
『何者かの接近を確認……カイザーの理事です!』
硝煙の匂いが充満する中、悠々とカイザー理事がこちらに向かって歩いてくる。
「ふむ。学校まで出向こうと思ったのだが、お出迎えとは感心だ」
市街地や市民に攻撃を加えたことに対し、これっぽっちも良心の呵責を覚えた素振りもない理事にノノミが噛みつく。
「これは何の真似ですか? 企業が街を攻撃するなんて……いくらあなた達が土地の所有者だとしても、そんな権利はないはずです!」
『それに、学校はまだ私達アビドスのものです! 進攻は明白な不法行為! 連邦生徒会に通報しますよ!』
「スカウトなんて、最初から嘘だったってこと? ……いや、それよりもホシノ先輩はどこ?」
「この悪党め……ホシノ先輩を返して!」
生徒達からの糾弾に、けれど理事は実に愉快そうに肩を震わせた。
「……くくくッ、何を言っているのやら。連邦生徒会に通報だと? 面白いことを言うじゃないか、今すぐにでもやってみたらどうだ?」
その余りの自信に生徒達の眉間にしわが寄る。
そんな彼女達に対して、理事は続けた。
「君達はこの状況について、今まで何度も連邦生徒会に嘆願してきたのだろう? それで、一度でも動いてくれたことがあったか?」
生徒達は何も言い返せない。連邦生徒会が動かなかったのは事実だからだ。
「無かったはずだ。何せ連邦生徒会は今、動けないからな。連邦生徒会でなくても良い。今までどこかほかの学園が、君達のことを助けてくれたかね? ……そろそろ分かっただろう?」
徐々に表情を曇らせていく生徒達に、理事は決定的な一言を突きつける。
「アビドスの最後の生徒会メンバー、小鳥遊ホシノが退学した。アビドスの生徒会は、もう存在しないも同然。君達はもう、何者でもない。公的な部活も、委員会も、生徒会も、自治区すらないアビドスは、学園都市の学校として自立・存続が不可能だと判断……仕方ないな、この自治区の主人である我がカイザーコーポレーションが、あの学校を引き受けるとしよう。そうだな、新しい学校の名前は【カイザー職業訓練学校】にでもしようか」
理事の言葉に対策委員会の生徒達の表情が驚愕に染まった。
「な、何を言ってるの!? 生徒会がなくても、アビドスには対策委員会がある!! 私達がまだいるのに、そんな言い分が通じるはずないでしょ!」
理事の横暴な発言に噛みつくセリカだが、アヤネがそれに対して沈んだ声でセリカの言葉を否定した。
「対策委員会は、公式に許可を受けている委員会じゃない……」
「えっ……!?」
「対策委員会が出来た時には、もうアビドスには生徒会がなかったから……」
アヤネの言葉に、セリカが信じられないと理事とアヤネのドローンを交互に見比べた。
そんなアヤネの言葉に理事が満足そうに頷く。
「そうだ。所詮非公認の委員会、正式な書類の承認も下りていない。つまり、君達の存在を示すものは何も無い。だが喜べ。アビドス高等学校が無くなれば、君達はもうあの借金地獄からは解放されるのだから。それは、小鳥遊ホシノの願いでもあった。実に健気ではないか。残される後輩の為に、我が身を差し出してでも君達を解放しようなど」
理事の言葉にセリカとシロコの銃のグリップを握る力が強くなる。
「人生は長い。だが、学生生活はその中のほんの一瞬でしかない。そんな貴重な時間を借金返済などという下らない時間に浪費させないように彼女は決断をしたのだよ。そうそう、君達は私を悪党と呼ぶがね。小鳥遊ホシノの退学はあくまでも彼女の意志だ。君達は、自分達の自己満足の為に小鳥遊ホシノの決意を踏みにじるつもりかね?」
理事の言葉に生徒達全員がショックを受けた。
彼の言う事が本当ならば、今自分達がやっていることはホシノの邪魔をしているだけになってしまう。
では、今自分達は何のために戦っているのか。
「ホシノ先輩……私達、どうしたら……どうして……?」
絶望に呑まれた生徒達は自然と銃口を下ろし、俯いていた。
対策委員会の戦意は、ほとんど折れてしまった。
「随分と大人げない話をするじゃない?」
けれど、ジャック・オーはその状況でなおもいつものような明るい声で生徒達の前へと踏み出す。
「貴様は……シャーレの先生か?」
「そう。ジャック・オー=バルサラよ。初めまして、カイザーコーポレーションのお偉い様?」
「バルサラ……貴様、フレデリックという若造の嫁か? あの男はどうした。まさか、この状況を見越して逃げ出してしまったのかね?」
フレデリックの姿が見えないことに対し、あからさまにジャック・オーを馬鹿にするような声で理事が笑う。
そんな挑発に、ジャック・オーは笑みを返しただけだった。
「ホシノちゃんの退学は自主的なもの……なるほど。確かにそれなら私達に貴方を責める正当性はないかもしれないわね」
「その通りだとも。故にご婦人、そこの子供達に教えてやってくれないか。君達の行いは無駄なものだ。もっと生産性のあることにその貴重な時間を使うべきなのだと」
理事の言葉に生徒達は不安そうにジャック・オーの方を見る。
背後からすがるような視線を送られているのが、見なくても分かった。
最も、そんな視線があろうとなかろうとジャック・オーが返す答えなどとっくに決まっている。
「お断りよ」
「なんだと……? 記憶力に問題があるのかね? 今の状況は、どこをどう切り取ったとしてもアビドスに未来などないと分かっただろう」
理事の言葉にすっとぼけた様な表情で頬に人差し指を当てて、ジャック・オーは何かを思い出すような素振りで語る。
「貴方はホシノちゃんが自分の意志で退学をし、カイザーへ
「下らん。そんな事の真偽を議論する場ではないし、そんな時間はとうに過ぎているのが分からないのかね?」
「あの子、つい数日前にカイザーとの取引には応じない、どこにも行かないって皆の前で約束したの。真面目な子だから、舌の根が乾かない内にそれを反故にするような子じゃないのよね」
ジャック・オーの言葉を理事は鼻で嗤った。
「子供との口約束など何の価値も、保証もないその場しのぎのものでしかないだろう。そんな約束をしたところで、君達に未来などないことは聡い彼女には分かっていた。だから機を見てこちらに来た。それだけの話ではないのかね?」
「くすくす……三年近くもアビドス最後の生徒会メンバーとして、ずっとこの街を護ってきた責任感の塊みたいな彼女が、そんな適当な約束すると思う? 私はそれこそホシノちゃんが本当に自分の意志で退学を決めたのか、その真偽を明らかにされると困る貴方のその場しのぎの方便に聞こえるわよ?」
「面白い考えだが……証拠はあるのかね?」
「ないわね。今は」
あっけらかんと答えたジャック・オーに理事はついに堪え切れなくなったのか腹を抱えて笑い出した。
「ハハハハハハッ! これは傑作だ! 証拠もないのにこちらの不正を疑うとは、シャーレというのはコメディアンの集まりか何かかね? こんなくだらない人材を入れるとは、連邦生徒会も余程人を見る目がなかったと見える!」
ひとしきり笑った理事は一旦深呼吸をすると、懐から端末を取り出した。
「実に楽しい時間をありがとうバルサラ婦人。だが、いずれにしても話にならない。言っても聞かないのであれば、残念だが力づくで排除させてもらうよ」
「あら、随分と乱暴なダンスのお誘いね? エスコートはもっと丁寧にした方が女の子には受けがいいわよ?」
そう言いながらジャック・オーは肩越しに背後の生徒達の方を見る。
まだショックから抜け切れてはいなさそうだが、ジャック・オーと理事の問答で僅かに希望を見出したらしい。それぞれが握った銃の銃口は少しずつ持ち上がっていた。
時間を稼げば立ち直れる。ジャック・オーはそれを確信した。
問題は、同時間を稼ぐかだ。流石にジャック・オーのサーヴァントだけでどうにかするのは厳しいものがある。
それでも、諦めることだけは決してしない。
そんなジャック・オーに天は味方をしたらしい。
理事が端末に話しかけ──ようとしたところで辺りに巨大な爆発音が響き渡った。
「何!? 何が起きている!? アビドスの連中は、ここにいるので全員のはず……!」
相次ぐ爆発音に連動して理事の元に被害報告が行っているのだろう、理事が混乱した様子でこちらと端末を交互に見比べている。
爆発音が収まり、辺りが再び静寂に包まれる。
そこへ、カツカツというヒールの音が響き渡った。
その場の全員が足音の方向へと目を向ける。
「全く……大人しく見ていれば、なんて情けない顔をしているのかしら」
威風堂々。そんな言葉が似合う生徒がそこにはいた。
「喧嘩を売ってきた気に入らないバカな相手に目にモノ見せる……それがソル=バッドガイの、覆面水着団のモットー*2でしょ!!」
陸八魔アルだった。その後ろには他の便利屋メンバー達もそろっている。
ジャック・オーにとっては数日ぶりの再会だ。カイザーPMCの脅迫の証拠を手渡しにシャーレに来た彼女達と少しだけ話したが、随分とユニークな子達だったことを覚えていた。
そんなジャック・オーの回想を他所に、アヤネが驚いたような声を上げる。
「あ、あなたは!?」
「何をすればいいのか分からない、どうすればいいのかも分からない。やることなすこと、全部失敗に終わる……ここを潜り抜けたところで、この先にも逆境と苦難しかない……」
アルの言葉に対策委員会の生徒達の表情が再び曇る。
そう。この場を切り抜けたとして、その後の問題をどう解決すればいいか見当もつかないのだ。
だが、そんな彼女達の内心を表情から読み取ったのかあるが喝を入れる。
「だから何なのよっっっ!!!」
アルの喝に、アヤネが、シロコが、ノノミが、セリカが怯んだ。
そんななおも不甲斐ない対策委員会の生徒達にアルは力強い声で語り続ける。
「仲間が危機に瀕してるんでしょう!? それなのに、くだらないことばっかり考えて、このまま全部奪われて、それで納得できるわけ!? ソル=バッドガイがこの場にいたら、絶対にそんな腑抜けた考えはしないでしょう!? それはあなたたちが一番よく知っているはずよ! それとも、そんなことも分からないほど情けない集団だったの!?」
アルの言葉に、ジャック・オーはハッとした。
対策委員会の生徒達に発破をかけるその姿が世界と自分を天秤にかけ、躊躇いなく自分を取ってくれたあの日のフレデリックと重なったのだ。
そのことに気が付いたジャック・オーはそんな素敵な生徒を前にした喜びで笑いがこみあげてきた。
「あ、アハハハハハ!!」
ジャック・オーが声を上げて笑い出したことに、便利屋を含んだ全員が驚いて彼女の方を見る。
そんな視線などこれっぽっちも気にせず、目元に浮かんだ涙をぬぐいながらジャック・オーは便利屋68の方へ向き直る。
「数日ぶりね便利屋ちゃん達! 貴方達、本っ当に最高よ!!」
「ジャック・オー先生、あなたとは初めての協業だけど……合わせてくれるかしら!」
「モチのロンよ! ナウなヤングのイケイケパワーであのいけ好かない大人をぶっ飛ばしましょ!」
ジャック・オーの返事に、しかしすぐにはアルから返事がこなかった。
辺りに寂しい風の音だけが響き渡る。
一体どうしたのかとジャック・オーが辺りを見回してみればその場の全員が微妙な表情を浮かべていた。
「ナウ……ヤング……?」
「イケイケパワー……?」
「流石に……ちょっとワードチョイスが古いんじゃない?」
カヨコの呆れた声に、ジャック・オーが頬を膨らませる。
そんな微妙になってしまった雰囲気を振り切るように、アルが咳払いをして仕切りなおした。
「さあ先生! そこの
「指揮は任せて! さあ、パーティーの始まりよ!」
「くっ! 応戦しろ!!」
そうして、ジャック・オー率いる便利屋68とカイザーPMCの戦闘の火蓋は切られた。
お気にいり、感想いつもありがとうございます!