ホロライブ×結婚生活   作:主義

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紫咲シオン編

 

誕生日は一年に一回。そしてそれは特別な日。

 

 

――――――――――――

 

 

「お寿司でも食べに行きましょうか?」

 

キミはシオンにそう問いかけてきた。多分キミはシオンがお寿司を好きだからそう言ってくれているんだと思う。でもシオンにはどうしてお食べたいものがある。

 

 

「ううん」

 

 

「何か食べたものとかありますか?」

 

シオンは迷うことなく答えた。

 

 

「オムライス!」

 

 

「オムライスですか。じゃあ洋食のお店ですね」

 

キミは携帯で洋食屋さんを探し始めてしまった。

 

 

「ち、ちがう!!」

 

 

「え?」

 

 

「シオンはキミのオムライスが食べたいの!」

 

 

「え、僕のですか?」

 

 

「うん!」

 

オムライスが好き。そしてどんなお店の料理よりもシオンはキミのオムライスが世界で一番美味しいと思ってる。キミがシオンを想って作ってくれたものに勝るものなんてあるわけないしね。

 

 

「僕のオムライスよりも美味しいお店の方が良くないですか?」

 

 

「ううん。シオンはキミのオムライスがいいの。この特別な日にキミと二人でキミのオムライスを食べたい」

 

今日にも意味はある。もちろんどこかのお店での食事もいいかもしれない。だけどこの特別な日は二人きりで誰にも邪魔されないような場所がいい。

 

 

「…わかりました。シオンさんがそこまで言うのなら」

 

キミはキッチンの方に向かって冷蔵庫の中身を確認する。

 

 

「材料が足りなさそうなのでスーパーまで買い出しに行ってきます」

 

 

「シオンも行く!」

 

 

「いや、シオンさんは誕生日なんですから家で大人しく待っていてくださいよ」

 

 

「やだ!シオンも行くの!!」

 

シオンは子供のように地団駄を踏んでキミが受け入れてくれるまで続けた。するとさすがにキミも観念したようで首を縦に振ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外は冬真っ盛りなだけあって凍てつくような寒さ。いつもだったら完全防具じゃないと外に出ることはないぐらい。

 

「シオンさん、やっぱり家で待っていた方が良かったんじゃないですか?」

 

 

「大丈夫だもん。これぐらいの寒さ」

 

 

「それならいいですけど…」

 

凍えるような寒さだけど…唯一手だけは温かい。それはキミがシオンの手を握ってくれているから。

 

 

「寒いのは分かっていた事ですし、なんで手袋してこなかったんですか?」

 

それをキミが言うの。キミは手袋だけじゃなくてマフラーとかも含めて防寒対策を何もしてない。シオンとしてはキミの方がいつか風邪引いちゃうんじゃないかと心配だよ。

 

「だって手袋をしちゃったらキミのことを感じれなくなっちゃうじゃん」

 

シオンはどんなに寒くてもキミの手と触れていれば…寒さなんて気にしない。だってどんなに寒くてもキミは温かいんだ。その温かさがシオンを包み込んでくれる。

 

 

「僕はここにいるから大丈夫ですよ」

 

 

「そ、それは分かってるけど。やっぱり触っているとキミを感じれるから良いの!」

 

 

「そうなんですね」

 

キミはあんまり納得していない感じだったけどそれ以上なにかを聞いて来ることはなかった。

 

 

 

 

シオンはキミに気付かれないようにキミの横顔を見て「やっぱりシオンの彼氏ってカッコいい」って思っちゃった。シオンがもうキミに魅了されているってこともあるかもしれないけど、それを抜きにしても絶対にカッコいい。いつもシオンのことを第一に考えてくれて、シオンの全てを受け入れてくれて、シオンのことを支えてくれる。こんなに良い人はいない。

 

そんなキミのことを皆に自慢したいという気持ちもあった。シオンはとっても幸せものだよってのを皆にアピールしたい。そんなアピールしてもただ嫉妬の眼差しで見られるだけだなのに今の幸せを周りの人に知って欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

スーパーに付いてからもシオンはキミの手を離すことはなかった。キミはさすがに離して欲しそうだったけど、シオンは意地でも離したくなくて上目遣い攻撃をしたら…キミはため息を吐いて「仕方ないですね」と言ってくれた。今日は誕生日なんだし、これぐらいは許されるよね。

 

さすがにキミはちょっと不便そうだった。

 

 

そして買い物が済むと来た道を戻って、すぐに家に帰った。

 

「それじゃあ作るのでシオンさんはソファーでくつろいでいてください」

 

 

「ううん。シオンは見てる」

 

 

「見てる?」

 

 

「うん。シオンはキミがシオンのために料理しているところを見てるよ」

 

 

「それ楽しいですか?」

 

 

「楽しいよ。だってキミがシオンのために料理を作っているんだよ。こんなの見ているだけで嬉しいし」

 

キミはキョトンとしている感じで全然分かっていない感じだったけど「あんまり近づかないでください」と言って料理を始めた。それからシオンはキミが料理をしているところをずっと見てた。キミの手際は良くて、どんどんオムライスは出来上がっていく。

 

 

あっという間にオムライスは完成してしまった。今はオムライスにケチャップで文字を書いてくれている。

 

 

「シオンのこと好き?」

 

 

「好きですよ」

 

キミが時間を空けずに答えてくれたことがシオンは嬉しかった。今、キミの頭の中はシオンで埋め尽くせてることに。もちろんキミが浮気とかをするようなタイプじゃないと分かっていても不安になっちゃう日もあるけど。

 

 

「じゃあ、シオンのことを愛している?」

 

 

「愛していますよ」

 

 

「シオンとずっと一緒に来てくれる?」

 

 

「一緒ですよ」

 

 

「シオンがどんな我儘を言っても叶えてくれる?」

 

 

「まあ叶えてくれる範囲のことであれば」

 

 

「シオンが抱きしめてと言ったら抱きしめてくれる?」

 

 

「抱き締めますよ」

 

キミの答えを聞いてシオンは一つお願いをしてみることにした。

 

 

「じゃあシオンのことを抱きしめて」

 

 

「え、今ですか?」

 

 

「うん。今すぐにシオンのことを抱きしめて」

 

 

「…もうちょっと待っていてください」

 

 

「え~~すぐに抱きしめてくれなきゃいやだ~」

 

ごねながら上目遣いでキミのことを見ると、キミはケチャップを置いてシオンのことを抱きしめてくれた。

 

 

「あったかい」

 

 

「シオンさんが冷たい過ぎますよ」

 

 

「じゃあシオンが温かくなるまでシオンのことを抱きしめて」

 

 

「それだとオムライスの方が冷めちゃいますよ」

 

 

「シオンと料理だったらどっちの方が大事?」

 

 

「それはシオンさんです。だってこの料理だってシオンさんのために作っているわけですし」

 

 

「そっかぁ…。ずっとシオンのことを抱きしめてて」

 

 

 

それからシオンとキミはしばらき抱きしめ合った。

 

オムライスはちょっと冷めちゃったけど、キミの作ってくれたオムライスは冷めてもとっても美味しかった。

 

 

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