鉛筆騎士の腹心   作:姉小路

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シャンフロ前~
幕末に行きたい


拝啓、ダメ人間だった僕を成人するまで育ててくれた両親。

どうやら僕は転生したらしいです。

まぁ転生と言っても僕が記憶を取り戻したのは今世の僕が高校を卒業してからしてからである。神様、お願いだから学生時代、いや贅沢は言わないから高校生活をもう一度やり直させてほしい。強くてニューゲームをしたかったのに…なんなら僕は剣や魔法のファンタジーな世界に転生したかった。

因みに今世の僕がどのような高校生活を送ったかに関してはノーセンキュー。普通の一般モブ高校生だった。文化祭も体育祭もラノベ的イベントが起こる訳もなく前世の高校時代と同じように過ぎ去っていったよ。

まぁそんな事は置いといて何で今更にもなって記憶を取り戻したかについて説明したい。

僕が転生したのは剣や魔法のファンタジーといった異世界転生ではなく僕のいた時代よりも少し未来の世界っぽい。科学技術が全体的に向上しており昔ニュースで見た夢のある内容が普及してたりする。そんな中でも僕がのめり込んでいた者がフルダイブ型VRゲームである。

フルダイブ型のVRゲーム、オタクなら一度は夢に見ただろう。だって某14や某10をフルダイブで体験出来る事をどれだけ妄想したことか…

かく言う今世の僕もドはまりしており、新しいゲームを探すために販売サイトを眺めていた。そのうちの一つを見た瞬間僕の記憶は蘇ったのだ。

 

そのゲームの名は「サバイバル・ガンマン」。

 

もう皆さんお判りでしょう。皆大好き鯖癌である。

そう、なんとこの世界は「シャンフロ」の世界だった。

シャングリラ・フロンティア、設定が広大な上にかなり自由度の高めの神ゲーに見せたクソゲー。そんなゲームの攻略をしていく大人気な作品。

前世でこの作品はかなり人気になっていた。かくいう僕もそれなりにこの作品を見た。と言っても原作を数周した程度だし細かいところまでは覚えてない。この作品設定が細かくて細部まで覚えれて無いんよなぁ。

因みに僕のこの作品のイメージの半分ぐらいは「幕末」で占めていると言っても過言ではないぐらいには「幕末」の章が好きだった。だから発売されたらやりたいなとは思う。

まぁ、取り合えず原作に関われなくてもあの神ゲー(笑)なシャンフロをプレイしてみたいとは思っているのでそのためにPSを少しでも上げたい。あのゲーム難易度おかしいからPSが高くて困ることは無いしむしろ高いPSが必須まである。

という訳で鯖癌をやってみることにした。記憶を取り戻し前世の僕の自我が全面的に出るようになった結果僕は今世の僕が今まで培って来た経験を殆んど記憶に変えてしまったが仕方あるまい。

挑むのはあのサンラクですらヤバいやつらの巣窟と言わしめた鯖癌のギリシャ文字鯖。

取り合えずキャラメイクは怠かったし顔をそのまま使い髪色だけ紫に変えといた。プレイヤーネームは「ランスロット」。前世でMMOやその他諸々のゲームをしていた時に使っていた名前である。

さてさて蛮族だらけのφサーバー相手にとって不足あるまいて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の人生最大の不覚‼猫じゃらしは美味しくないし歯の間に挟まるなんて聞いてない。

アレ普通に麦とか見たいな見た目してるから美味しそうで分かってても偶に食べちゃうんよ。

現在鯖癌を初めて既に一年近く時が流れている。

初日は小型モンスターに蹂躙される側だった僕も今では立場逆転蹂躙する側に回ることが出来るようになった。これはもう完全に馴染めたといっても良いだろう。

入ってからの一週間は小型エネミー一体にも不覚を取っていた僕だが今では小型、中型、大型なんでも攻略できるようになり他プレーヤーに後れを取ることも少なくなった。

みんな知ってるかい?足を切られたり体を切断されるのって慣れると何も感じなくなるんだよ...もう日常じゃ怖いものなしになってしまった。

あと、φサーバーから他のサーバーに皆で攻撃を行った時はいろいろな人から「ランスロットに謝れ‼」と言われたが僕は耳を塞いで聞こえなかったことにしといた。

同じφサーバーにいたイカレた有名蛮族さんに何で僕ってこんな言われてんの?って聞いたら「お前マジか」みたいな顔で引かれた。お前だけには言われたくない。

 

と、まぁこんな事に思いを馳せているのにもしっかりと理由が存在する。

この度誠に残念ながら鯖癌が終わってしまった。どうやらあのアホが医者に言ってしまったらしい。正直この犯罪者予備軍を閉じ込める檻が解き放たれてしまった事に少し恐怖する。だって夜道に後ろから幼女にワンキルされるかもしれないんだぞ!?怖すぎるって...

冗談はほどほどにしといて困ったことにやるゲームが無くなってしまったので新しいゲームを探すことにした。するとどうやらあの待望していたゲームが既に発売されていたらしい。その名も「辻斬・狂想曲:オンライン」、通称「幕末」。

ちなみにネットで調べたところもうすでに「天誅」が始まっているらしい。

ランキングにはもうレイドボスさんもいるみたいだしそんなの行くしかないだろって話。

という事で早速ログインすることにした。

 

「「「ログボ天誅‼‼」」」

 

「あ、すみません。腕が勝手に‼」

 

「天が、天が殺れって言ってるんです‼」

 

ログインした瞬間早速襲われた。鯖癌並みの治安の悪さである。最高かよ。

僕は癌鯖で鍛え上げた体術でログボ天誅を回避し初期装備の刀で五人いるうちの一人を大きく切り裂き退場させる。

 

「取り合えず初天誅っと」

 

初心者に対する洗礼でもあるログイン天誅を防がれたことのみならず仲間の一人がやられた事に攘夷志士が驚愕する。

あいにく既に僕の脳みそは鯖癌を経て正常なものでは無くなっている。

特に違和感なく受け入れてしまっていたが確かに異常な光景であることには間違いない。

相手が驚いている一瞬の隙に残りの攘夷志士たちを攻撃する。

その攻撃を見て思考が追いついたようで迎撃されてしまう。

 

「お前装備品的にビギナーだろ‼なぜログイン天誅に対応できるんだ‼」

 

「天が僕に教えてくれたんだよ。だから恨むなら天を恨みな」

 

「こいつ‼初心者なのにもう幕末脳になっちまってるだと‼」

 

切りあいながらの切迫した状況下で交わす言葉の押収はやはり楽しいなぁ。

時間が経っていく内に一人、また一人と減っていく攘夷志士。

最後の一人を肩から刀で切り捨てたところでそいつが言う。

「せめて装備を、いや刀だけでも質に流してくれ‼」

 

「初心者なんで無理です。」

 

「」

 

攘夷志士さんのHPがみるみる減っていく最中に懇願するも無常に断る。

だって初心者だもん。

 

「天誅‼」

 

そうして天誅している間に次の辻斬りが襲い掛かって来た。期待通り「幕末」良いな。

鯖癌も治安が悪かったし蛮族ではあったけれども「幕末」は「幕末」で鯖癌とはまた違った頭の壊れ方をしている。いいねぇ。

 

そうしてこの日は朝になるまで天誅したりされたりしていた。

 




癌鯖で主人公
・腹を抉られてるのに笑顔で受け入れてる。
・腕が切られても全く反応しない
・気づいたら蛮族



結論:頭おかしい
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