鉛筆騎士の腹心   作:姉小路

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兎は最強生物である

幕末でレイドボスさんと戦いボコボコにされた日からそれなりに時間が経過した。

最近では永遠も仕事の忙しさが落ち着いたので一緒にシャンフロをしている。

久しぶりにシャンフロにインしたら無意識に天誅をしようとしていて自分に引いた。

その様子を見たペンシルゴンは爆笑していたけど笑い事ではない...

兎に角今はシャンフロをメインで頑張っている。

今日もいつも通りレベリングや金策を行い街に帰って来ていた。

すると僕の目の前を通り過ぎ街中を全力疾走している兎を見つけた。

何か見たことあるな...ウェザエモンと戦った事でヴォーパル魂が規定値に達したのか?

このチャンスを逃したくはないので僕は兎をダッシュで追いかける。

街の路地を右へ左へ縦横無尽に駆け抜けていく。

走り続けることしばらく、行き止まりに辿り着き停止する。

壁には扉がある。これが恐らく兎の国への入り口だろう。物おじせずに足を進め門に入る。

 

 

『ユニークシナリオ「兎の国からの招待」を開始します』

 

 

そんなクエスト開始の音声が聞こえた。

次の瞬間、目を開くとそこには兎たちの生活する街が広がっていた。

 

「来てしまったのか...兎御殿に」

 

「こんにちは、お兄ちゃん!」

 

「」

 

僕が追ってきた兎、その姿をよく見るとその兎はロリであった。先に行っておこう僕はロリコンじゃない。

原作を読んでいたけれどもこの兎については何も知らない。僕が忘れてるだけなのだろうか?

 

「私の名前はゼッタ、お兄ちゃんの名前は?」

 

「僕の名前はランスロット、よろしくねゼッタ」

 

僕はゼッタと握手を交わす。本当に記憶にない、まぁ本編に出てこなかっただけだと思い取り合えずスルーしておく。それにしてもエムルより幼いだろこれ...

 

「お兄ちゃんにはこれからパパに会ってもらいたいの、多分怒られるとかじゃ無いから安心してね」

 

「了解、なんの話かは分からないけれど怒られないなら付いてくよ」

 

ゼッタの言うパパは恐らくヴァイスアッシュの事だろうか...

なんかエムルとかビィラックが「頭」だとか「オヤジ」とかちょっとアウトローな感じで呼んでるから「パパ」みたいな普通の呼ばれ方していると頭が混乱する。

ゼッタに付ついていき街を移動する事数分、明らかに周りの建物よりも豪華な建物に到着した。

案内されるがままについて行くと和風の謁見の間みたいな所に通された。

上座にいるのは他の兎よりも幾分か大きい兎。片目を潰すように傷が顔についている。

皆さんご存じヴァイスアッシュさんである。

 

「パパ‼ヴォーパル魂のあるお兄ちゃんを連れて来たよ‼」

 

「よくやったな、ゼッタ」

 

自信あり気にヴァイスアッシュに報告するゼッタに対してヴァイスアッシュはゼッタの頭を撫でながら褒める。一通りゼッタを撫でた後ヴァイスアッシュはこちらに視線を飛ばす。

 

「俺等ぁヴァイスアッシュってぇんだ。このラビッツでカシラを張ってる。感じるぜぇ?お前から。あの死に損ないに祝福をされたんだってな?中々見どころがあるじゃねぇか。」

 

「いえ、私には過ぎた言葉です」

 

「謙虚だねぇ...あの死に損ないが祝福を与えたんだぁ、お前さんの戦う理由は女だろ?」

 

「まぁ、否定はできないですね」

 

「俺等はそういう理由で戦う奴は好きでねぇ、俺等が直接鍛えてやろうと思ってな。どうだ俺等に時間を預ける気はねぇかい」

 

「もちろんお願いいたします。師匠」

 

「おう、これからお前は俺等の弟子だ」

 

なんとヴァイスアッシュの弟子になることが出来た。多分これは墓守の呪いのおかげだな。サンラクみたいに好感度を多く得ることは出来なかったがこの結果ならば上々だろう。

 

「ゼッタ!お前こいつの事気に入ってたな、この街を案内してやりな」

 

「うん!お兄ちゃんにこの街について教えてあげる!」

 

師匠に僕の案内役を任されたゼッタはやる気満々といった感じだ。

闘技場とかに連れてかれなければ良いけど...

 

 

 

 

「お兄ちゃん!ここは実践を学ぶための闘技場なの!」

 

「ここがあの...」

 

結局連れてこられてしまった闘技場。

想像してたよりもずっと広い、2、30メートるぐらいあるだろうか。

 

「えーっと、パパによるとここで10体のモンスターと戦ってもらうの」

 

どうやら早速あの戦いに身を投じる必要があるらしい。

 

「早速挑戦する?」

 

「やる」

 

 

 

 

 

 

 

 

一体目の相手はゴブリンに翼の生えたエネミー5体だった。こいつらレベルが僕より高いくせに一生空から弓を射てくるという怠い奴らだった。矢を避けながら斧を投擲して倒した。デス回数4回。

 

二体目のエネミーは超巨大なヤドカリ。攻撃をしようとするたびに殻にこもるせいで通常攻撃が全く通らない。なので兜割の進化系スキル肉断斬骨というスキルを使って殻ごとぶった切った。デス回数0回。

 

三体目のエネミーは三つの首を持つ鳥。それぞれ火、水、風を使ってくる。途中まで順調だったがいきなり分裂して三体となって僕を袋叩きにしてきた。倒した方法はまぁ、頑張ったとしか言えない。デス回数2回。

 

四体目のエネミーは小さなネズミの群れ。また量で攻めて来たか、と思ってたら合体して大きな集合体となった。合体するのはスライムの特権だろ...普通に強くて数回死んだ。デス回数3回。

 

五体目のエネミーは多分デュラハン。首なしのアンデッド騎士。やっと有名な奴が来た!と思ったのも束の間、試しに聖女ちゃんの聖水を使ったら簡単に倒せてしまった。聖女つよし。デス回数0回

 

六体目のエネミーはメチャでかい蛇。でかい癖に機動力が半端ないし地中にも潜るので攻撃できない。しまいには石化の魔眼まで使ってくる。何回も死んで頑張った。デス回数17回。

 

七体目のエネミーは筋肉ムキムキな肉体を持った二足歩行の鳥頭。

慣用句的な意味の鳥頭じゃなくて本当に鳥の頭が付いているのである。

コイツの特徴はシンプルに筋肉による高火力な拳。

掠るだけでも体が消し飛んでしまうほどの火力を秘めた拳を以てインファイトを仕掛けてくる。

さらにコイツは爆音の鳴き声で集中力を削ってくるのが更に面倒。

コイツに関しては純粋な殴り合いを制して最終的には殴り勝った。デス回数19回。

 

八体目は霧の魔物。最初は何がいるかもわからなかったがいきなり背後に表れて一撃で殺してくる生粋の暗殺ビルド。

どっかで見た事のありそうなビルドをしてやがる...

絶対殺す。霧なので当たり判定が厳しく何度もトライさせられた。

最終的には相手の攻撃がヒットする直前を狙ってカウンターを決めて倒してやった。正義はなされた。

デス回数7回。

 

九体目、虎の頭、猿の体、竜の脚、そして尻尾が蛇のキメラだった。純粋に早いし力が強い、という完璧な強キャラである。なんだかんだで戦いを長時間続け3回死んだぐらいでこれとは別に本体がいることに気づき倒した。デス回数3回。

 

そして最後の十体目、そいつは今目の前にいるのだが...

目の前にいるのは神話とかでしか聞いたことの無い、八つの首を持つ八岐大蛇のような姿をしている。

けれど八岐大蛇にしては伝承と比べてあまりにもサイズが小さすぎる気がするので本物ではないだろう。気になってゼッタに聞いてみると神代の魔法使いが龍の性能を再現する実験で生まれたモンスターとのこと。以前は蛇のモンスターらしい。

一応偽物らしいけど感じるプレッシャーは並々ならない。

正直勝てる気がしないがクエストクリアの為に行くしかあるまい。

 

「あっ‼お兄ちゃんに言い忘れてたの‼この蛇は特殊な武器じゃないと倒せないらしいから五分耐えるだけで良いってパパが言ってたの‼」

 

「ラストは耐久ゲーか...」

 

まぁウェザエモンとの戦いで耐える事にはそれなりに慣れている。

頑張って一発クリアを狙っていこう。

 

「さぁ、最後の一体気合を入れてこう‼」

 

僕が闘技場に入ると戦闘が開始された。

こちらを見つけた蛇がくねくねとしながらこちらに迫ってくる。

 

「ギィギアアアャァァァ‼」

 

素早くこちらに迫り八つある首を巧みに用いて右から左、左、上、正面と背後からの同時に噛み付き。これらの攻撃のタイミングをずらしながら放ってくる。

が、僕も簡単にはやられないためステップワークで蛇の攻撃を回避しながら避けられない攻撃を斧で受け流し対応する。

一通りの攻撃に対応しきった後、蛇はその事実を認めたくないのかイライラし始め攻撃はどんどん粗くなっている。

 

「ギィィイ」

 

どうやら痺れを切らしたのか大技を放つために一つの首にエネルギーを溜め込んでいる。

そういう時は...

 

「ヴオオオオオオオォォォォォォォォォ‼‼‼」

 

『蛮族の咆哮』を発動させる。蛇はスタンし、大技をキャンセルできた。

その事に蛇は再び怒り攻撃の精度がますます粗くなる。

その後は焦らず欲張らずの精神で慢心することなく攻撃を避ける。

どうせ僕では攻撃しても意味が無いらしいし無理はしない。

そのまま回避を続け五分が経ったとき蛇の頭に強い閃光が当たった。

光がやむとそこには首を抉られて絶命している蛇がいた。

 

「」

 

 

「お兄ちゃんおめでとう!五分経ったよ!」

 

どうやら攻撃したのはゼッタらしい、手には明らかに伝説っぽい感じの雰囲気を放つ巨大なハンマーを手にしている。

僕が少しもダメージを与えられなかったのに一撃か...兎って幼くても強いんだなぁ

 

「お兄ちゃん!パパにクリア出来たって伝えとくね」

 

そういってゼッタはどこかに走り去ってしまった。

なんか試合に勝ったけど勝負に負けたみたいな感じ...

 

 

『ユニークシナリオ「兎の国からの招待」をクリアしました』

 

 

今日の結論、兎は強い。

 




「風化せし魔導竜」

神代の魔法使いが蛇を龍にしようと実験を重ねた結果に生まれた竜。
首が八つ生えているのは八匹の蛇が魔法使いによって合成されたからである。
龍にある事が出来なかった竜ではあるもののその力は凄まじく、過去に大きな街を一つ滅ぼした程度には力がある。
新大陸産の魔物でありレベルは上限を突破している。
主な攻撃手段は首の多さを活かした攻撃。
大技として魔法を使ってくる。魔法属性は相手に合わせて属性を変化させるため対応が難しい。
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