あれから何日も過ぎ去りウェザエモンとの戦いの高揚感は完全になくなってしまった。
だが社会人なのでその事を意識することなく仕事をしないといけない。
なので、今日も今日とて僕は永遠のマネージャーとして現場に来ていた。
今日の撮影はファッション雑誌の撮影である。いつもならこの手の仕事はすぐに終わる。だが今日のカメラマンは拘りの強い人らしく何回も取り直しており結構時間を取っていた。
撮影が終わり家に帰すと疲れてしまったのかすぐ寝てしまったぽい。
最近ずっとペンシルゴンと一緒に遊んでたし、ペンシルゴンがいない時は幕末をしていた。なので久しぶりにソロのシャンフロになりそうだ。
何故幕末ではなくシャンフロをするのか、それはウェザエモンの撃破報酬を使ってみたいからだ。
僕は未だにウェザエモンの撃破報酬を試すことが出来ていない。なので今日は一人だしやってみようという訳である。
「さてさて、何から試してみるか...」
僕がウェザエモンの撃破報酬として得たものは「晴天流奥義書」、「格納鍵インベントリア」、「世界の真理書「墓守編」」、「ウェザエモンの刀」そして最後にこの顔に付けられた「ウェザエモンの祝福」である。
僕の知識にない物が二つもある。多分これ爆弾だろ...
兎にも角にもその詳細を見ていく。
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ウェザエモンの刀
ウェザエモンの呪いを持つ者が彼の与える試練を突破したことを証明する刀。
祝福を持つ者がこの刀を振るう時、鬼神が如き力を振るえるようになる。
・ウェザエモンの祝福を付与された者のみ装備可能。
・ウェザエモンの祝福を持つ者のステータスに高補正。
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ウェザエモンの祝福
ウェザエモンに与えられた試練を突破した呪いを受けし者への祝福。
ウェザエモンは自身を反面教師にさせ自分とは異なる未来へと導こうとした。
・特定プレイヤーと同一パーティーの時ステータスに補正。
・刀を使用する際TECに高補正。
・特定NPCからの会話時に補正がかかる。
・この祝福は解除することが出来ない。
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うん、やっぱり爆弾であった。
この常時ステータスに補正を掛けれるスキルたちはもちろんヤバいのだが一番問題なのはウェザエモンの祝福。解除不可とは一体どういう意味かな?ちょっと日本語が理解できないかもしれない。強いし嬉しいんだけど顔に凄い目立つマークが入ってるんだ。例を挙げるならエルデンのラニのやつ。とにかく目立つ。嬉しんだよ、嬉しんだけどさぁ...本当に複雑な気持ち。呪いの時解除されると書いてはいたが新たに祝福として刻まれ直すのは聞いてない。という訳でしばらくは仮面をつけるのは続行である。せめて秋津茜が世間に発見されるまでは注目されたくない。
「取り合えず刀を使いこなせるように練習するか...」
ウェザエモンの刀は某佐々木の使っていた物干し竿並みに長い。
だがしかし、僕は普段から幕末にログインして様々な武器を用いて天誅している。中にはイベント報酬で手に入れた物干し竿がモデルの太刀もある。
そのためそこら辺の一般プレイヤー達よりは上手い事扱うことが出来るという自信はある。
だがしかし本職の人たちに比べたら数段劣っているのは自明である。
なので刀縛りを自分に課し今日一日頑張ってみようという訳である。
ていうかサブジョブをサムライ系にしようかな、そしたら刀を使う時に火力が上がりそう...
因みに今のサブジョブは死兵のままである。
とりあえず訪れるのはこの大陸最後の街である「フィフティシア」の周辺にある山である。
ここの山は最後の街周辺なだけあってエネミーのレベルが高く練習相手に持って来いである。
本当は辻斬りしたかったがシャンフロである以上我慢するほかあるまい。
散策すること数分、よく来る人型エネミーのいる場所までやって来た。
そこにいるのは人のように二足で歩く爬虫類の顔面をしている人型エネミー、リザードマンである。こいつらは盾と剣を装備しており単体でもそれなりに強い。
にも拘わらず群れで攻撃してくるため初見プレイヤーたちは呆気なくキルされていく初見キラーでもある。
「まぁ慣れたらソロで行けるけど」
取り合えず一番手前にいた奴を袈裟切りにする。切り捨て御免...
するとこちらに気づいたのかリザードマン達は声を上げながらこちらに向って突進してくる。その数は四。このぐらいの数なら捌ききれる。意識を集中させ殺気を素早く感じ取りリザードマンの攻撃を受け流して反撃を加えていく。すげぇスキル使ってないのにダメージがアホみたいに入ってる!そんな喜びを感じながらリザードマンたちの攻撃を避けて、受け流し、隙をついて反撃。刀が長く扱いが難しいがそれっぽい動きが出来てる気がする。
「ギギァアアァ‼」
リザードマンたちは瀕死となり命の危険を感じ取ったのかスキルを発動させる。すると眼が血のように赤くなり体が肥大化する。瀕死になったリザードマンの使うスキル「逆鱗」である。
まぁ名前を見ればわかる通り狂化する。こうなったリザードマンたちは連携こそしないもののステータスによる結構エグイ動きをしてくるようになる。
「よっと...」
まぁ殺気を感じれる僕には大して意味は無いのだが...落ち着いて攻撃を捌き反撃を入れる。
一匹目は横薙ぎに切り払い、二匹目を攻撃を避けた後にカウンター。そして三匹目を切り払った後に素早く刀を返し四匹目を切る。
「秘剣燕返しってね」
一度はやってみたかったこのシチュエーション。この刀を持ったら一度はやりたくなるよねって。
こうして最後の一匹に止めを刺し戦闘を勝ち切った。
最初は扱いが難しいと思ったが想像以上に体に馴染む。少ない時間使っただけだが考えた通りに体を動かせたと思う。
その後数時間狩り続けてキリの良いところで切り上げログアウトした。
ウェザエモンの刀
ウェザエモンの使っていたアレ。
ウェザエモンがデカいから気にならないかもしれないがアホみたいに長い。
佐々木小次郎の物干し竿並みに長いため取り扱うことは困難を極める。
しかしそもそも晴天流はこの長い刀を使うことが前提となっているため原作サンラクの晴天流よりもよりウェザエモンに近いものを使用できるようになっている。
祝福を所持していない人も所持自体は出来るためロストする可能性が無いわけではない。