鉛筆騎士の腹心   作:姉小路

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鉛筆のグッズを何個かかった。
あと一番くじで鉛筆系を出るまで引き続けた。
お金が無くなった。
モチベが上がった。


拝啓

あれから会議が終わった後にペンシルゴンに事の流れを聞いた。僕が少しの間シャンフロを離れてあのチート爺と戦っている間に三人で会ってクランを結成していたらしい。

なんで僕に知らせていなかったかはサンラク曰く前の仕返しらしい。カッツォは面白そうだから、ペンシルゴンはあんま僕にドッキリをしたことが無かった事に気づいたからサンラクの話に乗ったらしい。ペンシルゴンは許すとして残りの二人は絶対にいつか仕返ししてやる。

まぁこの事をペンシルゴンの案に反対する訳がないという信頼から来たものであると考えポジティブに受け止めておくことにした。

兎も角、シャンフロ内の様々な事がひと段落付いたのでやること無いので以前と同じようにペンシルゴンと一緒に勇者関連のクエストを回ったり自分自身の職業クエストを回るのに勤しんでいた。

 

「でもこの職業の関連クエスト面倒なのが多いんだよな...」

 

今僕が進行させている職業クエストは『蛮族の遺栄』という名のクエストだ。僕の切り札の一つである『ラブリュス』もこのシナリオの過程で手に入れた武器である。因みにこのクエストをクリアして就くことの出来る職業は戦士系統の最上位職である『戦王』とは異なった派生の蛮族にちなんだ最上位職であると予想している。

このクエストの流れは各地に存在する蛮族たちの拠点を訪れ、その首領たちから認められることが主な内容となっている。僕が確認した限りでは蛮族の集落は全部で七つあり今のところ六つクリアした。なので今から訪れる七つ目の集落でクエストをこなすことでクリアするのではないかと考えている。

このクエストを初めて早半年近くようやくクリア出来ると考えると楽しみになる。

集落に到着し門番たちに挨拶しながら村の中に入っていく。一般のプレイヤーだと恐らく戦闘になるが僕は一個前のクエストでこの集落へ入る事への許可を得ているので素通りできる。

 

「よくぞ来た六士族に認められし蛮族よ」

 

「ご無沙汰してます長老」

 

 

僕が向かったそれなりに大きな建物にいるのはこの集落の長老である。長老と言うと年老いた爺さんをイメージする人もいると思うが実際には異なり筋肉ムキムキのゴリラである。長い顎ひげに長い髪の毛を一つに纏めている姿はThe蛮族といった感じでエセ蛮族である僕とは大違いである。まぁここの長老は比較的に他の集落の長老達よりも知性を感じるが。

 

「今回我らの集落に訪れたのは試練を受けるためで相違ないか」

 

「はい、他の集落の試練を突破したので最後の試練を受けようかと」

 

「よろしいならばお主に我らの試練を与える」

 

 

『クエスト「蛮族の遺栄」を進行します。』

 

 

 

「お主にはこの集落に言い伝えらえている森の主を倒してもらう。それを倒すことが出来たら試練を突破したことを認めよう」

 

「了解です」

 

どうやらボスを討伐して来いとの事らしい。どんなエネミーなのかは長老の言葉からは全く分からないし結構な時間シャンフロをプレイしている僕だがこの森には来たことが無いのでわからない。まぁ森に居るんだから昆虫系が一番ありそうだな。

今回のボス討伐は今までのクエストに比べたら比較的にましな方だと思う。以前の試練では「時には運も大事。貴様の運を試すとしよう」とか言われてレアエネミーを100体倒すとかいう鬼畜クエストを出されたことがある。そのモンスターは出現率が低いうえ足が速いので一体倒すのに苦労したのを覚えてる。結局一ヶ月以上かかったんだっけ...忘れよう。

気持ちを切り替え指定された森へとむかう。

 

「なんか雰囲気の悪い森だなぁ...」

 

森全体の空気が重い。どんよりしていてテンションが下がるなぁ。あっ、道の端にキノコ生えてる。色が明らかに毒キノコって感じなんだけど...ここ安全な場所か?

兎に角にも森の奥へと進んでいく。しばらく進んでいくと開けた場所に出た。

古代の遺跡のような場所。神代の遺跡のようなSFチックな遺跡ではなく古代遺跡って感じ。

その中央にいるのはドラゴン。その姿は普通のドラゴンではなく肉の無いただの骨。

所謂アンデットドラゴンってやつである。僕これと戦うの?アンデットドラゴンとかってどの作品も大抵強いように設定されているし一人で戦う敵ではないだろ。

しかしクエストの内容的にも一人で倒さないといけないだろうし決心する。

 

「頑張るしかないか...」

 

腹を括った僕ストレージから武器を取り出し構える。

よし、いくか。アンデットドラゴン、モンスター名『腐龍ローグ』と戦闘を始める。

相手は骨なので斧で攻撃を加える前にヒット確認するためにナイフを投げてみる。

流石に骨にしか判定がないか...斧で大振りしたらスカしそう。頭や尻尾とかの骨の密度が多い場所を狙って攻撃するしかないか。

腐龍ローグは口から緑色のブレスを遠距離から放ってくる。このブレス絶対毒属性だろうなぁ。当たると面倒なのでしっかり見極め回避を行う。

その後もしっかりと意識を集中させて体を動かし爪、尻尾、ブレスを回避していく。

うーん、何度か攻撃しているもののダメージを出せていない。あの骨異様に硬い。骨になる前はきっと凄いドラゴンだったのだろう。シンプル強い。

 

「数が無いし使いたくなかったけれど使うしかないか...」

 

そう言いながらストレージから小瓶を取り出す。そう、前回のウェザエモンとの戦いでも大きな戦果を挙げたアイテム。その名も「聖女ちゃんの聖水」である。裏ルートで仕入れたこの希少なアイテムは前回のウェザエモン戦で使ったもののまだいくつか残っている。今までもったいなくて使っていなかったが使うなら今このタイミングだろう。

 

「シャンフロ内最強の対アンデットアイテムの力を喰らえ‼」

 

「GIYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA‼‼」

 

思いっきり腐龍ローグに向って投げつける。頭から「聖女ちゃんの聖水」を浴びた腐龍ローグは悶絶し叫び声をあげる。可哀そうに、傷口に塩を塗るようなもんだ僕なら泣いちゃうね。

可哀想だが僕は心を鬼にして攻撃の手を緩めないため突貫して攻撃を加える。

よしダメージは結構入ってる。流石「聖女ちゃんの聖水」、一定時間の弱体化も入ってるんかな。

最高にテンションが上がる。

 

「ヴオオオオオオオォォォォォォォォォ‼‼‼」

 

「聖女ちゃんの聖水」の効果が消え攻勢に転じようとしていた腐龍ローグに対してここで温存しておいた「蛮族の咆哮」を用いて動きを潰し、自分の能力を上げリズムを上げていく。

危機を感じ取り避け攻撃。この動作を徹底しリスクを減らす。腐龍ローグの攻撃力自体は高いのでレベルがカンストしている僕のHPも4割ぐらいを持って行くので慢心はしない。

腐龍ローグのHPが残り半分を切った所で上空に飛び上がる。こういうので逃げたとか勘違いする人もいるが僕は勘違いしない。某天彗龍に一撃でやられてから僕はこの手の攻撃を許さないと決めている。あいつは僕の心にトラウマを植え付けた。

という訳で上空に上がった腐龍の姿を捉えて警戒する。どうせ突進か突進か突進である。

集中していれば普通に回避できるはず。すると上空にいるヤツは口元にエネルギーをためている。

アレ?突進じゃない?少し呆気に取られているとその攻撃は放たれた。

紫色に光る閃光。あ、コレ不味いやつだ。全身に突き刺さるようなプレッシャーを感じながら全力で回避する。回避したのち一拍置いて閃光が通り過ぎる。

閃光が通り過ぎたあとは地面は抉れ木は腐敗していた。当たったら確死でしょ。

そんな事を考えていると腐龍ローグは次の一撃を放つために再びオーラをためていた。

コレ二発目あんの?聞いてないです。次の一撃を警戒し身構えつつどうやって上空にいるアイツにダメージを与えるかを考える。「聖女ちゃんの聖水」は僕の肩の強さでは届かない。また僕の使用できる武器の中に遠距離系の武器はないため手段はない。結論倒せない。証明完了。

証明している間に二発目が飛んできたので避ける。今回は身構えていたので割とあっさり避けることが出来た。がしかし一撃目では気が付かなかったが閃光で抉られた地面は腐敗しており踏んだら毒になりそうな見た目をしている。なので時間が経過すればするほどエリアが狭くなる。

出来る事なら早めに決着をつけたい。

 

「でも、どうすれば良いって話!クソが‼」

 

三回目の閃光の準備をしている腐龍に向って文句を言う。まぁ親切に下りてきてくれるわけもなく上空にいるのだけれども。

兎に角それから僕は閃光を避けて避けて避けまくった。具体的に言うと十三回ぐらい。その間僕は上空にいる腐龍ローグに攻撃する手段を考えていたのだがふと案が思いついた。

攻撃が届かないなら僕自身が近づいたら良いんじゃね、って。要するに僕が空中に出て距離を縮め「聖女ちゃんの聖水」の射程範囲に収めるという作戦だ。しかし僕のスキルやアイテムには空を飛ぶことの出来るものは一切ない。なので爆発することにした。

用意したのは爆薬。ペンシルゴンの爆発エンドの為に用意しといたものである。

まさかこんな場所で役に立つ日が来るなんて...

ということで爆発である。腐龍ローグが閃光を放った後にすぐに爆発。

爆風を喰らい吹っ飛ぶ僕の体。上空に打ち上げられた体は腐龍ローグの近くまで来ていた。

爆薬の威力高すぎではないだろうか...

そんな事は置いといて思いっきり「聖女ちゃんの聖水」を腐龍の顔面に投げつける。

腐龍は「聖女ちゃんの聖水」を浴びたことによって姿勢を崩し落ちていく。

それと一緒に上空から落ちた僕は落下ダメージを喰らいHPギリギリで生き延びた。

そして地面で転がっている腐龍にダメージを加える。連打連打連打からの『肉断斬骨』を用いて最後の一撃を与える。腐龍ローグの体力はそのまま全損し体はポリゴンとなり消えた。

 

「よっしゃぁ‼」

 

倒せたことに対しての喜びが沸き上がる。さいっこう!

腐龍ローグの落としたアイテムを確認する。あ、アクセとかある、あとで詳しく確認しとこ。

一通り確認し終わった所でクエストが完了したことを伝えるために集落に戻る。

 

「どうやら試練を成し遂げたようじゃな」

 

「はいお陰様で」

 

「うむ、お主を我が氏族でも認めよう」

 

「ありがとうございます」

 

「そしてお主は我らが七士族に認められたものである事をここに承認しよう」

 

 

 

『「蛮族の遺栄」をクリアしました』

 

『職業「蛮王」に転職可能となりました』

 

『スキル「蛮王の意思」を取得可能になりました』

 

 

 

「これからは蛮族の王となって生きようと思います」

 

「我らが王よその活躍に期待する」

 

 

 

拝啓天音永遠様、僕はどうやら蛮族の王になってしまったらしいです。

 




「蛮族の遺栄」

蛮族の集落にて一定以上の貢献値を貯め、蛮族NPCからの評価が高いと受注可能となる。
このクエストは未だにランスロットしか発見できていない。主な理由としては蛮族NPCからの評価を上げる事がチョットしたPKや一般プレイヤーには不可能レベルで難しいから。
全部で七つの氏族の集落を訪れそれぞれの長老から課せられる試練を突破する事がクエストの達成条件になっている。

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