鉛筆騎士の腹心   作:姉小路

29 / 54
許してくれ


VS全米一

始まってしまった僕とシルヴィアの対戦。

僕の使うキャラは相も変わらず『マスクマーダーズ』。正直コイツで勝てる気がしない。

コイツの利点であるステータス強化をどれだけシルヴィアのミーティアスに対して通用するのか、その辺が勝負のカギとなる所だろう。

試合が始まる。僕はヴィラン側に用意されている30秒をしっかり用いてどれだけ準備できるかが絶対に勝負の結果に影響してくる。なので今回は殺し切るのではなくとにかく多くの人に攻撃することを意識して30秒間の間行動する。

そうしてアレコレやっていく内に30秒が経過する。強化段階を半分である10までは持って行くことが出来た。コレで通用し無かったら割と諦めの境地だろう。

そうして暇を弄ぶ間もなく閃光はやってくる。

シルヴィアのミーティアス、その性能がどれだけ理不尽な物かは文面として知っているので驚くことは無い。

 

「今は気分が良いんだ生半可なプレイしたらぶっ殺すよ」

 

「...」

 

メッチャ怒ってますやん。

高速軌道で僕に対して接近戦を仕掛けてくる。まぁこれに関してはありがたいのかな?

僕は彼女の攻撃を回避、受け流ししながら持っている武器で一撃を与える。

僕が今回使用している武器は夏目氏にトラウマを与えたチェーンソー。この武器の特性としてこのゲームでは珍しい持続出血ダメージを持っている。

この出血ダメージは固定ダメージなので確実にHPが削れていく。ミーティアスのHPは他キャラに比べて多いという訳では無い。

要するに一撃当てた後耐久すれば勝てるという算段なのだ。今回の一撃に関しては相手が怒りに任せて攻撃してきたのと大したことないだろ見たいな舐めプから来た者なので次を期待するのは難しそう。

 

「チッ...」

 

舌打ちをするシルヴィア。殺気が凄いな、ホントに殺すんじゃないかって勢いで攻撃して来る。

それらの攻撃を感知して全て避ける。殺気が恐ろしいほど強い為いつもより明確に何処に来るか感じる。

流石にリアルカースドプリズンからの魚臣慧を妨害したのはシルヴィアにとってはブチギレ案件だったか...

それにしても熾烈、ステータスでのアドバンテージはこちらにありそうなのに回避しかできず反撃する間がない。

 

「ウロチョロするな...!!」

 

避けまくる僕に対して痺れを切らしたのか大振りしてきたシルヴィア。そのらしくない攻撃に生まれた間を見逃さず確実にチェーンソーで反撃する。

彼女のHPは初撃とこの攻撃そして出血ダメージだけで残り半分まで減らしていた。意外と削れたな。

 

「ありがとう、今の一撃のお陰で冷静になれたよ」

 

「それはどうも」

 

「...君って喋れたんだ」

 

どうやら怒りに身を任せて戦っていた彼女は冷静になったらしい。いや怒ったままでいてくれよ。僕が負けちゃうだろ。

あと喋って無かったのはタイミングが無かっただけ。

 

「喰らえ!!」

 

「...!?」

 

シルヴィアは発言した通り冷静になったらしい。

動きに俊敏性が増し、さっきの動きより一段階ペースが上がっている気がする。目茶苦茶肌がヒリつく。こんな超高速戦闘をするのはウェザエモン以来だろう。だけどこのテンポならまだウェザエモンの方が速い!

 

「オラァ!」

 

思いっきりシルヴィアの攻撃を弾き飛ばし距離を取る。

時間が経過しシルヴィアの使うミーティアスの体力は一刻一刻と減少していく。ケイオスキューブの取得なんて端から考えていない。このまま体力を削る!!

 

「まだまだ上げてくよ!」

 

「...ッツ」

 

シルヴィアの動きが更に速くなる。

コイツ、やっぱり主人公じゃなくて魔王だよ。

胴体、頭、足、首、胴体。様々な場所に散りばめられるこの攻撃を間一髪の所で凌いでいく。いや凌ぎきれず何発か貰っているが何とか崩れないように死守する。

お互いのHPはもう残すところ僅か、アレだけアドを取っていたのに一瞬で追い込まれてしまった。

 

「さっきのリアルカースドプリズンといい君たちホントに最高だよ」

 

「...」

 

「でもいつだって勝つのはヒーロー、勝たせてもらうよ」

 

「死に晒せぇ!!」

 

ミーティアスの超高速連続攻撃。

超高速故に攻撃と攻撃の合間が存在しない訳では無い。

僕はひたすらに集中を重ねシルヴィアのテンションが上がり会話にリソースを吐き一瞬の間が出来たところにチェーンソーを振り下ろす。

このタイミングでの攻撃では予想外だったのかシルヴィアの防御が遅れるがしかし何とか攻撃を急所からズラスことに成功する。

どんな反射神経してんだよ...HPは僕の想定よりも少ししか削れずあとワンタッチの所で止まった。

 

「危なかったよ、マスクマーダーズ。けどこれで終わり」

 

シルヴィアミーティアスの代名詞とも言える超高速機動による連続攻撃。僕は最後の希望に賭けて全力で抗う。

弾く、避ける、避ける、無視する、避ける。

攻撃を捌き続ける。そして最後に微かに残ったHPをミーティアスが消し飛ばそうと攻撃を与える。

アバターがポリゴンとなり崩れ始める。

 

「次は私が取るから」

 

「次も勝つのは僕たちヴィランさ」

 

ミーティアスのアバターが完全に消滅する。

そう僕が勝利したのだ。決め手は出血ダメージ。

やっぱりこの手の耐久は僕との相性がいい。

勝利した喜びを胸の中に秘めておき次のラウンドどうするかを考える。正直こっからが本番。

きっとシルヴィアは最初から全力で突撃してくるだろう。

どうやって戦うのかは決めている。次のラウンドも初見殺しで勝ち逃げしてやる。




この話で蛮族がやった事

1.市民を出来るだけチェーンソーで攻撃する。
2.シルヴィアをイラつかせて冷静にさせない
3.出血ダメージを与えてからは耐久


普通にただの悪役
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。