鉛筆騎士の腹心   作:姉小路

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大 爆 発

蛮族の国の滅亡と鉛筆王朝の誕生は世紀末円卓に大きな衝撃を与えた。

それ以上に衝撃を与えたのが新しい王が祭典を開いた際、王である鉛筆騎士の隣に滅ぼされた蛮族の王、ランスロットがいたからである。

この事実は鉛筆王朝の圧政から解放されようと抵抗軍を組んでいたプレイヤーを一定数鉛筆王朝側に引き込む結果となった。

 

「いやぁ~、よく集めてくれたね上薬草100個」

 

「普通に殺す気か、鉛筆騎士」

 

「まぁ、臣下なんだから当然でしょ」

 

「......」

 

もう言い返す気も起きない。かれこれ鉛筆騎士の下に付き3か月というそれなり期間彼女の無茶ぶりをこなして来た。

ある時は一つの拠点を一人で潰し、ある時はドロップ率が0五つ未満のアイテムを大量に集めさせられたりとかなりの鬼畜っぷりが分かると思う。僕はそんな苦行を耐えきったのである。結構頑張ってると思うし自分をほめたい。

 

「良くやってくれてるよランスロットは、あっなんか飲み物持ってきてよ」

 

「」

 

もはや無言でこなす。いや、最初の方はしっかり返事してたよ。でもなんかもだるくて。

こんな感じに無限に雑用させてくる彼女であるが正直近くにいて結構おもしろいこともあったりする。

例えば人心掌握術。原作を読んでいた時は話術巧みに人を動かしてるなぁ程度の認識だった。けれど生で見てみるとこの考えは変わる。彼女は確かに話術に優れているがそれと同じぐらい魅力を放っている。こんなのを見せつけられたら虜になってしまうのも理解できる。

少なくとも僕にはマネすることは出来ないな。

 

「鉛筆、そういえば反乱軍はどんな感じなの?」

 

「正直期待外れかな、なんか全然ここまで来れる気配ないし」

 

「まだまだかぁ」

 

反乱軍、鉛筆王朝に従わない反乱分子。しかし実態は鉛筆騎士の操る組織。

普通に頑張って倒そうとしている人が可哀想になるよ。手加減はしないけどさぁ。

 

「そろそろ盛大に爆発したいんだけどねぇ、この調子だといつになる事やら」

 

鉛筆はもう我慢の限界が近いらしい。なんかイライラしている気がする。

まぁイライラしてても反乱軍が育つのはまだ先っぽいし彼女の願いが叶うのだろうか。

先に反乱軍がここまで来るのが先かそれとも彼女がゲームをやめてしまうのが先かどっちになる事やら。

 

 

 

 

 

 

 

とか思ってたのに割とすぐ彼女の願いは叶うこととなる。

それは彼女が不満をつぶやいた三日後の事である。突如として二人の騎士が城に侵入してきたのだ。

その二人はそう、皆さんご存じのサンラクとカッツォである。

この二人が来るのはもっと後だと思ってたので油断してた。

 

「鉛筆、侵入者だ。二人とも結構強そうだから気を付けて」

 

「分かってる。一応聞いておくけど先にランスロット一人で戦れる?」

 

「お望みとあれば」

 

にっこりと笑いながら鉛筆にそう返すと満足そうに鉛筆がうなずく。

 

「じゃぁ、私の一番の騎士ランスロット侵入者を排除して」

 

「了解」

 

我儘な主の願いを叶えるために鉛筆の部屋の扉の前に立つ。

中々来ないな~と思いながら気を抜いていたらサンラクとカッツォが僕の前にくる。

二人は警戒しながらこちらを見つつ武器を構える。それに応じる形で僕も斧を構える。

 

「一人で立って舐めプか知らねぇけどいっちょかましてやりますか‼」

 

「やってやらぁ‼」

 

「来い‼反逆者ども」

 

僕の戦闘スタイルは斧と鯖癌仕込みの格闘術を使った近接戦闘。

この二人にどこまでこのスタイルが通じるのかは分からないがやってみる他あるまい。

突貫してくるサンラクとそのフォローをしつつ隙を狙うカッツォ。

サンラクが胴体を狙って突きをしてくる。それを斧で受けた所でカッツォがサンラクの後ろから切りつけてくる。それをサンラク側に密着するように動き回避する。

その後にサンラクの体に左手でストレートを叩き込む。

 

「おい!カッツォこいつ、つえぇ‼」

 

「耐えろ、サンラクそしたら活路を開く‼」

 

「そんな悠長にしてて大丈夫そ?」

 

少し離れていたカッツォとの距離を詰め切りつける。

カッツォが何かを狙ってんならカッツォに圧を掛ける。そんだけの事よ。

 

「こっち見ろ‼」

 

カッツォと打ち合いを三合交え次の出方を伺っているとサンラクが再び突貫してくる。

両手に持った剣から左右から挟むような斬撃。

その攻撃をバックステップで避け距離をとるもサンラクはそのまま距離を詰め攻撃を続けてくる。

視界の端にカッツォを捉えつつサンラクの攻撃に対してステップワークを駆使してサンラク斬撃を避けて攻撃する隙を狙う。

やっぱ剣を二本使ってるし密着された方が処理は難しいのかな。

そう考えながら戦いをしていると隙を晒したのだろう、カッツォが何か狙っているが見える。サンラクが右手の剣を振りかぶって来たのを見て体をサンラクの右側に密着させて行動を封じる。そしてそのまま斧をカッツォに投擲する。

 

「動かないでくれ」

 

「チッ」

 

カッツォがそれに対応してる間に再びサンラクに拳を叩き込みそのままインファイトを仕掛ける。タイミングを見失ったカッツォは一度仕掛けるのを中止し再び様子を伺っている。

サンラクが僕の繰り出した拳をよけ反撃で斬撃を加えてくる。

その斬撃を左の籠手で受け足払いを狙う。それをジャンプで避けサンラクが僕の顔めがけて蹴りを放つ。

僕は避けるのが間に合わなそうだったので首を全力で曲げて避ける。

掠ったってぇ‼怖すぎ‼

そんなことを考えながらも目の前の敵に集中するため顔を正面に戻すも視界には誰もいない。おかしいと思い後ろを振り返ると後ろから強い衝撃が加わる。

 

「やっと油断しやがったな蛮族め‼」

 

「いってぇな、クソが‼」

 

そのままよろけた所でサンラクから大きく溜めた一撃を喰らう。

HPはミリ単位で残ってるけど出血で死ぬだろうなコレ。

 

「ごめん鉛筆、二人を倒せなかったや」

 

「大丈夫、あとは私がエンディングを飾るだけだから」

 

 

鉛筆はそう言ってこちらを見て笑顔で答えた。

どうやらこの後爆発するつもりらしい。最後に鉛筆の笑顔を見てそのまま僕はログアウトした。

 

 

その後鉛筆王朝は鉛筆騎士の 大 爆 発 によって幕が下ろされた

 

Prrrrrrrrrrrrrr

 

「あっランスロット?仕事任せたいから東京来てよ」

 

僕、金沢在住なんだけれども

 




大分蛮族なサンラクに蛮族呼ばわれされる蛮族
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