仕様です
「ランスロット、全部殺って来て」
下された命令を聞けば多くの人は僕の置かれている状況に同情してくれると思う。いや同情してくれ。こんな無理難題出されたら僕は泣いちゃうね。まぁ我らが女王サマの前なのでそんな素振りを見せる訳にはいかない。だけどこの時思わず「了解」と言ってしまった自分はホントに殴っても良いと思う。
という訳でやって来ました対抗戦。後ろで野次が飛んだりしている中僕はどうするべきか悩んでいた。事前の予想でも命令は三タテして来いぐらいだと思ってたんだけどなぁ。馬鹿にされてはいるがリベリウスくんは「黒狼」の副リーダーを担っているだけあって普通に強い。一般プレイヤーの僕からすると結構というか当たり前のように重い。だから良くてリベリウス突破ぐらいで思ってた。にも関わらず全部とか…きっつ
「よろしくなランスロット」
「ん?あ、よろしく」
どうしよっかな~って考えてたら対戦相手の†武閃陰蝕†が話しかけて来た。そんな社交的な性格だったのかお前!?
「大変だろうけどお互い頑張ろうな」
「お、おう」
中二病の末期患者だから勝手に教室の端で読書しているタイプかと思ってたけどゴメンね。良いやつだった。
そのまま数度と会話を交わしたあと戦いのカウントがスタートしたのでお互いに少し距離を取る。
†武閃陰蝕†は名前が変なだけで良いやつだった。そんなしょうもない事に整理をつけて意識を試合に集中させる。この試合はなるべく手札を隠しつつ戦う。どうせ相手は影を使ってくるからそれを冷静に避ける…とにかく試合中にするべきことを挙げていく。
カウントが刻一刻と過ぎ去りついに試合が始まる。
「先手必勝、ぶちかます!!」
開始の合図と同時に突貫してきた相手を迎え撃つ。事前の予想通り二刀流の連続攻撃、落ち着きながら感覚に身を任せ避ける。相手を観察しながら隙を伺う。攻撃と攻撃の間に隙は少ないしスピードも結構早い。でも右手のほうが若干力がこもって無さそうな気がする。一通り観察し終わってから相手の攻撃を中断させるために連撃の合間を狙いカウンターとして首に向かって斧での一撃を放つ。†武閃陰蝕†は虚を突かれたような顔をしたが首に迫る斧を左手に持つ剣で防いだ。この一連の出来事で†武閃陰蝕†に一瞬の隙が出来る。そこを見逃さずに攻撃に転じる。斧を体の後ろに大きく回し、勢いで脳天を狙う。
「良い奴だったけど死ね!!」
「勝手に殺すなよ!」
僕の狙い通りに斧は脳天に向かうも†武閃陰蝕†の持つ右手の剣によって切り上げるようにして弾かれてしまう。結構自信があったんだけどな、思っていたより†武閃陰蝕†は二刀流を使いこなせているらしい。
僕たちは一度相手の出方を伺うために距離を取る。
「アレ?まだ御臨終してないの?」
「御臨終って死ぬ間際を指す言葉だから!俺はまだ死にかけでも無いから!!」
†武閃陰蝕†、想像以上に喋る。ホントによく喋る。イメージと違い少しビックリする。でも動きは想像の域を出ないし対応も出来る。そろそろ仕掛けに行っても良いかも知れない。
「お前のこと簡単に倒せると思ってたんだけどな〜」
「それはこっちのセリフなんだよ…」
「まぁこっからは本気を出すから、付いて来いよっ」
二人で言葉を交わした後に一拍置いて再び激突する。
思いっきり振り下げた斧を†武閃陰蝕†が両方の剣で受け止める。鍔迫り合いが続き変化が起きない中、僕の方から攻撃を仕掛ける。踏ん張っている後ろの足を使い足払いを狙うべく蹴りを放つ。
†武閃陰蝕†はそれをモロに喰らい態勢を崩し前に…つまり僕の方に倒れる。だが僕の方も踏ん張っている中、後ろの足を蹴りに使ってしまったので踏ん張ることが出来ずに態勢を崩す。
この結果どうなったかと言うと僕ら二人共地面に倒れ込んでいる状態になったという訳である。
こうなったらやることは一つ。速攻で†武閃陰蝕†に寝技をかけに行く。癌鯖仕込みの対人寝技、相手が武器を持っていようが簡単にかけることが出来る特別仕様。
「お、まえやば、い…」
「おねんねの時間ですよ〜」
息が出来なくなり苦しみ始める†武閃陰蝕†。
そんな事を言ったて降参宣言かデスでしか試合は終わらないんだ首を締め続けるしか無いだろうって。
抵抗も虚しくそのまま十秒ほどが経過し窒息状態になった†武閃陰蝕†のHPは全損してしまった。
ゴメン†武閃陰蝕†、お前が本気を出す前に殺しちまった。あんなにカッコよく宣言してたのに…一体誰がこんなことをしたって言うんだ!?
ともかくこれで一人目には勝利、ペンシルゴンからの命令達成に一歩近づいた。これで少しは余裕が出てきたものよ。残りは三人、なんか行ける気がしてきた。
「ふふふ、所詮は一人目よ!!」
そんな四天王二人目みたいな事を言いながら出てくる者が一人。名前は〜なんだっけ?覚えてないけどまぁ抜刀術の人だと思っていれば良いか。
正直この人に対しては割とメタ張ってるというかなんというか…事前の予想通りに上手く行けば完封出来そうな気配がある。なので少し楽しみな相手ではある。
「貴様の事など完封してくれよう」
「精一杯頑張りますよー」
なんか顔を近づけて煽られたので笑みたっぷりで返答をしておいた。後ろから「もっと効果的な言葉を言わなきゃ!」等など僕に対する野次が聞こえてくるけど気にしない。僕は良い子ちゃんだから外道たちみたいにホイホイ暴言が出てこないんだよね。
「ファイブ!フォー!スリー!…」
後ろの事に気を取られていたらカウントが始まっていた。あのアホ共には後で絶対文句を言おうと決心する。
直ぐ様眼の前の抜刀術の人に意識を向ける。眼前の人はやはり抜刀術の構えをしている。ここまで分かりやすかったら寧ろ避けやすそうまである。
「ワン!!」
カウントが終わり抜刀術の人が剣を抜く。
首を狙っての攻撃してくるあたり一撃でこっちを落とそうとしているのが分かる。刀のスピードもそれなりで多くの人が犠牲になったんだろうなって思う速度はしている。。
でもねウェザエモンに比べたら亀に見えるほど遅い。
スキル『風路疾走』を使用する。風の流れに沿って移動するこのスキル、抜刀術に対してかなりメタである。
抜刀した際に起こる風の流れに身を任せて刀を避けながら距離を詰め胴体に一撃を入れて真っ二つに切り裂く。
抜刀術の人は速さを追求するためかビルドが紙装甲だったので簡単に切り裂くことが出来た。
やはり四天王二人目は簡単にやられるのが運命だったのか…抜刀術の人、相性もあるけど†武閃陰蝕†の方が強かった気がする。何故この人が二番目に出てきたかを後でサイガ-100に聞いてみたい。
とまあこれで目標の半分は達成した所で次は中ボス戦。
「まさかあなたがここまで出来るとは思いませんでしたよ」
皆大好きリベリウスくんとの対戦である。
一般人が『風路疾走』使用しても抜刀術のメタ張れません。このスキルは体のどこかを風を受ける地点として設定して移動するスキル。
例えば右腕を設定したら右腕を起点にすきるがスキルが発動する。なので右腕に引っ張られるかのように加速する。
今回は左手にスキルを設定してスキルの発動に合わせて自分も飛ぶ。抜刀したときに刀に起こる風に乗って移動し抜刀術の人の後ろを取って体を2つにした。この時に態勢を間違えると刀に当たりに行くことになるので結構難しい。
また抜刀術を始めとした一撃必殺系以外にこの技を使っても上位プレイヤー相手だと結構対応されてしまうので乱発できない。
初見でコレが出来そうなのはサンラクぐらい。主人公はユザーパードラゴンくんで練習した。