オルスロットくんが鉛筆に発見されて彼の平穏が消え去ってからしばらく経った。
最近は鉛筆の意向もありPKをして悪役を楽しんでる。
今までにやって来た悪行と言えば脳死でプレイヤーを狩ったり、カップルでイチャイチャしている所を邪魔して蹂躙したり色んな事を楽しんだ。
我ながらやってることは酷いけど楽しかったから良しとしよう。
「お前ら何が楽しくてこんな事やってんだよ‼」
「うぅーん、何が楽しいかって聞かれると分からんなぁ」
「まぁ私にとっては呼吸と変わらないからね」
「こいつ等イカれてるって‼」
現在僕たちは結構人が集まる採取ポイントに来てPKをしている。
今回の標的は街で結構イキって暴れまわっていた人。
僕たちの事を悪者だと断定してくるけどこいつも普通に悪人である。
いや悪人というより小悪党って言うのが適切かもしれない。
「まぁ、コイツに用事は無いしちゃっちゃっと殺りますか」
そうペンシルゴンが槍を振り下ろしたその時、二人の間に一人の女が現れてペンシルゴンの攻撃を拳で防ぐ。
「なにしてくれてんのさ、そこにいる小悪党の手下かなんか?」
「わりぃな、コイツは俺が狙ってた獲物なんだ」
防いだ女はニヤリと笑いそうこちらに告げる。
あぁコイツアレか、もう誰か分かった気がする。なんというか雰囲気で分かる。
女の姿をしている男口調のポニーテール女子、確定である。
「俺の名前はサバイバアル、好きなように呼んでくれ」
そう変態ロリコン格闘家ことサバイバアルである。
原作だとギャグも真面目な戦闘もどちらも行ける優秀な人材であり比較的に頼りになる人物だったイメージが強い。
まぁ鯖癌出身の精神異常者だからまともなではないのだけれども。
「君の事はどうでも良いからさそいつ私たちに渡してよ」
「それは無理なお願いってやつよ」
今の攻撃を防いだことでペンシルゴンは相手の実力をある程度察したのだろう衝突を避けるために提案をする。
実際、サバイバアルとはあんまり戦いたくない。鯖癌時代に同じ鯖にいたので何度も交流を重ねているし殺し合った仲でもあるのでサバイバアルの実力は把握している。
今戦ったとして勝ち目は勿論あるのだがメリットよりもデメリットの方が上回る。
争いの種が目の前にいる小悪党であり、コイツを殺せても得られるアイテムはそうもない物ばかりだろうから本当に戦う意味はない。
けれど此方にも面子があるので引くにもタダでは引けないというのが実情である。
「先にこの小悪党を見つけたのは私たちなんだしマナー違反じゃない?」
「すまねぇが友人からの依頼で動いてるからこっちも引けないんだよ」
話しは平行線のまま流れていき着地点が見えてこない。
あぁ、コレ対話では終わんない流れのやつだ。
「もう面倒だし、勝負して勝った方の獲物ってことで良いんじゃねぇか」
「う~ん」
考えるそぶりをするペンシルゴン。
きっと頭の中でキレてんだろうな...コイツ話が通じないタイプの奴だ的な感じで。
そんなことを考えていたら違和感を覚えたのでペンシルゴンの前に立つ。
そのコンマ数秒後そこにサバイバアルの拳が飛んでくる。
「流石にそれは良くないんじゃない?」
「俺が喧嘩を売ったからお前たちが買った。もうそれで良くないか」
「もうそれでいいよ‼」
続いて僕の胴体を狙って突き出してくる拳を左手で防ぎカウンターとして右の拳でパンチを放つ。
あっさりと受け止められるが問題ない。そのまま股間めがけて膝蹴りをする。
アバター自体は女だが中身は男、股間に膝蹴りなんてされそうになったら本能で動いてしまうだろう。
攻撃を受けそうになったサバイバアルは僕の予想通り焦って攻撃をバックステップで避けて顔を青くしながらこっちを見る。
流石の鯖癌出身者でも股間への攻撃は怖かったらしい。
当てることは出来なかったがまぁ一度目的は達成することが出来たので良しとしよう。
「なんほどねぇ、お前さんは最初っからそこの女を守るのが目的だったわけね」
「犬が主人を守るのは当たり前の事だろ」
サバイバアルの言った通り僕の目的は目の前に立つ変態からペンシルゴンを遠ざけること。
ペンシルゴンはゲームが高いレベルで上手いが決して上位勢並みに強い訳ではない。
サバイバアルはこの世界において上澄みでありペンシルゴンでは分が悪いと勝手に判断したので僕が壁になることにした。
「鉛筆、ここは僕がやってもいい?」
「まぁ私が相手してもきつそうだし今回は任せるよ」
「了解」
ペンシルゴンから許可を取り再びサバイバアルに対して構える。
それを見てサバイバアルもこちらを捉え構える。
一瞬の静寂の後、先に動き出したのは僕。装備した斧を用いてサバイバアルの首を狙う。
その動きに反応してサバイバアルも拳を使って受け止める。
そこで動きを止めずに僕は拳を使い打撃を加えたり足で蹴りを狙ったりするもサバイバアルは鯖癌で何度も見たステップワークを用いてそれらを回避していく。
いやコイツ前より動きのキレが上がってる気がする。なんというか動きが丁寧になってるというか何というか兎も角前よりも強くなってる。
「オラ!次はこっちの番だ‼」
その言葉をさかいにサバイバアルの動きが変化し攻撃的なものになっていく。
右からフックからの脚払いの次に左フック...多種多様な打撃と足技を用いて攻撃を仕掛けてくる。
それら攻撃に対して僕はサバイバアル同様、鯖癌由来のステップワークを用いて捌きつつカウンターのタイミングを狙い続ける。
格闘蛮族の鯖で暴れていただけあってやはり格闘が上手い。
僕が攻撃に移る隙を見せないように連打してくる。
そのまま戦闘を続け体感でそれなりに続けたころサバイバアルが攻撃を止めた。
「お前絶対あの島出身だろ、ていうかお前蛮族騎士のランスロットだろ‼」
どうやら僕が鯖癌出身者であることに気づいたらしい。
流石にあんだけ分かりやすくステップを使ってた気づくか...
というか蛮族騎士って何?初耳なんだけど!?
「久しぶり、サバイバアル。何でネカマになったのかは聞かないで置くよ」
「いやいや、お前が女の犬をしてる方が驚きだわ」
「失礼な変態だな...殺すぞ」
そんなあほみたいな会話をしていたら戦いを見守っていたペンシルゴンがこっちにやって来た。
取り合えずペンシルゴンに事情を説明する。
ペンシルゴンは事情を聴いた後少し驚いていたがその後すぐに普段通りに戻り再度サバイバアルと話し合いを始めた。
その間僕は完全に空気となっていた小悪党くんの監視をしつつ話し合いの行く末を見守っていた。
「そんな訳でさ、丁度いいアホがいるからそいつを担ぎ上げて遊ばない?」
「乗った」
二人の話し合いが終わり当人のいないところでオルスロットくんの未来が決定された。
因みに小悪党くんはあの後ペンシルゴンによっていじめられた後殺された。
蛮族とオルスロット
実はリアルで面識がありちょっと苦手意識を持っている。
その理由は鉛筆。初対面時に反社の人だと教えられたから。
現在ではその誤解が解けているものの偶にあの言葉は本当だったのではないかと思いなおすことがある。