クソボケ邪悪厄介オタク転生者の末路 作:タキオンのモルモット
対策委員会第三章が過去編と聞いて戦々恐々とする私·····
結局西園セイア実装はなかったと落ち込む私··········
ファイヤーガッチャードとマジェードが好きになった私·····
ドンブラVSキングオージャーとキョウリュウVSキングオージャーの同時上映にビビり散らかすも歓喜する私··········
この短期間でヴィブロスが実装されて頭を抱える私·····
全財産が三桁な私··········
そんなことより実写版ゴールデンカムイが気になる私·····
尾刃カンナは優秀である。
一年生で公安部という部署に配属される人間は居ない訳では無いが、それにはかなりの成績を収めなければならない。
更に言うなら元々生活安全課────このキヴォトスという世界において事実上の実戦部隊に所属したいと考えていた彼女は、目標定まった頃からのトレーニングによって、一年生の時点でキヴォトスの上澄みまで登りつめていた。
そんな彼女は今日、生まれて初めて────
「待てぇぇええええええ!!」『SP SP SPEED!!』
『ここで捕まる訳には行かないんだ!!まだ御節を売っている場所は沢山あるのでな!!』
『気をつけろカンナ!!シャケの切り身がまた飛んでくるぞ!!』
「なんでシャケの切り身が飛んでくるんだ!?というかこのスピードに当ててくるなんtヘブラッ!?」
『か、カンナああああ!!』
「きょ、局長がすっころんだ!?」1年で望まぬまま公安部に来たのに局長?と思ってみたり(揚げ足取りみたいで申し訳ない)
『しゃーっしゃっしゃっしゃ!!ではさらば!!』
────敵を逃した。
『ほう、中々やりますね···············』
「まさかドライブから逃げおおせるとは···············」
解ヶ良リョウマは素直に驚いていた。あの偶然できたシャケ怪人が、まさか善戦しているとは、と。
仮面ライダードライブと言えば仮面ライダーの中で基本フォームの速さが他の仮面ライダーの上位形態に匹敵する、またはそれを超える程のスピードの仮面ライダー。
まさか逃げられるとは思ってなかった。実際仮面ライダードライブ本編も逃げられた後に詰めるみたいな構成してたのはそうなんだがあれはロイミュードのネームド(主にハートとかチェイスとか)が妨害していたり、ロイミュードの能力がどう足掻いても初見で攻略不可能だったり(当たり前だが)稀な例だがそもそもロイミュードに敵意が無かったり等、それなりの理由があった。
だがしかし。
「まさか純粋に逃げおおせるとは··········こりゃ鮭集め一回中断して俺も変身して介入しなきゃならんかもしれんな··········」
────尚、これはその後の話なのだが。
逃げたサーモン・シャケキスタンチンはそのままトリニティ・ゲヘナ方面へ。すぐさまカンナから連邦生徒会へ伝わり警告したものの────
『御節をシャケにする銃弾の効かない怪人が行ったから御節の販売を中止しろ』
なんて言っても信じられるはずもなく。当然双方これを無視。
その結果としてトリニティもゲヘナも御節が駆逐され、特にトリニティは美しい景観が鮭に染められた。
後に当時のティーパーティー、そして万魔殿のトップは、この時ばかりは互いの因縁も忘れて、口を揃えてこういったそうだ。
『例え荒唐無稽な話であろうと、切羽詰まった連邦生徒会からの連絡は文字通り飲み込め』
と。
尚、この時ゲヘナのどこかで大層美味い鮭を食べた銀髪の少女が『美食』に目覚めたらしいが、それは些細なことである。
その頃、アビドスの二人組は。
「いやー、よかったねホシノちゃん!!御節タダで貰っちゃったよ!!」
「はぁ··········まあ良かったですね?ちょっと怯えたように差し出してきたのが気にかかりますが··········」
ミレニアムで御節をゲットしていた。
「で、先輩。まさか本来の目的、忘れたわけじゃないですよね?」
「勿論だよ!!··········まぁだとしたら時期がアレな気もしたけど!!でも一件くらいあるって!!ベルト見てくれるところ!!」
そんな脳天気な言葉を吐く先輩の姿を見て、また溜息をつく。
そもそも事の発端は約一、二ヶ月前、梔子ユメが砂漠で死にかけ、ゼロワンドライバーを手にした時まで遡る。
彼女は無事生還した。喜ばしいことだ。喜ばしいことだった。
そして二人が真っ先に考えたのが、このゼロワンドライバーを使い続けるか否か。使い続けるとして修理等の問題はどうなるのか。その答えを出すべく、とりあえず機械類に詳しいミレニアムサイエンススクールに行くことにした。
だが、すぐに動けるわけでは無かった。
「ごめんホシノちゃん··········筋肉が··········筋肉がっ··········!!」
────言っておくが、リョウマのベルトに不具合が起き、こんな事になっているのでは無い。
だがユメは変身して数分という時間とはいえ、普段ほぼしてない『激しい運動』をした。ちゃんと筋力サポートとか諸々の機能をつけてこれである。
全ては、そう。普段からあまり身体を動かさない怠け者の自業自得である。
そしてその筋肉痛が治るまで、ホシノがアビドスの借金を一人で返し続けていたのだ。
そしてホシノによる大説教及びブートキャンプが始まり────気づけば年末だった。
「全く··········今後はしっかりと適度に運動をすること!!確かに生徒会が我々二人しか居ないので忙しいのはわかりますがそれにしたって動かなすぎです」
「はい··········反省してます··········」
彼女にも思うところはあったのだろう、今ではすっかり凹んだ腹をさすり肩を落とす。
「さて、では一応当初の目的であるミレニアムサイエンススクールの天才··········とやらが『クジゴジ堂』という店にいるらしいので行きましょうか」
そして彼女達は目的通り、クジゴジ堂を目指し、歩を進め─────
『コラー!!貴様らー!!』
られず、大声で呼び止められた。
振り返るとそこには先程ゲヘナとトリニティを鮭まみれにしてきたサモーン・シャケキスタンチンが指をさして叫んでいる。その指の先は─────ユメの持っている御節。
『貴様ら!!突然で申し訳ないが正月にはシャケを食え!!』
「·························は?」
「·························へ?」
そう唐突に言われ、クソでかい鮭を丸々一尾押し付け、御節を全力でぶん投げられた。
『これでよし!!ではさらばだ!!』
そしてかなりのスピードで逃走するサーモン。
この唐突な出来事に脳が追いついたのは数瞬後。
「─────ま、待ってえええええええええ!!」
ユメはホシノに押し付けられた鮭を投げ、全力で追いかけ始めた。
「····················えっ?」
さて。当然の事ながら。とある理由がありながらも、ドライブから逃げおおせたサーモン・シャケキスタンチンに追いつけるわけが無い。
だからこそ、彼女はノータイムでゼロワンドライバーを取り出し、変身を敢行した。
「私の御節返せぇぇええええ!!」
『飛び上がRIZE!!ライジングホッパー!!』
そして彼女はゼロワンのサポートAI─────衛星ゼアのサポートを受け、ビルの壁と壁を使い、パルクールの要領で立体的に追いかけていく。
『なんだとぉ!?ならば全速力っ!!』
それを見た彼は─────原作のサモーン・シャケキスタンチンには無い能力、『全身からの脂の分泌』で足から油を分泌し、滑るように加速していく。
尾刃カンナが先程すっ転び、逃げ切られたのもこれが理由である。バッタモチーフのゼロワンとは違い、『高速移動』を重きに車モチーフで作られたドライブは、地面を走らなければならない。脂の影響をモロに受けたのだ。
100m5.7秒の超速が、完全に弱点となっていた。
だがしかし─────それで諦める尾刃カンナでは無い。
「そこのシャケ怪人!!止まれぇぇぇ!!」
彼女も彼女とて、トライドロンで追いかけてきた。
『何ぃ!?警察もだとぉ!?馬鹿な!!一体どうやって脂を─────なんじゃありゃあ!?』
─────時はゲヘナとミレニアムが襲われている辺りまで遡る。
とうとう尾刃カンナから緊急招集を受けたリョウマとウタハはあくまで今ここに来たフリをして尾刃カンナに合流した。
尾刃カンナは自分が転んだ原因、及び相手の能力に気づき、リョウマに突貫工事を依頼したのだ。
「─────という事件が起きていてな。で、お前に頼みたいことがある」
「脂で加速··········?脂で????」
「どーりで生きた鮭や鮭の切り身ががその辺に散らばってるわけだ··········で?何を頼みたいんだ?」
「脂を無力化するために─────前方に高圧洗浄機をつけて欲しい」
そしてその結果─────
なんかトライドロンのフロント部分がやけにアンバランスな事に。具体的に言うと前方に不自然な出っ張りがあり、更には二人乗りしか想定されていないトライドロンの助手席に簡易的なクソデカ貯水ポンプを載っける羽目になった。
『だっっっっっっっっっさ!!!!!!!』
「うるせぇ!!知らねぇ!!お前を倒せりゃ見てくれなぞどうでもいいんだよォ!!」
『カンナ、その意見には同意だがもう少し美的センスくらいは持ってくれたまえ』
そんなツッコミにカンナは全力でアクセルを踏むという答えをもってサモーン・シャケキスタンチンを吹っ飛ばした。
『ぐっふぅ!!ち、畜生··········!!まだだ!!まだ終わってないぞぉ!!』
トライドロンに撥ね飛ばされたサモーン・シャケキスタンチンは瓦礫の中から悪態をつきながらも再び逃走しようとしていた。
彼の目的はあくまで御節ではなくサーモンを正月に普及させる事。戦闘などは最初から眼中に無い。
しかし、彼は見落としていた。
敵はゼロワンとドライブ、だけではなく。
珍しくこの事件を起こした張本人として反省している
ドンッ!!という何かを発射したような音が聞こえた時にはもう遅かった。
サモーン・シャケキスタンチンはその音が聞こえてから数瞬もしない内に臨戦態勢を取っていた。何にでも対応出来るはずだった。
ただ、広範囲の投網以外は。
『なんだとおおおおおおぉ!?』
完全に捉えたサモーン・シャケキスタンチンを見た黒服は、携帯でこう連絡した。
『クックックッ··········リョウマさん。作戦成功です』
「そうか、サンキュー!!尾刃さん!!あと─────誰かわからないけど黄色い人!!跳ね飛ばした廃墟で投網による拘束に成功した!!」
その言葉を聞き、カンナはトライドロンの中から飛び出すと同時に、ユメは勢いそのままに。
『ヒッサーツ!!フルスロットル!!』
『ライジングメガインパクト!!』
「「これで終わりだああああぁ!!」」
動けないサモーン・シャケキスタンチンに容赦なく、ライダーキックをお見舞いした。
『み、皆さん·····良いお年をおおおおおおぉ!!』
それを断末魔に、サモーン・シャケキスタンチンは大爆発を起こし─────後に残ったのはヘイローのない事切れた鮭だけだった。
後日談というか、今回のオチ。
「お待たせしました皆さん!!サーモン丼です!!」
結果としてサモーン・シャケキスタンチンが残した鮭はそのまま消えることなく残り続けた。
なのでその場にあった今回の騒動の原因となった鮭と小鳥遊ホシノがユメに託された鮭。
その他被害を受けた諸々から鮭を回収して現在、『料理人』解ヶ良リョウマによるサーモンカーニバルが幕を開けた。
当然の事ながら、元よりクジゴジ堂に用があったアビドス二人組、尾刃カンナ及び特状課の皆様とオマケの不知火カヤも揃い踏みである。
ちなみにやはりというかなんというか。この鮭はめちゃくちゃ美味かった。
「しかし驚きました。まさか『仮面ライダー』が私以外にも居るとは··········」
「うん。私はこの力をアビドスを守る為に貰ったんだ~。なんかテンションの高い般若面の人に」
「新たな不審者じゃないですか!?というかよくそんな奴に貰った力を使う気になりましたね貴女··········」
「まあ私の命を救ってくれたし悪い人じゃないと思うんだよね~」
サーモン丼を食べながら思い思いの意見を口にする三人を他所に、ゼロワンドライバーを見ていたリョウマが戻ってきた。
「お疲れ様ですリョウマさん。それで、ベルトの方は?」
「とりあえず壊れたら修理くらいは出来るってのが一つ。残念だがロックがかかってて··········えっと、梔子さん?以外の人は変身できないって事、そしてそのロックは俺でもウタハでも解除できなかったこと。そしてその気になれば俺は別種類のプログライズキーを生産できることくらいかな」
「··········そうですか。正直私の方が身体能力が高いので私が変身出来れば良かったのですが」
「というかあっさりと言いましたね。その気になればベルトも作れるんですか?」
不知火カヤが嘲笑うかのように言う、が。
この男、何も知らないフリをしている製作者である。
「ん?作れるよ?」
「「「「「『えっ??????』」」」」」
瞬間、皆に衝撃が走る─────。
「まあドライブとかゼロワンレベルでは無いけど(大嘘)その気になりゃ一週間くらいで··········ただ誰でも変身できるって訳じゃねえ、最低でも梔子さんくらいの身体能力がないと無理だから─────例えば不知火さんには夢のまた夢みたいな話だな!!」
「えっ、なんで私この流れでディスられたんですか?」
「まあカヤはこの前ヴァルキューレの中で一番身体能力テストの結果が悪い生徒に腕相撲で負けてたしな··········」
「カンナさん??????」
恐ろしく自然なカヤ虐··········俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。
「まあそれはさておき─────リョウマ、カヤ。それとアビドスのお二方。提案があるんだが」
「ん?提案?」
「あぁ。ユメさん。卒業後特状課に来ないか?」
──────────え?
瞬間、解ヶ良リョウマの頭は活動を一時的に停止した。
「正直な話、今回はアビドスの人間には悪いが砂漠化していて人があまりいないという状況に救われた。あのサーモンの目的が目的だから討伐できた─────だが近い将来、マギアを仕留め損ねた時にアビドスに逃げられると色々と問題が起きる。砂漠化によって慣れてない人間が軽装では足を踏み入れられない土地と化していて、砂嵐で昨日まで通れた道が通れなくなる。そんな状況下に長い間活動可能なマギア─────ロボットが逃げるには絶好の土地だ。逆に言えばアビドスに逃げられた瞬間、こちらでも追跡困難になり後手後手に回ることになる。そうなると被害が増えてしまう」
「成程。それでアビドスに三年間所属し、もうすぐ卒業するアビドスを歩き慣れているユメ先輩は適任というわけですか···············」
「無論、雇うということになるので賃金も発生する。内職およびバイトも可能だ。そこに前例がいる。そちらの借金についても聞いた。ついでに気になることがあれば調べても構わない」
「そういえば現在はクジゴジ堂店主でしたね··········」
「えっ、でも私もう内定決まってるんだけど··········一応連邦生徒会の事務員に··········」
「そうだったのですか?なら安心してください。私が掛け合って出向という形にしておきますので。理由が理由なので生徒会長は許可してくれると思いますよ」
そんな会話を聞いていた解ヶ良リョウマの心情は─────
(ふざけるな!!ふざけるな!!バカヤロおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!)
内心大慌だった。
(不味い不味い!!非常にマズイ!!アビドス組がヴァルキューレとズブズブになるのはマズイ!!)
(カイザーPMCもカヤさんの汚職も!!来たる時の為に水面下で進めたり放置したりしてるのに!!ここでこの事がバレたら··········いや俺の関与がバレなくても描いてた最高のシナリオが全部台無しになる··········!!)
どこまでもクズだった。本当に主人公か?お前。
(だがしかし··········ここで反対する理由がない!!尾刃カンナが言ったことは全部正論だから··········!!)
(···············なーんでこうなっちゃったんだろうなぁ··········)
女性陣が笑いながら会話しているのを後目に、リョウマはどうにかならないかと謀略に頭を使い─────翌日熱を出した。
因みに一週間後。
『リョウマさん!!今度はヘイローを持った蟹が─────』
この黒服の電話によりもうひと騒動あったのは別の話。
次回は早めの更新になると思います。
幕間の物語
・ドライブ製作秘話~ウタハがゲロインになった日~
・特状課の一日
・ウタハのリョウマ監視録
・リョウマとカンナが二人で飲みに行った話
の内何個かでお送りします。