ARMORED CORE VI ハスラー・ワンになり真の最強[皆のトラウマ]となる 作:影後
ラナ・ニールセンにとってハスラー・ワンの敵は自分の敵だ。
「殺してやる...C1-249スッラ」
『くッ...[ナインボール]と[ナインボール・レプリカ]か。彼奴め...』
『何かを知っているようですが、ハスラーは貴方方の全てを見通している』
『621、回避しろ』
スッラの言葉を流しながら、ラナ・ニールセンは機体のトリガーを引いた。
ラナ・ニールセンはハスラー・ワンと同じドミナントであり、ハスラー・ワン、V.Iフロイトと同じハスラー・ワンが定めたドミナントのうちの一人である。それはラナ・ニールセンにとって誇りよりも大きく、命よりも重い称号だった。
「…スッラでしたね。死んで貰えないですか」
パルスライフルの弾速は異常なほど速く、回避は困難だ。
AC[エンタングル]のアーマーがだんだんと削られていく。
しかし、高速で動き回り、常に背後を奪う様にしながら戦う
[ナインボール]。
『ハスラー・ワンの人形がこれ程とは』
「喋る価値もない存在、消えなさい。ハスラーの目的の邪魔をするな」
[エンタングル]はクイックブースト速度がブースト速度よりも遅い、所謂QBによる回避をしても、そもそもの機動性が上の[ナインボール]から逃れられない。
接近戦に持ち込めれば、左腕の範囲型パルスガンでの攻撃か、右腕のバズーカで一撃を叩き込める。
そう、考えていた。しかし、[ナインボール]は[エンタングル]を観察するように、瞬時に距離をとりグレネードからミサイル、そしてパルスガンを撃ってくる。
『APが……』
撤退することも出来ただろう、しかしスッラにも目的がある。
その目的のためには[ナインボール]は落とさなくてはならない。
『よそ見か?621、やれ』
[ナインボール・レプリカ]の3連リニアライフルが[エンタングル]の足を奪うように放たれる。
即席のパートナーの筈だが、2機はまるで古くからの戦友である様に[エンタングル]を着実に追い詰めていく。
『やれ、621!』
『いつの間に』
[ナインボール・レプリカ]いやAC[ローダー4]がレーザーブレードで[エンタングル]を切り裂いた。
『なっ……』
「さよなら、ハスラーを傷付けた下郎め」
パルスライフルが「エンタングル」に命中し、機体は誘爆を開始する。
『ハンドラー・ウォルター 、ウォッチポイントは やめておけ・・・』
誘爆したエンタングルを尻目にラナ・ニールセンは嘲笑を続ける。
「ハハッ……ハハハハハハハッ!!!貴様のっ!貴様のような存在は!ハスラーの邪魔だっ!蛆虫だっ!ルビコンの冷たい海の底で永遠に彷徨い続けるんだな!ハハッ…ハハハハハ」
『…621、彼女は無視しろ。目的を遂行するんだ』
笑い続けるラナ・ニールセンと『ナインボール』。それを無視し、『ローダー4』はウォッチポイントへの侵入を果たした。
『それだ、中央にあるデバイスを壊せ』
C-4 621は言われた通りにデバイスを破壊した。
『…621 よくやった仕事は終わりだ 帰投しろ。これは…!?
…まずい 退避しろ 621!』
吹き上がるコーラルの濁流に巻き込まれ、『ローダー4』はロストした。
_________
解放戦線から受けた依頼である、アーキバス補給部隊襲撃支援のミッションから帰還したハスラー・ワンが最初に見たのは空いた格納庫。
そこは本来なら、ラナ・ニールセンが扱う『ナインボール』が鎮座していたはずだった。
「ハスラー、おかえりなさい!」
「見て!お野菜がたくさん!」
ラナ・ニールセン、解放戦線との保護活動によってハスラー・ワンの基地は大量の子供が生きている。
皆が協力し、食料プラントを使いながら真っ当な生活を送ろうと努力している。
食料プラントの稼働率は未だに60%未満であり、野菜が出来た日にはパーティだ。
「ラナはどうした?」
「ラナ先生、すごい顔してたの」
「昨日からずっといないの」
ハスラーは野菜類を料理のできる年長組に好きにする様に言い、ナインボールに飛び乗る。
(何処だ、何処にいる)
ラナ・ニールセンはドミナントであるが、何かの要素で死ぬ可能性がある。
ハスラー・ワンはラナ・ニールセンにまだ全てを教え終えていないのだ。
それに、ハスラー・ワン自身、ラナ・ニールセンを失いたくはない。
(ウォッチポイントだと?それに)
ラナ・ニールセン[ナインボール]の付近に2機のACの反応がある。AC「ローダー4」とAC「エンタングル」だ。
C4-621とC1-249スッラ、ハスラー•ワンは予想した。
ラナ・ニールセンの事だ。
[ナインボール]に、ハスラー・ワンに泥を塗ったとしてスッラを仕留めに動いたのだろう。
ハスラーはラナ・ニールセンの回収のため、[ナインボール]は赤い閃光と化した。
ハスラー・ワンがウォッチポイントに到着した瞬間、全てを巻き込む様なコーラルの濁流が辺りを襲った。
何が起きたのかは予想できる、故にラナ・ニールセンの安全を確認した。
「…[ナインボール]が」
コーラルの濁流に巻き込まれたのか、所々スパークしている。
しかし、内部の生体反応は消えていない。
「コーラルを浴びていたのでは無いのか?まさか、ドミナント故の……」
自身の[ナインボール]からラナ・ニールセンの[ナインボール]へ飛び移る。
そして、機能停止している[ナインボール]の再起動を行った。
スパークしているが、内蔵機器はまだ死んでいない。
「ラナ・ニールセン、起きろ。起きろ、ラナ」
「はす…ら……」
「意識の混濁か?」
「……あ…えぁ……」
「何だ?まぁ良い、ラナ。少し休んで………そうも言えんか」
ラナ・ニールセンの[ナインボール]のレーダーに、急速に近付いてくる機体の反応がある。
「…出てくるな、隠れていろ。これは命令だ」
ハスラー・ワンは自身の[ナインボール]へ飛び移ると、ウォッチポイントの上層へとアサルトブーストを蒸した。
『全く…前回はナインボール。今回はそのレプリカだと?』
『レイヴン、回避を』
『無駄な事はよせよな』
それはAC[ヴィクセン]であった。
しかし、その武装は前回とは違いハスラーにすら恐怖を与えた。
両肩から展開されるハリネズミの様な砲身が真後ろ以外の全てを狙い、破壊する。
『お前は…独立傭兵レイヴンだと?まぁ良い、面倒を起こす奴は殺すだけだ』
そう、スティンガーが言い放った瞬間ソレから全てを破壊するパルスキャノンが放たれた。
パルスキャノン13門×5列を束ねたユニットを2つ両肩に装備、すなわち計130門ものパルスキャノンから構成された規格外兵器、しかしAC[ヴィクセン]には不調が一切見られない。
「マルチプルパルスか……」
『アレは、ナインボール?!レイヴン、警戒を』
「随分と面白い武装を持ってきた様だな。惑星封鎖機構のスティンガーだったか」
『[ナインボール]、ハスラー•ワンか。丁度いい、レイヴンも、お前も、このパルスキャノンの塵となれ』
「行けるか、ハウンド」
『ナインボール、レイヴン。彼と共に戦いましょう』
C4-621の[ローダー4]は頭部を縦に揺らし頷く仕草を行った。
ハスラー・ワンも返そうとするが、スティンガーがそれを許しはしない。
『随分と呑気だな』
右手武装として所持しているバズーカが2機の間で炸裂する。
両機はクイックブーストで回避し、[ヴィクセン]への攻撃を開始する。
『無駄だ』
2機のグレネードがパルスアーマーにより防がれる。
更に、機体を改造しているのか[ヴィクセン]は空中を自由に飛び回っている。
「ちぃ…パルスアーマーか。ハウンド!俺が奴のシールドを破壊する!お前は本体を」
『終わりだ!』
「くそっ…」
ハスラー・ワンは普段の無機質な口調ではなく、焦りながら人間的な声を上げる。
パルスライフルは命中している。しかし[ヴィクセン]の攻撃が苛烈すぎる。
[ヴィクセン]は何度もパルスキャノンを放ち、距離を取らざる得ない。しかし、距離を取りすぎればバズーカを移動射撃しながらレーザーブラードでの斬撃を狙う。
『終わりだ』
「待っていたぞ、この時を」
正面からレーザーブレードを振り降ろす[ヴィクセン]にパルスライフルが全弾命中する。
そして、[ヴィクセン]のパルスアーマーが消失した。
『何だと』
『レイヴン、今です!』
ハスラー・ワンの視線の先で[ローダー4]が[ヴィクセン]に向けてレーザーブレードを振るう。
しかし、寸前のところで[ヴィクセン]はマルチプルパルスをパージし、自爆させる。
[ローダー4]はその爆発に飲み込まれ、吹き飛ばされる。
「ハウンド、無事か!」
しかし自由落下を始める寸前、[ナインボール]での救助が間に合った。
『ちぃ……やってくれたな。次だ、次会う時貴様らを殺してやる』
そう、スティンガー[ヴィクセン]は言い放ち戦闘は終了した。
「ハウンド、奴とやり合うなら覚悟しろ。実力は俺と同等だ」
ハスラー・ワン[ナインボール]はラナ・ニールセン[ナインボール]を抱き、戦闘区域を離脱した。
皆大好き、オーバードウェポン。
なお、プレイヤーは使えない模様。