ARMORED CORE VI ハスラー・ワンになり真の最強[皆のトラウマ]となる 作:影後
「嘘だろおい!数多すぎるぞ!」
配信者Hは激しい怒号を上げながら、ストライダー防衛ミッションを行っていた。
変わらず、ストライダーが破壊されるシーンかと思いきや、既にストライダーは破壊され、[ナインボール]が無数のルビコニアンパンジャンドラムが群がられていた。
『よく会うな、まったく……これは友と言えるんじゃないか』
『ヘリアンサス型だと……621、気を付けろ。アレは技研のC兵器、無人機だ』
『ハンドラー・ウォルターか…まったくアレを呼び込んだのは貴様らか?』
何時にもなく疲れたような声のハスラーに思わず
「違うよ、車輪なんてフロムのせいだよ!」
と声が出てしまう。コメントも
フロム
車輪
このさき、車輪があるぞ
と何処か見覚えのあるものが大量に流れる。
『猟犬、気を付けろ。奴等は数が多い、ACは機動兵器だ。死ぬ気で動き回れよ』
「わかったよ、ハスラーさん!」
配信者Hは子犬のように返事をする。
しかし、そこから流れ出るのは濁点の付いた汚い悲鳴だった。
「ぎゃぁぁあ」
『ちぃ、世話の焼ける』
「ハスラーさん?!何だ、このAI!優しすぎるだろ!」
配信者HのACが襲われていると、ハスラーは即座に援護するように動き、パンジャンドラム……ヘリアンサス型を転倒させる。
ーハスラー強すぎだろ
ーこれは忠犬ムーブしよう
ーまさにヒーロー
『やれ、猟犬!』
「ワン!」
犬のように答え、ヘリアンサス型を倒した配信者H。
すると、ハスラーが意気揚々と声をかけてくる。
『良い連携だったな』
「ありがとう!ハスラーさん!」
『流石の練度だな621……なに?』
「え?パパ?!待って、ここで?!」
配信者Hが驚く、あと数ミッション先で見られるはずのムービーが流れ始めたからだ。
『猟犬、アレは』
『ハンドラー・ウォルター。また新しい猟犬を飼ったようだな』
『…スッラ』
『……第一世代の骨董品。……ハンドラー・ウォルター知り合いか?』
『C1-249スッラ。第一世代の生き残りだ』
『ハスラー・ワンか、情報とは違うな。まったく……』
やれやれといったハスラーの声と聞き慣れたスッラの声。
そして、AC[エンタングル]が多数のヘリアンサス型と共に飛び出した。
戦闘が続き、APが尽きあわや撃墜されると思った瞬間、新たなムービーが入った。
『くそ………生きているか、猟犬』
「うそ!庇ってくれるの!ナインボールが?!」
ムービーが終わるとリペアキットも使用していないにも関わらず、APが7割回復している。
だが、ナインボール右腕が破壊されていた。
「まて、片腕なのに強すぎだろ!」
ナインボールは片腕にも関わらず、ヘリアンサス型を撃破していく。
『それが…それが……ACの動きだと』
『……機体損傷率46%。稼働限界だが……猟犬。力を貸してほしい』
『621。ハスラー・ワンを護りながらだ、やれるか』
『勘違いするな、守る必要はない。好きに戦え、俺も戦う』
「いや、ボロボロの機体の方が強いってなんで?!」
ーガン◯ムよろしく、
ー破壊されたメカは美しい
ーギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って
『終わりだ、ハスラー・ワン』
『いや…ちょうどだ』
スッラとハスラーの会話が聞こえた瞬間、聞き慣れたBGM9が流れ始める。
ーまさか、ナインボール!
ー2機目のナインボール!!
『ハスラー、救難要請を受信しました』
『ラナ・ニールセン、感謝する。交代だ』
『C4-621ですね、これより。私、ラナ・ニールセン。そして、[ナインボール]がアナタを援護します』
「嘘だろ?!ラナちゃん!!」
ーラナきた!
ーナインボールとラナとハスラー!
ー機械的じゃない!
『何だと…だが、ハスラー・ワンではないのなら』
『ハスラーより、この機体の使い方は教わっています』
無機質な、だが確かに生きている女性の声で、[ナインボール]は[エンタングル]を着実に追い詰めていく。
『ちっ…想定外だ、撤退する』
『…ハスラー、ご無事ですか』
『ラナ・ニールセン、感謝する。そして、助けられたな。猟犬、いや……レイヴン』
「ハスラーさんがデレた?!」
そして続く壁越え、ハスラー・ワンが出現し戦闘かも思いきや流れに変化は無かった。だが最後、ハンドラーからの通信が変化していた。
『621、G5イグアスを覚えているか?』
「うん、もちろんだよ。パパ」
『俺達が壁越えをしている際、ハスラー・ワンがベイラム部隊を攻撃、G5イグアスが戦死した。ソレだけではない、どうやら偶然出会ったV.Iフロイトをも撃退したらしい。奴は危険だ、気を付けろよ』
「うそ!イグアス死んだ!」
ルートによってはラスボスも務めたイグアスがまさに、画面外で
死んで行ったというのに驚きが隠せない。
そんな驚きが隠せないまま、新たなミッションに向かった。
『621 仕事だ。
依頼主はルビコン解放戦線 ブリーフィングを確認しろ』
『…「壁」の喪失は 我々にとって手痛い一撃だった。
だが 貴方は企業の狗というだけではない そう信じ 協力を要請させてもらった。
作戦内容は虜囚となった戦士たちの救出 我々はヘリ単機突入による奪還を決行する。
救出対象の同志は3名 我々にとっての重要人物も含まれる。
独立傭兵レイヴン 貴方が我々に共鳴してくれることを願う。
「コーラルよ ルビコンと共にあれ」』
『ガリア多重ダムで手を貸したのが 解放戦線には響いたようだな。お前の選択が運んできた仕事と言えるだろう』
配信者Hも見慣れた依頼文、特に何の警戒もなくミッションへと進んだのだが、絶句の一言だった。
「ムービー?なんで」
そこに現れるのは壁以上のベイラム部隊。
砲台、数多の4脚MT、MT、対空砲、ソレだけではない。
無数のACが居たのだ。今までACはネームドだけだったが、少なくともムービーには6機は居た。
「レッドガン?!嘘でしょ!たった一人で出来るわけないじゃん!」
―終わった
―地獄へようこそ
―頑張れ
コメントも叫んでいるが、こんな時必ず現れる存在がいる。
『独立傭兵レイヴン、待ってくれ。AC2機が此方に』
コメントも早まる、だいたい現れる存在が予想できてきた。
「こんばんわ!ハスラーさん!!」
『アーシル、お前だったか。よくも、たった一人の独立傭兵に頼もうとしたものだな。例え猟犬でも、お前の御守りは不可能だ』
何処か貶されているがそこに食らいつくのが我らが飼い主、ハンドラー・ウォルターである。
『ハスラー・ワン、どういう意味だ』
『簡単だ、対空砲、火砲、AC、MT、レッドガンは居ないが戦力が整い過ぎている。ハンドラー・ウォルター、お前の猟犬はけして死なないがそこのヘリは堕ちる。少なく見積もっても50機以上のMTにACだ。それに対空砲、お前の猟犬はその全てを狩りながらのヘリ護衛は無理だ』
『……確かか』
『嘘を言ってどうする、此方の目的は私の妹の救出だ」』
「妹?!うそ、ハスラーさん、妹いるの?!」
―妹?!
―まじか!
六文銭がここで現れた事よりもハスラー・ワンの妹に興味が湧く。
『……アーシル殿、我々は同士である。協力しよう』
『……まぁ良い、私が殲滅する。ついてこい』
戦場はまさに地獄だった。
今まで現れなかったモブAC達、無論、近接やらミサイルやら
ベイラム系の武装で整えられた機体達に地味に苦戦する。
強くはない、しかし数が多い。
レールガン砲台やMTのキャノン、正直、頭が禿げそうになる。
「うがぁぁぁ…」
『レイヴン、敵の輸送部隊だ!援護を!!』
「いや、いすぎ!」
NPC達も戦闘しているが、やはりナインボールは目立つ。
『此方、センダイ!敵ACは[ナインボ]うぁぁぁぁぁ』
『一体……何機居るんだ』
「ホントだよ!」
弾薬が心許ない、コレならばガトリングでも持ってこればと悩むが、台詞が続く。
『兄上殿!数が多過ぎます、殲滅よりも救出を優先すべきかと』
『…未確認の反応……これは』
ハスラー・ワンのセルフに対し「まだ来るのぉ?!」と発狂する。そして、時間をおかず現れた存在に恐れる。
『面白い状況だな、[ナインボール]今は手を貸そう』
「ロックスミスだぁ!」
一瞬のムービーだから気付けなかっただろう。
これから悪夢が現れることを。
『ハスラー・ワン!此方、捕虜の救出は完了した、しかし』
「できた!終わった!!」
『随分と暴れまわってくれたな』
「弾ねぇんだって!」
G2ネイルの[ディープダウン]と親衛隊なのかやけに強いAC部隊。
はっきり言えば冗談じゃない。
『G2ナイルか、そのアセンだと4人の相手は難しいだろ?』
『621、撃て!』
「巫山戯んなぁぁぁ」
まさかのフロイトの裏切り。
『俺は楽しい事が好きなんだ、行くぞ独立傭兵。お前とそっちのお抱えとは初めてだ。期待している』
「まって!なんでソレを…ひぃぃぃ!?」
ロックスミスはナインボールの6連パルスライフルを所持していたのだ。元々、適性の高いジェネレーターな事もありバフがのり、問答無用で倒され続け、段々と頭がパーになる。
「難易度おかしいだろ、4週目?!」
ーナインボールだし
ーナインボールいるし
ーナインボールが敵じゃないだけという悪夢
ーナインボール枠フロイト
「そうだ!ハスラーさんに押し付けよう!それで良いじゃん!」
ー下衆
ー戦え
ーまぁ、正解だと思う。ナインボールのAI普通に強いし
「だよねぇ、ナインボールはハスラーさんは無敵なんだよ!」
『この前ぶりだな、V.I。パルスライフルの調子はどうだ?』
『…些か強すぎるな、お前から貰ったが、簡単すぎる』
「何してんだ、ハスラー?!!」
ー知らんかった
ー押し付け正解なのか
ーうそだろ……ハスラー
ハスラーがパルスライフルを渡したという巫山戯た情報に悲鳴が上がる。
「もうやだぁぁぁ!!!!」
2時間のプレイのすえ、ムービーへと入った。
『レイヴン、シノビ、ハスラー・ワンが[ディープダウン]を撃破し、MT部隊を攻撃している。こちらの任務も終了した!もう撤退して大丈夫だ‼』
『なんだ、逃げるのか...ならお前だけは貰おう』
『ぬう⁉』
六文銭は苦悶に満ちた声をあげるが[シノビ]では[ロックスミス]の急稼働に対応できなかった。
『姫...兄上殿、アーシル、姫を...ど...』
六文銭は最後の言葉を伝えることなく[シノビ]と共に捕虜収容所の大地に散った。
「……ナインボールが強すぎる」
配信者Hの言葉はそれ以上続かない。続けられない。
実際、今回のミッションのランクはC。Sなど、正直取れる気がしない。あまりにも難易度が高すぎる。
今まで居なかった野良AC、ソレが10何機と襲ってくる。
「取り敢えず、ナインボールが今のところ最強というがわかりました!あと、フロイトが持ってちゃいけないもん持ってるのもわかったよ!この野郎!ハスラーさん、なにしてんの!」
実際その通りであり、このまま難易度が一気に上がったAC6を続けることになる。