ARMORED CORE VI ハスラー・ワンになり真の最強[皆のトラウマ]となる 作:影後
『久し振りだね。ハスラー・ワン。その節は世話になったね』
『アンタに一つ依頼を頼みたい。誰かさんが暴れてくれたおかげで うちの警備はボロボロだ』
『そこを突いてくる 商売敵のドーザーがいるのさ』
『そう、アンタにボロボロにされた筈の「ジャンカー・コヨーテス」さ。』
『いつも嗅ぎまわり 隙あらば噛み付いてきやがる』
『侵入して荒らすだけならまだ許せるが 奴らはうちの開発データを抜き取ろうとしてる』
『設置されたハッキングドローンを全て潰さないと RaDの機密情報が盗まれちまうって寸法さ』
『なんとも卑しいことを考えたもんだが その価値が分かってる点だけは褒めてやろうかね』
『…今回、アンタの仲間にうちのビジターを付けてある。』
『かなりきな臭い、アンタも気を付けな』
MISSION 機密情報漏洩阻止
COMBATZONE ベリウス西部 グリッド086
OBJECTIVE 目標破壊
DETAIL
+ グリッド086に仕掛けられたハッキングドローンの全破壊
+ ハッキング完了を許すと即時失敗
「……きな臭いか」
ハスラーは転生前の記憶を鮮明に覚えている。
この依頼も本来ならイレギュラーたるC4-621個人に向けた依頼である筈だ。シンダー・カーラは戦力を理解している。
彼女がC4-621個人では危険と判断した依頼。
「……報酬も悪くない」
RaDに恩を売るのも悪くは無い。いつかは敵対する事になるだろうが、今はまだその状況ではない。
ハスラー・ワンは[ナインボール]に乗り込み思案する。武器弾薬を補給する。
ーメインシステム起動
COMの音声を耳に入れながら[ナインボール]が赤い閃光を描きルビコンの赤い空を飛ぶ。
戦闘モードは起動させず、移動性能に能力を優先する。グリッド086にむかっているが、戦闘の気配がない。
外壁部に到着したが、薬莢一つないどころか何も確認できない。
「静かすぎる」
ーメインシステム戦闘モード起動
ースキャン開始
『ハスラー・ワン。RaDのチャティ・スティックだ。現在、RaDは所属不明の勢力から攻撃を受け壊滅状態にある。ビジターが応戦しているが数が多すぎる』
「了解した」
そうチャティ・スティックに返信した瞬間に大きな爆発が起きた。見覚えのあるAC。
黒く染まっているが、自分が与えたACだ。
『AC[ナインボール]ハスラー・ワン?!
レイヴン警戒を!』
「…随分と面倒くさい相手だ。猟犬、下がれ」
『へっ……てめぇも殺せば俺は一気にランク1だ。
この…[ノーカウント]とパッチ・ザ・グッドガイ様が、
相手になってやるぜ!』
『[ナインボール]だと?くそ……』
逆脚タイプの中量ACと四脚AC。
所属も身分も不明、音声から男のように思える。
『前は任せるぜ?ブッパザ・ガン』
四脚ACがAC[ナインボール]にレーザーブレードを振るった。
ソレをバッククイックブーストで回避すると狙いすましたの様に、[ナインボール]にミサイルが降り注いだ。
『ミサイルカーニバルです。当たらないでくださいよ。
パッチ、ブッパザ・ガン』
『3機目だと?くそっ、いい加減な情報を!
RaDめ。何のためのBRF(ブリーフィング)だ。
バカバカしい!』
そう言いながら[ナインボール]は1機のACを只管に攻撃している。
『そんな……私の[赤土竜]がっ?!』
[ナインボール]のレーザーブレードによってコアが斬り裂かれ、
そのまま機能停止する。ミサイルを垂れ流すだけの機体。
ミサイルの避け方なら、バルテウスで皆学んだ。
そして、そもそも[ナインボール]と[ハスラー・ワン]の組み合わせに、有象無象が勝てるはずがない。
『なっ……待ってくれ降参だ!!
『俺は指示されてやっただけだ!彼奴等が居ないんじゃ、やり合う意味がない!』
『それに、アンタ達は生きてる。
ノーカウントだ!ノーカウント!!
なっ!わかるだろ!同じ独立傭兵じゃないか!』
レイヴンはブッパザ・ガンを容易く倒し、残ったのは
AC[ノーカウント]とパッチ・ザ・グッドガイ。
彼は頭が良く、パルスアーマーを展開しながらレイヴンと通信を行っている。
『………わかった』
レイヴンは機械音声でそう応えると戦闘モードを終了させる。
『へへっ…アンタ、良いやつだな。俺は死にたくないんでね。
このまま消えさせてもらうぜ?後でアンタにメッセージを送る。このパッチと[ノーカウント]を宜しくな!』
飛び去っていく[ノーカウント]を見送り、レイヴンに通信を送る。何処か呆れが含んだ口調でハスラー・ワンはパッチについて語る。
「…奴は大物だな」
それだけ告げると[ナインボール]はアサルトブーストをしながら戦闘区域を離脱した。
レイヴンは[ローダー4]の中で、コーラル変異波形であるエアとの会話を行っていた。
『レイヴン、[ナインボール]。ハスラー・ワンは何処か貴方を気に掛けている節がありました』
「うん…私もそう思う」
エアの言葉にレイヴンも頷く。
ハスラー・ワンはレイヴンいや、ドミナントと彼が呼んだ存在に対してサポート乃至、好意的に動いているように感じるのだ。
V.Iフロイトが良い例だ。戦闘しながらも何処か友人のような軽口を行う。
敵対していない自分も、ヤケにハスラー・ワンに好意的にしてもらっている。
『過去のログを見まして、ハスラー・ワンの言うドミナントを調べてみました』
レイヴンは何故かソレを聞くべきだと思った。
『人類がまだ地球という小さな惑星で戦争を続けていた時代。
定説として存在していたその……噂程度のものでした』
『先天的に戦闘能力に対して類稀な才能のある人類』
『ハスラー・ワンは、彼の庇護するラナ・ニールセン。
V.I.フロイト。そして、貴方をドミナントとしているようです』
『ドミナント……いえ、人は戦う以外もできるはず』
『しかし…彼は何故戦うことにこだわるのでしょうか』
『レイヴン、私はハスラー・ワンが気になります』
そして、また別のメッセージが開かれた。
『よぉ、レイヴン!俺だ、パッチだ!アンタに話す約束だからな!俺達を雇ったのは『止り木』の連中だ。詳しくは知らねえ。悪いな。ヘヘッ…アンタの実力は分かってるつもりだ。
また敵になったら逃げさせてくれよ?俺は死にたくねぇしな。
じゃあ、コレで今回の件はノーカウントだ』
『……レイヴン、彼はきっと大物ですね』