ARMORED CORE VI ハスラー・ワンになり真の最強[皆のトラウマ]となる 作:影後
ハスラー・ワンは拠点の地下深くに来ていた。
偶然発見し、彼自身がハスラー・ワンとなるきっかけ達、そして、自身の運命を定めていると言える物たち。
「ナインボールに異常はない、しかし……」
ハスラー・ワンはここに来るまでは惑星封鎖機構の大部隊を殲滅し、ハスラー・ワン排除の為に活動を行ったアーキバスの部隊壊滅させた。
ジャンクだが、それでも価値のある部品達がルビコン解放戦線へと流れていき、より装備は強化されることだろう。
ハスラー・ワンには自信がある、自分が居れば少なくともオールマインドの計画は崩せると。
やる気になればザイレムも撃墜可能である。
だが、またそれを行うわけには行かない。
「……コーラル、燃料として間違えなければルビコンは」
ハスラー・ワンはコーラルに焼かれることは良しとはしない。知っているから、この地で暮らす人々の営みを。
知っている、いくら善人であり、柵に囚われた哀れな男といえど、この星を焼くことに変わりがないから。
「惑星封鎖を解き、コーラル汚染をどうにかしなければ」
ハスラー・ワンの目的はルビコンの再生。
人々が普通の営みができる星にすることである。
「……」
その為ならハスラー・ワンは人間を棄てる覚悟がある。生きる未来も予想はしてあるが、それ以上にC4-621が選ぶ未来が危険すぎる。
「いや……計画は速めておくか」
ハスラー・ワンは不穏な言葉を残しつつ、目前のコンソールを操作し始めた。
______
移設形砲台防衛
それはルビコン解放戦線からハスラー・ワンに委ねられた依頼である。
『此方、ルビコン解放戦線はアーシルだ。
同志ハスラー・ワン、今回我々から貴男に依頼する内容は汚染市街地の移設砲台の防衛だ。企業がバラマキ依頼をだし、数多の独立傭兵が依頼を受けている。激しい戦いとなるだろう、だが、我々も貴方のお陰で装備は充実してきている……いや、やはり伝えよう。この依頼は失敗を前提としている。できれば成功してほしい、しかし、我々は貴男に、恩人に嘘はつけない。汚染市街地に駐留している部隊はいわば、我々の作戦から外れた者達だ。撤退作戦を良しとせず、断固として戦おうとしている。だが、それでも同志には違いない。お願いだ、ハスラー・ワン、どうか彼等を』
移設砲台防衛
ベリウス南部 汚染市街
敵部隊の殲滅 又は 砲台の破壊
100,000
「メインシステム、戦闘モード起動」
『ハスラー・ワン、我々の依頼を受けてくれたこと感謝する!早速だが、独立傭兵が向かっているようだ』
ハスラー・ワンは[ナインボール]に解放戦線から送られたマップデータを入力する。
戦闘が始まっている、敵はランク外の独立傭兵のようだった。
『ちぃ!MTのくせに……こいつ等』
『黙れ!企業の手先め!!』
レーザーライフルを装備しているMT、それはBAWSやエルカノが解放戦線の為だけに作り上げた新型MTである。
ハスラー・ワンの落とした者達を手にし、情報を得た後、ジャンクとして売り払うだけでなく、解放戦線内でも装備の強化や改造する技術が育っている、故にだ。
『この反応……ちぃ………くそったれ!』
独立傭兵の機体のパルスブレードでMTが斬り裂かれる。即座にアサルトブーストに撤退しようとした独立傭兵の機体が急にスタッガーを起こす。
『ありえねぇ……嫌だ……嫌だ!!!!』
それは⑨だった。
そのエンブレムで即座に理解する。
『クソっ……てめぇさえ……てめぇさえ居なければ……俺はぁ!!!』
チャージされたブレードがACごと独立傭兵を切り裂く。爆発を起こさず、的確にコアを切り裂き、上部と下部を2つに分ける。
「無価値だな、貴様の命も」
その独立傭兵が何を持って独立傭兵となったのか、それは誰にもわからない。
だがハスラー・ワンには一つわかることがある。
その独立傭兵は運がなかった。
企業のバラ撒き依頼などは基本的に金の無い傭兵か、名を売りたい傭兵が行うことだ。
そこにランカー1等は通常居合わせるはずがない。
この依頼に乗ったからこそ、この独立傭兵は死んだのだ。
『ハスラー・ワン!!東部隊が独立傭兵の攻撃を』
通信が途絶える、ハスラー・ワン[ナインボール]は即座に東へと向かう。
しかし、そこにある筈の部隊はすでに壊滅していた。
『621、逃げられるか』
それはハスラー・ワンが最も警戒している独立傭兵であるC4-621レイヴンAC[ローダー4]。
探査用のACでありながらここまでの惨劇を起こせた実力は恐ろしい。
「間に合いはしなかったか」
ハスラー・ワンは静かに[ローダー4]を見つめる。
ここで殺すことは容易い、だがこれからの事を考えれば見逃すべきなのだ。
「そこから動くな、動かなければ殺さない」
ハスラー・ワンはパルスライフルの銃口を[ローダー4]に向ける。
『621、信じるな。奴はお前を殺す』
30秒、ハスラー・ワンの前で一歩も[ローダー4]は動くことがなかった。
『良い選択だ……お前は正しい選択をしたな』
____動いた場合
「忠告はきくものだぞ?」
ハスラー・ワンは[ナインボール]のアサルトブーストで[ローダー4]の背後に回り込む。
621もそれを予測していたのか即座に反転を行おうとするが、[ナインボール]はクイックブーストで再び背後を狙う。
接近戦の間合いは避けているが、強力無慈悲なパルスライフルが命中し、APが減少していく。
『621、逃げろ』
「逃がすものか」
[ローダー4]は回避をしながらアサルトライフルとミサイルを放つ。
しかし、[ナインボール]はそれを回避して見せる。FCSのサポートでは[ナインボール]の動きに対応できていない。
『621!』
「そうか……お前はハンドラー・ウォルターの………運が無かった、お前も、お前の」
ハスラー・ワンは言葉をそれ以上紡ぐことはしなかった。
チャージされ、強化されたレーザーブレードが[ローダー4]を切り裂く。
「……俺の言うことを聞けば、助かったのにな」
ハスラー・ワンの冷たい声が[ローダー4]への手向けの様に、汚染市街地に響いた。
_____
ハスラー・ワンは自身の言葉に従ったイレギュラーを殺すつもりはなかった。
壁等の拠点を落とされる事を理解しているが、それはミドル・フラットウェルから知らされている計画の内なのだ。
落とされたら落とされたら、問題はあるが、計画はある。そう、彼は理解しているのだ。
だからこそ、ここでその相手が来ることが予想できなかった。
『……まさか、お前と接敵することになるとはな。ハスラー・ワン』
「ジャミングをしてある、今は我々だけだ」
『灰に塗れた警句を唱えることはしないか』
「警句など…無価値だ。それを知らないお前ではない」
ヴェスパー部隊に侵入し、スパイ活動を行っているラスティ、V.Ⅳの地位に付き、任務を遂行できる逸材である。
「……ラスティ」
『ハスラー・ワン、このラスティいや…我々には』
「ルビコンで成さなくてはならない事がある。良いだろう、壁には参加しない。その日はアーキバスとベイラムの前哨基地を壊滅させるとしよう」
『……恐ろしいな、だが』
「ミドル・フラットウェルからの依頼とすれば良い。これ以上はジャミングが不味いな……私は先に消える」
[ナインボール]はアサルトブーストにより、その場から即座に消え去った。
___多重ダム防衛
ベリウス南部・ガリア多重ダム
拠点防衛/施設防衛
COAM190.000
ガリア多重ダムを襲撃するレッドガン部隊の撃退
『ハスラー・ワン、此方はルビコン解放戦線のインデックス・ダナムだ。
我々の諜報部隊からこのガリア多重ダムがレッドガンのAC部隊に襲撃されることが判明した。
時間がない、良い返事を期待する』
『メインシステム戦闘モード起動』
それは蹂躙されていた、AC3機と見覚えのあるAC[ローダー4]が戦闘を続けている。
レッドガン部隊はG3五花海[鯉龍]、
G4ヴォルタ[キャノンヘッド]、
G5イグアス[ヘッドブリンガー]、
『まさか災禍を招く凶鳥とは、やはり総長に進言すべきでしたね』
『うるせぇ、五花海!野良犬が……』
『ちっ…ミシガンの野郎、何処から』
『G3!G4!G5!貴様らはその野良犬に負ける程度か!ん?貴様等、死ぬ気で生き延びろ!どうやら最悪のシナリオだ!奴が来たぞ』
レッドガン達にはミシガンの通常の冷静さとは違い、少し冷えた声が聞こえていた。
「……火力型か」
それはG4ヴォルタの上部を切り裂き、爆発させる。
『おい、ヴォルタ!』
『ちぃ……まだ生きてるよ』
ボロボロながら悲鳴にも似た声が聞こえる。
先ではパルスライフルを構えた死神[ナインボール]が二人の前に立っている。
「……レイブン、防衛支援感謝する」
『ちっ!邪魔してんじゃ』
『イグアス!下がりなさい!これは……これは凶』
[ヘッドブリンガー]は脚部をグレネードで破壊される。イグアスは向けられていたパルスライフルに意識が行き過ぎていた。
破壊された脚部では何も出来はしない。
『巫山戯ん』
『世話の焼ける!』
五花海はスプリットミサイルを放った後、[ヘッドブリンガー]のコアを回収した。それだけではない、慣れた手付きで[キャノンヘッド]のコアをも抉り出し、ダムから撤退していく。
『ハスラー・ワン………621、これが最強だ』
撤退した存在に価値はない、ハスラー・ワンはAC[ローダー4]を一度だけ見た後、アサルトブーストで立ち去った。
『……621、どうした』
新たなレイブンはハスラー・ワンの辿った軌跡をじっと、ACのカメラ越しに見るのだった。
『ハスラー・ワン、依頼の達成感謝する。独立傭兵レイブンもだが、貴男も居なければ我々は負けていただろう。もし、レッドガンのAC部隊が独立傭兵レイブンを無視していたら……いや、貴男に感謝が先決だな。ありがとう、ハスラー・ワン』
報酬とボイスメッセージに告げられた言葉を、ハスラー・ワンは容易くダストボックスへと投げる。
意味のない言葉、実力もない、戦場に出れば死ぬだけの男の言葉。
ハスラー・ワンはただ警句を喋るしか脳のない者達は嫌いであった。
その警句自体を生み出した育ての親も、すべて理解できていない者達も。
だが、それでもルビコニアンとして戦っている。
「……レイブンは俺を見ていた」
ダムから立ち去る時、レイブン[ローダー4]は自分を見ていたことを知っている。
それが何を意味するのか、ハスラー・ワンは理解できていない。
この世界は始まりなのか、それとも何時かの世界線(周回)なのか。
ハスラー・ワンはキャラクターであり、プレイヤーではないのだ。
_____
C4-621はその実力を知っている。
自分が苦戦していたヘリコプターを容易く撃破し、AC越しでありながら明確な恐怖と殺意をぶつけてきた相手。
それが、ハスラー・ワン。
そして、今日、再びハスラー・ワンとであった。
[ナインボール]という機体は何処の企業が開発したものかも判らない。
C4-621はアリーナに潜り、AC乗り達のデータを調べ上げ、何度も戦った。
しかし、アリーナランク1であるハスラー・ワンAC[ナインボール]のデータはオールマインドの中にも無かった。
しかし、確かに存在している。
アセンブリデータがないという事は少なくとも、パーツはすべて自身で手にしたもの。
そして、最低限以外でオールマインドを使用していないという事。
飼い主であるハンドラー・ウォルターもハスラー・ワンのデータ収集の結果は目に見えていた。
「621、ハスラー・ワンのデータだが」
《ウォルター、こんなんじゃない。もっと……ナインボールは強い》
ハンドラー・ウォルターにとって誤算だったのは、621がハスラー・ワンと、[ナインボール]と出逢ったことで急速に感情を取り戻していることだ。レッドガン達の刺激よりも、ウォルターは621の無機質な目に、確かな輝きを見ていた。
だからこそ、
「お前のような娘を、俺は」
《ウォルター、大丈夫?》
車椅子ながらウォルターを心配するように近寄る621、10代半ばに見える少女がこんな姿にされていること、そして、自分が死地に送っていること
(俺は、地獄に落ちるか……だが)
「621、仕事だ」
それは覚悟を決めている。
ハンドラー・ウォルターは知っている。
621の実力を。
だからこそ、稼がせる。
稼がせ、再手術を受けさせ、ルビコンから連れだし、普通の営みを送らせてやりたいと。
「……ハスラー・ワン」
経歴不明、この数年でルビコン3の傭兵のトップとなり、仲間や讃える者たちからは〘守護者〙、敵対者からは〘破壊者〙と呼ばれる存在となった。
性別すら不明、聞こえる声は男のようだが何処か機械音すら感じる。
《ウォルター、撫でて》
「……そうか」
ハンドラー・ウォルターは静かにC4-621の頭を優しく撫でるのだった。
皆が覚えてるナインボール構成パーツ。
ハスラー・ワンはあくまでもナインボールとして使っており、さらに[ドミナント]ではあるが、現在の装備以外はまだ使う気がない。
部位 パーツ名
頭部 HD-X1487
コア XCL-01
腕部 AN-K1
脚部 LN-1001B
FCS TRYX-QUAD
ジェネレーター GBG-10000
エネルギー容量無限
ブースター B-VR-33
右腕部武装 WG-XP2000
弾数無限・6連連続発射
左腕部武装 LS-2001
攻撃力は1000に上がっている
チャージ5000
チャージ時間0.5s
右背部武装 WM-S40/2
2連続ではなく、2発同時に発射する
左背部武装 WC-GN230
基本的に初代とMOA仕様
しかし………