ARMORED CORE VI  ハスラー・ワンになり真の最強[皆のトラウマ]となる   作:影後

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今回も621視点から始まります。



壁越え

『621 アーキバス本社から直々の依頼だ。

企業たちが「壁越え」と呼んでいる作戦…

その協力要請になる』

 

それはハンドラー・ウォルターがC4-621の名を広める為に求めた依頼である。

621は[ローダー4]の中で確かに聞いていた。

 

『ヴェスパー第2隊長スネイルです。

これより作戦内容を伝達します。

私が立案した作戦行動に臨めること、光栄に思いなさい。

ルビコン解放戦線が拠点化した交易上の要衝、通称「壁」を攻略します。

敵は多数の砲台とMT部隊により、防衛ラインを形成している。まずはそれを突破し、壁上に到達しなさい。

そこに配備された重装機動砲台「ジャガーノート」の撃破が、依頼の達成条件です。

本作戦においては 我がヴェスパーの 第4隊長も別ルートで侵攻しますが、先走り壁越えを果たそうとした ベイラム部隊は ものの見事に壊滅しています。

せいぜい犬死にしないように 気を付けることです』

 

アーキバスグループの所持するエリート部隊からの依頼。

621はそんな事は知らない、ただ、ハンドラー・ウォルターから斡旋された依頼を行うだけだ。

だが、それでも時に敵対し、時に味方として戦った存在。

ハスラー・ワン[ナインボール]が頭をよぎった。

 

『621、今は奴⑨の事は考えるな。

ルビコン解放戦線の防衛拠点、通称「壁」を落とす。

621 お前の価値を示してこい』

 

ドックから輸送ヘリに搭載され、目的地へと輸送される。

「壁」に到着すれば輸送ヘリのコンテナから[ローダー4]が降り立つ。

621の視線の先は地獄だった。

アーキバスのMT部隊だろうか、熾烈な射撃に晒され無惨に爆破されていく。

621は彼等を囮にすることで死線を突発しようとした。

 

『独立傭兵?アーキバスの雇われか!』

 

『抜けられた!壁面砲台とジャガーノートに砲撃支援を要請する!』

 

621に聞こえてくる通信、そして砲撃はより苛烈になっていく。

 

『621、橋を確保するためにも砲台を破壊しろ』

 

621はハンドラーの指示を的確に守る。

ガトリング砲台とそれを護衛するMTをレーザーブレードで切り裂き、加速する。

 

『ナインボール!ナインボールだ!!』

 

『馬鹿言うな!ナインボールは今頃……』

 

『赤い……赤い!機た』

 

ハスラー・ワンから受け取ったパーツ達は実に優秀だった。それこそ、他の製品達を寄せ付けない程に。

 

『621、残りは四脚MT…何をしている』

 

621はボロボロとなったタンクACを見つけた。

それは記憶にあるレッドガン部隊のAC。

G4ヴォルタの[キャノンヘッド]だ。

 

『621、データを抽出しろ。アーキバスに売れば良い金になる』

 

壁での熾烈な戦闘だけでなく、各レッドガン部隊との戦闘訓練のデータ等も抽出できた。

 

『621、急げ』

 

4脚MTの撃破は容易いものだ。

 

『貴様!ナインボールを!我々の英雄を!!』

 

ナインボール、そのレプリカに乗っている事を621は理解している。だが、優秀な機体に乗るのは当たり前のことだ。

だが、塗装はそのままだ。つまり赤いのだ。

621はその点には申し訳なく感じ、4脚MTを撃破しながら、

 

(戻ったら、色ぐらいは変えよう)

 

と思っていた。

 

『621!』

 

[ローダー4]を狙うようにパルスブレードが振るわれた。

 

『[ナインボール]、兄貴の物真似か?独立傭兵!』

 

それは何処かナインボールを思わせるようにアセンブリした機体であった。

自分の機体を見て考えろと返したいが、兄貴という言葉が気になる。

 

『灰被りて、我等あり!』

 

そのアセンブリはBASHO腕を最大限活かすためのハンドミサイルとパルスブレード。

プラズマミサイルで此方の動きを阻害し、パルスブレードでトドメを刺しに来るつもりだろうか?

621はその機体を脅威とは感じなかった。

パイロットが機体を扱いきれていないのだ。

機体に振り回されるように動いている、

 

『621、殺しはするな。もし先程の台詞が本当なら無闇にハスラー・ワンと敵対する理由を作る必要はない』

 

[ローダー4]621はウォルターの指示を忠実に護る、通常ならコアを狙う所を腕部と脚部を優先して狙い破壊する。

 

『流石だな、621』

 

[ローダー4]は内部の敵MT部隊をいとも容易く仕留めていく。

 

『聞こえるか?此方、V.VIラスティ。

速いな、どうやら話に聞くより出来るらしい。

此方もスピードを上げていく』

 

男の声だった、優しいウォルターや、少し怖いハスラー・ワンとも違う男の声。621の記憶にあるV.IIスネイルの様な嫌味な喋り方でもG5イグアスの様に何処か、此方を見下し怒りを覚える喋り方でもない。

 

『ヴェスパー部隊の番号付きか…

だが、ここはベイラム部隊も退けた「壁」だ。

あてにはするな』

 

だが、ウォルターの言う通りだ。621は[ローダー4]の足を速めた。

 

そして、

 

『君がレイヴンか

…あのハンドラー・ウォルターの子飼いらしいな

これも巡り合わせだ

ともに壁越えといこうじゃないか』

 

運命は変わらない、だが……変わる運命もある。

レッドガンの前哨基地、そこには赤と青という対をなすACがただ、佇んでいる。

付近にはMTやヘリ、人間の死体が散乱し、赤い機体は怯える人間をその足でまるでゴミの様に踏み潰す。

 

『生身の人間にも容赦なしか、まったく……しかしレッドガンのナンバー付きもその程度か。面白くないな』

 

エンブレムは鍵を手に乗せ掲げられた左腕。

機体名は鍵を持ったエンブレムと合わせ「鍵師」を意味している。

アリーナランク2、V.IフロイトAC[ロックスミス]。

アリーナランク1、ハスラー・ワンAC[ナインボール]。

 

『てめぇ……ら』

 

G5イグアスAC[ヘッドブリンガー]は何もできず、何も守れず、眼の前で無様に仲間が死ぬのを見ていた。

 

『……お前と遊びたいが、今日は流石にスネイルとの約束を守らなくてはならない。まったく、俺が取り寄せたSG-027 ZIMMERMANを人質に取るとは』

 

フロイトは名残惜しそうにしながら立ち去ろうとする。

 

『なら補給を済ませておけ、1時間後アーキバス増援部隊を攻撃するぞ』

 

『……良いだろう、ハスラー・ワン』

 

その言葉を聞いたフロイトは[ロックスミス]を全速力で加速させ、レーダーの範囲外へと即座に消えた。

 

『てめぇ……てめぇ………二度も、二度も俺をコケに』

 

「邪魔な存在は消すべきか」

 

ハスラー・ワンはイレギュラーとの戦いを敵でも味方としても望んでいるが、ソレは眼の前の無様な男ではない。

かつての世界で、「猟犬に憧れた」と言った男だがその性格を好きではなかった。そして、眼の前の存在はイレギュラーではなく、ハスラー・ワンにとって、邪魔なフォーリナー(来訪者)なのだ。

レーザーブレードでAC[ヘッドブリンガー]を破壊する、しかし最悪を想定する必要がある。

ハスラー・ワンはグレネードをACの残骸へと放った。

 

『貴様、良くも俺の部下をやってくれたな!』

 

「想定外ではない、離脱する」

 

『待て!』

 

それはG1ミシガンAC[ライガーテイル]だった。

ハスラー・ワンにとって、[ロックスミス]と同じように警戒しなくてはいけない相手であり、今はまだ殺す必要のない相手だ。

 

『くっ………』

 

「……G1ミシガン[ライガーテイル]。何故だろうな、フォーリナー(来訪者)だが、殺したくはない」

 

ハスラー・ワンは補給のために立ち去った。

 

そして、1時間後

 

『楽しいな、ハスラー・ワン』

 

「拡散バズーカ?それでよく、[ナインボール]を捉えられると思ったものだな」

 

『なに、まだ練習だ』

 

[ロックスミス]の拡散バズーカの弾頭をクイックブーストで回避しながら、パルスライフルを発射する[ナインボール]

少しずつ、少しずつ、二人の距離は縮まっていく。

 

『ドローンが……狙ったか』

 

「まだだ」

 

左肩のグレネードが[ロックスミス]に照準をあわせ、発射される。

しかし、[ロックスミス]はレーザードローンをパージし、身軽になった少しの速度を利用し前へとクイックブーストを行い範囲から離れた。

 

『危なかった、そうか……こういう動きもできるのか』

 

「流石だな、ドミナント」

 

『ドミナント?』

 

「先天的に戦う事に才能が有る人間の事だ。俺もお前も、生まれながらにして戦う事を位置づけられ、戦いの中でしか生を実感できないのだろ?」

 

[ナインボール]はパルスライフルを、[ロックスミス]はアサルトライフルをまるで円を描くように撃ち合っている。

だが、どれも決定打にはならない。

 

「時間だな、俺は帰るぞ」

 

『そう言うな、もっと遊んでいけよ』

 

「悪いな、良い遊び相手は取っておくべきだろう?」

 

『決着をつける日を待ってるぞ、ハスラー・ワン』

 

[ナインボール]は立ち去る前に、[ロックスミス]に近寄る。

 

「レーザードローンを壊した変わりとは言えないが、俺のパルスライフルだ」

 

『…良いのか』

 

「……イレギュラーの事は大好きなんだ。俺はな」

 

自身のパルスライフルWG-XP2000を[ロックスミス]に手渡す。

 

『良いパーツだな』

 

「じゃあな」

 

ハスラー・ワンはまるで、親友と別れるかのように優しい声をだし[ナインボール]と共に飛び去った。

 

 

 

 

 




悲報 フロイト 弾数無限 6連パルスライフル所持
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