亜人とお兄さん   作:ホム竜

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眠気8割で書いた結果がこれです()




2話

少しアクシデントがあったが、俺は無事に受付で冒険者登録することができた。

俺はそのまま依頼板(クエスト板)で依頼を受ける――ことはせず、まっすぐ俺を守ろうとしてくれたお兄さんの方へと歩いていく。

 

「まだここ(ギルド)に残ってたんですね」

 

「ん?あぁ、今は昼時だからな。依頼板の前にいる人たちが少なくなるまで待ってるんだ。にしても災難だったな、少年」

 

「あぁ、いえ。それに関しては本当に――」

 

「やめろやめろ、それはさっき受け取っただろ?」

 

「そういえばそうでしたね」

 

お兄さん。

さっき受付で登録しようとしたときに、ガラの悪い冒険者に絡まれたところを助けようとしてくれたのだ。

 

正直自分一人で対処できたのだが、それでも自分の身を犠牲にして俺のことを助けてくれたのだ。

()()()()()()()()()

 

「それで?そのことを言いに俺のところに来たのか?」

 

「あ、いえ。……その、実は一つお願いがあって」

 

「お願い?……まぁ乗り掛かった舟だ、聞くだけ聞くさ」

 

お兄さんはやっぱり優しい。

成り行きとはいえ、助けてくれただけではなくお願いも聞いてくれるみたいだ。

今日会って、まだ半時間も経ってないのにこんなに優しくしてくれるなんて……。

 

これはもう相思相愛と言っても過言じゃないよね?

 

「その、ですね。俺とパーティーを――」

 

「よぉアレク!」

 

俺が意を決してお兄さんにお願いを聞いてもらおうとした瞬間、後ろから別の男の声がする。

それによりお願いが中断されてしまった俺は、ついその男を睨みつけてしまった。

が、男はそんなことを気にも留めずに俺の前に出て、お兄さんと話し始めたのだ。

 

その行動に、俺は思わず籠手にアタッチメントしてあるアサシンブレードで、男を刺し殺してしまおうかと思ったが、それだと万が一の可能性でお兄さんに嫌われてしまうかもしれないため、必死に我慢する。

 

「今からソロで依頼(クエスト)受けようって思ったんだが、よく見たらその依頼、パーティー専用でよ。さすがにそれをソロで受けるわけにゃいかなくてな」

 

「なるほど、つまり俺と臨時のパーティーを組もうって話か」

 

「そういうことだ」

 

は?

何勝手に話を進めてるんだ?

お兄さんとパーティーを組むのは俺なのに、なんでこの男が?

……。

 

こいつ殺――!

 

「あぁ、すまん。今はこの子の話を聞いていてな。参加できそうにない」

 

「この子っ…て、さっき似非勇者を追っ払った坊主じゃねぇか」

 

「あぁ。この子、なんだが必死な感じでな。なんか大事な話でもするんじゃないかって思って、それを聞いてるところだ」

 

「なるほどな。まぁそういうことなら仕方ねぇな。今回は別な奴と行くことにするわ」

 

「あぁ、悪いな」

 

「んじゃ、悪いって思ってるなら近いうちに飲み屋でなんか奢ってくれよ」

 

じゃあな、と片手を振りながら去っていく男。

 

それよりも、俺の話を聞くためだけに友人と思われる男の頼みを断るなんて。

やっぱり俺のことが好き、とか?

いや、さすがにそんなことは……、でも、もしかしたら。

 

「や、すまないね。話の途中だったのに」

 

「いえ、気にしないでください。それにしてもさっきの人って……」

 

「あぁ。あいつは俺の同期の冒険者でね。さっきみたいによく臨時でクエストに誘ってくれるんだ」

 

「そう、なんですね」

 

「んーっと、それで?さっき何か言いかけてたけどそれが聞きたいことなのか?確か、パーティー、だっけか」

 

「え、……あ、はい!そうです!」

 

まさかお兄さんのほうから話を戻してくれるとは思ってなくて、少し固まってしまったが、すぐに持ち直し、肯定のためにコクコクと頷く。

 

「なるほどね、俺も初心者の頃はよく臨時のパーティーを組んだものだよ。まぁ結構な頻度であいつと組んでいたんだけどね」

 

あいつ。

おそらく、というより絶対先ほど邪魔してきた男のことだろう。

 

それより、俺は自分のことを褒めたいと思う。

よくあの時理性が働いてくれたと。

もしも理性を解き放ち、本能のままにあの男を殺していたらどうなっていたか。

お兄さんは同期の中でも仲がいいであろうあの男が、俺の手によって目の前で殺されるところを見てどう思うだろうか?

 

悲観する?激怒?唖然?

 

どれにしろ、俺に対する好感度が修復不可能になるのは火を見るよりも明らかだ。

それを考えると、あの場面が既に俺の第一のターニングポイントだったのだろう。

 

「と、無駄話が過ぎたね。それでパーティーの何について聞きたいんだい?」

 

「えと、その、……お兄さん!俺とパーティーを組んでくれませんか?」

 

「……俺と?」

 

「はい!」

 

俺の言葉にお兄さんは少し困惑した感じに頬をポリポリと掻く。

そして少し考えるそぶり見せて、少し経ったぐらいだろうか。

 

「うーん、ごめんだけど、今は無理そうかな」

 

その言葉を聞いた俺の視界は真っ黒に染まった。

 

「あ、ちょ、そんな世界の終わりみたいな顔しないでくれ。パーティーを組めない理由もちゃんとあるんだ」

 

お兄さんの言葉に意識を現実に戻される俺。

 

「パーティーが組めない…理由?」

 

「そう。多分受付に聞いたと思うけど、冒険者には"ランク"ってものがあってね」

 

そういえば、と自分も思い出す。

 

確か冒険者登録をし終えた後に、受付の人からいくつか説明され、その中に冒険者の"ランク"についても聞かされた。

簡単に言えば、一番下のG級から一番上のS級、そして国から認められたものだけが名乗ることができるZ級というものがある、という話だ。

 

G級・・・ひよっこ冒険者。文字通りなりたての冒険者のことを指す。"お使いクエスト"しか受けることしかできない。

F級・・・基本G級と大差はないが、受けることができるクエストの難易度が少し上がる。

 

ここまでは成人前の子供がなることができるレベルのランクだと言っていた。

もしくは問題行動を重ねた冒険者に対する罰だとか。

 

そしてここからが本番。

 

E級・・・モンスター討伐を推奨している中で最も低いランク。主に粘体生物(スライム)小鬼(ゴブリン)などといった最下級のモンスターしか討伐を推奨していない。

D級・・・このランクでようやく脱初心者と名乗ることができる。E級のモンスターよりも討伐難易度が高いモンスターを推奨している。D級モンスターは豚人(オーク)魔狼(ウルフ)など。

C級・・・可もなく不可もなくなランクで、よく"準中堅クラス"と呼ばれている。このランクが最も人口割合が大きい。そして一生をこのランクで終えるものもこのランクが最も多い。

B級・・・通称"第一の壁"、もしくは"中堅冒険者への登竜門"。C級からB級に上がるときに挫折し、そのまま冒険者をやめていく人間が多い。その分B級に上がれさえすれば報酬額はグンッと跳ね上がる。推奨モンスターは豚人王(オークキング)鬼将軍(オーガジェネラル)など。

A級・・・国に20人もいるかいないか。ここまでくると非推奨モンスターのほうが少なくなってくる。推奨モンスターは劣化竜(レッサードラゴン)悪魔(デビル)など。またA級とまでなってくると指名依頼なども増えてくる。本当ならばB級からでもそれは受け付けているのだが、それを覚えている依頼主はあんまりいない。

S級・・・国に5人もいれば将来安泰といわれている。一騎当千級の実力者ばかりで、また特殊技能を持つものも多くいる。推奨モンスターは上位竜(アークドラゴン)古代の死霊魔法使い(エルダーリッチ)など、その気になれば国を亡ぼせる力を持ったものばかり。

 

そして、Z級。

S級で紹介したモンスターを単騎で倒せる能力を持った冒険者のことを指す。またZ級になるには上記で言ったモンスター以上の力を持つモンスター、魔ノ王や主天使を単騎で倒せたものがなることができる。ただ倒しただけでは認められず、なおかつ王との謁見を認められているものにしか与えられない、最上級のランク。現状Z級に上り詰めた冒険者は世界各地を探しても、たったの四人しかいない、らしい。

 

随分と長く説明したが、端的にまとめるならば、上に行くほど強く、そして人から離れていく、ということだ。

 

そして本題に戻るが、それが一体何だというのだろうか。

もしかしたらお兄さんはだいぶ上のランクで、俺が一緒にいると邪魔になると思われているのだろうか。

もしそうだとしたら、それは……すごく悲しい。

それがどうしようもない事実でも、恩人に、一目惚れの人にそう思われているのだとしたらすごく悲しいのだ。

 

「――い、おーい、大丈夫か?」

 

「!?…はい、大丈夫です」

 

深く深く考え込んでいると、お兄さんが呼んでいることに遅れて気づく。

お兄さんの心配そうな声に少し胸が痛んだためか、俺は思わず、大丈夫だ、と嘘をついてしまう。

 

「そうか?なんか目のハイライトが消えてた感じがしたんだが」

 

「はい、少し考え事をしていただけです」

 

「……そう?無理してないか?なんか心なしか顔色も悪いような――」

 

「あ、あー!それよりもパーティーが組めない理由って結局なんでなんですか?」

 

額に触れようとしてくるお兄さんの手を払いのけながら少し距離をとる。

危なかった、もし触れられてたら俺の体はもれなく粘体生物のように原形を保てていなかっただろう。

……って、俺のバカ!何お兄さんの手を払いのけちゃったのさ!

うわぁ、もったいない……、頼んだらもう一回してくれないかな…。

 

「あ、はい。えーっと、まぁ結論から言っちゃうと"ランクが二個以上離れてる人と組んじゃいけない"っていう、いわば暗黙のルールがあるんだ」

 

「暗黙の、ルール」

 

「うん。で、まぁ内容はそのまま。それでその理由なんだけど、ランクが二個離れてるって言っても言葉だけじゃよくわからないと思うんだ。でも実際のところはランクが二個も離れていると、実力だけで考えると到底かなうものじゃないんだ。つまりそれぐらい離れた冒険者同士がパーティーを組むと"寄生"扱いされるんだよね」

 

「あ、あー。なるほどです」

 

「理解が早くて助かるよ。つまるところ、俺と少年の間にはおそらく二個以上の差があると思うんだ。こんな成りでも一応A級冒険者だからね」

 

純粋な近接戦闘の職には就いてないからさっきの冒険者には後れを取っちゃったけどね、と少し苦笑いをしながら話すお兄さん。

 

でも、A級か。

……それなら()()()()()()()()

 

「それなら大丈夫です、お兄さん」

 

「ん?」

 

「俺、今C()()なので、すぐ追いつけます」

 

「え?確か登録時の最高ランクはDまでじゃ……」

 

「そんなことはどうでもいいんですよ!それより俺は今からやることができたので失礼します!絶対にお兄さんとパーティーを組むので、ちゃんと席開けといてくださいよぉ!」

 

なんかお兄さんが言っていたが、今の俺はそんなことなど聞いてる暇はない。

急いでランク上げてお兄さんとパーティーを組む準備をしなくちゃ!




1つ言い訳をさせてくれ

本当はこうなる予定は無かったんや、全部その場のノリと深夜テンションが悪いんや許してくれ頼む

ということでまた次回に会いましょう俺は寝る
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