昨日のHRの時間にやっと10万という高額の支給に関しての真相が語られた。やはり無償で10万ポイントという高額なお金が振り込まれる訳なくて授業態度やテストの点数などを加味して1ヵ月に振り込まれる額が決まるものだった。それに関して色々と意見していたものも少なからずいたりしたが、別に動じない者もいたりした。
そして他にもクラスポイントとプライベートポイントが存在する。クラスポイントというクラス団体に与えれるポイントと個人に与えられるポイントの二つ。俺たちが入学と同時に支給された10万のポイントはプライベートポイントに区分けされる。
だが、次に語られた『特別試験』に関してはほとんどの生徒が驚きを隠せないでいた。その特別試験の内容としては1年生と2年生が1対1でパートナーを組み、筆記試験に挑むというのもの。1年に取ってはそれほど重要な特別試験ではない。
なぜなら、2年生に関しては下手したら退学になる危険も大いに含んでいる。1年はもし、500点を達成出来なかったとしても3ヵ月間の間、プライベートポイントが振り込まれないだけで済む。だが、2年に関しては一発『退学』の可能性だってある。
2年の中にはすでに動き始めている者も少なからず存在するはずだ。自分のクラスから退学者を出さないために、自分のために、思惑はそれぞれだろう。
俺も早い内に動き出しておいた方が良いかもしれない。
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悩みの種は一向に消えることはなく、坂柳は毎度のように教室を訪れて来る。少し前に坂柳と同じクラスの橋本正義と神室真澄が昼に訪れてきたが、あれ以来、坂柳の関係者が俺のところを訪れることはなかった。
だがそれはあくまで関係者で坂柳本人は毎度のように教室に来る。そしてそれは勿論、今日も同じで。
「綾小路くん」
声のした方向に振り向くとそこには…坂柳が微笑を浮かべながら立っていた。
「またか」
「はい、坂柳有栖です。今日、ここを訪れたのはあなたに一つお願いがあって来たのです」
「特別試験か」
「察しが良くて助かります。私とペアを組みませんか?」
「なぜ俺のことを誘いに?」
「私があなたと組みたいと思ったからです。それ以上の理由が必要ですか?」
いつもの笑顔を浮かべながら坂柳はこちらを見ている。正直、現実的に考えたらこの誘いはかなりこちらとしてもメリットがある。坂柳は2年Aクラスだ。
学校のシステム的にAクラスに居るからと言っても学力が高いとは言い切れないところもあるが、OAAを前に見た感じで運動以外はとても高い数値を叩き出していた。坂柳とペアを組めばほぼ確実にこの試験は乗り越えられるだろう。
だが―――――――――――――
「断る」
断られても表情を何一つ変えずに坂柳は質問をした。
「理由を聞いても良いですか?」
「申し出はとてもありがたいが、坂柳と組むことになれば注目を浴びるのは必須。これ以上、注目を集めるような行為を避けておきたい。只でさえ、入学式のことで1年の中で注目を浴び始めているからな」
別に坂柳に固執する必要性もないからな。ある程度の学力を持っていて、そしてあんまり注目を浴びるような人じゃなければいい。この二つを乗り越えるような生徒と組みたいというのが正直な気持ちだ。
「そうですか、どうしても今回はペアを組んでくれないんですね?」
「ああ、悪い」
「では仕方ないですね。今回は退散するとしますか。でも、綾小路君」
「なんだ?」
「これだけは覚えておいてください。私はあなたのことをかなり買っているということを」
最後にそれだけ言って坂柳は教室を出ていった。
坂柳が去った教室で俺はこれからのことを考えた。クラスポイント、プライベートポイント。この二つを得るために知力を振り絞って、相手を蹴落としてでも手に入れようとする者が勝つ。勝利のためにどんな犠牲を払ったとしても……。
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