→明久
「それじゃ、解散だな。」
試召戦争も無事終わり、Fクラスのメンバーは皆で喜び合っていた。
「システムデスクだ!!!」
「快適だぁ!!」
ただ、僕は非常に気になることがある。
「米原君達ってなんでFクラスなの?」
「賭けに負けた。」
「賭け?」
「あぁ、俺達3人とあと1人で賭けをしたんだ。そして、勝った1人を除いて振り分け試験を受けられないっていう賭けだ。」
「そんな意味が無い賭け誰が言い出したのさ。」
「そうだよな。誰が言い出したんだか。」(米原の方を見ている。)
「相当なバカだよな。」(米原の方を見ている。)
「ホントだよ。一体誰が考えたんだか。」(目がうつろになっている。)
「「「米原だな。」」」
こうして米原君は相生君と網干君によってひどい目に合ったのだった。ちなみに僕は米原君達は大切な戦力だからむしろ歓迎している。
なんてことをしていると、姫路さんが話しかけようとしているのがわかった。
「明久君、屋上に来てください。」
そして姫路さんに声をかけられ、僕達は屋上へ向かう。
屋上に行くためには、当然だが階段を上がらなきゃ行けない。そしてそこで高槻君に会った。
「あれ?高槻君!?」
「屋上なら先客がいるぞ。」
「しょうがない、姫路さん、別の場所に行こうか。」
「はいっ!」
僕達が引き返そうとすると高槻君が小声で話しかけてきた。
「自信を持て。絶対に望みを叶えると。今すぐは無理かもしれないが、いずれうまくいくための実力を身に付けるんだ。そう思っていればうまくいく。俺は自分で仲間と定めた奴の利益は絶対に保証する。お前だってそのうちの1人だ。」
そう、今でなくてもいい。いつか姫路さんにとってふさわしい男になると決めたんだ。高槻君と、そして僕自身と約束したんだ。
「うん。そのつもりだよ。」
さて、高槻君と約束したのはいいけれど、屋上に先客がいるならどこで話せばいいのだろうか?
「教室に戻ってみますか?」
「そうだね、皆もう帰ってるかもしれないし。」
文月学園2-F教室(Aクラス設備)
「で、姫路さん、どういう用なの?」
「はい、あの・・・今日は足引っ張っちゃってごめんなさい。」
「いや、いいんだよ。姫路さんはいつもFクラスの主戦力として頑張ってるじゃないか。それに比べて僕なんていつも点数悪いし・・・。」
それに、最後に勝ったのは姫路さんのおかげなんだ。姫路さんの力が無かったら、僕は確実に負けていた。やはり僕は姫路さんに助けられなきゃダメなんだろうか?そんなのでいつか姫路さんにつりあえる存在になれるのだろうか?僕もよくわからないんだよ。
「でも、Bクラス戦の時は私を助けてくれたじゃないですか。今回だって明久君のおかげで勝てたんですよ。だから・・・」
ギュッ
姫路さんがいきなり抱きついてきた。
「姫路さん!?」
「もう少し明久君を頼ってもいいですか?」
僕を頼るなんて、それでは姫路さんを良い方向に導くことはできない。だから、それを肯定することはできないよ・・・。
「僕なんか頼りにしても姫路さんの希望には答えられないよ。」
「私の希望の内の1つは明久君と一緒にいられることなんです。これは明久君しかできませんよね?」
姫路さんの真意はよくわからない。でも姫路さんが一緒にいたいと言っているなら断る必要は無いんじゃないか。
「わかったよ。姫路さんには一本取られた。」
「これからもよろしくお願いしますねっ。」
それと、と姫路さんは続けて言ってきた。
「今度、セブンスミストっていうデパートに行きませんか?」
「え?デパートに?」
「学園都市のデパートというものを見てみたいんです。」
なるほど、ここは外と比べてかなり発展が進んでいる都市だ。デパートに行くのも面白いだろう。それに、姫路さんと2人で出かけられるなんてこんないい話乗らない訳無いじゃないか。
「じゃあ、今週末に行こうか。」
「はいっ!(明久君は気づいてないかもしれませんが、明久君とデートです。)」
そして、今週末、僕はあるカップル(?)に出会うのだった。
学園都市第7学区 とある廃工場
明久→高槻
試召戦争に負けた今日も俺は超能力の特訓のためにいつもの廃工場に来ていた。30分くらい前から雨が降り出したがまぁ大丈夫だろう。
ふと、明久のことを考える。
あいつは確かにバカかもしれない。でも、あいつが姫路とつりあうために必要なのはあと1つだけなんだ。
それは『自信』だ。
あいつが自信を持ち、自分はバカだからと言ったりせずに姫路と一緒にいることを求めれば、絶対にうまくいく。
だからあいつには英語を教えた。思いっきり叩き込んだ。場合によっては操作技術の差で俺を倒せるレベルまでな。
そうやってあいつに強みを持たせた。そうすれば自信を持つんじゃないかと思ったんだ。
そうやって考えているとつい自分自身のことに背を向けてしまう。
俺は島田に対してどうしてやればいい?今みたいに偶然出会った仲としてだけでは満足できないんだ。
明久なんかより、俺の方がずっと、恋を叶えるのは難しいっつうのによ。
そこで、誰かがここに来ていることに気づいた。
「何の用だ宮津?」
それは、宮津だった。
「最近のお前はどういうつもりなんだ?」
「どういうつもりというのは?」
「しらばっくれるのか、この裏切り者!!」
大体は理解した。つまり宮津は俺が明久と姫路をくっつけようとしていることが不満で復讐しに来たと・・・・・。
ドシャァァァァァァ!!!
おいおい、さっきまで小降りだったのにいきなり大雨かよ・・・。さては・・・。
「やる気か?」
「僕はお前を許さない!『雷雨』!!!」
さらに天気が悪化していく。
「なら、こっちの技も受けてもらおうか!!」
ポケットからビー玉サイズの爆薬を取り出す。
そしてその爆薬を上に投げ、右手を前につきだし、右手の高さまで爆薬が落ちてきた瞬間!
「氷槍砲撃(アイススピアバズーカ)!!!」
以前できた新技、アイススピアーを時速918kmで発射、その威力で爆薬を飛ばす技、それが氷槍砲撃(アイススピアバズーカ)。
ちなみに、この爆薬は宮津が開発した特殊製、あいつも自分が最初に食らうとは思わなかっただろう。
「ぐっ・・・。」
「やり過ぎたかな?」
直撃はしていない(もちろんわざと外し、爆風に少し巻き込まれる程度にしておいた)が、そのまま宮津は倒れてしまった。まぁ寮へ運ぶくらいはしてやるか。
こうして、宮津健斗は瑞希を諦めた。しかし、宮津の恋愛はサードステージを迎えるのだった。
あの頃の、宮津が振られた時の思い出とともに。
続く
本日チャットやります。来れれば来てください。