→宮津
普通の日常が今日も始まる。
まず、能力学の宿題である超能力に関するレポートを再確認する。書いてある内容はこうだ。
『能力説明:集合能力(ギャザースキル)
この能力は一度受けた能力を記憶として残し、この能力を使うことで記憶した能力を使えるようにする能力である。
発現者こそいないものの、これから発現する可能性は十分にある。また、発現してもシステムスキャンでの確認は不可能とされる。
そして、集合能力使用中は使用者に意識は無く。精神異常状態になる。
考えられる問題点は、システムスキャンで発見できないこと。さらに使用者が能力を制御できないことである。』
まぁ、こんな感じでいいだろう。
「では、HRを始めます。」
先生が来て、HRが始まる。
「今日、転校生が入って来ました。」
そういえば高槻が転校生が何とかって言ってたな。誰なんだ?
「はい、新しく文月学園に転校してきた。加古川凛です。よろしくお願いします。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はい?加古川?
「ぐっ・・・!?」
できるだけ忘れようとした過去が頭の中に一気に流れ込んでくる。
中学時代、加古川に振られたこと。
文月学園転校直前、2回目の恋をしたこと。
そして、また振られたこと。
2回目の好きな人は、他人の力では引き裂けないほどの関係であることが証明され、もう僕にチャンスが無いことを知らされた。
もうこのことは忘れたかった。忘れたかったはずなのに・・・。
「久しぶりだね、宮津君。」
なんで話しかけてくるんだ?なぜ間違った解釈をさせようとするんだ?
「やっと見つけたよ。」
「・・・。」
話せる訳が無いだろう。
「せっかく約束を果たしてきたのに。」
「約束・・・!!」
約束ってあれかよ・・・。なんで覚えてるんだ・・・?あんな約束、あの時から絶対忘れられてると思ってた。
「これだってちゃんと覚えているんだよ。」
そう言って加古川は左手をある形にする。中指を手前に、人差し指を上に、親指を外側にしている。この形を僕は知っている。僕の得意科目である物理でよく使う左手の形。
「それは・・・!」
それは、僕と加古川の中学時代の思い出を表すものでもあった。
「ほら、宮津君も一緒に!」
「おう・・・。」
僕も左手をその形にする。加古川はバカだが、これを覚えてくれていた。それはすごく嬉しかった。ん・・・そうだ、加古川はバカなのになんで・・・?
「なんでCクラスなんだ?」
加古川はバカだ。中学時代同じクラスだったが、加古川は学年最下位だった。好きとか嫌いとか関係無しに気になるんだ。どうやってCクラス並みの学力を?
「世界史で1000点越えたから。」
なるほどな。でも世界史で1000点オーバーでCクラスってことは他の科目は勉強してないな・・・。
「それじゃあ、よろしくね♪」ギュッ
「・・・!!!///」
どういうことなんだ?なんで手を握ってくるんだ?
・・・なんか兵庫にいた頃を思い出すなぁ。
中学時代、僕と加古川はよく一緒にいた。というよりは加古川のことを意識し過ぎる僕は話しかけられないところを加古川に誘われるという形になっていた。
そういえば、なんで加古川はいつも僕を誘うんだ?まさか他に友達がいないなんてことは無いよな・・・。
なんでなんだろう?なんでなんだろう?なんでなんだろう?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひたすら考えても答えが出てこない。
でも答えが知りたい。
だからこそ、僕は中学時代の記憶をたどり、答えを探すことにした。
加古川に出会ったのは、中学1年のことで・・・
続く