→加古川
「おい、加古川。」
「はい。」
「どうだったか『好きな人』との1対1の勉強会は?」
「一緒にいられて学力が上がるのはいいことだと思います。」
宮津君は気づかないかもしれないけど、私は宮津君のことが好きなんだ。
小学校も宮津君は気づいてないけど同じで、私はいつも宮津君の方ばっかり見ちゃってて・・・。
中学校に入って、やっと話すことができて嬉しかった。
そして、これからも宮津君と一緒にいられるようになった。
きっといつか想いを伝えたいなぁ。
加古川→宮津
「松井慎吾く〜ん。」
「なんだ、健斗か。」
「おい、京、お前も来い。」
僕は田辺京という友達を呼ぶ。
(よし、例の作戦を実行する。)
(了解。)
そして、今僕と京は・・・
「山手と付き合ってるだと?殺すしかないな。」
「まったくだよ。潔く処刑されな。」
山手沙恵と付き合ってるという話を聞いた松井慎吾を処刑するところだ。
「そうだ・・・おい健斗。」
「どうした?命乞いか?」
「お前は山手よりも加古川の方が好きなんじゃなかったのか?」
「・・・・・。」
(お前が加古川個人レッスンやっていて、さらに毎回加古川に抱きつかれてるって情報流すぞ。)
は?実際に付き合ってる方が重罪に決まってるだろう?
(・・・恋愛破壊団に。)
それだけはやめてくれ。
恋愛破壊団とは、カップルのみを襲うヤクザ集団だ。あいつらの真意は不明だが。
「しょうがない。僕はお前を処刑しない。それじゃあな。」
僕は退場する。
だけど京は残って慎吾の処刑をするらしい。しかも慎吾は京の脅迫材料を用意していなかったらしい。バカだな。
慎吾の叫び声は聞かなかったことにしよう。これからやっと加古川と一緒になれる時間なのだから。
加古川に好きな人がいてもこの時間だけは存在する。
「よう加古川。今日の勉強時間だ。」
「あっ、宮津君。今日は宮津君の家でやりたいんだけど・・・・いいかな?」
えっ!?加古川に話しかけてから2日しかたってないのにいきなり家に入れるの!?
でも加古川がいいと言っているのだからいいんじゃないだろうか。僕は大歓迎なんだし。
「来たいの?」
「うん。」
「じゃあ、行くか!」
今日は幸運だ。
〜宮津家〜
父さんは学園都市という場所で最先端科学技術の研究をしている。
そこでは学生が超能力を使えるらしい。
ときどき父さんが『学園都市にか来ないか?』と聞いてくる。
確かに興味はあるんだけど、今は加古川との仲をよくしたい。だからしばらく行けないだろう。
家に入ると・・・あれ?
「誰もいない。」
母さんがいなかった。
まぁいいや、勉強会を始めよう。
「昨日は右ねじの法則だったな。そして今日は『フレミングの左手の法則』だ。」
「今度は左手?」
「今回は右ねじの法則より手の形が複雑だからな。ちゃんと覚えないと。」
「じゃあまた私の左手を動かして教えて。(こうして宮津君に触れられるんだ♪)」
「えっ!?」
加古川が好きだと気づいたせいで昨日よりやりづらい!
「まずは、手のひらを自分側に持ってきて・・・///」
神様、僕はこの時点で緊張してなりません。
「そしたら中指を手前に向けて・・・///」
好きな女子の左手をつかんでフレミングの左手の法則の形にするって大変。こんなこと言ったらみんな笑うだろうけど、本気でドキドキする。
「そして今度は人差し指を上だ///」
これからこんなに緊張しながら勉強教えるなんて、得意な物理じゃなきゃできないよ。よって、加古川に教えられるのは物理だけだ。
「そして最後に親指を外側だ///」
教え終わった・・・。
「確かに覚えにくい形だね。それぞれどういう意味なの?」
「中指の向きが電流の向き、人差し指の向きが磁界の向き、親指の向きが力の向きだ。」
「覚えづら〜い。」
「ならば指に書いてみるといいよ。例えば中指の先端に『電』、人差し指の先端に『磁』、親指の先端には『力』と書いておけば左手見るだけでわかるでしょ?」
「電、磁、力かぁ。」
「それで問題解いてごらん。」
「えーっと・・・」
〜解答中〜
「おっ、全問正解じゃないか。次回は右ねじの法則とはフレミングの左手の法則を応用したレンツの法則を・・・」
「教えてくれてありがと♪」ギュッ
どうしてそこで抱きつく!?緊張が限界点を越えてるぞ!!
ガチャ
・・・・・あ、母さん帰って来た。
「・・・・・・」
「・・・・・」
加古川に抱きつかれたのを目撃されました。
来週の金曜日に短編投稿予定です。よければそちらもぜひ見てください。