加古川に抱きつかれたのを母さんに目撃されました。はい。
そして現在気まずい空気。
そんな中発言したのは母さんだった。
「あれ?凛ちゃん?」
知ってるんかい。
「宮津君のお母さん、お帰りなさい。今フレミングの左手の法則を教わっていたんですよ。」
「抱きつくなんて凛ちゃんも大胆ね。」
「・・・・って普通に会話するなぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
「健斗、声が大きすぎて近所迷惑よ。」
「そんなこと言ってる暇があったら説明しろぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!!!」
さぁ、説明してもらおうか。母さんと加古川の間で、一体何があったのかをっっっ!!!
説明してもらった結果、どうやら加古川は小学生の頃、僕がいない間に家に出入りして母さんと話していたらしい。
加古川、確かに家は向かい側だがまさか今日が初めて家に来た訳じゃなかったとはな。
「・・・っつーかなんで家に出入りしていたの?」
危ない危ない。勝手に理解したつもりになるところだった。
「だって同じ小学校じゃない。」
あ、そうか。家が向かい側なんだから小学校だって同じだよね。全然気づかなかった。
「それで、母さんと加古川で何話してたの?」
「それは言えないよ。(宮津君が好きなんだけどどうしようなんて話せる訳無いじゃん。)」
衝撃の事実を知り、この日は終わった。
〜次の日〜
「ねぇ、フレミングの左手ってどんな形だっけ?」
もう忘れたんかい。
「ちゃんと覚えろ。こうだ。こう。」
もう1回教えてやったのはいいが、これを続けるだけでは加古川はまた忘れるだろう。
「そうだ。決めポーズとかにすれば忘れないだろう。」
「決めポーズに?」
「例えば、僕と加古川が朝会った時に『おはよう!』みたいな。」
僕は『おはよう!』の時に自然にフレミングの左手を入れてみた。うん。フレミングの左手ってけっこう決めポーズに似合ってるかもしれない。
「うん。きっとこれなら絶対忘れないよっ!」
そう言って満面の笑みを見せる加古川。可愛い///。
こいつの好きな人はどこにいるんだろう?
いたらそいつに言ってやりたい。
『なんで気づかないんだこのバカ!』ってね。
どんなに勉強できてもこんな可愛い女子の好意に気づかないんじゃバカ同然。
一体どんなやつなんだ?もしかして僕より勉強ができていて、学年でトップ15くらいに入ってるやつかもしれない。
そいつに言ってやりたい。『加古川の好意に気づかないなんて根本的にバカなんだよ!』ってね。
でもどんな言葉をそいつに言っても、やっぱり加古川はそいつが好きなんだもんな・・・。
とにかく、いったん切り替えよう。いつまで考えても答えは出ない。
さぁ、普通の日常を始めよう。
今日はただ授業を受け、ただ課題を渡され、ただ加古川に勉強を教えてやった。
これが現在における普通の日常なんだ。
そして、今日はなんの特別な出来事もない普通の日常・・・・・
〜宮津家〜
「ねぇ、凛ちゃんってどう思う?」
・・・であって欲しかった。
「凛ちゃんのこと好きなの?」
確かに好きだけど言える訳無いだろう!
「・・・・。」
だから黙っている。
「図星ね。」
「しまったぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
やっぱりそうなるか。結局逃げ道は無いのか!
「まぁ、そういう関係って面白くていいけどね。」
「そういう関係ってまさか・・・。」
「そう、そのまさかよ。」
そのまさか。それって・・・。
「加古川に好きな人がいるのを知っていながら僕を欺くように応援し続け、最後に撃沈する光景を見ようってのか!」
危ないな。全く。
「最近思うんだけど、健斗って鈍感なの?」
まさか、僕が鈍感な訳が無い。
「鈍感なのは僕じゃない。『加古川が好意を寄せる誰か』だよ!」
どうだ、正論だろう?
「わかった。あなたは本当に鈍感ね。」
「そんなはずは無いって言ってるじゃないか。」
「じゃあ、凛ちゃんの好きな人って誰なの?」
「そんなの知らな・・・・・あっ!!」
「やっとわかったかい。」
「加古川の好きな人が誰なのか気づかないから鈍感ってことだな。だったら1週間以内に探し出してみせる!」
「なんか違う気がする・・・。」
母さんがまた疑問形だったのはなんでだ?
あぁそうか、どうせ探せないんだろうってことか!いや、なんとしてでも探してやる!
加古川の好きな人って一体誰なんだ!?今すぐ出てこいっっっ!!!
次回はいよいよにじファン未公開分です。