「どこだ!?加古川!!」
クソッ!何もかもうまくいきやしない。
「加古川!!」
それでも、僕は加古川を助けたい。
☆
「お前が加古川だなぁ?」
「宮津なんてやつじゃなくて、俺達がもらっちゃおうぜ。」
「こんな可愛い娘が手に入るなんてさっきの男女には感謝しねぇとな!」
や、やめてよ・・・。助けて、宮津君・・・。
やっぱり無理だよね・・・。求めていないのに来てくれるわけない。
どうしよう?これが、あの恋愛破壊団・・・。
もしかして、宮津君を好きじゃないってウソを言えばどうにかなるかな?
何も言ってないから、宮津君は来ない。だったら、身を守るために、ここでウソをつくくらいなら・・・。
「ちょっと待って!」
「なんだぁ?」
「私が、宮津君を好きとか、付き合ってるとか、勝手に言ってるけど・・・。」
本当はこんなこと言いたくない。本当は宮津君が好き。だけど、今は仕方ない。
「宮津健斗なんて人、好きなわけないじゃない!!」
言ってて苦しくなってくる。宮津君・・・会いたいよ・・・。
☆
いろいろなところを探し回った結果、加古川を見つけることができた。
まずは様子を見よう。目的は、加古川を助けること。やみくもに突っ込んで2人ともやられては意味がない。
そのためには、どのタイミングで突撃するか・・・。
「宮津健斗なんて人、好きなわけないじゃない!!」
「ッ!!」
加古川のそんな声が聞こえてきた。そうだよな。ただ勉強教えているだけの僕を、加古川が好きなはずがない。
結局は、勘違いは勘違いで、もしかするとなんて存在しなかった。
それでも、たとえ僕が加古川に振られたとしても・・・。
加古川は、今自分の手で助けたい!!
求めているのが僕じゃない。わかっているさ!勉強を教え始めるまで何の関係もなかった僕と加古川なんだから。一方的なのはわかってるんだ!!
でも、やっぱりそれでも、僕は加古川のことが好き。その事実は変わらないから・・・。
僕は、不良達に突っ込んで行った。
「ふざけんじゃねぇ!!」
「おっ、何だぁ?彼氏サンの登場かぁ?」
「別に付き合っているわけじゃない。一方的に好意を向けて、それを受け取ってくれないどころか、好きじゃないなんて言われたよ。」
結局は、僕の加古川への想いはいつも同じ。たとえ加古川がそれを受け止めてくれなくても。
「でもな、加古川は、僕のクラスメイトで、僕に勉強を聞きに来て、それでたまたま家が向かい側で、ちょっと一緒に帰るだけの、ただのクラスメイトだけどさ・・・。」
ここで好きだなんて言って撃沈することは僕にはできない。でも・・・。
「クラスメイトってだけで、助ける理由なんて充分なんだよっ!!」
加古川は僕のことを好きじゃない。それがどうした!?好意を向けられていないからって、不良にさらわれたクラスメイトを、放っておけるわけないだろ!!それが、僕の片想いの人であったら余計にな!!
「うおおおおおぉぉぉぉ!!!!」
そして、怒りに任せて突っ込んで行った。
あの時、そのあとどうなったかはよく覚えていない。ただ、朦朧とする意識の中、加古川がこっちを見ているのがわかった。
僕はこの日をもって加古川に振られたことを認めることにした。そして、学園都市に向かうことを決定したんだ。
僕が学園都市の上川高校という高校に進学することが決まり、今は東京に向かうため西明石駅で新幹線を待っていた。
でも、まさかあいつが来るとは思わなかった。
「宮津君・・・。」
「加古川・・・?」
正直、振られたことを理解しても、まだ加古川を忘れられない自分がいる。
でも、加古川が僕を好きではないのも事実だ。だから、もう叶わない恋を諦め、僕は学園都市に行くことにした。
なのに、まさか行くときに加古川に会うなんてな・・・。
「なぁ、加古川。」
新幹線が駅に到着する。西明石駅はただの中間駅である以上、すぐ発車する。すぐ乗らなきゃいけないのだが、最後に一言言うとしたら・・・。
「何が、正しい行動なんだよ・・・。」
学園都市に向かっている。加古川に振られた事実を背負いたくないから。でも、心の中では、やっぱり加古川ともっと一緒にいたいと思っている。だからこそ、何がなんだかよくわからないんだよ・・・。
誰か教えてくれよ・・・。
何が、正しいんだよ・・・。
加古川がずっとこっちを見ていた。何か言っていた気もするが、何を言っているのか全然聞き取れない。
それよりも、自分の心が脳内で混沌としている。
つらい、苦しい、どうにかしたい、どうにもならない。
最適解が、わからない。
動き出す新幹線、その車内で、泣きそうになっている加古川が見えた。
本当に、何が正しいんだろうか・・・。
この章を書いている間、いろいろなことがありました。
例えば、にじファンの閉鎖。最後に更新したのは5月の後半ごろでした。
あれから、この小説のことは何も考えていませんでした。
大まかな話の構想はあっても、書けなければ意味がないのでした。
そんな中で、見つけたのがハーメルンでした。
僕はこれまで投稿してきたバカと文月学園と学園都市をここに移転し、連載を再開させました。
今年の5月、この章がスタートしてから7ヶ月、ついにこの章が次回で終わります。
次章は今まで全然書けなかった明瑞を、思いっきり表に押し出そうと思います。
そして、宮津と加古川の2人にも、いずれ幸せがやってくることを望んでいます。もちろん明久と瑞希もです。