バカと文月学園と学園都市   作:ほーき雲

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僕と練習と『いずれ』が来るとき

「宮津、キーボードと破裂音はどうだ?」

 

「破裂音はこんな感じでいいのかな?」

 

パンッ!と破裂音が鳴る。

 

「うん、こんな感じだ。あとは、この研究室はしばらく練習に使うからな。」

 

「わかったよ。もうみんな来てるの?」

 

「あぁ、みんなそろったぜ。」

 

「宮津くーん、練習やるよー。」

 

加古川が宮津を呼ぶ。明久と姫路を見てるときも、こいつらを見てるときも、どうしても自分の現状を思い知らされる。

 

あいつらはそれぞれが気づいていないだけで本当は両想いだ。だが俺は違う。

 

あの時、スキルアウトを始末した時に島田に出会った時から好きなのか、それともそのあと少しずつ知り合いとして会話をするうちに好きになったのかはよくわからないけど、今はそれは無関係だ。

 

島田はすでに好きな人として明久を見ている以上、俺を好きな人とすることは無いだろう。つまり、俺だけは完全に片想い。それはどうしようもない事実。

 

本来は明久や宮津なんかではなく、俺自身が行動を起こさなきゃいけないのに、いつもあいつらの恋愛事情に関わって、自分のことを何もしていない。

 

今回だって、相生の代わりに島田を入れることだってできた。でも、やっぱり怖かった。ずっと明久を見続けている姿を想像するだけで怖くなっていく。

 

こんなんじゃ何もうまくいかないというのに。

 

結局俺はどうすりゃいいんだ?

 

 

 

 

姫路さんとボーカルかぁ。うまくいくのかな・・・?

 

これは高槻君が僕のために一緒に歌わせてくれたというのはわかる。でも、これをやっても何も変わらなかったらどうしよう?

 

高槻君の力を借りても、結局は僕自信の本質の問題で姫路さんに近づくことができないというのが事実であったらどうしよう?

 

絶対にそんな事実であって欲しくない。だから、そこは僕が頑張らなければいけない。

 

「明久、姫路。深く評価する必要はない。結局は俺達は素人、それぞれが完璧になるのは難しい。だから、俺達はメンバーの『調和』で勝負する。実力では代々木率いる騒音の連中には勝てない。でも、どんなやつでもまとまればそこに『調和』のポイントが隠されている。それを練習で見つけ出す。」

 

調和かぁ。そんなこと言われても何が調和なんだか・・・。

 

「具体的には、ボーカルだとしたら歌ってる2人が本当にお互いを想い合い、それでもなかなか繋がらないもどかしい関係であるかのように。ただの役としてじゃなく、本物の恋人だと思わせる。なんと言うか、『実力よりイメージ』ってところか。」

 

難しいねぇ・・・。

 

「えぇっ!?恋人・・・ですか・・・。」

 

姫路さんがいろいろ考えている様子。あれ?高槻君、さっき何て言ったっけ?

 

「じゃあ、本物の恋人っぽく頼むよ。」

 

「えぇっ!?」

 

そういえば確かにそう言ってたな。

 

「おい明久ちょっと来い。」

 

そして高槻君はいつものように突然僕を連れて行く。

 

「いつも突然過ぎるよ・・・。」

 

「だって、姫路を目の前にしてこの話をするのはお前が恥ずかしいかと思って。まぁ俺はなんともないけど。」

 

どんな話なんだ・・・。

 

「このボーカル、お前の挑み方として、『今すぐ恋を叶えたい』そういう気持ちでやるといい。」

 

「要するに、僕と姫路さんが恋人同士になれるようにってこと?そんなこと今すぐなんて・・・。」

 

僕は姫路さんとは釣り合わないと思う。それに対して高槻君は、だったら釣り合うように何かすればいいと言った。つまり、今すぐは無理だが、いずれ・・・。という意味である。それを突然今すぐなんて・・・。

 

「そうか?その『いずれ』が今であってもいいと思うが。」

 

そっか、その『いずれ』は『いずれ』来るから『いずれ』か・・・。

 

僕は、その時が来たときに、自分の想いを伝え、恋を叶えることができるのか?

 

恋を叶えるためには必ずやって来る『いずれ』その時に僕は、どうするんだ・・・?

 

「まぁそう深く考えるな。よし、1番簡単な方法を教える。現実を捏造しろ。」

 

今すぐ恋人になれの次は現実を捏造ってねぇ。

 

「つまり、歌ってる時は『実は姫路は明久が好きで、それでもなかなか想いを伝えられずにいる。それは明久も同様で、ずっと一緒にいたいんだけど・・・。』というのが現状だと、自分に暗示をかけてみるんだな。」

 

軽く想像してみよう。えっと・・・・・。

 

 

 

 

「えっ!?そうなの姫路さムグッ!!」

 

「声に出すなバカ!」

 

あ、ついつい。

 

「明久君、どうかしましたか?」

 

あ、姫路さんに気づかれちゃった。

 

「まぁいいや、明久は今言ったことを参考に練習に戻れ。俺は今度は姫路にさっきと同じこと言うから。」

 

「了解っ!」

 

ふぅ、なんとかなった・・・かな?

 

「はい、話って練習の話ですよね?」

 

「あぁ、そうなんだが・・・。」

 

うん、大丈夫だ。じゃあ、僕は僕の練習に戻るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『えっ!?そうなんですか明久くキャッ!!』

 

『2人揃って同じリアクション・・・。やっぱりお似合いだなぁ。』

 

 

 

あっ!!そういえばさっき『同じことを話す』って言ってたような!!

 

そして、姫路さんが顔を赤く染めて戻ってきた。

 

でも、これも大切な練習の光景の1つ。

 

試練は、これだけではない。




次回は『高槻を中心としたオリキャラ達の頭の思考回路の説明をストーリーにのせて』または『CP進展フラグ宮凛編』のどちらかだと思います。文章が思い付いた方を書きます。
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