今は自由時間、僕はよよぎぃに用があって2人で話している。
「まず1つ、総合音楽部についてだ。高槻は騒音部とか呼んでふざけているが、僕は誤魔化せないぞ。データは昨日調べさせてもらったよ。」
「いいの?明日は本番だよ?そうやって調べてる時間も、今こうして僕としゃべっている時間も無駄だと思うんだけど。それに・・・。」
「いいから続けろ。それに何だ?」
「総合音楽部はこれからは総合音楽部のままで存在するつもりだよ。」
ほぅ・・・。確かにそういう動きがあるらしいな。
「でも、そんなこと、実際どうでもいいんだ。高槻っぽく言えば、それは自分達の利害その他に影響しない。かな?」
実際意味はない。ちょっと揺さぶり入れたかっただけ。まぁ、隠すべき相手に隠していた隠すべき事実。それがその隠すべき相手のうちの1人にバレていた。それは相手が動揺することになるだろうとは思ったが、相手は中学時代からの仲であるよよぎぃだ。僕のデータ収集能力も、その他コンピューター技術も、ある程度は知っていて許容範囲か。
「それじゃあ本題だ。これは僕からのお願いだ。それもお前の好きな分野だよ。」
「あ、そう?じゃあ最初から『加古川さんが好き過ぎて最近胸が苦しいです』くらい言えないの?」
「誰が言うか。」
たとえそれが事実でも。
「でも実際そんなところなんでしょ?」
「まぁ、認めざるをえないか・・・。」
「じゃあ告白してしまえ。」
そしてあっさり言い切った。
おーいおいおーいおいおーいおい・・・。
「何を?」
「告白を。」
「誰が誰に?」
「宮津健斗が加古川凛に。」
「あの『僕はあなたが好きです』ってやつを?」
「うん、そういうこと。」
「できるかぁぁぁ!!!」
「えぇーーーそこはやれよ。」
えっ、だって失敗したらどうすんの?しかも1回振られてるんだよ!?
「いや、お前、明日までならミラクル起こせるよ。」
「は?」
「たとえ1回振られてても、それでも信念見せて告白すれば、そこでミラクルを見せれば、もしかすると加古川は、告白を受け入れてくれるかもしれないよ。」
恋愛ごとに関してこいつがミラクルという言葉を使えば奇跡が起きるとされている。本当に起こるのか?そんなミラクル。
「行って来いよ、宮津君、君はきっとうまくいく。」
よよぎぃ窓口の成功予報は70%の確率で当たる。(中学時代の男子生徒談)絶対成功を目指すには少し足りない数値だが、半分を越えているなら、あとはミラクルを起こすまで。
でも、ちょっと待てよ。
「ねぇ、ミラクルを起こせるのはいつまでだっけ?」
「明日まで。」
やっぱり明日かぁ・・・。
よし、明日は本番、それが終わったら加古川に告白。ヤバイ、考えただけでドキドキするよ。
そんな僕に対して、よよぎぃが一言。
「恋愛窓口はこうでなきゃね。」
☆
宮津→明久
「よし、全体練習もうまくいってるな。これなら明日の本番も勝てる。」
明日に迫る本番、相手は騒音部、実際不安だ。高槻君は勝てるって言ってるけど大丈夫かな?
そして、宮津君に関してはよくわからない。『勝てそう』でも『負けそう』でもないような表情、そして加古川さんはこんなときでも宮津君のすぐ隣。いいなぁ、こういうの。
姫路さんはというと、何か加古川さんとアイコンタクトを取っている・・・?この技術、僕と雄二の間のアイコンタクト並みに会話が成立してるんじゃないだろうか?
そして、姫路さんは一瞬こっちを向く。もちろん目が合う。可愛いなぁ・・・。・・・ってそうじゃなくて、なんかこっちに来るみたいだよ?・・・もしかして僕が姫路さんを見てたのバレた?
そして、僕のすぐ隣に来ると、そこで顔を赤くしながらそこでずっと座っていた。何かをするというわけではないのか?
「明久君、宮津君ってうらやましいですか?」
え?あぁ宮津君ねぇ。加古川さんがくっついてて、それであんな顔しながら平気でいられるなんて、すごすぎるよ。宮津君最初から全然表情変わってないじゃん。
「でも、凛ちゃんをそんな目で見るのはダメですっ。それなら、私が明久君にくっつきますっ!」
ええぇ!?いや確かに加古川さんよりも僕は姫路さんの方がいいし、それでその姫路さんがここにいるって言うならいさせればいいんだろうけど姫路さんは本当にいいの!?
「姫路さん、別に真似しなくてもいいんだよ?」
あれは宮津君と加古川さんだからできるカップル技で、別にカップルでもない僕達がすることじゃないよね!?
「いいえ、やります。私がそうしたいんです!」
姫路さんが腕に体を押しつけてくる。その、ある部分がくっついてるんだかくっついていないんだかの微妙な状態、僕としてはくっついててほしいとかそうじゃなくて、もしかして僕の顔も宮津君みたいじゃなきゃダメだったりして?『真似をする』というのは僕のことも入ってるの?だとしても宮津君みたいに何か考えているような表情なんてできないって。考えているのは今の姫路さんのことくらいだよ。
「そういえば今宮津君って何考えてるの?」
「かk・・・騒音部について。騒音部の存在について、ちょっとわからないところがあるんだ。」
なるほど、・・・ってことはさっき最初に言おうとしていたことはたぶん『加古川さんのこと』ではないだろう。やっぱり宮津君はこういうところで鈍感だから加古川さんがこういうことをしなくちゃいけなくなるんだ。
・・・で、姫路さんはなんでその真似をしているの?
「明久君・・・嬉しいですか?それとも私じゃダメですか?」
そうじゃなくてそりゃ僕にとってはすごく嬉しいけど、だったら今嬉しいと言えばいいのかもでもそんなの言えるわけない・・・ってそうじゃなくて、宮津君みたいになるべく別のこと考えてよう。
「わからないのは騒音部が正式なデータとして存在しないこと。これが何を意味するのか・・・。」
騒音部が正式に存在しない?じゃあ代々木君の勝負っていったいなんなの?
「そうそう、ちゃんと『総合音楽部』で調べてあるからね。『騒音部』じゃ何も出ないよ。字違うし。」
そりゃそうでしょ。僕はそう思った。なんか雰囲気が本番を明日に控えた練習時って感じがしないとも思った。
「明久君・・・。」
そしてくっついている姫路さんについて、やっぱり考えてしまった。