???
………
『やめて!その子をどうするの!!離しなs』グサッブシュー
俺を守ろうとしてナイフで刺され血しぶきをあげて倒れる母さんの姿…
『おいお前等何をしていr』ダンダンッ
母を刺したヤツを殴ろうとして銃で撃たれて壊れた糸人形のように倒れる父さんの姿…
『お前の親は死んだ。お前を助ける者は誰もいない』
『お前は強くならなくてはならないのだ』
拘束具に注射針、メスを持ち俺を見て不気味な笑みを浮かべ訳のわからないことばかり言う大人達
『お前達はキヴォトス人よりも強い体を手に入れる実験のモルモットなのだ!!』
訳のわからないことを叫びながら殴られ刺され切られ撃たれる。父さんと母さんが殺される様を何度も見せられ殴られ刺され切られ撃たれる。何度も、何度も、何度も何度も、何度も何度も何度も、何度も何度も何度も何度も。何度めかわからないくらい繰り返される実験の撃たれる場面で目が覚めた。
………
…………
………
あぁ、またこの夢か…。寝汗が滝のように流れてる。心なしか息も上がってやがる。誰も助けてくれない。抵抗もできない。けして忘れられない幼少期の俺の記憶。俺達が救出されるまでの俺がされた実験の記憶。1ヶ月に2回はこの夢をみる。毎晩この夢を見るんじゃないか怖くてなかなか寝付けない。まぁ無理にでも寝るんだがな。目覚めは悪いが今日も平和のために頑張ろう。
「おはよう、キヴォトス」
俺はパジャマからフリードゥルフの戦闘服に着替えM18の動作確認をして弾薬装填されてるかを確認し安全装置がかかっているか見てからホルスターに入れる。それから部屋の窓から見える空に向かっていつもこれを言う。キヴォトスを護る防人としての1日が今日も始まるから。服装を確認したら自室をでてリビングに向かう。リビングにむかうと既にハスミ姉さんがソファーに座って紅茶を飲んでいた。俺が、いや俺達フリードゥルフ隊6名が3歳のときに攫われ、人体実験やら虐待やらをうけ、更に家族が全員殺害された事件。通称キヴォトス誘拐事件のとき、当時の連邦生徒会長や各学園の機関の人達に救出された俺達6人は、連邦生徒会長が見つけてくれた家にそれぞれ養子として引き取られ保護された。俺、加賀美ハルは羽川家に引き取ってもらえて、羽川ハスミの弟として育ててもらっている。他の5人も同じように別々の家に引き取ってもらい、
フリードゥルフ2こと刃鳥タカは剣崎ツルギの家に、フリードゥルフ3こと空野カズは早瀬ユウカの家に、フリードゥルフ4こと長月ユウリは守月スズミの家に、フリードゥルフ5こと鷹羽ユウキは鬼方カヨコの家に、フリードゥルフ6こと天原シュウは空崎ヒナの家にそれぞれ引き取られ養子、彼女らの弟として生活している。
俺に気づいたハスミ姉さんが俺の顔を見て微笑みながら
「おはようございます、ハル。朝食にしますから顔を洗ってきてください」
と言い俺は
「おはようハスミ姉さん。わかった」
と返事をして顔を洗いハスミ姉さんと朝食を取り洗い物をして準備をしたら家を出て途中まで一緒に向かう。ハスミ姉さんの通うトリニティとは別の場所なので途中で別れて1人で駐屯地にむかう。着いたらいろいろやることをやって準備をして始業する。
キヴォトス外郭地区
特殊任務部 部室
隊長室
プルルルル
ガチャッ
「はい、こちら特殊任務部フリードゥルフ隊、加賀美です」
{統括室首席行政官、生徒会長代行の七神です。今お時間よろしいですか?}
「七神代行殿、貴女からの電話とは珍しい。大丈夫ですよ、いかがなさいましたか?」
{加賀美さん、早速で申し訳ないのですが連邦生徒会に来てください。緊急の要件があります。}
「了解しました。今すぐにでしょうか?」
{はい。今すぐレセプションルームへお越しください。フリードゥルフ隊のみ全員、通常装備で来てください。}
「(通常装備…なぜ?)了解致しました、全員でレセプションルームにヘリで伺います。ですがなぜ各隊長ではなく我々フリードゥルフのみ、しかも通常装備で集合なのでしょうか?」
{万が一盗聴されている可能性があると危険な内容のため言えません。直接お話致しますので、来ていただけますか?}
「了解しました。すぐに通常装備でそちらに伺います。失礼いたします。」
{えぇ、では後ほど。お待ちしております。} ガチャッ プーップーッ
「ふぅ…。はて、部隊総出、通常装備で集合か…。はぁ、何をさせられるのやら…。全員を招集して、ディートルフ隊と支援任務中隊に伝えとかないと。まずは…ピンポンパンポーン『フリードゥルフ隊総員に通達する、速やかにブリーフィングルームに集合。繰り返す、速やかにブリーフィングルームに集合せよ。以上だ。』ピンポンパンポーン…、よし、集合かけた、各隊長に連絡して…、ひとまず終わり!」フゥ
連邦生徒会長麾下特殊任務部
フリードゥル隊
フリードゥルフ1 加賀美ハル
フリードゥルフ2 刃鳥タカ
フリードゥルフ3 空野カズ
フリードゥルフ4 長月ユウリ
フリードゥルフ5 鷹羽ユウキ
フリードゥルフ6 天原シュウ
ひと通り連絡をとった俺はオフィスからブリーフィングルームにむかうと既に全員集まっていた。ハルが部屋に入ってホワイトボードの前に立つと
「みんな居るな?、七神代行殿からすぐに全員通常装備で統括室に来るよう連絡が来た。連邦生徒会の場所までは距離があるためヘリで向かう。終了後速やかに通常装備でブリーフィングルームに集合、ハンガーに向かいヘリに搭乗。ヘリにて出動する。ヘリにゆられて現着したらそのままレセプションルームに向かう。質問は?」
「俺達全員で、しかも通常装備で行く理由は?」
タカが聞き
「理由は言われてない、要件の内容もだ。七神代行殿からは電話では話せないと言われた。だからそれなりになにかあるだろうから弾薬多めに持っていく。準備はしっかり行ってくれ。」
「了解」
「他には?ないようだな。さっきも言ったが終了後準備でき次第速やかにブリーフィングルームに通常装備、弾薬多めで集合。その後皆でハンガー移動でよろしく、解散!」
俺の解散の号令で皆がブリーフィングルームから退出するなか俺とタカは残った。
「ハル、今回は珍しいな。七神行政官が詳細を知らされないなんて」
「あぁ、いつもは要件をいうのに今回は話してくれなかった。なにか面倒なことなのか、電話では話せない内容だと言っていたが。しかしおかしいのが特殊任務部隊隊長3人と各支援任務小隊隊長と中隊長ではなく、俺達フリードゥルフのみだということだ。しかも通常装備で。要人護衛任務なのか、護送任務なのか、はたまた別任務なのか。まったく判断がつかない。」
「だな、とりあえずSCARとM18、弾薬多めの装備。何があるか分からないからな、用心するに越したことはない」
「そうしてくれ、どうも嫌な予感がする。」
「りょうかい、みんなには再度言っておくよ」
「頼んだ」
話し終えると二人はブリーフィングルームから出て別々に別れる。俺はその足で特殊支援任務中隊、航空支援任務小隊隊長と打ち合わせをおこない、ヘリパイロットとガンナーと話し合いそのまま装備を整え出動に備えブリーフィングルームに向かった。
???サイド
「ここがキヴォトスかぁ、広いなぁ」スタスタスタ
「…やばい、迷った…。ここどこぉ」
??サイドアウト
ブリーフィングルーム
フリードゥルフ隊の面々が黒の戦闘服にボディーアーマー、メインアームのSCAR、サブアームのM18。各々のカスタムが施された装備で集合していた。点呼をとった俺達はハンガーに移動、ヘリに搭乗すると機長が
「マザーグースへようこそ、フリードゥルフ隊の皆さん。本日は航空支援任務小隊マザーグース便をご利用頂きましてありがとうございます。当機は終日禁煙でございすのでご注意ください。また、お気分が悪くなりましたら客室乗務員にお申し付けください。エチケット袋はございませんのでコンビニの袋で代用しております。それでは、離陸まで少々お待ちください。」
と機内放送でふざけていい、俺達は笑う
機長は俺達の笑い声を背に聞きながら管制塔と連絡をとる
「管制塔、こちらマザーグース。これより離陸、フリードゥルフ隊を乗せ連邦生徒会に向かう。離陸の許可を願う、オクレ」
{こちら管制塔。了解、マザーグース。貴機の離陸を許可する。幸運を祈る、オワリ}
「それでは皆様、離陸いたします!快適な空の旅をお楽しみください」
機長はふざけながらも的確に離陸までの確認を行いヘリを離陸させ、連邦生徒会の方に進路を向け飛行を開始した。長いとも短いとも言えない時間俺達はヘリに揺られ連邦生徒会のヘリポートに着いた。皆が降りたあと俺は
「機長、打ち合わせどおりこのままヘリポートで待機していてください。あと、何があるかわからないので武装も稼動可能にしておいてください。どうも嫌な予感がする。」
と言い機長は
「了解、大丈夫。ちゃんと待っててあげますから、安心してください!」
サムズアップしながら笑顔で応える。それを見た俺は肩をたたいてヘリを降り、待機していた部隊と合流。七神代行殿が待つレセプションルームへ急いで向かう。レセプションルームに到着するとミレニアムセミナー所属の早瀬ユウカさん、トリニティ正義実現委員会の羽川ハスミ姉さん、ゲヘナ学園風紀委員会の火宮チナツさんが来ており、表情や雰囲気がよろしくない状況だった。俺は
「ハスミ姉さん、なんでここに?ハスミ姉さんも七神代行殿に呼ばれたの?」
と聞くと
「ハル、あなたも何故…ってその装備、どうしたのですか?私が言うのもなんですが物騒ですね」
「そう言わないでよ…、七神代行殿からフリードゥルフ隊全員通常装備でレセプションルーム集合って言われたんだもの。」
「そうなのですね、なにかあったのですか?」
「それが七神代行殿からは何も言われてないの。全く分からず急いでここに来たってわけ。てかなんで姉さん含めて皆さんお揃いなのさ」
言うとユウカが
「私は連邦生徒会長に会いに来たの」
と言いチナツも
「私も連邦生徒会長に会いに来ました。」
と言いタカ達は肩をすくめる。なにせ俺達も暫く連邦生徒会長に会ってないし連絡すらとれないのだ。どうしたものか…。今は七神代行殿が頑張っているがそれでも今のキヴォトスはかなり危険だ。そんなことを考えながらハスミ姉さん達と話していると軽快なチンッと言う音とともにエレベーターのドアが開き七神代行殿と見知らぬ大人が現れた。ユウカさんが、
「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を読んできて!…うん?隣の大人の方は?」
と言いハスミ姉さんが
「首席行政官。お待ちしておりました。」
と言いチナツさんが、
「連邦生徒会長に会いに来ました。風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」
とそれぞれいいユウカさんの弟であるカズ、風紀委員長、空崎ヒナさんの弟であるシュウは気まずそうに苦笑い。俺も七神代行殿に
「七神代行殿、フリードゥルフ隊加賀美ハル以下6名。招集に応じ現着しました!」
と報告した。七神代行殿は俺達に
「急な呼び出しに応じてくださり感謝します、ありがとう」と俺達に言ったあと面倒くさそうな顔で
「あぁ……面倒な人達に捕まってしまいましたね。こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余している皆さん。こんな暇そ……大事な方々がここを訪ねてきた理由は、よくわかっています。今、学園都市に起きている混乱の責任を問うために……でしょう?」
と言いユウカさんが
「そこまでわかってるならなんとかしなさいよ!連邦生徒会なんでしょ!数千もの学園自治区が混乱に陥っているのよ!この前なんか、ウチの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」
と怒った口調で言いチナツさんが
「連邦矯正局で停学中の生徒たちについて、一部が脱走したという情報もありました。」
と言いスズミさんやハスミ姉さんもキヴォトスの治安の悪化を七神代行殿に伝えていく中、俺はやっぱりなという気持ちと申し訳ない気持ちになった。連邦生徒会長は姿を見せず、治安は日に日に悪化していきここ最近は俺達特殊任務部隊が毎日総出で出動している。俺達フリードゥルフ隊の所属する連邦生徒会長麾下特殊任務部隊はフリードゥルフ隊、ディートルフ隊、ライヌルフ隊の3隊に分けられそれぞれの役目があるのだが、最近は全隊がほぼ毎日出動している。はっきり言って異常だ。俺達や各学園の機関の人間が頑張っても連邦生徒会長不在はかなりの痛手なのだ。俺達にもいろいろな権限が与えられているが超法規的なものではない。連邦生徒会長のようにキヴォトスをまとめるなんてことはできないししてはならないのだ。連邦生徒会長以外でそれができるとしたらそれこそ学校の先生…、まさかあの七神代行の隣にいる大人が先生…?などと考えていると七神代行殿が
「連邦生徒会長は今、席におりません。正直に言いますと、行方不明になりました。」
と言うとそれぞれが別々の反応をするが俺達は口を開けてポカーン( ゚д゚)。それもそうだ、全くの初耳、衝撃が強すぎる。だって俺達の最高司令官だよ?そんな人が行方不明ってどういうこと?捜索命令とかも出されてないよ?もしかしてSRT学園が動いてたのか?それならいいんだが…。それにしても会長、どこに行ったんですか貴女は…。と心の中で考えるのを程々にして七神代行殿の言葉に耳を傾ける。
「結論から言うと[サンクトゥムタワー]の最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。認証を迂回できる方法を探していましたが……先程まで、そのような結果は見つかりませんでした。」
と代行殿はいい、ハスミ姉さんが
「それでは、今は方法があるということですか、首席行政官?」
と聞き代行殿が
「はい。この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです。」
と言うと!?となる中ハスミ姉さんが
「この方が?」
と言い、今まで喋らなかった大人が少し困惑した様子で
「私が?」
と言った。俺はフィクサーどうこうより喋ったことに驚いた。なにせ特殊部隊隊員のようなオーラをまとっているし表情がさっきまで全く変わらなかったのだ、俺も含めて隊のみんなの警戒レベルは高まっている。俺が何者か聞こうとする前にユウカさんが
「この先生はどなた?どうしてここにいるの?」
と言いハスミ姉さんも
「キヴォトスではないところから来た方のようですが…先生だったのですね。」
と言い七神代行殿がそれに答える。
「はい。こちらの風鳴アヤ先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です。」
「七神代行殿、この女性がキヴォトスの先生になると?正直に申し上げますと風鳴アヤさんは先生というより軍人では?それも我々と同じ部類の」
というと先生が
「みんなはじめまして!、今日からキヴォトスの先生になった風鳴アヤです、私のことはおいおい話していくよ。とりあえずみんなよろしくね!」
と先ほどの無表情とオーラはどこふく風かみんなに笑顔で挨拶した。
ユウカさんが慌てて挨拶をし先生もそれに答える。
「先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました。連邦捜査部、〈シャーレ〉。単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒たちを、制限なく加入させることすら可能で、各学園自治区で制約なしに戦闘活動を行うことも可能です。そして、加賀美さん、貴方がたを呼んだのは連邦生徒会長から一般業務に加えてシャーレ部員に加入、先生の補佐、及び護衛を行なうよう先生着任と同時に通達されました。なので仕事内容が少し増えますが頑張ってください。部活の掛け持ちくらいに思ってください。大変だと思いますが」
と言い
「了解しました。連邦生徒会長の命令なら従います。それに先生を補佐し護衛しながら治安維持出動も行ないますので問題ありません。遅くなりましたが風鳴アヤ先生、私は連邦生徒会長麾下特殊任務部フリードゥルフ隊隊長の加賀美ハルです。そして私の左から副隊長の刃鳥タカ、空野カズ、長月ユウリ、鷹羽ユウキ、天原シュウ、以下6名。只今より先生の補佐及び護衛をさせて頂きます。詳しい自己紹介は後でやりましょう。よろしくお願いします。」
「こちらこそこれからよろしくね!ハル君、タカ君、カズ君、ユウリ君、ユウキ君、シュウ君!」
と笑顔でかえされた。七神代行殿が、
「シャーレの部室はここから約30キロ離れた外郭地区にあり、そこから約150メートル先に加賀美さんたちの特殊任務部の部室があります。そしてシャーレの部室は今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令でそこの地下に【とあるもの】を持ち込んでいます。先生をそこにお連れしなくてはなりません。なので加賀美さんたちの乗ってきたヘリでシャーレの部室に直行して頂けます。モモカ?シャーレの部室の位置を加賀美さんに送ってくれる?」
{シャーレの部室?…あぁ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?}
七神代行殿とモモカさんが話している時に通信無線に連絡が入りタカが応答していると
「ハル、通信が入った。そのシャーレの部室付近で戦闘発生中、犯人は矯正局より脱走した生徒及び地域の不良生徒だ。奴らどっかから巡航戦車まで持ち出してて対処しきれないから至急出動してくれとのことだ。」
「なんつうタイミング、そして嫌な予感は当たるもんだねぇ…、すぐに向かうからなんとか持ちこたえるように言ってくれ。カズ、機長に連絡。離陸準備、乗客が増えて出動すると伝えてくれ。」
「「了解」」
俺はタカとカズにそれぞれ指示を出し
「七神代行殿、我々はこれより治安維持のため出動します。風鳴先生、我々と一緒に来てください。それと各学園の方に特殊任務部の権限で治安維持出動の協力を要請します。」
俺は特殊任務部権限のなかの、【出動時の各学園の無条件協力要請】と【治安維持出動による自由戦闘の許可】を行使した。治安維持出動はこの権限がないと守れるものも護れないので連邦生徒会長が与えてくれたのだ。
「フリードゥル隊の要請なら仕方ないわね…」
「わかりました。可愛い弟のお願いです、協力します」
「了解しました、いきましょう」
部屋にいた各学園関係者に【断れない】協力要請を行ない速やかにヘリポートに向かう。ヘリポートに着いたら既にヘリは離陸準備を終えておりあとは俺達が搭乗するだけになっていた。
「全員急いで乗り込め!、遅れれば遅れるほど状況は悪化するぞ!」
カズや本部の通信で状況を把握している機長が先生たちを急かす。全員乗ったのを確認した俺は
「機長、全員乗った!、離陸してくれ!」
「わかった、乱暴な離陸だ、落とされるなよ!」
言うやいなやヘリは離陸し現場に全速力で向かう。向かっている間に俺達は黒の生地に白い狼の口が描いてあるバラクラバをつけ、ヘルメットをかぶる。先生には予備で持ってきていたボディーアーマーとヘルメットを渡し着てもらう。先生は女性だがキヴォトス人じゃない。着任早々生徒の銃弾で死亡なんて話にならないからな。ヘリは現場付近に着陸、俺以外のフリードゥルフ隊は展開し我が隊の狙撃手の方翼であるシュウ以外をおろしたヘリは上空から援護を行なう。現着してユウカさんが文句を言ってる中俺は先生に、
「先生、いくらボディーアーマーとヘルメットを着ていても安全ではありません、貴女はキヴォトス人ではありませんから。ですので決して戦場には出ないでください。我々が戦闘中はここから動かないでください。チナツさんが護ってくれますので安心してください。」
と言い無線で
「フリードゥルフ1から各員へ、発砲許可。状況開始。速やかに方付けるぞ。奴らを決して逃がすな!情状酌量の余地はない。」
{{{{{了解}}}}}
「タカは先にカズ、ユウリ、ユウキを率いて戦闘開始。シュウは上空より狙撃、タカ達や先に戦っている者たちの援護を。マザーグースは機関砲とミサイルで任意の目標を攻撃!味方は撃つなよ!」
無線で指示を出していると先生が
「みんな、私が指揮する、任せて」
と言いユウカさん達は了承した。俺は少し迷ったが
「了解しました、フリードゥルフ隊はこれより先生の指揮下に入ります。」
了承し、無線でタカ達に伝える。ハスミ姉さんたちと一緒に展開し、先に戦闘を開始していたタカ達も合流。
「先生、フリードゥルフ隊、ユウカ班と合流しました。指揮をお願いします。」
{わかった、ハスミは狙撃位置で狙撃。一回撃ったら場所を移動して。ユウカは前で攻撃を引きつけて。スズミはユウカの援護をしつつ閃光弾で敵を無力化。フリードゥルフ隊は別ルートから敵を攻撃。ハルはフリードゥルフの指揮を。いつもどおりにやって。シュウとヘリはハルがさっき指示した通りにお願い。}
と無線で指示をしみんなでその通りに動く。なるほど、ハスミ姉さん達は自分達から協力して戦闘はあまりしないが先生の指揮下、的確な指示でいつもより動けている。それに俺も隊の指揮に専念できるからやりやすい。
不良共をボコボコにしてるうちに一回目の戦闘は終わった。スズミさんやハスミ姉さん、ユウカさんがいつもより戦闘しやすかったと言っている。流石は先生といったところか。そう思いながらシャーレに向かい足を止めずに進む。上空支援がいるため今回はいつもより楽ではあるが油断はできない。
「シャーレの部室は目の前よ!」
ユウカさんが言うと七神代行殿から無線が入り、
{騒ぎを巻き起こした生徒の正体が判明しました。狐坂ワカモ、百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。}
「ワカモさんが…、先生、彼女はいい人ではありますが危険でもあります。決して気を緩めないでください。我々も何度戦い、大変な目にあったことやら…」
ワカモサイド
「…あらら。連邦生徒会は来ていないみたいですね。フフッ、まぁ、構いません。あの建物に何があるかは存じませんが、連邦生徒会が大事にしているものと聞いてしまうと…壊さないと気が済みませんね…。あぁ…久しぶりのお楽しみになりそうです、うふふふ♡」
サイドアウト
俺達は先生指揮のもとシャーレ付近の不良共と戦闘を開始、あらかた方つけるとワカモが堂々と出てきた。俺は
「目標を確認!、これより対処にあたる!」
と言いワカモは
「フフ、連邦生徒会の子犬たちが現れましたか。あら、ハルさんまで、うふふ♡嬉しいです…この前の続きをしましょうか!」カチャッダン
「のわっ!おとなしく投降するかおとなしくどっかに逃げてくれたほうが俺的には嬉しいんだが!」ダダダダッ
撃って撃たれての殴り合いが始まる。何度もワカモさんとは戦っているが毎回嬉しそうに鉛玉をぶち込んでくるので洒落にならない。こちとら普通の人間よりは戦えるってだけだぞ!と内心毒づきながらワカモさんと撃ち合う。タカ達やハスミ姉さん達は他の不良生徒共の相手をしながらのため不良生徒共が方付くまではほぼ俺とワカモさんのタイマンだ。幸いワカモさんは俺との撃ち合いを楽しんでるのでタカ達に銃口が向くことはない。全力でワカモさんの相手をしていると少しワカモさんが攻撃をやめ、
「私はここまで、あとは任せます。」
と言ってどこかに行った。流石に追えるほどの力はないのでタカ達に合流して戦闘に戻ると巡航戦車がやってきたが、
「マザーグース、こちらフリードゥルフ1。巡航戦車が出てきた。時間が惜しい、ミサイルと機関砲でやってくれ。こちらの装備では時間がかかる。」
{了解、我々の力をお見せしよう}ドドドッバシュッバシュッ ドドドッカーン
機長に無線でヘリに積んであるミサイルと機関砲で攻撃してもらい破壊した。シャーレの前に到着し、先生も到着。七神代行殿ももうすぐ着くとのことだ。俺達は先生の周りを囲むようにしてシャーレの地下に入る。地下に入ると先生にここで少し待つように言われたので、俺とタカは部屋の入口で待機し、カズ達は上で待たせる。待っているとワカモさんの悲鳴にも似た声が聞こえたと思ったら目の前をすごい速さで駆け抜けていった。何があったのやら…。七神代行殿到着し、先生がいる部屋に入る。七神代行殿の声が少し漏れてきてシッテムの箱?連邦生徒会長が残した?よく聞こえないがそんな内容が聞こえてきた。タカも聞こえたらしい、こちらを見て眉間にシワを寄せて首を傾げた。そのあともなにやら気になる内容が聞こえてきたがよく聞き取れないため諦めて装備の確認を行なう。暫くすると先生と七神代行殿が出てきた。俺とタカは敬礼し
「「お疲れ様です、先生。」」
と言ったあと俺は
「先生、上手くいきましたか?」
と聞き先生は
「うん、ありがとう二人とも。大丈夫うまくいったよ。待たせてゴメンね〜」
「先生、連邦生徒会の一員として、そしてキヴォトスを護る防人たちを代表して感謝を。貴女のお蔭でキヴォトスの安定を取り戻すことができます。本当にありがとうございます。」
「いいのいいの、気にしないで!、生徒たちを守るのは先生として当然よ」
俺とタカの肩に手をおき、笑顔でかえしてくれた。その後、七神代行殿によるシャーレの説明を終え、
「時間の有り余っているシャーレなら、この面倒な苦情なども解決できるかもしれませんね」
「やれるだけやってみるよ、リンちゃん。ハルくん、タカくん、フリードゥルフのみんな、あらためてこれからよろしくね!」
こうして俺達はシャーレを奪還。風鳴アヤ先生の生徒として、キヴォトスを護っていくことになった。
ここまで読んでくださりありがとうございました!次回から原作に沿いながらハルたちの過去も混ぜていければと思いますので読んでいただけるとを嬉しいです!