沙花叉クロヱと管理人   作:主義

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好みを知りたい

やっぱり女の子は好きな人の前では可愛く映りたいもの。そして生まれて初めて沙花叉はその気持ちを知った。管理人さんの前では少しでも良いように映りたい。『可愛い』と言って欲しいし、『キレイ』とも言って欲しい。全てを求めるのはさすがに強欲過ぎるかなぁと思いつつもやっぱり沙花叉は全てを手に入れたい。管理人さんの前で沙花叉以外の人が映らないように。

 

 

多分、沙花叉がどれだけ頑張っても『奥さん』には勝てないと思う。こんな弱気じゃダメな気もするけど管理人さんが奥さんのことを話すときは笑顔なんだよ。あんな顔を見ちゃったらやっぱり勝てるとは思えないよ。

 

 

 

でも、いくら管理人さんの心が奥さんに向いていたとしても少しぐらいはこっちに向けたいと思う。一ミリでも沙花叉のことを見てくれたら嬉しいし。それにもう負け戦だったとしても逃げられないぐらいに沙花叉は管理人さんのことが好きなんだよね。

 

 

 

―――――――――――

 

 

珍しく早起きをして身支度を整えて家を出た。

 

今日はお洋服とかアクセサリーを買うために少し遠出をする予定。

管理人さんがどういう服が好きなのか分からないし、ある程度のジャンルは抑えておきたいんだよね。

さすがに管理人さん相手に直球で質問しちゃうとなんか感づかれちゃいそうだし、沙花叉の気持ちを知ったら管理人さんは前のように接してくれなくなるだろうし。

 

 

だから今日は沙花叉は管理人さんのことを誘うことにした。でもさすがに管理人さんも急に誘われたらちょっと疑っちゃうかもしれないから「買い物に付き合ってくれませんか?本当は男友達に頼もうと思ったんですけど、どうしても都合が合わなくなっちゃって。でも今日ぐらいしかお洋服を買いに行けないのでどうしても買いたいんです。沙花叉だけだと男性受けする服がどれだけ分からないので男性の意見代表として管理人さんに来て欲しいんです」といった感じで連絡した。もちろんここに書いたような男友達とかはいない。全部管理人さんと二人きりでお出掛けをするため。

 

連絡をして数分後に肯定的な返事が返ってきた。沙花叉はその瞬間「よっしゃああ!」と叫んでしまった。今日が休みなのは知っていたけどもしかしたらもう予定があるかもしれないと思ってたから。

 

 

 

 

 

 

そして話は元に戻って今は待ち合わせの場所で管理人さんのことを待っているところ。来るまでの間もとっても長く感じた。『この洋服で大丈夫かなぁ』『もしかしてもっとロングスカート系の方が管理人さん受けはよかったかも』『イヤリングとかもしてきた方が女性らしさが出たのかな』『ポニテ―ルとかツインテールとかの方が好きなのかな』とか本当に色々と考えた。

 

そんなことを考えていると管理人さんが私服に身を包んできてくれた。

 

 

「おはようございます、沙花叉さん」

 

 

「お、おはよう!!」

 

管理人さんの私服はやっぱりカッコいい。元々スタイルがいいからどんな服を着ても似合うとは思うけどやっぱりカッコいいし。

 

管理人さんは今日の予定について聞かれたりはしたもののどれだけ経っても…沙花叉のお洋服について触れてくれない。別に『可愛い』とか言って欲しいわけじゃないけど…ちょっとぐらいは褒めて欲しい。管理人さんのために頑張ってオシャレしたんだし。そんなことを考えていると沙花叉の心を読んだように管理人さんは話し出す。

 

 

「今日の沙花叉さんはいつにも増して綺麗ですね」

 

 

「…え……ま、まじ?」

 

 

「はい。とってもいいと思いますよ。僕に言われたところで嬉しくないかもしれませんが」

 

 

「いやいや、嬉しいよ!管理人さんに褒めてもらうために頑張ったんだし!!」

 

 

「あ、そうなんですか。多分そのお洋服でも男性受けはいいと思いますよ」

 

やば…うれしい。管理人さんに褒めてもらえただけで飛び跳ねたくなるぐらい。

 

 

 

「それにしても沙花叉さんがぐらいキレイな方でも男性とのデートについては色々と考えるものなんですね」

 

 

「デート?」

 

 

「はい。連絡の感じからすると沙花叉さんに好きな方がいてその人の木を引くための男性受けの洋服を探しているんですよね」

 

 

「う、うん…」

 

 

「そして僕はその協力をするんだと思いますが沙花叉さんぐらいキレイな方でもやっぱり好きな人によく見て欲しいとは思うんですね」

 

 

「そりゃそうだよ。好きな人にはやっぱり少しでも『可愛い』とか『キレイ』と思って欲しいもん。それに沙花叉が好きな人には沙花叉じゃ勝てないぐらいに綺麗な人がいつも隣に居るんです。でも沙花叉は少しでも沙花叉を見て欲しい!だから頑張ってる」

 

 

「…そうなんですね。僕でどれだけ力になれるか分かりませんが僕に出来ることなら言ってくださいね。沙花叉さんのことを応援しているので」

 

本当に管理人さんはその沙花叉が好きな人が自分だとは全然思っていないだろうな。

 

 

「それじゃあ、出発進行!」

 

それから沙花叉と管理人さんは隣同士で歩いていく。手を握れるぐらいの距離にいるのに握ってしまったら今までの全てが壊れてしまうと考えると怖いと感じて握れない。

 

 

沙花叉がそんな風に考えていることなんて管理人さんは微塵も知らない。沙花叉がもっと肉食で後先なんて考えないようなタイプだったら管理人さんのことをホテルに連れて行っていたと思うよ。本当に管理人さんはちょっと沙花叉のことを信頼し過ぎているように感じるんだよね。まあ、もちろんそれは有難いことなんだけど。

 

「そう言えば…沙花叉さんってアイドルだったんですね」

 

 

「え…いまさら?」

 

チャンネル登録されていた時点でアイドル事務所に所属していることはバレているようなものだと思っていた。

 

 

「はい。沙花叉が動画や生放送で活動していたことを知っていたのですが詳しいことに関しては何も知らなかったので」

 

 

「そうなんだ~じゃあまさか…まだ沙花叉のこと見てるの?」

 

 

「見てますよ」

 

 

「そ、そっかぁ…」

 

 

「はい。沙花叉さん以外にラプラスさんとか鷹嶺さんとかも見てますよ」

 

 

「は?」

 

急に変なことを言うもんだからいつもの調子でキレちゃった。だって前にも沙花叉は言った気がするんだけど。沙花叉だけ見てればいいって。

 

 

「皆さん本当に面白いですよね。それ以外の方も見ていて夢中になってしまうようなものばかりでよく時間も忘れて見てしましますよ」

 

 

「だめ!!」

 

言うのと同時に管理人さんの前に両手を広げて立ちふさがった。

 

 

「ど、どうしたんですか?」

 

 

「管理人さんは沙花叉以外の子を見ちゃダメなの。他の子のことなんか見てないで沙花叉のことだけ見てよ!沙花叉の配信だったらどれだけ見てもいいし、何なら沙花叉が管理人さんがして欲しいこともしてあげてもいいから!」

 

誰が誰を見てようと別に気にならない。だってそれは個人の自由で沙花叉だって見るものや行動まで制限されたら絶対に嫌だもん。だけどその嫌なことを沙花叉は今、管理人さんにしている。自分がされたら嫌なことを他人にやっているんだから本当に悪いよね。

 

 

だけどそれでも管理人さんの目に他の人が映っちゃいやだ。

 

 

「どうしてもダメですか?」

 

 

「なに、沙花叉以外の奴のことを好きになっちゃったの!?」

 

 

「そ、そういうわけではないですけど。ただ皆さん、面白かったのでこれからも見ようと思っていたので」

 

管理人さんがホロライブやVtuberに興味を持ってくれるのは嬉しいけど…やっぱり心配。管理人さんの心の中には奥さんがいるので簡単に他の女に落ちることはないと断言はできる。でも、億が一にでも誰かのことを好きになっちゃったら最悪。

 

 

「じゃあ、沙花叉と一緒の時なら他の子を見てもいいよ」

 

これが最大限の譲歩。まだ沙花叉の見ているところだったらどうにか耐えられる。でも沙花叉の見ていないとこで管理人さんが他の子を見ていると知ったらさすがにやっていけない。だってもう疑っちゃうから。

 

 

「…わかりました」

 

 

「絶対に約束は破らないでね」

 

 

「大丈夫ですよ。沙花叉さんの約束を破るようなことはしませんから」

 

そんな話をしているとお店についたので管理人さんをほぼ強引に中に入れる。管理人さんは「ここは男性が入らない方がいいんじゃないですか」とか言うから「一緒にないと男性受けするか分からないじゃん」と話した。

 

 

管理人さんに服を選んでもらって試着をする。中には今まで着たことがないようなタイプのお洋服もあって沙花叉に似合うか心配だったけど管理人さんはどの洋服を着ても「可愛い」とか『沙花叉さんは本当に何でも似合うね』と言ってくれるので試着をしていても楽しかった。でもそんな中でも管理人さんは気付いているか分からないけど…反応が少しだけ大きい時があった。そういうのを見極めて本当に管理人さんが好きなお洋服を見抜いて購入した。

 

 

傾向としてあんまり派手な服とか過度な露出をするお洋服はあんまり好まない。別にそれでも「可愛い」とは言ってくれるものの清楚系の方が反応が良いように肌間で感じた。

 

 

管理人さんの好きな服を知れただけでも今日の成果としては十分。

 

 

 

 

本当はここで解散する予定だったけど管理人さんの方から「もうお昼時ですし、食事しませんか?」と誘ってくれたので沙花叉としては嬉し過ぎて速攻でOKした。

 

 

そして食事をすることになった料理屋さんで…沙花叉が関節キスを気にし過ぎてしまったり、SM両方に目覚めてしまったりと色々とあったけどそれはまた別のお話かな。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

 

 

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