沙花叉クロヱと管理人   作:主義

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沙花叉は心配になる

 

管理人さんが少し急ぎの用で実家に帰らなくいけなくなってしまった。そしてその間は他の人がここを管理をしている。

 

 

別に1日目は…そこまで問題はなかった。その日は収録とかやらなくちゃいけないことがたくさんあったからね。だけど、2日目からは地獄。管理人さんがすぐ会える距離に居ないというだけでとっても不安になる。自分ってこんなに管理人さんに依存していたんだと教えられた気がした。

 

 

「…連絡先ぐらい交換しておけばよかったなぁ」

 

今まですぐ会える距離に居たから連絡先なんて知らなくてもよかった。でも、こういう時になると連絡先を聞いておかなかったことを後悔しちゃう。

 

 

「早く帰ってきたりしないかな」

 

管理人さんが実家に帰る前に「一週間ぐらい掛かるかもしれないです」と言ったんだよな。早く帰ってくれないと何をするにしてもモチベーションも上がらないし、ご飯だって美味しくない。本当に沙花叉は体全体が管理人さんを求めている。舌も管理人さんのご飯じゃないと美味しく感じられないし、近くに感じられないとやっぱり不安になっちゃうし。

 

 

 

 

 

それから沙花叉は…抜け殻状態になりながらも必死にやる気を振り絞って頑張った。管理人さんが帰ってきた時に褒めてもらえるように。

 

でも、いつまで経っても…管理人さんは帰ってこない。

 

 

最初の頃は用事が長引いているんだけなんだと思っていた。さすがに一ヶ月も帰ってこないなんて。代わりの管理人の人に聞いても「教えられない」の一点張り。少しずつ沙花叉の心は不安に駆られるようになってくる。もしかしたら何か大きなことが起こって、管理人さんは帰って来れなくなっちゃったんじゃないかとかダメな方向にばっかり思考がいっちゃう。

 

 

 

いつまで経っても…帰って来る気配はなくてどんどん沙花叉のメンタルがやられていく。そんな中でも時間は進んでいって、やることがたくさんあるのに全然手につかない。やろうとしても…集中できない。

 

そんなことが続いて、マネちゃんが「一度、病院に行って来てください」と言われてしまった。本当にマネちゃんにまで心配を掛けちゃうなんて……たぶん、飼育員さんにもかなり心配を掛けちゃっているんだよね。本当にだめだなぁ……沙花叉は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日して沙花叉は病院に行くことにした。マネちゃんが無理矢理連れていこうとしてくるから仕方なく、行くことにした。さすがにそこまでマネちゃんに迷惑を掛けられないし。

 

そして…受付をしていると急に後ろから声を掛けられた。

 

「あれ…沙花叉さん」

 

 

「え……」

 

振り返るとそこには…ずっと会いたかった、管理人さんが立っていた。その瞬間、沙花叉はここが病院ってことも忘れて大声で泣いて管理人さんに飛びついた。

 

 

「あぁいたかったぁ~~」

 

 

「ど、どうしたんですか!?」

 

 

「…あいたがったよぉ」

 

さすがにこのままだと周りの人に迷惑だと感じた、管理人さんに抱き抱えられて病院の外にまで運ばれた。そしてそれから沙花叉が落ち着くまではずっと頭を撫でたり、背中を擦ってくれたりしてくれた。それのお陰で少しずつ沙花叉の心は…落ち着きを取り戻してきた。

 

 

「もう大丈夫ですか?」

 

 

「うぅん…だ、だぁいじょうぶぅ…」

 

 

「まだ大丈夫ではなさそうですね。沙花叉さんは落ち着くまで側にいるので安心してください」

 

本当に管理人さんを優しくてずっと…落ち着くまで待っていた。

 

 

「だ、だいじょうぶです」

 

 

「そうですか。まず…どうしたんですか?」

 

 

「だって管理人さんが全然帰ってきてくれないし。連絡する手段もないし!もしかしたら何かあったのかもとか考えちゃったら嫌なことしか考えられないし。管理人さんに沙花叉、捨てられちゃったのかなぁ…って」

 

本当に毎日が不安すぎた。管理人さんがいないだけでここまで沙花叉って不安になっちゃうんだと思ったし。

 

 

「まず、心配を掛けちゃってすみません。ちょっとこの状態で」

 

 

「そ、そういえば、管理人さんは入院しているんですか?」

 

 

「うん。ちょっと引かれちゃってね」

 

管理人さんは笑顔で話しているけど、言っている内容はお世辞にも笑えるような内容じゃない。

 

 

「え、だいじょうぶ!?」

 

 

「大丈夫ですよ。ほら、この通りです」

 

そう言って、彼はなるべく元気さをアピールしてくれるけど、さすがに心配だ。

 

 

「退院はいつ出来そうなの?」

 

 

「…うんとね……あと一週間もすれば退院できるみたいだって話していた気がするよ」

 

 

「そっかぁ……じゃあ、沙花叉は明日から毎日お見舞いに来るね!」

 

 

「いや、別にいいですよ。どっちにしても一週間すれば会えるんですし」

 

もう今の沙花叉は管理人さんと一緒に居れな過ぎて…少しでも近くに居ないと。今も自然と沙花叉は管理人さんの手を握っている。管理人さんは沙花叉が安心できるように握らせてくれているんだと思う。それでも、沙花叉にとっては安心できる。

 

管理人さんが近くに居るだけで全てが落ち着ける。もしかしたらこれは『依存』という言葉で片付けられないほどに沙花叉は管理人さんを欲しているのかも。

 

 

 

「やぁだぁ~~」

 

 

「子供みたいに駄々をこねないでください」

 

 

「嫌なものは嫌だもん!沙花叉は管理人さんから離れないもん!」

 

もうあんな想いはしたくない。今回のことで沙花叉にとって管理人さんがどれだけ大切な存在か分かった。それなら沙花叉はもう…管理人さんを遠くに行かせない。

 

 

「…いや、ちゃんと帰りますって」

 

 

「やぁだぁ~~」

 

 

「沙花叉さんは前にも増して…我儘になってしまいましたね」

 

 

「管理人さんの所為だよ!沙花叉は心配させるから悪いんだもん!」

 

管理人さんは沙花叉がどれだけ管理人さんのことを心配したのか知らないからそんなことが言えるんだよ。

 

 

「…はぁ、お見舞いに来てくれるのは有難いですけど、沙花叉さんだってお仕事があるんですから無理をしない範囲にしてくださいね」

 

さすがに管理人さんもこれ以上、言っても無駄だと思ったのか、諦め顔でそう話した。

 

 

「うん!!絶対に行くからね!!」

 

 

それからも管理人さんにたくさんのことを話した。こんなに会わないと話題に尽きない。さすがに喋り過ぎかなぁと思って、管理人さんの顔を見ると笑顔で聞いてくれている。管理人さんは話を聞くのが上手すぎて、話している方のテンションが上がって話過ぎる。

 

 

でも、何よりも管理人さんの無事なことを知れたのが一番よかった。

 

 




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