「…あれか?お前の言うお屋敷ってのは?」
「そうだよ。」
オッス!オラ紀流!
俺は今現在、チルノの言っていたお屋敷を目で確認した所だ。
…確かに、赤い煙としか表現出来ない物が涌き出てるな…
あれが赤い空の原因か…まったく、迷惑なこった。
「いくの?祠弥。」
「ああ、面白そうだからな。」
「…面白そうって…」
「お前はそう思わないのか?」
「うーん…わかんないや。」
そんな事を話しながら飛んでいると、俺の目が何かを捉えた。
お屋敷の門らしき所の前に、誰かが立っている。
すると、その人物が此方を見上げた。そして軽く頭を振る。挨拶だろう。
「あ、門番さんだ。」
やはり門番だったか…実物は初めて見たな。
いや、そもそもここまで巨大なお屋敷を間近で見た事が無かったぞ…
「あの人、とーっても強いんだよ。
あたいも戦った事あるけど、まだ一回も勝てて無いんだ。」
「…じゃあ俺とあの人と、どっちが強かった?」
「えーっと…同じ位かな?」
「そうか、分かった。」
チルノの言葉を聞いた所で、俺は飛ぶ速度を速める。
「祠弥!?どこいくの!?」
「大丈夫だ、ちょっとあの門番さんと話してくるだけだから!」
そう言って飛び立っていく祠弥を見て、チルノはこう思った。
「絶対話すだけじゃ無いよね…。」
事実、その通りであった。
「…貴方は?」
「普通の人間ですよ。」
「え、そうなんですか!?妖精と話していたので、貴方も妖精かと思いましたよ。」
俺は今、門番さんと話している。結構気さくな人だなと話していて思った。
何か着ている服は何故か中華っぽいが。帽子に着いている星には「龍」って書いてあるし。
あれ、龍?ドラゴn…いや関係無いだろう。
…さて、本題と行くか。
「一つ聞いていいですか?」
「何でしょう?」
「このお屋敷から涌き出ている赤い煙は何です?」
「…!」
門番さんの表情が固まったと同時に、俺の顔を見てきた。明らかに俺を警戒している。
俺は更に続ける。
「あの煙、結構迷惑なんですよ。
日の光が届かなくなるから、消して貰えませんかね?」
「…貴方も、博麗の巫女の仲間ですか?」
ん、博麗の巫女?…成る程、霊夢の事だな。
「まあ、そんな所だ。」
「…そうですか。」
門番さんはそう答えると、いきなり俺に向かって蹴りを放ってきた。
「ちょっ!?」
俺は驚いたが、咄嗟に舞空術を使って飛び上がり、蹴りを回避する。
「今の蹴りを避けるとは…」
「どうやらお前も、あの赤い煙に関係する事に荷担しているみたいだな。」
「…悪い事は言いません、お引き取り下さい。」
そう門番さんは言うと、謎のポーズを取った。
俺は武術の型とかをよく知らないから分からないが、多分そういった型の一つなのだろう。
…っていうか、型取ったって事はかかってこいって意味だよな?
良いだろう。俺は門番さんに言葉を返す。
「生憎、そんな気は全くといっていい程無い。」
「…なっ!?」
「こいよ、門番さん。
こないんなら、俺は勝手にお屋敷に上がらせてもらうぞ。」
「………本気で言ってるんですか?」
「その通り。」
門番さんの表情が一段と厳しくなり、俺を睨み付けてきた。
俺は負けじと睨み返してやる。
「…分かりました。私の役目は何人たりともこの館に立ち入らせない事。
貴方が館に押し入ろうと言うのなら、私にはそれを止める義務があります。」
「…フッ、そう簡単に行くかな?」
俺は気を溜め、一気に解き放つ。
強い風が起こり、門番さんの紅い髪をなびかせた。
「…成る程、貴方もそういった事が出来るんですか。」
そう言うと、門番さんも気合いを込め、それを解き放つ。
俺が気を解放した時と同じ、いや、それよりも強い風が起こった。
「何?お前も出来るのか…。」
「ええ。私の能力は『気を操る程度の能力』ですから。」
気を操る程度の能力!?まさにドラゴンボールだな…
まあいい、相手がどんな能力を持っていようとも勝てばいいんだからな。
「大人しく俺を通していれば痛い目に遭わずに済んだものを…
流石門番さんと褒めてやりたい所だぁ!」
「へっ!?」
「宇撃『ビッグバンアタック』!」
俺は先手必勝とばかりにスペルカードを発動する。
高速の青い気弾が門番さんに迫る!
だが、俺の放った一撃は。
「はっ!」
門番さんの鋭い蹴りで弾かれてしまった。まあ、予想していたが。
「ふん、流石にやるな。」
「…不意打ちとは随分と卑怯ですね…」
え、不意打ち?そんな気は全く無かったんだが…むしろさっきの蹴りの方が不意討ちじゃね?
そう言われるのも何だかイライラして面白く無いので、言い返してやった。
「だったらどうする?」
「…私のするべき事は変わりません。
ただ、館に押し入ろうとする者を倒すだけ。」
見上げた人だ。門番の鏡と言っても過言じゃ無いな。
まあ俺にはどうでもいい事だが。
「…では、行きますよ。」
「え?もう始まってんのかと思ってたよ。」
俺はそう言いつつも、戦闘態勢に入る。門番さんも型を構え直した。
しばしの沈黙。その沈黙を破ったのは…
「「行くぞっ!!!」」
気合いの入った、両者の声だった。