東方有無録   作:印鑑

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不意打ちとスペカは弾幕勝負の華

「行きますよ!はあっ!」

 

 

オッス!オラ紀流!

俺は今…って余裕ぶっこいて喋ってる場合じゃねえ!あんな蹴りまともに喰らったら死ぬわ!

…仕方ない、受け止めるか!

俺は右足に瞬時に気を溜め、向かって来る蹴りに負けじと蹴り返す。

両者の蹴りがぶつかり合い、凄まじいエネルギーが生まれる。暴風が吹き、地面にヒビが入る。

 

 

「くっ!?」

 

 

互いの初撃同士の競り合いに負けたのは、意外にも門番の方だった。

その衝撃により彼女は吹っ飛ぶが、すぐに体勢を立て直して地に降り立つ。

 

 

「…まさか私が普通の人間に押し負けるなんて。

いや気を使っている時点で普通ではないか…」

 

 

彼女は対峙している相手を見る。

先程蹴り合った場所から全くと言っていい程動いていない。なんて安定感…

…しかし、少し様子がおかしい。何で足を上げたままなのだろう?

理由は直ぐに分かった。

 

 

「…痛ったあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「!?」

 

 

彼女は驚いた。何せ今まで黙っていた相手が突然叫びだしたかと思えば、

両手で足を押さえてのたうち回り始めたのだから。

 

 

「………。」

 

 

彼女はそれを、驚き半分可笑しさ半分で見ていた。

 

 

 

 

 

…数十秒後。

 

 

「…おおう…」

 

 

はあ…やっとこさ痛みが引いてきたよ。

って言うかさっきの蹴りの威力おかしいだろ!骨どころか足ごと持ってかれるかと思ったわ!

ちっくしょう…よくもやったな…許さん!(逆切れ)

 

 

「今のは…痛かった…。」

 

「へっ?」

 

 

門番さんの間の抜けた声に、俺の自制心は吹っ飛んだ。

 

 

「痛かったぞぉぉぉぉっ!!!」

 

 

俺は門番さんに向かって突進(頭突き)する。

本来ならばこんな直線的な攻撃は簡単に対応され、避けられるか蹴り返されるかだろう。

だが今回は、気を抜いていた+不意打ち(不本意)、更に俺の怒り(気)も込めた一撃だ。

そして案の定。

 

 

「うぐあっ!?」

 

 

きゅうしょに あたった!

 

 

俺の全力頭突きは見事、門番さんの腹にクリーンヒットした。

門番さんはしこたま吹っ飛ばされ、館を囲んでいる塀に突っ込む。

凄まじい爆発音と共に、土煙がもうもうと舞う。

 

 

「終わったか…?」

 

 

あれ?確か「相手がどんな状態になっているのか確認出来ない程の土煙」って…

そう俺が思うが早いが、土煙の中から門番さんが俺に向かって突っ込んできた。デスヨネー。

今度は飛び蹴りだ。そう何度も蹴りを喰らってたまるか!今度こそ死ぬわ!

俺は空に飛んで回避し、門番さんの背中に向かって数十発程の気弾を撃った。

これだけ撃てば一発位は当たるだろうと俺は思っていたのだが。

 

 

「ふんっ!」

 

 

門番さんは振り向きざまに高速で回転蹴りを放ち、自分に飛んでくる弾を掻き消してしまった。

それから暫く間を置いた後、門番さんが口を開く。

 

 

「貴方という人は…不意打ちしか出来ないんですか!?」

 

「はあ?」

 

 

酷い言われようだ。まあ最初のビッグバンアタックはそう考えられても仕方がないだろうが、

まさか今までの攻撃が全部不意打ちだと思われていたとは…

 

 

「折角戦うんですから、せめて正々堂々と勝負して下さいよ!」

 

「…お前もさっき土煙の中から攻撃して来たよな?それについてはどうなんだ?」

 

「あれは貴方が油断した隙を狙ったんです!」

 

「…あ、そう。」

 

 

…全く、勝手なもんだ。だが言っている事は何となく分かる。

つまり「文句言われたくなければ正々堂々と勝負しろ」って事だろ?

相手がそう望むなら、こちらはそれに答えればいい。少々強引だが、俺はそう結論づけた。

…よし、そうと決まれば!

俺は頭の中である技をイメージする。すると、手のひらに一枚のカードが出てきた。

成る程、こんな感じで簡単に作れるのか。

門番さんの方を見ると、彼女も手に一枚のカードを持っていた。

 

 

「…おや、貴方もですか。」

 

「奇遇だな。」

 

 

…考えている事は同じ、か。ならば相手よりも先に行動するのみ!

俺と門番さんは、ほぼ同時にスペル発動を宣言した。

 

 

「華符『セラギネラ9』!」

 

「散弾『トラップシューター』!」

 

 

門番さんの素早い連続蹴りと共に、七色の弾幕が俺に向かって次々飛んでくる。

勿論俺も負けちゃあいない。腕に気を溜めて大きく振り、緑色の気弾を大量に飛ばしていく。

両者の弾幕はぶつかり合い、小さな爆発が次々と起こった。

…綺麗だが、このまま撃ち合ってても勝負つかないな…いや、下手したら負けるぞ。

俺はそう思い、スペルを止める。一旦距離を置き、作戦を立てるためだ。

すると、門番さんもスペルを使うのを止めた…と俺が思った瞬間。

 

 

「これで決めさせてもらいます!彩符『彩光乱舞』!」

 

 

先程のスペルよりも、更に量と速度が増した弾幕が襲いかかってきた。

くそっ、さっさと出す技を考えておくんだった!

俺は弾幕をかわしながら、出す技を考える。

…トラップシューターは一発一発の威力に欠けるし、既に使ったからな。

やはりかめはめ波かビッグバンアタックにするべきか?

…いや、駄目だ。威力のあるのを撃つには溜めが必要だし、門番さんが待ってくれる保証もない。

となると残るは…新しく技を考える事だ!どうするか………

…一つ思いついた!技の性質上自分にもダメージが来るかもしれないが、

四の五の言っている場合ではない。その技をイメージし、スペルカードを作る。

そして俺は間髪入れずにそのスペルを発動した。

 

 

「紅拳『界王拳(二倍)』!」

 

 

スペルを発動すると体から赤い気が発生し、俺を包み込んだ。よし、さっさと終わらせるぞ!!

俺は気を解放し、門番さんに向かって突っ込んでいく。

 

 

「!?」

 

 

門番さんが俺の接近に気づき、弾幕を飛ばしてきた。

それを俺は自分でも驚く程のスピードでかわしていき、遂に。

 

 

「うぇりゃあぁぁぁぁっ!!!」

 

「ぐはっ!?」

 

 

門番さんの背中に、全力の一撃を叩き込んだ。

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