東方有無録   作:印鑑

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vsレミリア・後編~紅霧異変、決着の時!

「神槍『スピア・ザ・グングニル』!!!」

 

「紅拳波『界王拳かめはめ波(二倍)』!!!」

 

 

オッス!オラ紀流!

只今お互いの全力のスペルがぶつかり合おうとしている所だ!

だからすまんがあまり喋ってられん!

…遂にその時が来た!

 

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

「だりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

上からの紅い槍と、下からの蒼の光線が衝突する。

と思ったら、一瞬で紅魔館の屋根に叩きつけられた。

…って、ええ!?

 

 

「ギャアァァァ!?」

 

「ハハハハハハハ!」

 

 

レミリアのスペルの威力は予想以上で、俺はグイグイと屋根に押し込まれていく。

…驚いたな…苦戦するとは思ってたが、まさかここまでとは…

体がメキメキいい始めた…このままだと潰れるぞ!

 

 

「どうした!お前の力はそんなものなの、人間!!」

 

 

そうだったら良かったな…残念ながらこんなものじゃ無いんだよ、レミリアさん!!

俺は更に気を高め、スペルを追加発動する。

 

 

「行くぞ!紅拳『界王拳(三倍)』…がはっ!?」

 

 

…発動した瞬間全身に激痛が走り、思わず声が出る。

そういえばやたらと強化し過ぎると体に負担がかかるんだったな…界王拳。

…さっさとすませないと体が持たん!やってやる!!

俺は界王拳のエネルギーをかめはめ波に向かって送り込み始める。

 

 

「はあああああああっ!!!」

 

「…なっ!?」

 

 

パワーアップしたかめはめ波は、レミリアの放った槍を少しずつ押し返していく。

…この調子なら勝てるぞ!俺は立ち上がり、更にパワーを込めていく。

だが、現実はそんなに甘くない。

足下の亀裂が一際大きくなったかのように思った瞬間、

…足場が急に無くなった。

 

 

「んなっ!?」

 

 

俺は盛大にバランスを崩し、なすすべもなく下に落ちていく。

その拍子にかめはめ波も止まってしまった…ヤバい!槍に射抜かれる!

 

 

「うわっと!!!」

 

 

俺は咄嗟に槍の進行方向から身をかわす。

…かわしてから気づいた。紅魔館に直撃するじゃねーか!

 

 

「止めろレミリア!紅魔館がー!!紅魔館そのものがー!!!」

 

「消えて無くなれえええ!!!」

 

 

…駄目だ、聞こえてない!止める気ゼロだ!

 

 

「…くっ!『瞬間移動』!」

 

 

瞬間移動でその場から離れる…と思っていたのか?

移動したのは…

 

 

「撃ち返せば被害は出ないっ!!!」

 

 

槍の真っ正面だぜ!…おお、我ながら馬鹿だな…(泣)

だが、移動しちまったもんはしょうがない!

 

 

「紅拳『界王拳(三倍)』!」

 

 

俺は三倍界王拳を発動する。もう体の感覚が無いが、そんな事はこの際二の次だ!

そう無理矢理結論づけ、手を後ろに引いてエネルギーを瞬時に溜め、それを一気に解き放つ。

 

 

「波符『かめはめ波ァァァァァァッ』!」

 

 

槍と光線が再びぶつかり合う。しかし、直ぐにおかしい事に気づいた。

 

 

「…押されてる…っ!?」

 

 

さっきは互角、いやむしろ押していた。なのに何故か今は真逆の状況だ。

…考えられる事はただ一つ。もう体力が殆ど残ってないのだ。

このままいけば、死ぬ。木っ端微塵になる。消えて無くなる。

…ふざけるな、俺はまだ生きたいんだ。こんな所でくたばってたまるか!!!

 

 

「…しょうがない…体がぶっ壊れても…っ!」

 

 

だんだんと気が遠くなっていく中、スペルを発動する。

 

 

「…死ぬよりはマシだ。」

 

 

そして俺は叫んだ。今まで生きてきた内の、最も大きな声で。

 

 

『界王拳…四倍だあぁぁぁっ!!!』

 

 

そう叫んだのを最後に、俺の意識は消え失せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…祠……弥…」

 

 

…ん?何か呼ばれてるような…まあ、いいか。眠いし…

 

 

「…祠弥…祠弥…!」

 

 

うるさいな…あと五分だけだ…たった五分…

 

 

「さっさと起きなさいよこの馬鹿っ!!!」

 

 

この世のものとは思えない大声が、頭の中に響き渡った。

 

 

 

 

 

~少し後~

 

 

「…やっと起きたと思ったら…何すんのよ…ううっ…」

 

「悪いのは霊夢だろ…俺の顔の真上にいたんだから…」

 

 

…えーっと、今の状況を簡潔に説明する。

巨大な声に驚いて起き上がったら俺の顔を覗きこんでた霊夢と正面衝突した。以上。

 

 

「二人とも、大丈夫か?」

 

「魔理沙か…お陰さまで全く大丈夫じゃないよ…」

 

「そうだと思ったぜ…」

 

「…祠弥の馬鹿…」

 

「霊夢。お前の自業自得だ。」

 

 

二人の話をぼーっと聞いていると、何処からか誰かが怒られているような声がしてきた。

…誰だ?

 

 

「…お嬢様。お嬢様のスペルで屋根が殆ど吹っ飛びました。」

 

「…。」

 

「お嬢様の部屋の壁も只の瓦礫になりました。」

 

「…ごめんなさい、咲夜…」

 

「あの人間がスペルを跳ね返してお嬢様を倒したからよかったものの、

もしもあの人間が失敗していたら…」

 

「…咲夜、ちょっと言い過ぎじゃない?」

 

「お姉様が可哀想…」

 

「お二人は口を慎んで下さい。」

 

 

     従者説教中…

 

 

「…というわけでお嬢様、瓦礫の後片付けはご自分でお願いします。」

 

「…うぅー…」

 

 

…ああ、見ちゃおれん…助けよう。

俺は立ち上がろうとするが、霊夢と魔理沙に止められる。

 

 

「祠弥さあ…自分の状態分かってるの?」

 

「は?」

 

「お前の体、ガタガタになっちまってるんだぜ。」

 

「どのくらい?」

 

「全治一週間レベル、って感じよ。それですんでよかったわね。」

 

 

…え?何だって?ワンウィーク?

hahahaそんな事があるわけないじゃないか…証明してやろう!

 

 

「どっこいしょ!」

 

「ちょ、祠弥?」

 

 

二人の制止も聞かず立ち上がった瞬間。

 

 

「バキッ」

 

 

突然体から大きな音がした、と思ったら体の感覚が無くなった。

あれ~、力が抜ける~。倒れる~。

 

 

「…この、大馬鹿。」

 

 

霊夢がしっかりと俺の腕を掴み、引っ張りあげる。

 

 

「…すまんな、霊夢。」

 

「ほら、祠弥。私も手を貸してやるよ。」

 

「わーいありがとー。じゃあ遠慮なくー。」

 

 

俺は二人に支えられるようにして立ち上がる。情けないもんだ。

 

 

「全く情けないな、俺は…」

 

「…そんな事ないわよ。異変を解決したんだから。」

 

「そうだぜ。私達が戦ってる間に、さっさと異変の黒幕を倒しちまったんだからな。」

 

「はは、そうか。じゃ、レミリアの所に連れてってくれないか?」

 

「…調子に乗るな。」

 

「ま、いいじゃないか霊夢。祠弥がこう言ってるんだし。」

 

「っち…」

 

 

そして俺は、レミリアの元に運んでもらった。

 

 

「…あ、紀流お兄ちゃんが起きた!」

 

「そうですか。」

 

 

咲夜が咎めるような目でこちらを見てくる。

 

 

「…何だ?」

 

「言っておきますが、貴方もお嬢様と似たようなものです。」

 

「…はいはい、分かったよ。怒られてやるよ。」

 

「物分かりが早くて助かります。では…」

 

「はあ…」

 

「「永い夜になりそうだ…」ね…」

 

 

…あ、ハモった。

その後、咲夜の説教は一時間続きました。

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