東方有無録   作:印鑑

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異変の後の大宴会・正に酒池酒林(酒ばっかり)

「…何やってんだ、霊夢。」

 

「あ、祠弥。起きたんなら手伝いなさいよ。」

 

「それが全治一週間の奴に対してかける言葉かよ…」

 

「あんなの適当に言ったに決まってるじゃない。」

 

「さいですか…。」

 

 

オッス!オラ紀流!

レミリアと戦ってから一週間…と言いたいが実際は一日が経った。

紅魔館から博麗神社に戻ってきて以来、俺はずっと寝っぱなしだったので日にち感覚がない。

しかもやっと起きたと思ったら今の霊夢の発言だぞ…うわー起きたく無くなるわー。

 

 

「ほら、さっさと布団から出て手伝いなさいよ。」

 

「…。」

 

「…一応、私はあんたを家においてあげてるんだから、それにみあった仕事をしてくれない?」

 

「面倒くせーな…」

 

 

俺はゆっくりと起き上がり、布団の上に立つ。

顔を洗うために台所に向かう。霊夢の側を通る時に、皮肉たっぷりにボソッと呟いてやる。

 

 

「…どーせ俺はお前の()()()だよ…」

 

「そういうことy…うえっ!?」

 

 

…何か霊夢が変な声出したがまあいいか。顔洗おう…眠い…

 

 

     紀流洗顔中…

 

 

あーさっぱりした。目が覚めた。

部屋に戻ると、霊夢が何やら黙々と作業をしている。

…何か顔赤いが…暑いのか?あの服で暑いって相当なもんだぞ…

 

 

「おい、霊夢。」

 

「ひやぁっ!?…な、何よ祠弥…」

 

「俺は何すればいいんだ?」

 

「じ、じゃあ…座布団出して。」

 

「承知した。ところで…」

 

「…ん?」

 

「これって何の準備なんだ?」

 

 

俺がそう聞くと、霊夢はこちらを見ないで直ぐに答えた。

 

 

「宴会よ。」

 

「は?E・N・K・A・Iだと?何でそんなもんを開くんだよ…酒も飲めないのに…」

 

「えっ?」

 

「…えっ?」

 

 

………………えっ!?えええええっ!?

待て待て待て待て待て!お前どう見ても未成年だろ!!

 

 

「魔理沙とか紅魔館の奴らとかも来るわよ。」

 

 

魔理沙だって未成年だろおぉぉぉぉぉっ!!!しかも紅魔館!?今回の騒動の原因じゃねーか!

…俺が呆然としているのにも霊夢は全く気づかず。

 

 

「さあ、早く座布団出しなさい!」

 

 

…幻想郷、恐るべし。

 

 

 

 

 

~二、三時間後(夜)~

 

 

「…じゃあ、異変解決を祝って…」

 

「「「「「カンパーイ!」」」」」

 

 

…oh my god…始まっちゃったよ、十人以上の大(?)宴会。

霊夢と魔理沙が酒飲んじゃったよ…いいのかよ…

 

 

「ねえ、祠弥。一つ聞いてもいい?」

 

「…何だ?」

 

「何でさあ…」

 

 

霊夢はある方向を指差す。そこにいたのは…

 

 

「おい!そこの赤いきゅーけつき!」

 

「なーに?」

 

「どうだ!あたいと勝負しないかー?」

 

「え?」

 

「あたいは最強なんだぞー…zzz…」

 

「…チルノちゃんお酒飲み過ぎだよ…

ごめんなさい、失礼で…」

 

「別にいいよ。」

 

「いいのかー。」

 

 

…楽しそうだな…っていうかチルノお酒飲めるのか…

 

 

「…妖精がいんの?」

 

「俺が知るか。霊夢が呼んだんじゃないのか?」

 

「んなわけ無いでしょ。」

 

「まあまあ、いいじゃないか。」

 

「お、魔理沙か。」

 

 

俺と霊夢で話していると、魔理沙が中に入ってきた。

 

 

「こういうのは大勢の方が楽しいぜ!」

 

「ただ単にうるさいだけよ…まああんたの方がうるさいけど。」

 

「何だと霊夢…さては、もう酒が入ってるな?」

 

「いたって正気だけど?」

 

 

 …何か雲行きが怪しくなってきたな…逃げよう。

俺は二人の近くから離れ、紅魔館の人達の所へ行ってみる。

 

 

「あ、紀流お兄ちゃんだ!わーい!」

 

「おお、フランk(バキバキ)ギャアアア(ry」

 

 

フランに抱きつかれた…というよりは締め付けられた。

死ぬほど痛いです。壊れる…壊れてしまう!

 

 

「…フラン、離してあげなさい。」

 

「…あ、ごめん…」

 

 

レミリアの一言で、何とか俺は潰されずにすんだ。

 

 

「久しぶりね、紀流。」

 

「と言っても一日しか経ってないけどな。」

 

「そうだったかしら?」

 

 

…え、何でこんなに親しげなのかって?

あれだ、一緒に咲夜にこってりしぼられたからだ。キツかったぞ…何せ正座だからな…

ほら、噂をすれば…

 

 

「あ、昨日の人間。」

 

「呼び方酷いな…」

 

 

ご本人の登場だ。

 

 

「先日はとんだご無礼をいたしました。」

 

「きにすんなって。で?紅魔館はどうなった?」

 

「…あれほど派手に損傷しているのに一日で直るとお思いですか?」

 

「…だよな。」

 

 

俺の横で、レミリアがばつの悪そうな顔をする。咲夜って結構根に持つ性格なのか?

 

 

「…咲夜、言いたい放題のようだけど、私には一つ不可解な事があるわ。」

 

「パチュリー様、何でございましょうか?」

 

「…パチュリーさま?」

 

 

また不思議な名前の人が出てきたな…もうあまり驚かないが。

 

 

「ああ、そういえば自己紹介がまだだったわね。

私はパチュリー・ノーレッジ。紅魔館の図書館長よ。」

 

「ご紹介どうも。俺は紀流 祠弥。普通の人間だ。」

 

「…普通の人間が美鈴(めいりん)やフランやレミィと戦えるわけないでしょ。」

 

「え、めーりん?」

 

「私ですよ。昨日戦って以来ですね。」

 

 

答えたのは、例の門番さんだった。へえ、美鈴っていうのか。

 

 

「無粋な事を聞くが、名字はなんて言うんだ?」

 

「…本当に無粋ですね…まあ、いいですよ。(ほん)です。」

 

「…え、本?」

 

(くれない)と書いて"ほん"と読みます。」

 

「なるほど。」

 

 

おお、何かそれっぽいな…

 

 

「それでパチュリー様?一体何をおっしゃりたいので?」

 

「何でフランとそこの人間…紀流があの時いきなり消えたかよ。」

 

「あの時?」

 

「博麗の巫女達と戦ってた時よ。」

 

「…。」

 

 

…あ、咲夜ピンチ。どう切り抜けるんだ?

 

 

「…ワインでも飲みますか?」

 

 

…話題を反らして逃げたぁぁぁぁぁっ!おい!

 

 

「いい考えね。咲夜、一杯頂戴。」

 

 

それにレミリアも乗っかったぁぁぁぁぁっ!!

 

 

「…咲夜…あなたって人は…もういいわ。」

 

 

い・い・の・か・よ!!!もう主従関係もくそもないな…

 

 

「そう言えば紀流。」

 

「…何だ、レミリア?」

 

「あなたはお酒を飲まないの?」

 

「飲むわけないだろ…まだ二十歳にもなってないのに…」

 

「なあに言ってんのよぉ~祠弥ぁぁぁ~!」

 

「!?」

 

 

咄嗟に後ろを向くと、べろんべろんになっている霊夢がいた。

顔赤いし、目の焦点合ってないし…どう見ても酔っぱらいです本当にありがとうございm(ry

 

 

「私の酒が飲めないってのぉ~?」

 

「いや、年齢的に…な?」

 

「そんなルール、ここにはないぜ~。」

 

 

…何…だと…!?

 

 

「さ~、飲みなさいよ祠弥~。」

 

「丁重にお断りする。」

 

「旨い酒に酔って、旨い酒に酔い旨い酒に酔う…こんな楽しいことは無いぜ祠弥~。」

 

「全部酒じゃねーか!やめい!」

 

 

ここは避難する準備だぁ!スペル発動!

 

 

「『瞬間移d…

 

「「何処に行くんだぁ?」」

 

「おぉぅ!?」

 

 

腕を掴まれました。スペルカード奪われました。

 

 

「逃げちゃ駄目だぜ~祠弥~!」

 

 

破られました。

 

 

「…何て事をしてくれたんだお前はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「も~逃げられ無いわよ~。」

 

 

紀流は、生まれて初めて心の底から震え上がった…

 

 

「さ~さ、ぐーっといっちゃって!ぐーっと!」

 

 

恐怖と絶望から涙すら流した…

 

 

「な~に泣いてんのよ~。」

 

「そんなに嬉しいのか~?」

 

 

紀流は最早、逃げる気力を失っていた…そして。

 

 

「…ええい、くそ!もうどうにでもなれぇぇぇ!!!」

 

 

そう叫んで霊夢の差し出した一升瓶(!?)をひっつかみ、一気に飲み干した。

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