春よ、頼むからさっさと来い(懇願)
オッス!オラ紀流!
只今幻想郷は春真っ盛りだ…暦の上では。
桜の花びらの代わりに何故か雪が降ってくるぜ!
さて、俺は今現在何をしているかというと…
「祠弥ー!ありったけの雪玉を喰らえー!!」
「倒すのかー!」
…そう、チルノ達と雪合戦中だ。
高校生にもなって雪合戦…って思っただろ?
実を言うとだな、俺が転生前に住んでた所って全く雪が降らなかったんだ…
だからな…
俺は飛んできた雪玉をすべて避ける。
「なんだとー!避けられたっ!?」
「…どうした?その程度ではこの俺には当てられんぞ。」
「…ぬぬぬぬぬ…調子に乗るなよ、このやろー!!」
「絶対当ててやるのだー!」
「来いよ…。」
絶賛ハイテンション中だぜぇぇぇっ!ハハハハハァ!!!
「…。」
「…。」
妖精達と楽しそうに雪合戦に興じている紀流。
それを炬燵の中で、呆れ顔で見ながら喋っている人が二人。
博麗 霊夢と霧雨 魔理沙…
「全く、馬鹿な人間ですね。」
「…なんであんたがいんのよ。」
…いや三人目、
さて、彼女達の喋っている内容は…
「炬燵で食べるミカンは美味しいですね。」
「…紅魔館のメイド長が何の用…っていうかいつ入ってきたのよ?」
「時間止めて入ってきたんですよ。それぐらい分かるでしょう。」
「…相変わらずむかつく喋り方ね…」
「別にいいだろ霊夢、炬燵は減るもんでもないし…」
「ミカンは減るじゃない。」
「……。」
…と、まあこんな感じである。
「それで?何で来たの?」
「連日の大雪で館の食料がつきかけたので、
人里まで行って買ってきたんですよ。その帰りです。」
「…あんたの館と私の神社の位置は全くといって逆方向なんだけど…」
「あ、そう言えばそうですね。気づきませんでした。」
「…お前どれだけ方向音痴なんだよ…」
「いえ、方向音痴だったら館のなかで迷います。
荷物があまりにも多かったので、あの人間の力でも借りようかと思ってわざわざ来たんです。」
咲夜はそう言い、持ってきた荷物を指差す。
その量は尋常ではない。目測数十キロ程だ。
「ちょ、多すぎだろ!?」
「これでも少ない方ですよ。酷い時はこれの倍ですから。」
「まじかよ…確かにこの量は誰かに手伝ってもらいたくもなるぜ…」
「そうでしょう?」
「…こんだけの量の荷物を立地条件が死ぬ程悪いこの神社まで一人で持って来れたんなら、
あんたの館まで持って帰るくらい簡単じゃないの?」
ちなみに、博麗神社は小さい山の上に建っている。そのおかげで参拝客はあなど来ない。
「…あ、確かにそうだな…」
「盲点でしたね。」
「あんたちょっと間抜け過ぎない…?」
「滅相もありません。
…あ、人間が何か大暴れしてますよ。」
「…もの凄くあからさまだぜ…」
「…もうどうでもいいわ。」
霊夢はため息をつき、大暴れしている紀流に視線を移した。
「…もう終わりかぁ?」
「…ギブアップ…」
「負けたのだー…」
「勝ったッ!雪合戦、完!!」
勝った俺が喜びのダンスを踊っていると…
「く、喰らえー!」
「ほう…誰だ?」
何処からか雪玉が飛んできた。もちろん、綺麗にかわす。
飛んできた方向を見ると、意外な人物が雪玉を持って構えていた。
「大妖精…か。」
「よ、妖精を甘く見ない方がいいですよ…っ!」
「中々やるじゃないか。だが、妖精が何人いようと同じ事…
まとめて雪の中に送ってやる…。」
「ひっ…」
「フン、後悔するなよ!!」
…その後、大妖精は僅か五秒で雪に埋もれました。
「妖精にしてはよく頑張ったな…ハハハハハ!」
いやー、雪合戦最高!もっとやりたい!!誰かいないかな…
…決めた!
「何故かいる咲夜!俺と勝負しろっ!!拒否は出来んぞ!!!」
「…祠弥、ぶっ壊れ過ぎだろ…おかしいぞ。」
「はしゃぎ過ぎね…」
「…別にいいですよ。受けて立ちます。」
「「え”!?」」
「上等だ…かかってこい!咲夜!!」
「全力でいきますよ!!」
従者&紀流戦闘中…
「…二人ともばっかねえ…子供っぽい…」
「まあ、あの二人は遊ばせておいて…
霊夢、春だってのにこの雪の積もりっぷりはどう考えてもおかしいよな?」
「…そうね。また『異変』かしら?」
「十中八九、そうだろうな。
久しぶりに異変解決と行くか!」
「あんたと二人で?遠慮しとくわ。」
「…祠弥と咲夜も連れて行くか?」
「それならいいわよ。」
「…………。」
黙り込んだ魔理沙を尻目に、霊夢は炬燵から出ていそいそと出かける準備をし始める。
魔理沙も仕方なく立ち上がって荷物(箒)を手にとって靴を履き、外に出た。
「…寒っ…」
思わず縮こまる。何せ雪が降っているのだ、寒いのは当然だろう。
そんな中、元気に戦っている人達もいるわけで…
「どらららららららららっ!!!」
「傷魂『ソウルスカルプチュア』!!!」
「…元気だな、あの二人。」
二人の雪合戦を観戦していると、後ろから声をかけられる。
振り返るとそこには、お祓い棒とお札で完全武装した霊夢が立っていた。
「準備できたわよ。さっさと行きましょう。」
「分かった。
…おい、二人とも!」
「「何だ?」ですか?」
「異変を解決しにいくぜ。」
「…随分と唐突だな…そもそもこの雪って異変だったのかよ…
まあちょうど退屈してたし、行ってもいいぞ。」
「私も、そこの人間と同じ考えです。」
「…いい加減『人間』呼ばわりはやめてくれないか?」
「だって人間じゃないですか。他にどう呼べと?」
「…ほらそこ、喧嘩してないでさっさとしなさい。」
「もたもたしてると置いてくぜ!」
霊夢と魔理沙が雪空に飛び立ち、それを紀流と咲夜が追っていく。
かくして今回の異変…
後に「春雪異変」を解決するメンバーが、博麗神社から飛び立ったのだった。
「…あたい達を置いてくなー!」
「諦めるのだー。」
「祠弥さん…強すぎ…」