「…寒いな。」
「「「…。」」」
「なあ…大丈夫なのk(ry
「うるっさいわねえ!!寒さの事は考えないようにしてるんだから黙ってなさいよ!!!」
「…すまん。」
「これぐらいの寒さで喚かないで下さいよ、鬱陶しい。」
「あんたの温度感覚はおかしいのよ!
半袖でミニスカって正気じゃないでしょ!!」
「…腋出してる霊夢も十分おかしいだろ…
私は長袖にマフラーのフル装備でもまだ寒いのに…」
…オッス!オラ紀流!
今現在、雪の中をあてもなくさまよっている所だぜ!
…あれ、あてがない?マジで?
「なあ、霊夢?」
「何よ。」
「どこか行くあてあるのか?前の異変は分かりやすかったが、
今回は幻想郷全域が大吹雪、しかも原因が何なのかも分からないんだぞ。」
「…馬鹿ねぇ、あてなんてあるわけ無いでしょ。」
…え?
「異変調査は毎回ゼロからのスタートだぜ。
前の異変はラッキーだった方だな。」
「まあ怪しい奴をぶっ倒して話を聞いていけば、大体黒幕の所に着くけどね。」
…博麗の巫女理論、恐るべし。
「…滅茶苦茶な考えですね…」
「結構効果的で確実な方法なのよ?
…ほら、早速来た。」
霊夢が前を指差す。俺と魔理沙、咲夜がその方向を見ると…
「くろまく~♪」
…本当に何か(誰か)来た。
白髪蒼眼に謎の帽子、上下青色(下はスカート)の服の女の人が来ました。
俺は驚き、思わず訊ねる。
「…誰だお前は!?」
「普通の黒幕よ?そう言ったじゃない。」
「黒幕の方からわざわざ来てくれるなんて…
今日はついてるわねぇ…フフフ…」
「…霊夢、顔が完全に悪人だぜ。」
「そうもなるわよ。
出てきてもらった所悪いけど、さっさと倒されてくれる?黒幕さん。」
霊夢が失礼この上ない質問をすると、黒幕さんも流石に嫌そうな顔をした。
そりゃあそうだ、来た後すぐに死刑宣告って…
「…私も片手間で片付けられたくは無いんだけど。」
「じゃあ精々頑張って抵抗しなさいよ。
そうした方がこちらのウォーミングアップにもなるから。」
「私も、随分と舐められたものね…」
「悔しかったらかかってきなさいよ。」
「…っ。」
霊夢はいつにもまして挑発しまくる。
酷い…魔理沙との喧嘩よりも内容が酷い…黒幕さん涙目になってるよ。
俺は耐えかねて霊夢を止めようとしたが、魔理沙に肩を掴まれる。
「止めとけ、祠弥。霊夢は今、寒い事への不満で一杯だからな。
下手に止めると、とばっちりを受けるかもしれないぞ?」
「放っておいた方がいいと私も思いますが。」
冷静というかむしろ非情だな…酷い酷い。
俺が二人を見ながら呆れていると、前方からスペルを発動する声がした。
「寒符『リンガリングコールド』!」
あ、黒幕さんのスペルか。どんな感じなんだろ?
黒幕さんは右手をかざし、ちょうど俺のビッグバンアタックサイズの弾を形成して発射する。
それと同時に左手を使って白い弾幕を辺りに撒き散らし、霊夢の逃げ道を無くしていく。
…っていうか白い弾幕が見えにくい!流れ弾に当たる!
「へえ、中々面白いスペルを使うじゃない。
私もやらせてもらうわよ。夢符『二重結界』!」
霊夢はそういい放ち、自身の体を結界で囲って飛んでくる弾幕を掻き消していく。
黒幕さんは驚いたようだが、すぐに次のスペルカードを手に持つ。
「まだやるつもり?分かりきった事だと思うけど、
あなたの弾幕程度のパワーじゃ私の結界は壊せないわよ。」
「ええ、分かってるわ。なら…」
そう言った瞬間、黒幕さんの姿は消えた。
次に気づいたときには。
「…中からならどうかしら?」
「なっ!?」
「油断したわね!冬符『フラワーウィザラウェイ』!!」
黒幕さんは、霊夢の真後ろに立っていた。
彼女がスペルを発動すると、彼女を中心として巨大な雪の結晶が形成される。
それは先っぽから沢山の小さな雪の結晶になり、霊夢に襲いかかっていく。
流石の霊夢もこれに動揺して、弾幕を避けるがままになってしまった。
「…あまり冬の妖怪を舐めないほうがいいわよ?」
黒幕さんは得意そうだ。
だが、油断していたのは彼女の方だった。
「まさかスペルを二枚使う事になるとはね…誉めてあげるわ。
けど、もう終わらせるわよ。霊符『夢想封印 散』!」
そう霊夢が言うが早いが、たちまち黒幕さんの周りを無数の虹色に光る弾が囲む。
そして無慈悲にも、その虹色の弾は彼女に全弾命中して大爆発を起こした。
「…結構手強かったわね。妖怪に対しての認識を改めようかしら?」
落ちていく黒幕さんを見て、霊夢はこう呟いた。
~数分後~
「…う~ん…あれ?」
「あ、起きた。良かった良かった…
霊夢の攻撃をモロに喰らってたから心配になってな…」
あの後地面に落ちた黒幕さんが中々起きなかったので、俺は今まで様子を見ていたのだ。
霊夢に文句を言われまくったが。
「…私は大丈夫。」
「それは良かった。」
黒幕さんの無事を確認してほっとしていると、霊夢が大声で俺を呼んだ。
「祠弥ー!さっさと先に行くわよー!
そんな妖怪に構ってないで早く来なさい!!」
「…霊夢、本来お前が祠弥みたいにしないといけないんだぜ…」
「…連れが呼んでるんで、もう行きますね。」
俺が空に浮かんで飛び立とうとすると、黒幕さんに呼び止められた。
「あの…名前は?」
「え?紀流 祠弥だ。お前は?」
「…レティ・ホワイトロックです。」
…また凄い名前だな…
「じゃ、俺はこれで。」
「あ、はい。ありがとうございました。」
「どういたしまして。」
黒幕さん改めレティにお別れをいい、俺は雪の中霊夢達を追った。