「…え、死んだって?」
「そうだよ♪飲み込み早いね♪」
「えええええええ!?どういう事だよっ!」
「おおにんげんよ しんでしまうとは なさけ ない…」
俺はすっかり気が動転してしまい、そいつの肩を掴んで揺さぶった。
「ここは何だ!何故俺は死んだ!そしてお前は誰だっ!」
「いっぺんに質問すんなよ、めんどくさいから♪まっ、答えてあげるけどね♪
最初から順番に…天国への道、電車の事故、神様だよ♪」
「はあっ!?お前神様なのか?」
「そう言ったじゃん♪疑うなよ♪」
俺はそいつ(神)の肩から手を離し、頭を抱えた。訳が分からん。
その間にも、神は流暢にぺらぺらと喋り続けている。
「本来なら君はさっさと天国に逝くべきだけど、
今回の事故は僕のミスだからね、転生させてやるよ♪」
「…転生?」
…ちょっと待て、転生って何だ?
「ちなみに転生先は幻想郷ね♪もちろん、僕の独断で決定したのさ♪」
……ちょっと待て、幻想郷って何だ?
「何か欲しい力ある?一つだけだよ♪」
「…おい、ちょっと待てよ神様…」
「早く決めてくれよ〜、こちとらいつまでも君に構っているわけにはいかないんだからな♪」
…聞いちゃあいない。けど、欲しい力をくれるのか。そうだな…
「…ドラゴンボールの技を出せるようにするとか出来るか?超サイヤ人とか含めて。」
「朝飯前さ♪そんな事でいいのかい?安上がりだねえ♪ほらよっ♪」
神は指を鳴らした。
何も無い空間に、パッチンという音だけが鳴り響く。
「出血大サービスで、君が頭で考えるだけで技を出せるようにしたよ♪
但し、威力とかは君次第さ♪」
…え、今ので終わりかよ!?本当に使える様になったのか!?
「何馬鹿みたいに突っ立ってんの?
折角願いが叶ったんだから、双手を挙げて万々歳三唱ぐらいのリアクションはしたらどう?」
「お、おう…」
「分かった?理解バッチリ?状況把握は完璧?
じゃあ、いってらっしゃい♪」
そう神が言うと、体がいきなり下がり始めた。
そのスピードはぐんぐん上がっていき、神の姿は遠ざかっていく。
そうだ。最後に聞いておきたいことがあった!
俺は目一杯声を張り上げ、叫んだ。
「幻想郷ってどんな世界なんだあっ!?」
返事はこうだった。
「自分で見てのお楽しみ~っ♪」
あぁぁぁぁんまぁぁぁぁりだあぁぁぁぁっ!!!!!
そして次に気がついた時は、俺はもう神社の前にいた。
後は皆も知っての通り。
「…以上だ。」
俺は話し終えた。
「へえ…転生、ね。面白いじゃない。」
霊夢は興味津々のようだ。当然と言えば当然か?
「それにしても…随分とひどい神様ね。赤の他人の私が聞いてるだけでもイライラするもの。
祠弥はよく怒らなかったわねえ…。」
「まあその時は気が動転してたからな。いつもの俺ならプッツンしてるよ。」
霊夢に話して、今改めて考えてみればすごく一方的だったなと改めて思う。
…くそ、一発殴っとけばよかった。
「まっ、とにかくあなたの事情は分かったわ。」
「そりゃあ良かった。さてと…」
俺は立ち上がる。すると、霊夢が不思議そうな目で俺を見てきた。
「どうしたの?トイレ?それなら廊下の突き当たりよ。」
「いやいや、トイレじゃない。そろそろおいとましようと思ってな。」
「え?何言ってんのよ。この神社に住んで良いわよ。」
「えっ?」
「ただし、掃除とかの家事は手伝ってもらうからね。」
何と、思わぬ住居発見である。
「…いいのか?俺みたいなのを。」
「大丈夫よ。いくら私でも宿無し人を追い出すなんて流石にしないわよ。」
…流石に?何か引っかかるな…まあ、いいか。
ここは霊夢の優しさのお世話になるとしよう。
俺は再び座った。霊夢がにっこり笑って声をかけて来たので、俺も言葉を返した。
「これから宜しくね、祠弥。」
「こちらこそ、霊夢。」