「…さあ、第二ラウンド始めっか。」
「お前…飛べたのか!?」
オッス!オラ紀流!
今現在俺は「舞空術」で空を飛んでいる。テンション上がってくるなおい!
俺は気分の高揚を抑えられず、思わず叫んだ。
「私は鳥よーっ!」
「ふぇっ!?」
魔理沙がびっくりして変な声を出したが、気にしている暇は無い。
いや、だって俺今空飛んでるんだぞ。普通嬉しいだろ?
よーし、このままの勢いで勝利してやる!
俺は魔理沙に向かって指を立て、大胆不敵にもこう宣言した。
「…三分だ。」
「!?」
「三分以内に皆殺s…じゃない、勝負決める。」
「…何だって?」
魔理沙の様子が変わった。目付きが少し鋭くなり、言葉も少し刺々しくなる。
「…祠弥。」
「?」
「私にも一応、私なりの誇りってもんがあるんだ。」
…あ、ヤバい。主に声がヤバい。
「…私としても新参者の祠弥に負けるわけにはいかないからな!
本気で行くぜっ!」
そう言うと魔理沙は帽子の中に手を突っ込み、引っこ抜く。
その手には「何か」が握られていた。俺は目を凝らしてよく見ようとしたが…
「恋符『マスタースパーク』!」
「…ん?」
俺が見ていると、魔理沙はその「何か」を俺に向かって突き出してきた。
すると。
「吹っ飛べ―っ!」
魔理沙が叫ぶと同時に、虹色の極太レーザーが俺に向かってブッ飛んできた。
「待て待て待て待て!」
「待たないぜ!」
落ち着け!落ち着くんだ俺!
何かあのレーザーに対抗出来る技は無いか!?
あ、閃いた!やっぱりこの技だろ!
俺は両腕を同時に後ろに引き、エネルギーを溜め始める。
「波符『かぁ~めぇ~はぁ~めぇ…』」
「もう遅い!私の勝ちだっ!」
確かに、魔理沙の言っている事は正しい。
このままだと俺が撃つ前に確実に魔理沙のレーザーが直撃して負ける。
…真っ向勝負すればだが。
「『瞬間移動』!!」
瞬間、レーザーの進行方向上から紀流の姿が消えた。
「なっ!?」
「後ろがガラ空きだぞ!」
「うっ!?」
魔理沙が咄嗟に振り向くと、既にエネルギーを限界まで溜めていた俺と目が合った。
俺はにやっと笑い、改めて技名を叫ぶ。
「波符『かめはめ波』!!」
俺のフルパワーの一撃が、魔理沙に炸裂した。
「…完敗だぜ。」
「…そ、そうか、俺の勝ちか…」
今現在、俺と魔理沙は二人仲良く地べたに寝転がっている。
二人で青空を見上げていると、足音が近付いてきた。
「何二人で寝っ転がってんのよ?」
「霊夢…。」
霊夢さんのご登場だ。
「結果は祠弥の勝ちよ。残念だったわね、魔理沙。」
「分かってるぜ…なあ、祠弥。」
「…………。」
「あれっ?祠弥?」
「………zzz…」
「…寝てるし。」
「力の使いすぎよ。まったく仕方無い奴ねぇ。
…祠弥、起きなさい!」
「うわあぁぁぁぁ…何だぁ?」
「掃除の続き。」
霊夢はそう言って、俺に箒を差し出してきた。
「…えぇぇぇぇぇぇ…今の俺に掃除しろと…。」
「やりなさい。」
「…分かったよ、よいせっと…。」
俺は立ち上がり、霊夢から箒を受け取る。
「くっそ…面倒臭い。嫌だ…」
「文句言わないの。」
魔理沙も立ち上がり、俺の肩を叩く。
「まあまあ、私も掃除手伝ってやるから。」
「…俺の全力の一撃喰らったのによく動けるな…。」
「ふふーん♪凄いだろ。」
「…魔理沙、あんたは瓦礫の整理。」
「ええっ、あの量を一人で!?」
「当然じゃない。さっ、早く。」
「うぇえええええ…」
「…掃除終わったら手伝ってやる。」
「…祠弥、助かるぜ…」
「…早くしなさい。」
「「分かったよ。まったくうるさいな…」」
「そこでハモるな!」
その後、結局霊夢も手伝ってくれた。良かった良かった。
幻想郷にある「霧の湖」の畔。そこにある紅い館には、吸血鬼が住むと言う。
そしてその館の主は、幻想郷全土に大混乱を引き起こす事になる。
「…さあ、始めましょう。この私が幻想郷を統べるための異変を。」
館の主が空に手をかざすと、空が紅く染まり始める。
「…幻想郷から太陽の光は…」
館の主は口角を吊り上げた。
「…永遠に消える。」
…紅霧異変、始まり始まり。