東方有無録   作:印鑑

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第八十話目。我ながら長く書いてきたものである。
ゆっくり読んでいってね!


追憶と現在(いま)~最後の切り札は幻想郷の『力』

「…ねぇ。」

 

「ん、何だい?」

 

「…まだ着かないの?」

 

「そうさねぇ…ま、後ちょっとで着くさ。」

 

 

様々な季節の花が一斉に咲き乱れるという、不思議な異変が起こった幻想郷。

その空は異変など露知らず、何処までも晴れ渡っている。

 

 

「…一瞬で着く、って言ってたわよね?」

 

「本調子ならね。

けど生憎今日のあたいはお疲れぎみ、本調子なんて出したくても出せないのさ。」

 

 

その空を、高速で移動している者達がいた。

一人は死神の『小野塚 小町』、そしてもう一人は『西行寺 幽々子』の魂。

幽々子は現在人魂の状態であり、人型として見、また話す事が出来るのは小町だけである。

 

 

「…さて、このままだんまりで着くのを待つってのも退屈だし、

少しばかりお前さんの話でも聞かせてもらおうかね♪」

 

「…最初からそれが目的だったんでしょう?」

 

「失礼な、渡す死者と話す事はあたいの専売特許だ。

そもそも四季様直々に仕事を頼まれるお前さんの事だ、あたいの考えなんて普通に見破れるだろ?

むしろ、最初から『誰かに自分の話を聞かせる』事が目的だったんじゃないのかい?」

 

「…そんなのはあなたの妄想よ。私は誰にも自分の過去についてなんて話したくない。

私の過去は、誰も知らなくて良いの。」

 

 

小町に視線を合わせず、幽々子は生気の無い目でそう呟く。

予想以上に相手のテンションが低い事に小町は不意をつかれ、溜め息をついて再び口を開いた。

 

 

「はぁ~…たまに四季様と会う時とは大違いの態度だね。

普段のお前さんは…もっとこう…ふわふわ?って言うのかねぇ…ゆるかったじゃないか。

心ではどう思ってたのかは分からないけど、あたいにはそう感じたよ。」

 

「…それはあくまでもあなたが想像している私の姿。

本当の私とは大きくかけ離れて…」

 

「そりゃあそうだろうさ、私は人の心を見透かす事なんか出来ないからな。

万人がやっている様に、外見と雰囲気で判断してるだけ。」

 

「…。」

 

「だからこそ、こうして聞こうとしてるんじゃないか。

『本当の』お前さんは一体どんな奴なのか、ってな。」

 

「…私の本当の姿…そうね。

敢えて言うなら『無差別な殺人鬼』って所かしら?」

 

「おぉっとぉ、こりゃまた大層な大罪人を連れてきちまったもんだ!

で、何でまたそんなおっそろしげなお名前を名乗ってるんだい?」

 

「…私ね、人を殺したの。

いっぱい、いっぱい。良い人も、悪い人も。区別なく。」

 

 

淡々と言葉を続けていく幽々子の顔は、気のせいか先程よりも明るい。

その姿を見つつ、小町は何となく自分が感じていた違和感の正体に気づき始めていた。

 

 

「…今気づいたが、普段より少しばかり口調が幼いねぇ…

まさか、この子は封印された時の…」

 

「みーんな死んで、誰も居なくなった。

で、最後に私はどうしたと思う?自分を殺したんだよ?

こんな私に殺人鬼以外、どんな呼び名が当てはまるっていうの?」

 

「『亡霊のお嬢様』しか思いつかないねぇ。」

 

「あ、またそう呼んだ。

確かに私はお屋敷に住んでたよ、けどそれだけで『お嬢様』は無いんじゃない?」

 

「殺人鬼以外の呼び名、って言ったのはそっちじゃないか。」

 

「…。」

 

「はは、言葉に詰まっちまったと見えるね。

そら、もう少しでお待ちかねの場所に着くよ。」

 

 

小町の視線の先には不自然に黒く染まった空があり、時折光が瞬いている。

近づいていくにつれ、光の正体は次々と起こる小さな爆発によって生じている物だと分かった。

 

 

「こんな物騒な所に来たがるなんて、お前さんも相当物好きだねぇ。」

 

「それはお互い様でしょ、このサボり死神さん。」

 

「ハハハ、真っ向から言われるのは堪えるな…四季様そっくりだよ。

…どんな状態であろうと、彼女は彼女、か…」

 

「ほら、もっと近くに行ってみましょうよ。」

 

「無茶言うない、爆発に巻き込まれたら痛いよ?」

 

「死んでるのに『痛い』も何もあるものですか。

ほら、行くわよ!」

 

「…はぁ…」

 

 

小町は勇んでいる幽々子の背後に近づき、頭を軽く小突く。

 

 

「ん…」

 

「お前さん、死人をあまり便利なもんだと思わない方が良いよ。

お前さんはこうしてあたいと話しているが、実際は只の魂に過ぎない。

その存在は、かつてお前さんが人間だった時よりも遥かに脆弱な物になっている。

あたいと喋れているのも、あたいが死神だからってだけなのさ。」

 

「…」

 

「ここからじゃ何が起こってるのか良く分からないし、もっと近くに行ってみるかい?」

 

「…ええ。」

 

 

頷いたきりまた黙ってしまった幽々子を連れ、小町は黒い空へと近づいていく。

その空の下で何が行われているのかを、何となく予想しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「散弾『トラップシューター』!!!」

 

 

オッス!オラ紀流!

今現在俺達は、幻想郷の気を吸い尽くそうとしている西行妖と戦っている所だ!

妖精達という思わぬ味方も得て正に破竹の勢いだぜ!!

 

 

「「「「「ソンナナンジャクナダンマクデ、ワレラヲトメラレルトオモウナァッ!!!」」」」」

 

「はん、お前達なんか何時でも止められらぁ!

まず止めるべきは…」

 

「「お前のスペルだっ!!!」」

 

「♪」

 

 

俺が叫んだのを合図とし、魔理沙と幽香さんが俺の後ろから飛び出る。

勿論、そのスペルと傘に限界まで気を溜めた状態で。

 

 

「儀符『オーレリーズサン』!!」

 

「そー…れっ!!!」

 

 

そして二人は、虹色の連続光線と白い光弾を反魂蝶に向かって解き放った。

西行妖は一瞬面喰らった表情をしたが、直ぐに扇子を振って蝶を集め、壁を作り出して防ぐ。

 

 

「「「「「ソンナチャチナコウゲキガツウヨウスルト、ホンキデオモッテイルノカ?

イイダロウ、ナラバソノコウゲキゴトキサマラヲ…!!!」」」」」

 

「残念だったな!

お前への攻撃方法が『弾幕』だけだと思ったら、大間違いだぜ!!!」

 

「「「「「フン、ナニヲホザイテ「人符『現世斬』っ!!!」…ッ!?」」」」」

 

 

西行妖は魔理沙の言葉を鼻で笑おうとしたが、

右側から妖夢が刀を構えて突っ込んできたのに驚いて口を閉じ、持っていた扇子で受け止めた。

 

 

「第二の有効的な攻撃、それは『直接攻撃』です!

現に私の刀を貴様らが受け止めた時、私は気を吸われませんでしたからね!!」

 

「「「「「キ…キサマ…アァッ!!!」」」」」

 

 

西行妖は扇子を目一杯振り、妖夢を吹き飛ばして反魂蝶の方へと飛ばす。

しかし妖夢は慌てずに素早く腰に刀を収めて瞬時に抜き、その衝撃波で後ろの蝶を切り裂いた。

 

 

「そんな見え見えな戦法、私には通用しませんよ!」

 

「「「「「コノ、チョコマカトッ!」」」」」

 

「…直接攻撃が効くとは、良い事を聞いたな。

拳が効くなら、私も役に立てそうだぁっ!!!」

 

 

その言葉と同時に、今度は霊武が西行妖の左側から拳を構えて突っ込む。

 

 

「「「「「チ…イッ!!!」」」」」

 

 

西行妖は扇子を投げ捨てて左手を開き、霊武の拳に向かって空間が歪む程の気を放つ。

それとほぼ同時に霊武も拳を開いて気を放出した為、互いの服の袖が綺麗に千切れて吹き飛んだ。

 

 

「…ちっ、これでは霊夢に殺される…」

 

「「「「「ソノマエニワレラガコロシテヤルッ!!!」」」」」

 

「現時点で私を殺す権利があるのは霊夢だけだぁっ!!!」

 

「「「「「ダマレェェェェェェェェェッ!!!」」」」」

 

 

西行妖は怒号と共に妖夢の方へ向けていた右手に気を溜め、霊武の顔目掛けて炸裂させる。

堪らず霊武が目を瞑った隙を突き、西行妖は追撃をかけようと霊武に詰め寄ろうとするが…

 

 

「毒符『神経の毒』ーっ!」

 

「審判『十王裁判』!!」

 

 

西行妖の動きよりも速く下から七色弾幕と紫色の霧が飛び、壁となって西行妖の行く手を阻んだ。

 

 

「「「「「ヌウゥゥゥゥゥゥッ…!!」」」」」

 

 

西行妖はその顔を憤怒の表情に変え、殆ど直角に首を曲げて下にいる二人を睨み付ける。

 

 

「おー、怒ってる怒ってるー!

どうしたー、そんな顔じゃあ閻魔様には到底敵わないぞー!!」

 

「…少し個人的に話したい事があるので、貴方も二次会に参加しませんか?」

 

「え、良いんですか!わーい♪」

 

「…ええ、歓迎しますよ…っ♪」

 

「「「「「エンマゴトキガ…ワレラノジャマヲスルナッ!!!」」」」」

 

「「「それーーーっ!!!」」」

 

 

西行妖は両手に気を溜めて下の二人に放とうとしたが上から降ってきた膨大な弾幕に気を取られ、

思わずその気を上空に向かって発射して弾幕を掻き消し、撃った妖精達ごと弾幕を弾き飛ばす。

 

 

「「「うわーーーっ!?」」」

 

「「「「「…ドイツモコイツモ、ワレラノジャマバカリ…シヤガッテェッ!!!

コウナッタラ、キサマラマトメテミナゴロシダァァァァァァッ!!!」」」」」

 

「…今のあなたじゃ、ここにいる誰も殺せやしないわよ。」

 

「幽香!?お前一体何言っt…「五月蝿い。」…むぐ…」

 

 

幽香がぼそっと呟いた一言に魔理沙は驚愕して口を開くが、

三秒もしない内にその口は幽香によって塞がれた。

 

 

「…いくらあなたが馬鹿でも、

これだけ長時間戦ってればあいつの弱点ぐらい自然と見えてくるでしょう?」

 

「…はぁ…何だよ、弱点って…」

 

「あいつらの力は確かに強いが、どうやら一度に複数の相手に対応する事は出来ない様だ。

その証拠に、先程の私達の波状攻撃にそれまでの行動を中断して一々対応し直しているからな。」

 

「それが見えた紀流は、こう考えたのよ。」

 

 

 

 

 

「あいつらが私達に気を取られている内に、『とっておき』を撃つ準備をしておこうってね♪」

 

「とっておき…ってぇ!?」

 

 

魔理沙が最初に見上げ、それに釣られて他の皆も見上げたその先には…

 

 

「…波符『かーめー…」

 

 

両手を後ろに引いて合わせ、その間に青い気をゆっくりと溜めている紀流がいた。

その目は真っ直ぐと西行妖の『本体』、すなわち『木』を見据えている。

 

 

「「「「「ナッ!?ソウハサセ…チイッ!!!」」」」」

 

 

西行妖は直ぐ様紀流の意図に気付いて蝶を向かわせようとするが、

紀流には反魂蝶による攻撃が効かない事を思い出し、舌打ち後に自ら紀流の元へ向かおうとする。

だが、しかし。

 

 

「行ーかせーませーんよー!!!」

 

「祠弥のもとへ行きたいなら、このあたいたちを倒して行くんだなー!!!」

 

 

上空からの声と共に、リリーホワイトとチルノが西行妖の目の前に立ち塞がった。

リリーは相手に背を向け、背中から赤と青の弾幕をこれでもかとばかりに放出して攻撃。

チルノもそれに負けじと氷弾を発射して滅茶苦茶に飛び回らせ、共に西行妖の行く手を阻む。

 

 

「幻想郷の春をしっちゃかめっちゃかにしたお前が幻想郷を滅ぼそうだなんて、

迷惑にも程があるんですよー!!!」

 

「「「「「シッタコトカァァァァァァッ!!!」」」」」

 

「知って下さいよー!!!」

 

「まったく、馬鹿なやつだなー!

死んでるくせにまだ馬鹿なんて、生きてるときは今よりもっと大馬鹿ものだったんだろ!!

『馬鹿は死ななきゃ直らない』ってけーねが言ってたからね!!!」

 

「慧音先生も喜んでるよ、チルノちゃん!

さあ、ルーミアちゃんもあいつに攻撃して!!」

 

「やけくそなのかー?」

 

「『がむしゃら』だよ!」

 

「そーなのかー。夜符『ナイトバード』!!」

 

 

妖精二人の猛攻に更に大妖精の楔形弾幕とルーミアの黄色と緑色の波状弾幕も加わった為、

西行妖はどうする事も出来ずにその場で留まる他無くなった。

その間にも紀流の掌にはどんどん気が溜まっていき、やがてその輝きは最高潮にまで達する。

 

 

「…はー…」

 

「「「「「…イイキニナルナヨ、ニンゲンッ!!!」」」」」

 

 

そして紀流のスペルが放たれるまで後数秒という場面で、西行妖は突如気を高め…

…リリー達が作り出した弾幕の壁に突っ込み、強引に包囲を突破した。

 

 

「あいつ…!

くそっ、行かせてたまるか!魔符『スターダストレヴァリエ』!!」

 

「…懲りない奴等ね…花符『幻想郷の開花』!!」

 

「「「「「ムダダァァァァァァッ!!!」」」」」

 

 

その動きにいち早く反応した二人はスペルを放つが、

西行妖は攻撃が届く前に残っている反魂蝶を全て集めて巨大な筒を作り出し、

それを紀流の元まで伸ばしてその筒の中を突っ切っていく。

二人のスペルは反魂蝶に直撃して大爆発を起こしたものの、本体を仕留めるまでには至らない。

 

 

「「「「「ココマデダナ、ニンゲンッ!!

ワレラノチカラヲミクビッタコトヲ、アノヨデコウカイシツヅケルガイイ!!!」」」」」

 

 

西行妖は勝ち誇った声をあげた後、両手に膨大な量の気を溜めて紀流に向けて放つ。

その威力は霊武に放った物とは段違いに強力であり、命中すれば人間など一瞬で木端微塵だろう。

…例えその人間が、紀流の様な者であったとしても。

 

 

「…めー…」

 

 

しかし、紀流は避けようとしない。

仮に今回避行動をとったとしても、どのみち間に合わないだろうが。

 

 

「よ…避けろ、祠弥ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「あたい以外のやつに倒されちゃ駄目だ、祠弥ー!!!」

 

「霊夢に何て言い訳するつもりだあっ!?」

 

「「「「「カッタァッ!シネェェェイッ!!!」」」」」

 

 

魔理沙とチルノと霊武が悲鳴に近い叫びを、そして西行妖が勝利の雄叫びをあげるのと同時に、

紀流はゆっくりと目を閉じ…

 

 

「『瞬間移動』」

 

 

スペルを発動し、瞬時に西行妖の後ろへと移動した。

西行妖は一瞬目標を見失って戸惑ったが、直ぐに紀流の気配に気づいて体を回そうとする。

だが、咄嗟に回せたのは首だけであり…

 

 

「…波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ』!!!」

 

 

身体全てを紀流の方へと向けた時には、既に眼前まで青い極太光線が迫っていた。

時間をかけて気を溜めに溜めた紀流のかめはめ波は、そのまま西行妖を呑み込んで直進し…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西行妖の『木』の巨大な幹にぶち当たって爆ぜ、着弾点よりも上の部分を消し飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

「…さっきからずっとぽっかーんとしたままだけど、一体どうしちまったんだい?

自分の住んでいた場所が戦いの場になっていた事がそんなにショッk…」

 

「そんな事はこの際二の次よっ!!!

私に瓜二つな奴が空飛んで戦ってる事にも驚いたけど、

その私もどきと戦っているあの人達は何なの!?人型の妖怪か、はたまた妖術の使い手か何か!?

特に男の子の撃った光!!!今の見た!?私もどきもろともあの巨大な桜の木を吹き飛ばしたよ!?

どうなってんのよこの世界は!?私はこんな奇々怪々な世界の住民だったの!?」

 

「…取り敢えず落ち着きなって、な?

こんがらがった頭で考えても何も進展しn…」

 

「羽生えた小人が飛び回っているのを見て『落ち着く』なんて出来るわけ無いでしょう!?

…いや、そもそもあなたが死神って名乗った時点で可笑しいと気づくべきだった!!

例えこの世に地獄があったとしても、あなたの様な人をわざわざ雇うとは考えられないしね!!!」

 

「う"っ!?」

 

「分かった、これは夢ね!

死ぬ間際に見えるっていう幻覚!!そうよ、そうに違いないわ!!!ねぇそうなんでしょう!?」

 

「…うぅ…幾ら何でもあんまりだよ…

確かに私は呑気だけどさぁ…そこまではっきり言わなくても…」

 

「ちょっと!私にとっての唯一の情報源はあなたなんだから、はっきり答えてよ!!

この映像は幻覚で、あなたやあの人達は私の頭の中にいる人物……ん?」

 

「…ぐすっ…分かったよ、お前さんの言う通りに働くから…

って、あれ?」

 

 

洪水の様に続いていた幽々子の言葉が突然止まったので、小町は潤んだ目を擦って顔を上げる。

幽々子は西行妖の幹からもうもうとあがる煙を眺め、何やらぶつぶつと呟いていた。

 

 

「…私の記憶する限りでは、あんな人達と会った覚えは無い…

けど、あの男の子には…謎の光を撃った所を見た事による印象操作を差し引いても…

…会った事ある気がする。」

 

「…え!?」

 

 

小町が驚いて思わず息を呑んだ事など露知らず、幽々子は口をもごもごと動かし続ける。

 

 

「でも、いつ会ったのかしら…

ずっと昔に会って今の今までその事を忘れていた様にも思えるし、

つい最近会ったけど印象が薄くてその場で忘れて、

今彼の活躍を見て『ああ、そう言えば』みたいな感じで思い出した様にも感じる…

…ああもう、一人疑い始めると皆会った事ある様に思えてくるわね…」

 

「……そうか…。

…忘れちゃいなかった、ってわけかい…」

 

「…あれ?

あなたとも何処かで会わなかった?」

 

「そうさねぇ…

ま、私が言える事は一つだけさ。」

 

「…何よ…」

 

 

首を傾げる幽々子に対し、小町は軽く咳払いをしてこう続ける。

 

 

「今お前さんが見ている世界は、決して『幻覚』なんかじゃない。

あたいだって、お前さんが言う『男の子』だって、確かに実在している。」

 

「…だから何よ?」

 

 

不機嫌半分、好奇心半分といった顔で小町の言葉を待つ幽々子。

その様子を見た小町は、少し微笑んで自分でも聞き取るのがやっとなほどの小声で呟いた。

 

 

「……お前さんは、忘れているだけなのさ。」

 

「え?何?声が小さすぎて聞こえなかったんだけど…

もう一回言ってもらっても良い?」

 

「残念、あたいはいっぺん言った事を二度は言わない主義なのさ。

そんなあたいの言葉を聞き逃すなんて、お前さんも罪な女だねぇ♪」

 

「…殺人鬼の私に何を今更…」

 

「…あ、そうだったね。」

 

「全く、あなたのせいで益々今見ている光景の正体が分からなくなったわ…

…あ!私もどきがまだ生きてる!!」

 

 

そう言う幽々子の視線の先には、木からあがっていた煙を撥ね飛ばしてその姿を現した者がいた。

表情までは見えないものの、その仕草は明らかに消耗している者のそれだ。

 

 

「お「全く、あんなの喰らわされて生きてるって正に化け物ね…

これじゃあ私のイメージが殺人鬼から不死身の化け物に変わっちゃうわよ…」…

…おーい「とにかく、あの男の子を見ていれば何か思い出せそうね!

さあ、さっさと私のそっくりさんを倒しちゃいなさーい!!!」…あのねぇ…」

 

 

小町は幽々子のテンションの不安定さに呆れ、突っ込みを入れようと彼女の頭に手を伸ばすが…

 

 

「…そいつがこれ以上、迷惑をかけない内に。」

 

 

幽々子が少し震えながらそう言ったのを聞き、頭に伸ばしていた手を止め、彼女の肩に置いた。

 

 

「大丈夫さ、あの子は負けないよ。

何せあの子はあたいの上司である四季様を倒した『最強の人間』なんだからね!

…負けてもらっちゃ困るさ。」

 

「…。」

 

「…今はとにかく信じるこったね。

『男の子』の事を。」

 

「…えぇ。」

 

 

幽々子はそう呟き、自身に瓜二つな者と対峙している『男の子』に目を向ける。

逆立った金髪頭をしている少年の背中は、気のせいか凛として見えた。

 

 

 

 

 

「…これはちょっとやばいかもな…」

 

 

…その少年がそう呟いていた事など、その時の二人には知るよしも無かったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「…ハァ…ハァ…

オノレ…ヨクモッ…!!!」」」」」

 

「…おいおい、冗談きついぜ…」

 

「ま…まじかよ…

祠弥の全力の一撃を喰らったっていうのに、まだ動けるのか!?」

 

 

幻想郷の正に『生死』をかけた戦い。

その戦いにようやく決着がついたかと思われたが、そんな事は全く無かった。

 

 

「…ですが、今の一撃で『あれ』の力は大幅に削がれた筈。

紀流さんを中心として総攻撃をかければ、今のあいつらならきっと倒せますよ!」

 

「果たしてそうだろうか…

確かに目に見える傷は増えたが、奴の気迫は全く衰えていない…

むしろ衰えるどころか、逆に上がっているんじゃないか…?」

 

「そ…そんなぁ…

では、もうあいつらを倒す術は無いという事ですか…?」

 

「『あいつらを倒す術が無い』?

全く、悪い方に考える事に関してはあなた達の右に出る者はいないでしょうね。

あなた達『二人』には無いだけでしょう?」

 

「…じゃあ、お前にはあるのか?」

 

「あるわよ♪

…けど、実行には移さないわ。」

 

「何故ですか?」

 

「何故って、それは…」

 

 

ここで幽香は一旦言葉を止め、少し前で西行妖と対峙している紀流に視線を向ける。

霊武と妖夢はそれを見て、一瞬だけ首を傾げたが…

 

 

「…あぁ、そう言う事でしたか。」

 

「分かったみたいね♪」

 

「…お前の『術』というのは、紀流に止められる様な内容だという事か…」

 

「そうよ。

ここまで来て紀流に退治されたんじゃ、流石に締まらないでしょ?」

 

 

幽香はそう言い、微笑む。

その顔からは少しばかり…いや、あからさまに不満が滲み出ている。

 

 

「…ふふ…そうだな。

また紀流に馬鹿扱いされるのも気に喰わないし…」

 

「ここは紀流さんに任せましょう!」

 

「あら、それで良いの?

あなた、『主人の体を乗っ取った不届き者は私が斬る』って言ってたわよね?」

 

「…良いんですっ!

私は紀流さんに『託し』たんですかr…ひゃあっ!?」

 

 

突如飛んできた衝撃波により、妖夢の言葉は遮られる。

衝撃波の出所は当然、間近で気をぶつけ合っている紀流と西行妖だ。

 

 

「…俺のかめはめ波を喰らった割には、まだまだ余力が残ってるみたいじゃないか。

お前の力はあの木から来てると思ったんで、纏めて吹っ飛ばしてやろうと思ったんだが…」

 

「「「「「ホウ、ナカナカスルドイジャナイカ。

タシカニ、ワレラノチカラノミナモトトナッテイルノハアノキダ。

シカシキヲハカイシタカラトイッテ、ワレラノチカラガオチルワケデハナイゾ?」」」」」

 

「…ふーん?」

 

「「「「「ソンナコトヨリモ、ジブンノシンパイヲシタラドウダ?

ショウモウガアットウテキ二オオイノハ、オマエノホウナンダゾ?

ジッサイ、イマノキハサキホドヨリモヨワヨワシカッタジャナイカ。」」」」」

 

「…そりゃあ俺だって人間だからな。

これだけ長時間全力で戦ってれば、自ずと疲れてくるもんさ。」

 

「「「「「ナラバ…シネェェェッ!!!」」」」」

 

「…っ!!!」

 

 

西行妖は紀流の腹に気を込めた拳をあてがい、その気を一気に爆発させて紀流を飛ばす。

紀流はそのまま数メートル程飛んでいくが、直ぐに体勢を立て直して数個の気弾を撃つ。

これを西行妖は腕を振るっただけで掻き消し、瞬時に紀流との距離を詰めて蹴りを放った。

 

 

「ちっ…」

 

 

紀流は蹴りを右腕で防御するも押しきられそうになり、左腕も利用して何とか止める。

その時一瞬だけ紀流が見せた苦しげな表情を西行妖は見逃さず、にやっと笑って口を開く。

 

 

「「「「「イイゾ、ソノヒョウジョウダ!

ゼツボウガチカヅイテキテイルコトヲサトッタソノカオ、タマラナイネェ!!」」」」」

 

「…絶望?何の事だ?

俺は『疲れてきた』だけだぞ?」

 

「「「「「フフフ…ソノヨユウモ、スグニケシテヤルサ…」」」」」

 

 

西行妖はそう言うが否や紀流の襟元を掴んで引き寄せ、

頭突きをかますと同時に手を離して後ろ向きに吹き飛ばす。

 

 

「いってぇっ!?」

 

「「「「「ソノテイドノコウゲキデナキゴトカイ、ニンゲンッ!!!」」」」」

 

「痛い物は痛いんだよ!!魔口『超魔口砲』!!!」

 

 

紀流は額を痛そうに擦りながら西行妖を睨み付け、口を開いて緑色の波動を発射する。

その威力は予想以上に高く、油断しきっていた西行妖はまともに喰らう。

 

 

「「「「「…ッ!!!」」」」」

 

「どうした!不意討ち程度で怯むのかぁ!?」

 

「「「「「ヤカマシイッ!!!」」」」」

 

 

西行妖は怒りに任せ、弾幕を連続で放って紀流を攻撃する。

紀流はそれを紙一重で避けつつ西行妖に接近し、無理矢理近接戦に持ち込んで殴りかかる。

…近接戦というよりは、ただの喧嘩の様な構えだが。

 

 

「いっけー祠弥!その勢いのまま叩きのめしちまえーっ!!」

 

「こんなところでくたばっているようじゃ、さいきょーの称号はあげられないぞー!!」

 

「そこだー!いけー、閻魔様に勝った人間ー!!」

 

「そこそこそこ…っ!

ああ、そこじゃないです!!もっと右ーっ!!!」

 

「そこなのだー。」

 

 

二人の激突によって生じている衝撃波によって髪の毛を靡かせながら、応援している者達。

そんな彼女達から一歩引いた場所では、残りの者達が二人の戦いを冷静に分析していた。

 

 

「…全く、おめでたい連中ね…」

 

「だが、このまま行けば勝てるんじゃないか?

見たところ、紀流はまだまだ根負けしていないぞ?」

 

「精神的には、ね。

けど、肉体的にはどうかしら…」

 

「…どういう意味ですか?」

 

「あのねえ…」

 

 

首を傾げた映姫を見て、幽香は呆れ顔で口を開く。

 

 

「…いくら紀流が化け物並の強さだったとしても、

あなたと戦って幾らもしない内に連続して全力で戦い続けられると思う?」

 

「…!」

 

 

映姫は息を呑み、上空で戦っている紀流へと目を向ける。

 

 

「…確かに、今の彼は先程私と戦った時…

(スーパー)紀流』の時よりは気が弱くなっていますね…

オーラも小さくなっていますし、筋肉の膨張も見られない…」

 

「「「「…『超紀流』?」」」」 

 

「彼はそう名乗っていました。」

 

「…何か痛いネーミングに感じますよー。」

 

「紀流さんもそういうお年頃なんでしょうね…」

 

「…『超紀流』…っ…げほっ!」

 

「…大丈夫か?」

 

 

幽香は何かを誤魔化すように不自然な咳をして霊武に心配された後、

少し喉を抑えて息を整えた後にこう続ける。

 

 

「…大丈夫よ。

とにかく、一つだけ言える事があるわ。」

 

「「「「…」」」」

 

「このまま戦い続ければ、いずれ何処かでぼろが出るのは確実…っ!?」

 

 

幽香は何かに気づいて突然言葉を中断し、気を高めて飛び立つ。

周りの者達は幽香の急な動作に驚いて一瞬固まり、少し遅れて彼女の姿を追う。

前の方で紀流を応援していた者達も含め、その場にいた全員の目に写ったのは…

 

 

「「「「「ナッ…!?」」」」」

 

「…っ!!!」

 

 

紀流を抱き抱えつつ、西行妖の腹に強烈な蹴りを入れている幽香の姿だった。

思わぬ攻撃に怯んだ西行妖を尻目に、幽香は皆の方へと戻る。

 

 

「ゆ…幽香が…」

 

「人を…」

 

「「助けた…っ!?」」

 

「え、何でそんなに驚いてるの?」

 

「「…」」

 

 

開いた口が塞がらない魔理沙と霊武を他所に、幽香は紀流を離してその場に浮かせる。

紀流はぼーっとした目で幽香の顔を見つめていたが、

直ぐに自分の置かれている状況の異常さに気付いて思わず声をあげた。

 

 

「…えっ、幽香さんっ!?」

 

「何よ、私に助けられたんじゃ不満かしら?

お望みなら、あいつらの方に放り投げてあげるけど?」

 

「そんな物騒な事言わないで下さいよ!

少し驚いたってだけで、不満なんて全くありません!!」

 

「なら良いわ♪」

 

 

驚きつつもお礼を言う紀流と、それを聞いて微笑んでいる幽香。

その異様とも言える場面によって、場の空気は完全に凍りついてしまった。

…かと思われたが、その空気は元から凍っている様なチルノによって破られる。

 

 

「それで祠弥、しょーさんはあるのか?」

 

「…うーむ…

悔しいが、このままだと勝つ事は出来ないだろうな…」

 

「何だよ、ずいぶんとよわきだなー。

さっきみたいに気をばーってかいほうして、かめはめ波を撃てばいいんじゃないのか?」

 

「チルノちゃん、それはあんまりと言えばあんまりだよ…」

 

「甘いぞ大ちゃん!

そんななきごとが戦いにおいてゆるされると思ってるのかー!」

 

「ははは…

ちょっとばかし気を爆発させすぎたんだろうな…

…もう、そこまで気が残って無いんだよ…」

 

 

申し訳なさそうに俯く紀流に対し、チルノは顔をぶんぶんと振って叫ぶ。

 

 

「祠弥はあたいを倒してさいきょーの称号を手にいれたんだ!

こんなところで負けてもらっちゃ、祠弥に負けたあたいの顔がたたないだろー!!」

 

「エゴなのかー。」

 

「エゴじゃない!

『プライド』だっ!!」

 

「…おいチルノ、今まで頑張ってきた紀流に向かってその言い方は無いと思うぜ。

この状況下で本気でそう言ってるんだとしたら、お前は馬鹿じゃなくて只の阿呆だ。」

 

「そうですよ!

あなたは紀流さんの苦労を察してあげられないんですか!?」

 

「…ほんき?くろうを察する?

なにを言ってるんだ、お前たちは?

お前たちこそ、祠弥のきもちをりかいしてあげられないのかぁ!?」

 

「な…!?」

 

 

突然チルノは本気で怒り、魔理沙と妖夢に向かって冷気を放つ。

二人は咄嗟に避けて今の行動を問い正そうとするが、チルノは二人にその隙を与えない。

 

 

「祠弥がほんとうのきもちであんな弱気な事言ってるって思ってるのか?

祠弥はくやしいんだよ!あたいにだってそのきもちはわかる!!」

 

「…チルノちゃん…」

 

「祠弥がいままでがんばってあいつと戦って、くろうしたって事だって分かってるよ!

けどな…」

 

 

チルノは感情を爆発寸前にさせながらも、それを必死に堪えて言葉を一気に絞り出す。

 

 

「…ここまでがんばってきて戦うのをやめるなんて、

それこそ祠弥の今までがんばってきた事がぜんぶむだになるだろーっ!!!」

 

「「「「「…」」」」」

 

「…うぅ……まけない…っ…まけるはずがない…

祠弥は…あたいをたおした…さいきょーのやつなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…っ…」

 

 

最後の言葉を言い切ると同時に、チルノは顔をぐしょ濡れにして泣き出す。

紀流はその様子をじっと見つめていたが、やがてゆっくりと右手を挙げ…

 

 

「…ふんっ!!!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

自分の頬を思いっきりひっぱたいた。

皆が驚いて固まる中、紀流は皆と同じく驚いて泣き止んだチルノの元に近づく。

 

 

「…ありがとう、チルノ。

お前のお陰で、優柔不断な俺も決心が付いた。」

 

「え…?」

 

「お前の言う通り、俺も悔しかった。

けど、何処かで『もう十分頑張っただろ』なんて思ってたんだ。

全く、大馬鹿野郎にも程があるよな!あははは…」

 

 

紀流はひとしきり笑った後、顔を引き締めて再び口を開く。

 

 

「…俺は最後まで戦う。

そして、絶対に勝つ!!

俺の『普通の人間』としての意地と、この身にかけて!!!」

 

「ほ…祠弥ぁぁぁ…うぇぇぇっ…」

 

 

高らかに勝利宣言をした紀流を見て気が抜けたのか、チルノの目には再び涙が溢れだす。

紀流はそれを自分の手で拭き取りながら、チルノの頭を優しく撫でて泣き止ませた。

 

 

「…ありがと、祠弥…」

 

「礼を言うのは此方だよ。」

 

「…口上は確かに立派だけど、

そこまで言うからには何か作戦があるのかしら?」

 

「…一つだけなら、あります。」

 

「勝算はあるのか、紀流?」

 

「絶対に成功させます。」

 

「では紀流 祠弥、聞かせてもらいましょう。

貴方の言う『作戦』を。」

 

「はい、それは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「…ン?」」」」」

 

 

西行妖はそう言い、首を傾げる。

何故ならば、今まで戦っていた人間が強化状態を解いて黒髪に戻ったからだ。

しかし、西行妖が疑問に思ったのはそれだけではない。

 

 

「「「「「…ナンダ、ソノカマエハ?」」」」」

 

 

その人間は、両手を空に掲げていたのだ。

そしてその人間と同様に、大量にいた妖精達もそのちっちゃな両手を空に掲げている。

 

 

「「「「「…イッタイ、ナニヲシヨウトイウンダ?」」」」」

 

 

しかしその疑問もまともに考える暇も無く、西行妖は飛んできた弾幕に気をとられる。

その瞬間、手を空に掲げている少年と大量の妖精以外の者達が襲いかかってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『元気玉』です。」

 

「…『元気玉』?」

 

「はい。

世界中のありとあらゆる気、つまりは『元気』をちょっとずつ分けてもらい、

それで巨大な気弾を作り出して攻撃する技です。」

 

「そんな凄い技があるんなら、どうして今まで使わなかったんだぜ?」

 

「この技は気を溜めるのにやたら時間がかかる。

今までのあいつらとの戦いの中じゃ、気を溜める隙が無かったんだ。」

 

「…つまり私達や妖精を囮にして、その隙に発動しようって事ね。」

 

「…正直に言います、そのつもりです。」

 

「はぁ…馬鹿ねぇ。

私が今更そんな事で怒るわけ無いでしょう?」

 

「私は紀流さんに思いを託したんです!

そんな程度の事なら、幾らでも協力しますよ!!」

 

「私もだ。

霊夢の為だけじゃない。個人として、私は紀流に協力したい!」

 

「私達妖精も大賛成ですよー!

ちょっとなんて言わず、ぎりぎりまで幻想郷の自然エネルギーを分けてあげますよー!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

「今の貴方は私にとって『白』です。

今は貴方を信じ、協力させてもらいます。」

 

「閻魔様がそう言うなら…ううん、そうじゃない。

私も自分自身の意志で協力するっ!!!」

 

「…その試み、私にも協力させて…ほしい…」

 

「「「紫!?」」」

 

「…心配しないで、霊夢は竹林の医者が治療してくれているから。

それよりも、早く!」

 

「…分かった。

皆、頼む!俺に力を貸してくれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想の賢者はその能力を使い、幻想郷中にスキマを開く。

 

 

「幻想郷の住民達よ、聞こえていますか?

今ある所で、幻想郷を守る為に戦っている者がいます。」

 

 

その声は、幻想郷の隅々まで広がっていく。

 

 

「ですがはっきり言って、状勢はかなり悪いと言えます…

そこで、貴方達の力を貸りたいのです!」

 

 

人間にも、妖怪にも。

そして、その幻想郷の存亡は…

 

 

「手を空に向かって大きく挙げて下さい!

貴方達の元気で、幻想郷を救うんです!!!」

 

「…大地よ…空よ…そして生きとし生ける全ての生命達よ…

俺に…元気を分けてくれぇぇぇっ!!!」

 

 

…一人の『普通の人間』と、彼に協力する者達に託された。




前回の次回予告で次回決着と書いたな…あれは嘘d(ry
散々待たせておいて酷いと思いますが、次回で本当に(戦闘は)決着です。
もしかしたら次回が最終回になるかもしれません。
感想、意見、アドバイス等々募集中です。
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