後、超今更だけどらんこのイメージCVを公開します。
風波らんこ……CV富田美憂
一応結構前から考えていたんですが、てっきりもうその事はとっくに明かしたのかなと思ってたんですが全話見直したらなかったので急遽公開しました。
それではどうぞ。
ひかるとのデートにて色々とあったものの晴れてひかると付き合う事になったらんこ。彼女はその後の日常生活でも時々頭の中で彼の姿が過ぎっていた。更にはひかるとのキスを思い返せば深い奴だった事に気づくと顔を赤く染め、照れ隠しのために再びフードを被ってしまうなんて事が何度もあった。
そんなこんながあったある日の虹ヶ丘家のリビングではソラ達が集まりあげはがこっそりスマホ録画していたらんことひかるのイチャラブ映像を見ていたのだ。
「こ、これが大人のキス////」
「何度も見るけどらんこちゃんって大胆////」
「な、なんて破廉恥な…ぷ、プリンセスの教育に悪いですよ////」
「そう言って少年興味津々じゃん」
「くっ、なんてエロ…じゃなかったけしからん姿だらんこめっ!////」
丁度流れる映像はらんこがひかるへキスをしているシーン。それを見たソラ、ましろ、ツバサにベリィベリー。そして持ち主のあげはが囲んで見ており、その姿はまるで道端に捨ててあったエロ本をこっそりと見る男子中学生の様なノリだった。尚、エルは近くの揺籠にて気持ちよさそうに寝ていた。
「いやぁ、何回リピート再生したかは忘れたけど本当にらんこちゃんいい青春しているね……ところで今日はらんこちゃんはこっちに来れないって言ってたけど、何かあったのかな?」
「ああ、なんでもちょっと用事があると言ってたが」
珍しく今日は此処に居ないらんこについてベリィベリーが答える。少し前に虹ヶ丘家に遊びにこないかとベリィベリーが誘ってみたが何やら今日一日らんこは外出をするらしく此処に来れないと言っていた。
「一応何処に行くのか聞こうとしたが、らんこは行き先は秘密だと隠された。本当に彼奴はどこに行ったんだ?」
最近共にいる事が多いから忘れていたが、らんこは自分達と違って虹ヶ丘家にお世話になっている訳ではない。そのためプライベートを共有する事は少ないのだ。なのでベリィベリーは彼女は一体何処へ行ったのか気になった。
すると突然あげはは「あっ」と何かに気付いたのか声を上げる。
「ま、まさからんこちゃん…私達がいない場所で今よりも大人の階段を登るんじゃ無く大人のエスカレーター…いや、エレベーターを登るんじゃ…!」
「お、大人のエレベーター?」
「な、なんですかそれは?」
まだ大人の階段はわかるが大人のエレベーターという初めて聞く言葉にソラとツバサは首を傾げる。
「つまり、私たちの目の届かない場所でひかる君を呼び出してエッチな事をしているのかも!」
「「え、エッチな事!?」」
「いやいや幾らなんでもs「いや、あり得る話だ」べ、ベリィベリーさん?」
あげはの考えにそれは無いだろうと否定しようとしたましろだが、そこにベリィベリーがいつにも増してシリアスな顔であげはの考えを同意した事にましろは思わず驚く。
「良いか、思い出してみろ。らんこは幾らひかるの奴に惚れているとはいえ自分から彼奴の唇を不意打ちで奪った挙句しかも飢えているかの様に"コレ"をしてたんだぞ」
そう言ってベリィベリーはあげはのスマホを見せると丁度ひかるとのキスを終えて口元から一筋の糸と化した涎を垂らす如何わしさ全開のらんこの姿が映っている。その顔は明らかに恋する乙女の顔をしていた。
「つまりだな。今頃奴は何処か2人っきりになれる場所で危険かつ魅力的な※※※*1している可能性があるんだ!」
「「「「!?」」」」
一同はベリィベリーの発言に顔を真っ赤にする。一瞬いつぞやの人形劇の様にまたトチ狂った事をと思ったが、あのデート以降のらんこは何処かソワソワと落ち着きが無かったりデートで手に入れた腕輪やひかるに取ってもらったぬいぐるみに熱い視線を送っている様子が見られていた。それはひかるの事を四六時中思っている物だと考えられる。そうなるとらんこは1人でいる事を利用してあげはやベリィベリーの言うようにひかるを呼び出して…。
「い、いやいや、流石にそれは無いよ」
一瞬あげは達の言葉を間に受けそうになったがましろは慌ててそれを否定する。今や彼氏持ちとなったらんこだが一応常識は弁えている筈だ。
「らんこちゃんはひかる君とはちゃんと清い付き合いを「だ、駄目ですよ!まだ王様達を助けてないのに子作りなんて!?」ソ、ソラちゃん!?」
「そ、そうですよ!15にもなってないのにそんな事したら母体であるらんこさんの体にもリスクが!」
「だからまだそうと決まった訳じゃ無いって!」
暴走する
「そっか※※※*2か…よし、可愛い妹分の初めて(意味深)を盛大に祝わないと!そうと決まれば赤飯を作る為小豆を買ってこなくちゃ」
「いや、あげはちゃんも何を言っているの!?」
もうやる事はやった前提であげはは小豆を買い出しに行こうとする姿にツッコミを入れてしまうましろ。こうなったら
「酷いじゃないからんこ…そんな楽しい事に私を除け者にするなんて!」
「ベリィベリーさん騒ぎの元凶なんだから被害者面するのは止めてよ!!!」
自分の妄想でその場に崩れ落ちるましろは思わず怒鳴り声を上げてしまう。果たして彼女はこのカオスな状況を生き残れるのだろうか。ましろは一刻もらんこにこの場へ来て欲しいと願うのであった。尚、幸いなのはこの状況の中でエルは熟睡している事であった。
──────────
「結構時間が掛かったけど着いたわね」
ワイワイと騒ぐ虹ヶ丘家の裏で噂されているらんこはというと現在ソラシド市を離れてとある街へやって来ていた。彼女はスマホの地図アプリを頼りに暫く街の中を歩いているとある神社へと辿り着いた。
「ここが縁結びで有名な神社ね」
らんこは目的の場所である神社の全体を眺める。この神社はらんこのいう通り縁結びの神社で特に恋愛面に関してもっぱら評判が良いとネットで話題になっている。らんこは早速お祈りをしようと賽銭箱へ近づこうとすると風が吹き境内にある桜の木から桜の花びらが幾つも飛んできた。
「確かに噂通り桜の花びらが舞っているわね」
今は夏だというのに何故かこの街だけは時間が止まっているのか春の気温で保たれていた。そのため桜の木が今も花を咲かせているという異常過ぎる光景にらんこは驚いたものの、今までの経験からして世の中には不思議な事がいっぱいであると理解し気にするのをやめた…というか一々ツッコミを入れるのにも疲れる為だ。
「取り敢えず…まぁ、500円にしとこうかしら」
ひかると結ばれた事もありこれからの過ごし方を考えて験担ぎ目的で財布から500円玉を取り出すと目の前の賽銭箱に投げ入れ垂れ下がった麻縄を揺らす事で鈴を鳴らし二礼二拍手一礼を行った。
「ふぅ…取り敢えずはこれで良いのよね。念の為おみくじやお守りでも買っておこうかしら」
祈る事は終えたが折角神社に来たのだから他にもやっておこうと思ったらんこは何処かにお守りの販売所を無いかと探そうとその場を去ろうとする。
「よくぞ運命の人と巡り逢えたと褒めておこう」
「誰!?」
突然何処からとも無く声が聞こえ、らんこは警戒して周囲を見渡すが人らしき存在は何処にも見当たらなかった。
「…気のせい?」
「こっちじゃ」
「え?」
賽銭箱の方からと声が聞こえ思わず賽銭箱に視線を向けると其処に賽銭箱から顔を出している禿げた老人がいた。
「き、きゃああああっ!?妖怪賽銭箱ジジイ!!!」
「いきなり初対面の奴を妖怪呼ばわりするな!いいかよく聞け、わしゃこの神社の神じゃ」
「何処の世界に賽銭箱から顔を出す神がいるのよ!?」
突然神と自称とする老人の存在にらんこは警戒する。というか賽銭箱から顔を見せる不審者を前にしてらんこは今まで戦って来た敵よりも警戒していた。
一方で神と自称した老人は証拠を見せようと言わんばかりにスッと賽銭箱から首から下の身体がすり抜けてその存在を表し、更には背中から大きな翼を生やして如何にも神様っぽいオーラを身体から放つ。尚、賽銭箱から出て来た際に丁度頭の上に麻縄が乗っかりしかもとぐろを巻いていてまるでう◯こを乗っけている様に見える。
「こうしてお主とは会うのは初めてじゃのう。風波らんこ」
「な、なんで私の名前を…まさかストーカー?」
「だから神だって言っとるじゃろうが!全くこれだからバーチャル世代は…」
らんこからストーカー呼ばわりされた事に腹を立てつつも神(仮)は呆れた表情を浮かべる。
「いや、流石に神って大袈裟過ぎるでしょ。私もあんたのなんかよくわかんない凄い手品なんかよりも物凄い存在を目にしてきたから」
前までなら賽銭箱をすり抜けた事に大きく驚いたがソラを筆頭とした普通では体験できない日常を体験して来た彼女にとってこれくらいの事では驚かなくなっていた。それ故に目の前の老人を神と信じる事は出来なかった。すると老人は「ふむ」と呟き何か考える姿を見せる。
「その物凄い存在とはスカイランドから来たソラ・ハレワタールという娘達や若しくはその者らと共に今まで戦って来たアンダーグ帝国の者達の事か?」
「何でそれを!?」
「わしは神だからお主らの事は簡単に把握出来ているぞ。お主に至ってはこの一年でスカイランドとは別の世界に3度…いや、同じ世界に2回じゃから正確には2度飛ばされるなんて数奇な体験をしている事も知っている」
老人の口かららんこがこれまで体験した事が語られた事にらんこは驚きの声を上げる。幾らストーカーでも此処とは別の世界の出来事も知っている事に只の老人では無いと確信する。
「ま、まぁ、良いわ。一応あんたの事は神(仮)として認めてあげるわ」
「仮は余計じゃ…まぁ良い。とにかく改めて言うがよくぞ運命の人と出会い更には結ばれた事を恋愛の神として褒めておこう」
「運命の人?」
神と名乗る老人の言葉にらんこは運命の人という言葉に反応する。それから神はらんこに説明する。恋愛において“運命の人”は比喩とかではなくそのままの意味で人がこの世に生まれた時に定められる“最高の恋愛パートナー同士”という事。更には運命の人同士が出会うと全身にビビーンと衝撃が走ってたちまちお互いのことが好きで好きでたまらなくなる所謂一目惚れという現象が起きる。
そして…この時女はその場ですぐに男は時間をおいて徐々に相手を好きになるそうだ。
「とまあ、そう言う事でお主は雷田ひかると結ばれたんじゃ。どうじゃわしのおかげじゃぞ。感謝せい感謝せい」
(うざっ)
何やら恩着せがましい事を言ってくる神にらんこは鬱陶しく感じるが、もし先程の話が本当なら認めたくないがこの神は自分とひかるを引き合わせた恋のキューピッドとなる…認めたくないが(2回目)。取り敢えずらんこは神へ感謝の礼を告げようとしたが先程の説明のある部分が頭を過った。
「ん?待って、さっき運命の人ので女の人はその場で直ぐに好きになるって言ってたけど、私は初めてひかるとあった時にビビーンって来たり恋する感覚は全く感じなかったけど」
「ギクッ!?あ、いや…そ、それはじゃな…」
あからさまに何か隠している神の姿にらんこは目を細める。
「あんた…何か隠しているわね。一体何を隠しているのよ?」
「わ、わかった。下手に誤魔化して変な勘違いをされたら厄介じゃから素直に話そう。それは…ちょうどお主が生まれた時にある重大な出来事があってな…その所為で恋愛の神であるわしがミスを犯し本来なら起こる一目惚れが起きないようになってしまったのじゃ」
「そんな…一体何があったのよ!?」
もし目の前の老人が本物の神なら生まれてくる人間の運命を操る事は慣れているのだろう。それなのにそんなミスをしたとなると一体どんな事が起きたのからんこは追求すると神は目を泳がせる。だが、意を決したのか口をゆっくりと開く。
「あれは金曜日
仕事中偶々テレビでコ◯ンドーがノーカット版で流れておったんじゃ」
「テレビ見ながら仕事してんじゃないわよこのハゲッ!!!」
「ち、違うんじゃ聞いてくれ!わしゃコ◯ンドーはネットの切り抜きでしか見た事なかったからフルで見るのが初めてでシュ◯ちゃんのツッコミ所満載のシーンに終始驚かされたんじゃ!だからついつい興奮して超☆エキサイティングッ!!!と叫んでお主の書類に誤ってインクをぶち撒けてしまったんじゃ」
「あーその気持ち分かるわ。私も全編力技で解決するあの脳筋っぷりには驚きの連続だから共感…する訳あるかボケェ!!!!」
まさかのコ◯ンドーを見た所為…というか明らかにこの神の所為で自分の運命が弄ばれた事に思わず怒鳴り声を上げる。神のミスにより一目惚れが起きない仕様にされていた事で場合によってはひかるとは結ばれなかったかもしれなかったのだ。だがまぁ、結果としては今日まで色々とあったが何とかひかるとは結ばれる事ができたからまだ良い方かと納得しかけるが、先程の神の台詞の中でまた聞き捨てならない箇所があった。
「あれ、ちょっと待ちなさい、あんたさっき私の書類にインクをぶち撒けたって言ったわよね。それって一目惚れが起きないだけで済むのかしら?」
「ギクギクッ!?あ、ああ、えっと、そ、そうなんじゃないのぉ…」
先程よりも物凄く動揺している神の姿を見てまだ何か隠している事があるとらんこは見抜き神を睨みつける。
「あんた…隠している事を全て言いなさい。全てよ!」
「わ、わかった。ちゃんと話すから睨むのをやめい!」
らんこから来る圧に耐えられなくなった神は折れて彼女に秘密にしている事を話す事にした。
「これからお主に隠していた事を話そう。じゃが、恋愛について少し伏せていた事を説明する」
それから神は伏せていた内容について説明しだした。何でも運命の人がいる人間はそれだけで幸運であり、しかもその分そこに一生分の運気を費やしてしまう。そして、その幸運…即ち運命の人と結ばれなければ必然的に不幸な運命しか残されなくなるという事。
「だから何よ。私は今ひかると付き合っているんだからそんなの私に関係ないでしょ」
「いや、それなんじゃが…お、お主の書類にインクをぶち撒けた事で運命の人と会う為に訪れた不幸は人一倍…いや、十倍の不幸を背負ってしまった事になったんじゃ」
「は?……ちょ、ちょっと待ちなさい!それじゃあ何っ!?私が小学校の頃虐めにあったり推しのコンサートチケットが手に入らないのもあんたの所為だって言うの!?」
「まぁ、そう言われたら…そうとしか」
「なんて事してくれるのよもおおおおおおおおっ!!!!」
目の前の神が興奮のあまり自分の運命を最悪にした事にしたと知ったらんこはその場に蹲り泣き叫んだ。
「あと、更に言いづらいのじゃが」
「なに!?まだこれ以上に何かあるの!?」
ただでさえ人の十倍不幸な運命を背負わされた自分にこれ以上何かヤベェのがあるのかと不安になる。
「お主が運命の人と出会った事でこの先、恋愛運が上がって何とかなるのかなぁ…って思ったんだけど、なんかお主この先…後、100回くらい不幸な目に遭う」
「え、なに?つまりこの先も私は不幸な目に遭うって事?」
深く息を吐くと冷静になったのからんこの顔は怒りの感情を浮かべておらず逆に蔓延の笑みを浮かべていた。それを見た神はホッと安堵の息を吐く。
「よし、この神社燃やそ」
「アアアーッ!!!待って!本当に待ってくれ!!!早まんないで!ほら、300円!いや、500円あげるからさ!!!」
何処からとも無く取り出した松明を片手に神社を放火しようとするらんこに神は慌てて賽銭箱から500円玉を取り出して彼女を止めるのであった。
──────────
それからと言うもののらんこは必死に止めるように懇願する神を見て神社を焼くのを思い止まり神社を後にすると街を歩いていた。
「全く、本当にふざけんじゃないわよ。あの神…いや、ハゲ爺…!」
自分の今までの不幸の原因が先程の恋愛の神でしかもコ◯ンドーによって人生が不幸のどん底に落とされた事実にらんこは冗談じゃないと叫びたかった。
更にはこの街へ来るまで何も食べてなかった為、空腹により余計苛立ってしまう。
「まぁ、良いわ。取り敢えず腹を満たせば少しは気はまぎれるでしょ。此処は前のリベンジも兼ねてフォーチュンクッキーで験担ぎよ」
そう言うと此処まで来る時にお菓子ショップに売っていた大量のフォーチュンクッキーが入った袋を取り出すとその中から一枚のクッキーを齧り中のおみくじを取り出す。
「何々…飛んでくるとぐろを巻いた茶色の物体にご注意……ちょっと何言っているかわからない」
とぐろを巻いた茶色い物体…それを聞くとまず思い浮かぶのは最初にうがついて最後にこが付く3文字のアレを連想してしまう。
「いやいや、流石にないでしょ」
チラッと周囲を見渡すが何処にも犬や猫といった動物は見当たらず上を向いても鳥などは見当たらない。
「……どうやらこのおみくじはハズレのようね。なら次よ次」
らんこは先程のおみくじをスカートのポケットに仕舞い込むと新たなフォーチュンクッキーを齧り中のおみくじを取り出した。
「えっと、横からダンプカーが猛スピードで突っ込むでしょう……いきなり命の危機がぐんっと跳ね上がったんだけど!?」
先程のう◯こが飛んでくるよりもも明らかにやばい物が飛んでくると書かれたおみくじにらんこは恐怖を覚える。
「いや、冷静に考えなさい。今回は車種が指定されている。それにこんな大通りを気をつければこんなおみくじ通りの事は起き─」
突然茶色いとぐろらしき物が飛んできてらんこの胸に思いっきり掛かった。
「…え?」
らんこは突然の胸に掛かった茶色いとぐろの存在を見て呆然となり次第に顔の色は真っ青になる。
まさか不意打ちと言わんばかりにう◯こが飛んできた事に頭が真っ白になり掛けるが其処から匂うものは決して臭く無く寧ろ甘いスイーツの香りだ。更によく見たら足元にはコーンがあり其処から導き出される答えとしてはチョコソフトクリームだ。しかし、何故チョコソフトクリームが目の前に飛んできたのかわからない。
「このソフトクリームは…一体何処から?」
らんこはソフトクリームが飛んできた先に目を向けると其処には横断歩道の真ん中で幼稚園くらいの女の子が転んでおりこちらに向けて絶望に満ちた眼差しを向けていた。
「ごめんなちゃい…責任とって死にまちゅ…」
「責任感の申し子!?」
ちゃんと謝れる辺り好感を持てるがそれでも服が汚れた程度で命を捧げようとする少女に思わず引いてしまうらんこ。
「き、気にしなくて良いのよ。それよりもあんたこそ大丈─」
道路の真ん中で倒れたんだ。恐らく膝や手を擦りむいているのではと考えたらんこは倒れている女の子に声を掛けようとした時だ。
遠くの方から重いエンジン音が響き渡りそちらに視線を向けると大型のダンプカーが物凄いスピードで走って来たのだ。しかも赤信号に関わらず止まる気配は一切無い。
「嘘っ!?まさかこれはおみくじの効果!?」
そして先程のおみくじにはダンプに轢かれるそう書いてあった。つまり此処であの女の子を助ければ自分はダンプに轢かれる。だが逆に助けなければダンプに轢かれずに済むがその代わりに女の子がダンプカーに轢かれてしまうという事だ。らんことしては下手に首を突っ込んで大怪我をしたくない為、一瞬女の子を見捨てると選択肢が思い浮かぶ。だが、それと同時に脳裏にはソラ達の姿が過ぎる。
「くっ!」
気づいたららんこは女の子の元へ走り猛スピードで迫るダンプカーが来るまで間に合うと女の子を抱えて急いで横断歩道を渡り切ろうと足に力を入れた瞬間だ。右足首は鋭い痛みが走る。
(こんな時に捻挫!?)
最悪のタイミングで捻挫をしてしまったらんこは足の痛みに耐えられずその場を蹲って動けなくなってしまう。このままでは自分と女の子が轢かれてしまう。そう考えたらんこは何としてでも女の子だけでも助けようと歩道の側にある手入れの行き届いた茂みを目につけた。
「ごめんね!」
「わっ!?」
らんこは女の子を茂みに向かって投げると見事茂みはクッションとしての役割を果たして女の子を受け止めたのだ。らんこは女の子の無事を確認出来ると周りの人目を気にしつつもやむ終えないと判断し此処は変身して窮地を脱しようと考えて腰に引っ掛けてあるミラージュペンを取ろうとするが何故か腰からミラージュペンが取れなかった。
「嘘でしょ!?」
何故ミラージュペンが取れないのからんこはこの街へ来る時の事を思い返す。一応ミラージュペンを無くさないためにいつもより頑丈な留め金を付けたのだがそれが仇となりミラージュペンを取るのに手こずってしまったのだ。
「あっ」
そして気づいた時にはらんこの右にダンプカーが迫っていた。これではもう避けたり変身するのも間に合わない。そのままらんこの身体に巨大な鉄の塊が衝突してしまう。
「ウオオオオオオオオオッ!!!!」
「…え?」
かと思いきやダンプカーがらんこにぶつかる直前、誰かの声が聞こえると共に体が浮いたかと思えば気が付いた時には歩道にいた。そして、側には息を荒くして膝を地面に突いている黒髪に太い眉毛が特徴のどこにでもいる高校生くらいの少年がいた。
「ぜぇ…ぜぇ…だ、大丈夫?」
「え、ええ…あ、ありがと…」
恐らく彼が助けてくれたのだろうと判断したらんこは少年にお礼を言うと先程茂みに投げた女の子を見つける。
「大丈夫?何処か怪我してない?」
らんこは先程投げた時に女の子は何処か打ちつけたのかと心配するも見た感じ何処も怪我はしてない事がわかると安心するが女の子は「ごめんなちゃい」と涙目になって繰り返し謝る。
「大丈夫よ、誰も怪我をしてなかったんだから」
「でも、ソフトクリームが…!」
女の子はらんこの服にソフトクリームを掛けた事で罪悪感を感じていた様だ。そして、その女の子を見ていた少年は2人に声を掛けようとしたがその前にらんこは女の子の頭を撫でつつ口を開く。
「悪いわね。私の服がソフトクリームを食べちゃって…次はサーティ◯ンで買うといいわ」
「ス◯ーカー大佐!?」
何処ぞの海軍大佐(現中将)のパロディ台詞を吐きながら恋愛の神から返して貰った500円玉を少女に渡すらんこの姿に少年は思わずツッコミを入れる。そして少女はらんこに「ごめんなちゃい…!」謝罪とお礼を兼ねて言うとその場を去っていった。
「その…大丈夫かい?」
「え、ええ…大丈夫よ。あんたには迷惑を掛けたわね」
らんこは少年に声をかけられると振り向いて少年と目が合ってしまう。
─ノービビン!!
少年と目が合った事でらんこは少し小っ恥ずかしさを覚えるのに対して少年はホッと胸をなでおろした。
「どうしたの胸でも痛むの?」
「あ、いや別にそんな事はないんだ」
少年はらんこに心配された事に自分は何でもないと言うと「そう」納得される。
「さっきはありがと、それじ痛っ!?」
「大丈夫かい!?ひょっとして捻挫をしたのか?」
少年に改めてお礼を言ってその場を去ろうとしたらんこだが足首に再び痛みが走り思わずその場に蹲ってしまう。それを見た少年は心配して声を掛ける。
「平気よ…これくらいなんと…ぐっ!」
「ほら、無茶は駄目だ。この先に公園があるからそこまで肩を貸すよ」
少年はらんこに肩を貸すとらんこも渋々少年の肩を借りて近くの公園まで向かいそこにあるベンチに座ると少年は水道の水で冷やしたハンカチを捻挫したらんこの右足首に当てた。
「悪いわね…色々と」
「気にしなくて良いさ。ほら、鎮痛剤に湿布、後包帯もあるからこれを使って」
そう言うと少年はらんこの足首に湿布を貼ると剥がれないように包帯で固定する。その姿にらんこはかつて転んで膝を擦りむいた時にあげはに治療してもらった時の事を思い出す。
「あんた普段からそれを持ち歩いているって事は日頃怪我しやすいの?」
「まぁ、結構な割合で俺の彼女が勘違いして暴力を振ってくる事があるからそれで一応常備持ち歩いているんだ」
「DV!?あんた彼女さんから日常的に暴力を受けているの!?」
「勘違いしないで欲しい。これは彼女の愛の様な物でよく勘違いで毎回全身複雑骨折になるけどちゃんと彼女も罪悪感を感じて泣きながら謝っているから俺も怒ってない…と言うか誰も悪くないんだ」
「脳みそ腐ってんのかーっ!?」
少年は自分の彼女から頻繁に全身複雑骨折するくらいのDV?を受けているのにも関わらずそれを許している少年に思わず暴言を吐いてしまうらんこ。
「か、唐音!?」
「いや、誰よそれ?」
対して少年は先程のらんこの暴言を聞いて誰かを連想したのか女性らしき名前を口にする。
「あ、ごめん。実は君の声が俺の彼女の声によく似ていたからつい」
「そんなに私の声って似ているの?その彼女に?」
「うん、そうなんだ。それにしても君の姿を見ると初めて唐音と会った時の事を思い出す…全くこの馬鹿野郎!未来の彼女を怪我させるなんて何やっているんだ!てめーは歩く筋肉要塞かーっ!?」
「えええええっ!?」
突然豹変して自分の顔面を殴り始める少年の奇行に思わずらんこは驚きのあまり悲鳴を上げる。
「あ、あんたひょっとして二重人格持ちなの?」
「いや、これは初めてあった時に唐音達を捻挫させてしまった事を忘れない為の戒め!」
それから暫く自傷行為が続き少年は満足したのか清々しい顔を浮かべていた。後、やり過ぎた所為で鼻血が出て口から血を流している。
「ふぅ…これでよし」
「いや良くないわよこのバカ!」
正直らんことしてはこの少年をほっておいてこの場から離れたいが先程助けられた事もあり更には捻挫の治療もしてくれた事でほっておく事が出来なかった。
「全く、何やっているのよ。ほら、血を拭いてあげるわよ」
「ごめん唐音…じゃなかった。えっと…」
少年はらんこからハンカチで血を拭きとって貰った事に再び間違えて彼女の名を呼んでしまった事に慌てて訂正しようとしたがまだらんこの名前を知らなかった為、何と呼べば良いか分からなかった。
「らんこよ。私の名前は風波らんこだから」
「そうか、ありがとう風波さん」
「別に勘違いしないで、目の前であんな激しい自傷行為をして血だらけになったあんたをほっておいたら気分が悪くなるから」
(ツンデレ成分がやや弱いけど、やっぱり唐音に似ている)
少年はらんこの言動と声に自身の彼女を再び連想する。
「それであんたの名前は?私の名前は知って自分の名前は教えないなんて不公平な事はしないわよね?」
「ご、ごめん。なんか唐音によく似ていてつい感傷に浸っていたからまだ俺の名前を言ってなかった。俺は愛城恋太郎」
らんこの指摘に少年…恋太郎は自分の名前を明かした。
「そういえば風波さんはここら辺では見かけない子だけど何処から来たんだ?」
「ああ、私はソラシド市って所から来たのよ。最近彼氏が出来たから今後の彼氏との付き合い方が上手く行くようにこの街にある縁結びで有名な神社にお参りしに行ったのよ」
「え、あの神社に?」
何やら恋太郎はらんこが行った神社に心当たりがあるのか何やら物凄く嫌そうな顔を浮かべる。
「ええ、そうよ。それで信じられないかもしれないけどそこに住むハゲ爺からとんでもないk「ハゲ爺!?」ちょっと、急にどうしたのよ?」
突然恋太郎が声を荒げた事にらんこは驚き恋太郎も「あ、ごめんごめん」と謝罪する。
「あのさ、そのハゲ爺って賽銭箱から顔を出して自分の事を恋愛の神って自称してなかった?」
「そうよ、それであのハゲは私に…え?愛城さんあのハゲと知り合い!?」
恋太郎の口振りから先程らんこがあった神の事を存じている事に気がつく。
「うん、実はその神は俺が中学卒業の日に100回目の失恋をした事がきっかけで高校で彼女が出来るように恋愛祈願をしようとあの神社に行ったら出会ったんだ」
「桜◯花道もビックリの失恋記録!?」
まさかの失恋の回数が某バスケット漫画の金字塔の主人公の二倍にらんこは思わず驚きの声を上げる。
「ああ、でも皮肉にもその事がきっかけで高校に入ってからは俺にもとうとう彼女が出来て毎日が幸せで満ちていてしょうがないんだ」
「そ、それはおめでとう。あっ、よかったらフォーチュンクッキー食べる?」
「え、いいの?それじゃあ1枚貰うよ」
らんこからフォーチュンクッキーを貰った恋太郎は早速クッキーを齧り中のおみくじを取り出す。
「えっと、運命の人がやってきて幸せな1日を送れるでしょうって、やったー!」
「運命の人って事は愛城さんの彼女って事?」
と言う事はこの後、恋太郎の前にはらんこと声が似ているかつツンデレで暴力気質のある彼女がやってくる事になる。そう考えたらんこは少し恐怖を覚える。だが、恋太郎本人は嬉しそうだったからあまり口出しする事は出来なかった。
「愛城さん幸せで良いわね。私なんてあのハゲ爺から運命をめちゃくちゃにされて不幸の連続よ」
「え、風波さん!君もあの神に運命を弄られたのか!?」
「ええ、そうよ…君もって、もしかして愛城さんも?」
恋太郎の口振りから彼もまた自分と同じ様に神のミスにより人生を振り回された者、つまり同士である事に気がつく。
「ああ、そうなんだよ。俺もどうやらあの神が仕事中にラ◯ュタを見ていた所為で俺を高校入学まで強制的に失恋する様にしたんだよ」
「何ですって!?…あのハゲ私以外にも被害者を…!」
恋太郎の100回の失恋記録の元凶は神の所為だと知るとらんこは神への怒りに燃える。
「お、落ち着いて風波さん。因みに風波さんはあの神に何をされたんだ」
「え、私の場合はあの神が仕事している最中にコ◯ンドーを見ていた所為でミスをして小学校の頃から日常的に虐めに遭わs「よし、あの神社燃やそ」ちょ、落ち着きなさい!」
らんこの過去を聞いた恋太郎は自分以外にも運命に弄ばれ虐めを遭わされたと知ると松明を片手に神社に向かおうとした為、慌てて恋太郎の身体にしがみついて止める。
「離してくれ風波さん!俺はあの神を許しちゃおけない!」
「いや、私も放火しようと仕掛けたからそこまで強くは言えないけどさすがに駄目よ!」
らんこは恋太郎を止めようとするが恋太郎は思ったよりも力がありまるで数人の大柄の男性に取り押さえられても動くジョ◯サンの様にその場を動こうとしていた。
らんこは自分を助けてくれた恩人が放火犯になるなんて事は嫌だった為、こうなったらと目を光らせて身体を強化させようとした。
「あれ、恋太郎君?こんな所でどうしたんですか?」
「と言うか誰よその子は?」
「「え?」」
すると其処へ誰かの声が聞こえるとらんこと恋太郎は声が聞こえた方向に振り向く。そこにはピンク色のボブカットヘアーで服越しでもわかる胸が大きな女性とその隣には金髪でツインテールの吊り目でピンク色の女性とは対照的に身体がスレンダーな女性だ。
「羽香里に唐音!?」
「え、唐音って…」
恋太郎が2人の女性の名前を呼んだ時に唐音と言う名前が出た事かららんこは2人の内どちらかが恋太郎の彼女であると確信する。
「奇遇ですね恋太郎君こんな所に遭うなんて。私も先程唐音さんと其処で会ったから一緒にいたんですよ」
「べ、別に私は1人でよかったんだけど、羽香里が暇そうだったから一緒にいるだけなんだからね」
「いや、何でいきなりツンデレ?」
「くぅーっ!早速おみくじの効果が出てきたーっ!」
やり取りからして唐音らしき人物にらんこは思わず指摘をするのに対して恋太郎は先程のおみくじの通りに彼女がやってきた事に幸せそうな顔を浮かべる。
「それで恋太郎君、そちらの方は?」
「そうよ、その子は誰なの!?まさか、また新しい彼女?」
「いや、私は彼女じゃ…待って、今また新しい彼女って?」
唐音の言葉にらんこは思わず聞き返した。まるでその口振りでは既に彼女がいるにも関わらず複数人の女の子と付き合っている様に聞こえる。
「いや、あの…愛城さん…つかの事をお伺いしますが、その…そちらの唐音さんとお付き合いしているので間違いないんですよね?」
「うん、唐音は俺の彼女で世界で一番大大大大大好きだ」
「あ、よかった間違いj「そして」…うん?」
恋太郎の彼女は唐音であると確認をとれた事にらんこは安心を覚えたが恋太郎は更に口を開くととんでもない事を言い放つ。
「羽香里も俺の彼女で!世界で一番大大大大大好きッ!!!!」
「「キュンッ!!!」」
「脳みそ腐ってんのかおめーッ!!!!」
こうして風波らんこはソラシド市から飛び出して
という事で100カノのクロスオーバーエピソードです。1月からやった2期のアニメからハマり出して1期のアニメをサブスクで視聴後、漫画を全巻購入するくらいハマりました。
ひろプリの小説なのに100カノに侵食されてしまった事に関しては申し訳ありません。取り敢えず皆さんもぜひ100カノを見てください。(隙あらば進める100カノ中毒者)。
恐らく今回は2、3話で終わる話なので最後まで付き合ってくれると助かります。アニメのエピソードを楽しみにされている読者の方も最後までお付き合いお願い致します。