ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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長らくお待たせしました。これにて100カノ編は最終話です。最後はやや駆け足で雑になるかもしれませんが最後まで読んでくれると嬉しいです。
それではどうぞ。


第103話 決めろ新必殺技! そして、旅の終わりに

「…う、うーん……こ、此処は…?」

 

「あ、らんこさん目が覚めたのか!」

 

目を覚ますとツイスターはベットに寝かされており、周りには恋太郎と恋太郎ファミリーの面々が揃っていた。

 

「恋太郎さんと皆さん…此処って何処?」

 

「ああ、実はらんこさんが気を失った後。何処かへ休ませようとしたら寧夢ちゃんが上質なベットが売っている家具店が近くにあるって言ってたから此処へ休ませたの。だからこの場所をちょっとお借りしているんだ」

 

恋太郎からことの経緯を聞いたツイスターは彼等にお礼を言おうと考えたのだが、先程まで自分が寝ていたベットはこの店の商品なのではと疑問を浮かべていると羽々里が答える。

 

「大丈夫よ。さっきまでの戦いによる騒ぎでこの店にいた人たちは避難したから此処にいるのは私達だけだから。ベットに関しては後で支払っておくわ」

 

「そうなの…あれ、でも寝ただけなのに身体が軽い…というかさっきまでのダメージが全く無い?」

 

そんな長く寝ていた訳でも無いのに身体の痛みと疲労が全くと言っていいくらい感じない事にツイスターは不思議に思った。まさか誰かが回復魔法もしくは回復薬でも飲ませたのかと思っていると何やら一同は言いづらい顔を浮かべてその中で胡桃が言いづらそうな表情浮かべる。

 

「そ、その事なんだけど、寝ている間に紅葉があんたの身体をマッサージしたんだよ。それで身体に蓄積した疲労とダメージがなくなったんだよ」

 

「いやぁ、変身後も中々揉み応えある身体でしたよ。ごっつぁんです」

 

「!?」

 

紅葉から身体を揉まれたと聞いてツイスターは思わず赤面になり、自身の身体を抱きしめて紅葉から距離を取る。彼女は初対面の時に何の躊躇も無く胸を揉んでいた事があった為、寝ている間に如何わしい事をされたのではと想像してしまう。

 

「あ、大丈夫!ちゃんと紅葉には胸とか揉まないように注意しておいたから」

 

「まぁ、寝ている間にやってたから実質睡◯になっていましたけど」

 

「ちょっと黙ってなさい」

 

決して如何わしい事はしていないと聞いてツイスターは安堵の息を吐く。しかしマッサージは筋肉痛や肉体の疲労を回復するとは聞いた事はある。それを踏まえてもこんなに短い時間で全快とは行かないがほぼ全回復に近いとこまで行く辺り、彼女のマッサージ師としての腕はプロ…いや、それ以上かもしれない。

 

「…取り敢えずお礼は言っておくわ。それよりもターボマンの奴はどうしたのよ?」

 

マッサージをしてくれた事にお礼を言うが今は戦いの最中である事を思い出し、自分が気を失っている間どうやってターボマンから逃げる事が出来たのか不思議でしょうがなかった。

 

「実はらんこさんが気を失った後、騎士華先輩とエイラさん、それに育と芽衣さんが彼奴の足止めをしているんだ」

 

「なんですって!?こうしちゃいられないわ!」

 

恋太郎の彼女達が自分の代わりに戦っている事を知りツイスターは慌ててベットから降りて戦いの場へ戻ろうとするが、それを唐音が止める。

 

「待ちなさいよ!今は芽衣達が足止めしているけどあんたは彼奴に勝てるの?」

 

「っ!」

 

唐音の言葉を聞いてツイスターは思わず足を止めてしまう。先程のの戦いを思い返せば自分とターボマンは明らかに持ち前の速さで負けている。更に言えばターボマンの言ってた通り自分は仲間の存在に依存しなければ精神的に弱くなる。そんな状態でターボマンとの戦いを挑めば先程の様にやられるのがオチである。

 

「風波らんこ…あのロボット言っている事が本当なら貴女には仲間が居る筈。それなら仲間に救援を頼むが現実的」

 

「そうだよ。1人よりも友達に助けを求めた方がいいと思うよ」

 

凪乃と椎奈の言う事は最もだ。以前ターボマンと戦った際も自分1人の力じゃなくその時共にいたウィングやバタフライと共に協力して勝てたのだ。それなら仲間を呼んで戦った方が勝てる可能性が高いだろう。

 

「…いいえ、私は1人で戦うわ」

 

「あんた!こんな時に意地を張って勝てる奴じゃないでしょ!」

 

「どうして1人で戦おうとするんだど?」

 

頑なに仲間に助けを求めないツイスターに唐音は思わず怒鳴り声を上げてしまう。先程の戦いを見ていた誰もがツイスター1人では勝てないと思っている。それなのに1人で戦おうとする事に山女を筆頭に一同は不思議に思った。

 

「こう言う時だからこそよ。私は彼奴に言われて納得出来るところがあった。私は思い返してみればいつも仲間…友達の力を頼って戦っている。それは決して悪い事じゃないって言うのも理解しているわ。でも、こういう状況に陥った時は1人で敵を倒さないと私自身の成長にも繋がらないのよ」

 

「自身の…成長…」

 

恋太郎はツイスターの発言を聞いて幾つか思い当たる節があった。今じゃ33人というとんでも彼女数となった恋太郎ファミリーはその結束力は高く、互いを思いやっている。そのお陰でそれぞれが思い悩んでいる事を1人ではなく他のファミリーと相談して今までの悩みを解決してきた。

しかし、目の前にいるツイスターの様に自分を大切にしてくれる友達の為にも今立ち塞がる困難を1人で解決するのもまた間違ってはいない。

 

「そんな事言っても現実h「わかった。それなら俺はらんこさんの意思を尊重するよ」恋太郎!?」

 

『えっ!?』

 

まさかの恋太郎がツイスターの側についた事に唐音達は驚きを隠せなかった。

 

「れ、恋太郎さんなにを言っているんですか!?」

 

「てやんでい!あの機械野郎を1人で勝てるかばーろちくしょ‼︎」

 

先程の恋太郎の発言に知与と祭李は聞き返してしまう。此処にいる殆どの人間はツイスター1人ではターボマンに勝てないのは理解している。しかし恋太郎だけはツイスターが1人で戦う事を支持した事に思わず正気かと疑ってしまう。

 

「皆んなの気持ちはよく分かる。らんこさんの友達を呼べば彼奴に勝てるかもしれない。でも友達を呼ばないのはらんこさんの意地もあるかもしれないけど、同時に友達に心配して欲しくない為なんじゃないのか?」

 

「っ!」

 

友達に心配してほしくない…その言葉にツイスターの表情は変化する。まるで図星だと言わんばかりの表情を浮かべたらんこに恋太郎は再び口を開く。

 

「今のらんこさんはターボマンを倒して自分の強さを友達に証明して安心させたい。例えるならそう…未来へ帰る事になった◯ラえもんを安心させる為◯ャイアンに道具なしで1人で立ち向かった◯び太の様に…!」

 

「シリアス顔で◯ラえもんの話を持ち込むな」

 

さらっと◯ラえもんで例え話をされたが一同はそれに納得をせざる得なかった。*1それは先程の戦いの最中にてターボマンはツイスターの事を仲間が側にいないと弱いやその姿を見られたら落胆されると言っていたのだ。

 

「そしてターボマンは更にらんこさんの友達が落胆すると言った。その事にらんこさんは許せない…いや、それ以上にらんこさんは友達が落胆する筈が無いのに落胆してしまう姿を想像してしまった自身が許せないんだろ。だからこそ、らんこさんは一瞬でも想像した自分への戒めも兼ねて1人で倒そうと考えているんだ」

 

「…ええ、そうよ」

 

まるで心を見ているのかと思うくらいに自身の考えている事を言い当てる恋太郎にツイスターは観念して認める。

 

「恋太郎さんのいう通り私は彼奴を許せないけど私は皆んなのことを信頼している…いや、信頼し合っているにも関わらず私はそんな想像をしちゃったの…だから私は想像した私自身が許せないの!!!」

 

ツイスターの怒りの声に恋太郎ファミリー達はなにも言えなかった。彼女達も互いを信頼している事からツイスターの気持ちに共感出来たのだ。そんな彼女達の表情を見て恋太郎は再びツイスターに話しかける。

 

「わかった。それなら俺達はこれ以上何も言わない。俺はらんこさんの意思を尊重する」

 

「恋太郎さん…ありがとう」

 

恋太郎達はツイスターの意思に尊重しこれ以上救援する事を勧めない事にし、ツイスターも一同に向けてお礼を言う。

 

「でも、お一人で戦う事は良いとして何か作戦があるおつもりで?」

 

「っ、そ、それは…」

 

美々美の疑問に思わずツイスターは言葉を詰まらせる。先程までツイスターは自分1人で戦うと豪語したもののいざ戦う際の対策は考えていなかった。それを察した楠莉がニコニコした表情でツイスターに試験管を渡した。

 

「それなら楠莉の作ったこの鉄を溶かす薬で彼奴を溶かしてやるのだ…って、これは愛を力にする薬なのだ」

 

「鉄を溶かす薬ってそれもう酸よね。というか愛を力にする薬って何よ?なんでそんなもの持ち歩いているのよ」

 

「色が似ているから間違えて持ってきちゃったのだ」

 

「いや、答えになってないんだけど…」

 

「そもそもアイツ無茶苦茶早くて薬を投げたって当たる訳ないだろ」

 

「しかも死角ばっか狙ってくる陰湿さもあるから厄介だな」

 

何故よく分からない薬を持ち歩いているのかの疑問に結局楠莉は答えず、数と先も仮に酸が入った薬を投げたから必ずしも当たらないと語るとツイスターはバッと先の方に視線を向ける。

 

「待って、先さん今なんて言ったの?」

 

「え、陰湿さもあるから厄介だなって」

 

「違うわ。その前よ」

 

「死角ばっか狙ってくる「それよ‼︎」?」

 

『?』

 

何か作戦が閃いたのかツイスターは笑みを浮かべその場にいる一同はどう言う事なのか全くわからず疑問符を浮かべるのであった。

 

─────────

 

一方その頃、家具店の外では騎士華達がターボマンの相手を続けているがそこでは各々の疲労が見られている。

 

「ろ、ロボットは…物理で倒せる…は、はず…オー◯マイトやハル◯がそうだった様に…!」

 

「くっ…これ以上の足止めは…!」

 

「諦めるな!己の残った全てを振り絞れ!」

 

エイラと芽衣が弱音を吐く中で騎士華は竹刀を構えながらエイラ達を励ます。

一般人よりも強い彼女達がターボマン相手に戦ったもののやはりターボマンのパワーと速さには敵わずにいた。騎士華達は見たところそこまでの大怪我は負っていないものの、体力は限界に近く。これ以上の戦闘は困難であった。

 

「よく此処まで頑張ったが、そろそろ異種格闘技選手権も終幕にしようぜ」

 

此処まで自分を相手に戦ってきた騎士華達の奮闘を讃えるかの様にターボマンは拍手を送る中、チラッと視線を道の隅に向けるとそこには育が倒れていた。彼女は騎士華達と違い、身体の所々に打撲痕があり持っているバットも折れ曲がっている。一見すれば彼女はボロボロでもう動けない…その筈なんだが。

 

「キッツ…!♡」

 

「…何でこいつは俺の攻撃を喰らって喜んでいるんだ?ロボットなのに鳥肌が立っちまうぜ」

 

寧ろ幸せな笑みを浮かべておりその表情にターボマンは思わずドン引きする。

 

「今だ!」

 

するとターボマンが育に意識を向けている事に好機と感じたエイラはターボマンに突っ込みカポエイラによる強烈な蹴りをターボマンの顔面に浴びせる。エイラも流石に効いただろうと思ったが、ターボマンにはまるで通用していなかった。

 

「不意打ちとはあまり褒められないが…戦いとしては中々だな」

 

「なっ!?きゃあああああっ!!!」

 

エイラからの蹴りが決まったかと思われたターボマン。しかし、彼は寸前の所で腕を盾にしてエイラの蹴りを防いでおりそのまま彼女を吹き飛ばしてしまった。そこから追撃をするべくターボマンはエイラに向かって拳を振るう。

 

「させん!」

 

「おっ?」

 

しかし、その直前に2人の間に入る様に騎士華がターボマンの拳を竹刀で防ぐとその竹刀は一瞬にして粉砕される。

 

「竹刀が!?」

 

「あらら、壊したのは俺だが責任は取らねえぞッ!」

 

「「「騎士華ちゃん(先輩)(様)」」」

 

呆気に取られている騎士華に向かってターボマンはそのまま拳を振るい抜こうとする。それを見たエイラ達は咄嗟に彼女を助け出そうと動くが間に合わず巨大な拳が騎士華の身体に叩き込まれる。

 

「あん?…消えただと?」

 

しかし、叩き込まれる寸前に騎士華は消えターボマンの拳は空振る。ターボマンは消えた騎士華に驚いていると背後から足音が聞こえ咄嗟に振り返ると其処には騎士華を抱き抱えたツイスターの姿があった。

 

「へぇ、なんだツイスター戻ってきたのか?てっきり逃げたかと思ったぜ」

 

「生憎私は結構根に持つタイプだからやられっぱなしは私の性に合わないわ」

 

ターボマンを睨みつけると先程助けた騎士華に声を掛ける。

 

「大丈夫ですか騎士k「ばぶ〜」さん…え、ばぶ〜?」

 

自身の腕の中にいる騎士華の顔を覗くと其処には先程まで凛々しかった顔が消え失せ、まるで赤ん坊の様に親指をしゃぶりながら上目遣いでこちらを見つめていた。

 

「なんかとろとろになっているーッ!?」

 

「ママぁ〜!」

 

「いや、わ、私はママじゃ…って、じゃなくて何これ!?本当にどういう事!?」

 

「騎士華先輩は普段から騎士の様な精神を持ち合わせているけど甘やかしたり抱っこすると赤ちゃんみたいになるんだよ!」

 

「え、何その強い反動は?」

 

育から騎士華の癖を聞いて思わず目を丸くしていると恋太郎達と恋太郎ファミリーもこの場へ駆けつけた。

 

「騎士華先輩!エイラさん!育!芽衣さん!」

 

「お姉様ご無事ですかーッ!?」

 

「ママはこっちよ〜騎士華ちゃ〜ん!」

 

恋太郎達は駆けつけるとターボマンとの戦いで傷ついた彼女達を介抱する。尚、赤ちゃんモードになっている騎士華は羽々里に甘えている。

 

「眉太郎とその彼女達もやってきたか。なんだひょっとしてお前たち全員で戦おうってか」

 

「…正直お前は俺の彼女達に手を出した…本音を言えば俺がお前を倒したいがそうは出来ない」

 

恋太郎は自分達がいない間にターボマンの足止めによって傷ついた騎士華達の姿を見てはらわたが煮えくりかえる思いをするものの、自分の実力ではターボマンに敵わない事を理解していた。

 

「だかららんこさん!悔しいけど俺の分の怒りを奴にぶつけてくれ!」

 

「勿論よ!」

 

恋太郎から託されたツイスターはターボマンに視線を向けると一気に距離を詰める。

 

「はあっ!」

 

「おっと、いきなり攻撃とはな。だが当たらねえよ」

 

連続で拳と蹴りを放つツイスターだがターボマンの速さの前では命中せず全て躱わされる。

 

「さっきまで泣いていた奴がもう立ち直るとはな、心が弱いのか強いのか全くわかんねえな」

 

「自慢じゃないけど私は立ち直りは早い方だからッ!」

 

そう言ってツイスターは拳に風を纏わせるとそれをターボマンの腹部に叩き込もうと放つが、ターボマンはそれを回避するとツイスターの背後に一瞬で回り込む。

 

「立ち直りは早くても動きは俺より遅えよ!」

 

「があっ!?」

 

背後から拳を叩き込まれたツイスターは吹き飛ばされるも何とか姿勢を正して勢いを殺しつつ着地する。対してターボマンは先程ツイスターに叩き込んだ拳を見つめる。

 

(なんだ…今殴った感触があまり感じなかった様な)

 

先程ツイスターに確実に攻撃を与える為に死角からの攻撃をしたが、ターボマンは先程まで戦ってた時との感触と異なりまるで空気を殴ったかの様に軽い感触であったのだ。

 

「…五感機能がエラーでも起こしたか?まぁ良いさ。兎に角倒す事に変わりはないからな‼︎お前の様な弱えプリキュアは楽勝だぜ!!!」

 

「彼奴また!」

 

再びツイスターの事を弱いと罵ったターボマンに唐音は飛び出そうになるも恋太郎が手で制して止める。

 

「大丈夫だ唐音、らんこさん…いや、今のツイスターはあれくらいの事に傷はつかない」

 

「恋太郎…」

 

恋太郎の言葉を信じる事にして唐音はツイスターの戦いを見守る事にする。

一方でツイスターとターボマンの戦いはやはり速さがターボマンの方が上である為、連続で死角からの攻撃をツイスターに喰らわせていた。しかし、何度もツイスターを殴ったり蹴り飛ばしているにも関わらずターボマンは妙な違和感に悩まされる。

 

(やはり妙だ。こんなに何度も攻撃を当てているにも関わらずスカッとしねえ)

 

何故かこちらが攻撃しているにも関わらずどうも攻撃した感触が軽い事にターボマンは疑問を浮かべる。しかし、ツイスターは息を荒くしており緑の衣装も所々が赤い血らしき物で滲んでいた。更には足を伝って血が混じった汗の水溜りが出来て限界に近い様子だった。

 

「まぁ良いさ。兎に角次で決めるぜ!!!」

 

「っ!」

 

するとツイスターはツイスターを中心に彼女の周りを円を書くように走り出し段々と加速して無数の残像を残していく。

 

「どうだこの速さは?こんなに速いと何処から襲ってくるかわからねえだろ」

 

「……」

 

ターボマンは360度から彼女に声を掛けて何処から襲ってくるかわからない恐怖を与えようとする。するとツイスターはそんなターボマンに対して何も答えずただ無言でいつでも攻撃ができる様に構えを取っている。

 

(無駄だ。いくら構えた所で攻撃が飛んでくるのは一つの方向のみだ。しかもどのタイミングで襲いかかってくるかわからない!)

 

心の声で語るとターボマンはツイスターの死角を狙おうと背後へと移動。そのまま後ろから襲い掛かり、拳をツイスターの背中に叩き込む。その影響で周囲には衝撃音が響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、その衝撃音はツイスターの物ではなくターボマンの腕から聞こえた音だ。

 

「ガアアッ!?な、何だと…!?」

 

ターボマンは思わずツイスターを殴り抜こうとした自身の腕を抑える。先程ツイスターへ攻撃しようとした瞬間、自分の腕に衝撃音と共に強烈なダメージが走ってしまった。そのためターボマンは自身の腕を見ると其処にはツイスターの武器であるテンペストバトンが突き刺さっていたのだ。

 

「こ、これはツイスターの…ば、馬鹿な…まさか俺の動きを上回る速さで突き刺してきたのか…俺の腕を…!」

 

自分よりも速さが下回るツイスターが自分の攻撃をカウンターで対応してきたのかとターボマンは戦慄しているとツイスターの口が開く。

 

「やっぱり単純ねあんたは」

 

「な、何だと?」

 

「私は攻撃した訳じゃ無いわ。あんたが背後から攻撃するタイミングを見計らって背中からテンペストバトンを召喚しただけだから。つまり、あんたは自分からテンペストバトンに刺されに行っただけよ」

 

自分から刺されに行ったと聞いてターボマンは納得する。確かに攻撃してくる方向が事前にわかっていれば後は罠を置いていれば勝手に刺されに行ってくれる事になる。だが、そうするには攻撃がどの方向とどのタイミングで仕掛けられるかを事前に知っていなければ出来ない事だ。どうやってそれらがわかったのか疑問を浮かべているとツイスターが再び答える。

 

「あんた…私があんたの攻撃を仕掛けてくる方向とタイミングについてわかった事に不思議に思っているわね。……あんたはさっきの戦いからずっと私の死角ばかり狙っていた。だから再び死角を狙ってくる事と思ったのよ。後、あんたを作ったマッドサイエンティストも似た様な戦法を使ってたしね」

 

「何だと…だ、だが、方向が分かってもタイミングは分からなかった筈だ!」

 

幾ら方向が把握できていてもそれがどのタイミングで攻撃を仕掛けてくるか分からなければテンペストバトンを用意しても攻撃は途中で中断する可能性がある。だが、ツイスターは攻撃するタイミングもどういう訳かわかっていた。一体どんな絡繰を使ったのだとターボマンは疑問に思っていると再びツイスターの口が開く。

 

「私の足元をよく見てみなさい」

 

「足元?…なっ、これは!?」

 

ツイスターの足元に視線を向けると其処にはやや大きめの赤色の混じった水溜りが出来ている。それは先程までの戦闘によりツイスターが流した汗と血で出来た水溜りだ。

 

「そしてこの水溜りには私の身体から流れた血…じゃなくて血糊も使っているわ」

 

そう言うとツイスターは胸元に手を入れると其処から穴の空いた血糊が入った袋を取り出して見せつける。

 

「血糊だと…まさかその身体が所々赤いのは本物の血じゃないって事か!?」

 

ターボマンは漸く合点がいく。これまでツイスターに何度も攻撃をしていて血を流させているにも関わらず、スカッとしなかったのは彼女が攻撃を受ける直前に自身を吹き飛ばしてあたかも攻撃を受けている様に見せかけたのだ。そして血糊を使う事で怪我をしている様に見せかけてターボマンを騙すと同時に水溜りを作る事に成功した。*2

 

「だ、だが!タネを明かしたしまえばもう俺は騙されるかーッ!!!」

 

もう死角を狙わないと決めたターボマンは再び高速移動をしてツイスターに向かって無事な拳で叩き込もうとするが狙いはツイスターの横を逸れて地面を殴り抜ける。

 

「なっ!?俺の攻撃を避けただと!?」

 

「馬鹿ね。避けたんじゃなくてあんたが狙いを外したのよ‼︎」

 

「ガハッ!?」

 

攻撃が外れた事に驚いているターボマンに向かってツイスターはターボマンの顔面に向かって膝蹴りを喰らわせ吹き飛ばす。

 

「あんたはさっきテンペストバトンが刺さった腕のダメージがとても重く。それによってその腕の感覚が鈍くなった事で攻撃の際のバランスが崩れたのよ!」

 

「ぐっ!良い気になるな!」

 

其処からはツイスターの連続攻撃が繰り出される。ターボマンはそれに対して負け時とマフラーをツイスターに向けると彼女に向かって火炎放射を放つ。しかし、ツイスターはそれを跳んで避けると背後に回り込む。

 

「其処だぁッ!!!」

 

その瞬間、背後から攻撃をされる前にターボマンは裏拳を放つがツイスターはその腕を受け止める。

 

「捕まえたわ。覚悟は良いかしら!

 

「ま、待てってウオオオオオオオオオッ!?」

 

ターボマンの静止を聞かずツイスターは目を光らせるとターボマンの巨体を持ち上げ、竜巻と錯覚するくらいに振り回していく。そのまま勢いよく宙に向かって投げ飛ばすとツイスターも身体に風を纏わして飛び出す。

 

「喰らいなさい!ヒーローガール!ツイスターストライクッ!!!」

 

「ぐっ、ギャアアアアアアアアッ!!!」

 

ターボマンの腹部ににツイスターストライクを決め、そのままターボマンを吹き飛ばし、彼は地面に陥没する程勢いよく叩き込まれる。ツイスターは地面に着地するとターボマンを見下ろす。

 

「どう、弱いって言ってた奴に倒される気分は?」

 

「ぐっ…クソォッ…!」

 

まさか自分がツイスターにやられるとは思っても見なかったターボマンは自分を見つめるツイスターを睨みつける。一方で戦いを見守っていた恋太郎ファミリーは喜びの声をあげている。

 

「やったのだ!らんこの勝ちなのだ!」

 

「正に逆転勝ち──と言えるね」

 

「やはり悪が正義にやられるのはいつ見ても…バイオレンすわ〜ッ!」

 

「どうよ!?散々馬鹿にされた相手にやられる気分は!」

 

彼女達もツイスターが勝ったことと彼女が騎士華達がやられた分も晴らしてくれて大変喜んでいた。そんな姿を見てターボマンは怒りを露わにする。

 

「あの女ども…調子に乗りやがデェッ!?」

 

地面から立ちあがろうとしたターボマンだったがダメージの大きさに全身からスパークが走り崩れ落ちる。

 

「辞めときなさい。あんたはもう戦えないわ。あと、私もこれ以上戦うつもりは無いわ」

 

「な、情けヲかけるつもりカ…この俺ニ…!」

 

ツイスターが戦意を無くして自分を憐れんだ眼差しを向ける事がターボマンの癪に触る。自身は対プリキュア用に作られたロボットだ。それなのに対象人物の1人であるツイスターにやられるだけでなく情けを掛けられる事は自身の存在意義に関わってしまうのだ。

 

「バカにしやがってヨォ…俺ガもう戦エナいと思っているヨウダガマダ、奥ノ手があるゼッ!」

 

するとターボマンはダメージが大きい所為か声にノイズが走りつつも自身の腹部の装甲を引き剥がすと其処に入っていた小袋からカプセルを取り出した。

 

「それは!?」

 

「気ガ付イテモオセエヨッ!」

 

ツイスターはターボマンからカプセルを取り上げようとするが、反応が遅れたためにそれよりも先にターボマンは自身の胸部に叩きつけてしまう。すると胸から紫色のオーラが放たれ、それが全身に纏わりつくとターボマンのボロボロだった身体は修復されていく。更にはその体が巨大化していく。

 

「よっ、シャアアアアアアアア!!!」

 

「なっ、カプセルで強化したの!?」

 

巨大化したターボマンの姿にツイスターは驚く。其処に隙ありと言わんばかりにターボマンはマフラーをツイスターに向けると其処から漆黒のエネルギー波を放った。ツイスターはそれを咄嗟に跳んで避けた。

 

「ドッセエエエエエエイ!!!」

 

「なっ、きゃああああああああっ!!!」

 

しかし、彼女が跳んだ所をターボマンは強烈な張り手を食らわせてツイスターを建物の壁に叩きつける。壁に叩きつけられたツイスターは壁からずり落ちて地面に落下して倒れ伏す。

 

「ぐっ…見誤ったわ…!」

 

思い返せばターボマンはこの街に来たのは散らばったドーピングカプセルの回収だ。そしてカプセルは回収済みで先程ターボマンを追い詰めた事によりカプセルを使わせてしまい、一気に逆転をされてしまったのだ。

ツイスターは叩きつけられた痛みに耐えながらも立ちあがろうとする。

 

「ツイスター大丈夫か!?」

 

「恋太郎さん!?」

 

すると其処へ恋太郎を筆頭に恋太郎ファミリーがツイスターを心配して彼女のそばにやってくる。

 

「さっき壁に叩きつけられただけじゃなく地面に落下したけど大丈夫!?」

 

「此処は一旦引いて戦況を立て直しましょう」

 

今のツイスターにこれ以上戦闘させるのは難しいと判断した唐音と羽香里を筆頭に一同はこの場から離れようと言うがツイスターは首を横に振る。

 

「だ、だめよ…彼奴は私を狙っているのよ。此処で決着を付けないとこの街が破壊され尽くされるわ」

 

「でも、今のツイスターはとても戦える状況じゃない!」

 

互いに譲ろうとしないツイスターと恋太郎。だが、この場で巨大化したターボマンをどうにかしないと本当にこの街が破壊されない状況だ。こうなったらとツイスターは一か八かひかるに応援を頼もうかと考えていると楠莉が「あっ」と何か閃いた声を上げる。

 

「そうだ!こう言う時こそ愛を力に変える薬を使うのだ」

 

「じょ、冗談じゃないわよ!あんたの作るよく分かんない効果の薬を誰が飲むってのよ!」

 

先程鉄を溶かす薬と間違えて持っていた楠莉が作った愛を力に変える薬とは具体的にどういう効果なのかは知らないがツイスターは先程無理やり笑い薬を飲まされた事もあって彼女が作った薬は飲みたくなかったのだ。

 

「じゃあ、説明するのだ。この愛を力に変える薬。これはその名の通り、愛を力に変える薬だ。例えば好きな人に対する愛が大きければそれに比例して飲んだ者に絶大な力を与えるのだ…多分」

 

「最後の一言で不安になったんだけど!?」

 

薬の説明からして飲めばワンチャンターボマンに勝てる力が手に入るかもしれないが、楠莉の最後の一言にツイスターは飲む事に躊躇いを覚えると恋太郎が話しかけてくる。

 

「ツイスター…確かに楠莉先輩の作る薬に不安になる事は分かる。俺も初めて会った時に磁石人間になる薬や惚れ薬を飲まされた。羽香里達も間違えてキスゾンビになる薬や結構色んな事があったりしたけど、それでも楠莉先輩の作った薬を信じてくれ!」

 

「恋太郎さんフォローしているつもりだけど不安要素しかなくて1ミリも安心できないんですけど!?」

 

恋太郎の口から今まで楠莉が作った劇薬の数々を聞いて余計にツイスターは苦手意識を覚えると突然辺りが暗くなり一同は何事かと思い空を見上げようとすると、其処にはターボマンが自分達を見下ろしていたのだ。

 

「オレを放置シテイルとは良い度胸ダナッ!!!」

 

『ッ!?』

 

そう言うとターボマンはマフラーをツイスター達に向けるとエネルギー波を再び撃とうとしていた。

ツイスターは周りを見ると恋太郎とその彼女達が不安な顔を浮かべている事に気がつく。そもそも此処にいる彼等は自分達の戦いに巻き込まれた被害者である。その為、ツイスターは彼等をなんとしてでも守らなければいけなかったのだ。

 

「コレデトドメダァァァァァァ!!!」

 

そして痺れを切らしたターボマンは恋太郎達ごとツイスターを倒そうとエネルギー波を放ってきた。そのため、ツイスターはこうなれば自棄だと言わんばかりに楠莉に手を差し出す。

 

「よこしなさい!早く!」

 

「サンキュー◯ジータ!」

 

「誰が◯ジータよ‼︎」

 

ツッコミを入れつつもツイスターは楠莉から薬の入った試験管を受け取ると中身を飲み込む。その瞬間、ツイスターの心臓から大きな鼓動が響くと身体からピンク色のオーラの様な物が放たれて恋太郎達を守る様にバリアとなる。それが迫りくるエネルギー波を防いだ。

 

「ナ、ナンダト!?」

 

「これが愛を力に変える薬の力!?」

 

「ま、まだよ!!!ハアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

その場にいる一同はエネルギー波を防ぐツイスターのオーラの存在に驚いているとツイスターは更にオーラを放出し、そのオーラが彼女の手の中に集まるとオーラがスカイトーンへと変化する。

 

「これが私の愛の力ね…試してあげるわ‼︎」

 

そう言うとツイスターはその場から高く跳ぶとスカイミラージュを取り出してスロットに新たなスカイトーンを嵌め込むと天に向かって掲げる。すると、彼女の身体からピンク色のエネルギーが放出され頭上に集約され大きなピンク色のハンマーを形成しそれを手に取る。

 

「ピンク色のハンマーね…私らしくない色だけどまあ良いわ!」

 

そう言うがツイスターは満更でもない顔を浮かべるとターボマンに視線を向けると彼に向かって突っ込んでいく。

 

「受けてみなさいターボマン!これが私の愛の力よ!!!」

 

「面白レェ!!!愛ダガナンダガしらネエが真っ向カラ叩きツブしてヤルヨッ!!!」

 

迫り来るツイスターに対してターボマンも自身の拳にエネルギーを集約させると拳をドリルの様に回転させ構える。

 

「喰らいなさい‼︎ヒーローガール……ラブボンバァァァァァァァァァァッ!!!!」

 

「ターボスマッシュパァァァァァァァァンチッ!!!!」

 

巨大な愛のハンマーを持ったツイスターはプロペラの如く回転しながら突撃しターボマンは迫り来るツイスターに回転する拳をぶつけ其処から衝撃波が引き起こされる。

 

「ぐぐぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

「ハッ!コレが愛の力か?こンな物で俺様ヲ倒そウダナンて片腹痛イゼ!!!!」

 

ツイスターの新技だが、強化されたターボマンの力に一歩及ばないのか次第に押されていってしまう。

 

(ダメ…これ以上力が出ない……やっぱり皆んなが居ないと私は…!)

 

自分の技が負けそうになる事にツイスターは思わず内心で弱音を吐いてしまう。この場にソラやひかるといった自分の心の支えになってくれる大事な人達が居ないとやはり自分は弱くなる。そう思った時、突然ツイスターの身体に力が湧いてくる。

 

「何…何が起こっているの!?」

 

何故か先程まで心が折れそうになりかけたツイスターに自身も知らない力が溢れてくる事に不思議に思っていると、下の方から自分に向かってピンク色のエネルギーが飛ばされている事に気がつく。ツイスターがエネルギーの発生しているの源に視線を向けると其処には恋太郎達が身体からツイスターの様にピンク色のエネルギーを放っていたのだ。

 

恋「らんこさんばかり戦わせはしない!俺達の愛も使ってくれ!!!」

 

楠「こんな事もあろうかと愛を力に変える薬を34人分用意していたのだ」

 

唐「何でこういう事態を想定出来るのよ!?でもまぁ今回はナイスとかしか言いようがないわ楠莉!!!」

 

羽「というか私たちの愛って主に恋太郎君へ向けた愛だからそれをらんこさんに渡すのって色んな意味で不味いんじゃ!?」

 

凪「一度に多数の愛を感じ取れるのは効率的」

 

知「いや、それただの浮気行為じゃ!?」

 

百「良いじゃん良いじゃん。もうこの際だからこのまま最後までやるしかないっしょ」

 

ナ「オー!ラブはフリーダムデース!」

 

妹「いや、貴女達は一応教師なんですからせめて少しだけでも躊躇う様子を見せて下さい!」

 

季「だ、駄目よ…駄目なんだから…!」

 

羽々「良いじゃない。私たちの恋太郎ちゃんへの愛と恋太郎ちゃんが私達に向けてくれている愛を知らしめましょう!」

 

芽「かしこまりました」

 

姫「彼氏持ちの女子に私達の愛を伝えるなんて…私達奇人過ぎる!!!」

 

美「さぁ、私たちの美し過ぎる愛を持っていてあそばせ!」

 

愛「ら、らんこさん、頑張って下さい!」

 

静「『がんばれ◯カロット…おまえがナンバー1だ!』」

 

恋太郎達はそれぞれ34人分の愛のエネルギーをツイスターに◯気玉の要領で送る事によりツイスターに吸収されていき彼女の持つハンマーが更に巨大化する。

 

「これなら…いける!!!うおおおおおおおおおおおっ!!!!」

 

「ナ、なんダトッ!?」

 

ツイスターは恋太郎達に託された愛を力に変えると更に回転していきターボマンを押し返す。ターボマンも負け時ともう片方の拳でツイスターを押さえ込もうとするが、恋太郎達のとんでもないくらいの愛を吸収した事によりハンマーのエネルギーの量がターボマンの力を上回り両腕を弾いた。

 

『イッケエエエエエエエエエエ!!!』

 

「はあああああああああああっ!!!!」

 

「ぐっ、お、抑えきれがアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

ガラ空きとなったターボマンの胴体にツイスターのハンマーが叩き込まれると、その巨体は空に吹き飛ばされていきツイスターは背を向ける。

 

「『愛よ、天に帰れ!』」

 

「スミキッター」

 

脳内からまた知らない声響き渡るも偶然にもそれがツイスターの台詞と重なり、そのままターボマンは浄化され地面に落下して倒れ伏す。同時に戦いによって傷ついた街はあっという間に元通りに戻った。

 

「ふぅー…なんとか勝てたわね」

 

「ツイスター!」

 

『らんこ(ちゃん)(さん)(っち)』

 

なんとか戦いに勝てた事にツイスターはホッと一安心していると恋太郎達が駆けつけてくる。

 

恋「凄かったよツイスター!あの巨大な相手に勝つなんて」

 

唐「べ、別にカッコよかったなんて思ってないんだからね!」

 

羽「唐音さん其処は素直にカッコよかったて言ってくださいよ」

 

先「まっ、年上のアタシが力を貸したんだから当然ね結果だね」

 

祭「てやんでい!これはあていらの愛情祭りでい!勝てたのはあていらの力でい!」

 

詩「みんなの勝利──とも言えるね」

 

ヤ「まだまだ若いのに大した物じゃのう」

 

タ「にゃんこすごかったにゃん」

 

山「あんなデカい敵相手に1人で立ち向かうなんて勇敢だど」

 

あ「らんこっち、かーいーかったよ」

 

羽々「ええ、本当に可愛いわらんこちゃん!もっと貴女の姿を見させて〜!」

 

美「それにしても街が修復される時のキラキラはなんとも美しいですわ」

 

夢「貴女のメルヘンをしかと見させてもらいました」

 

蓮「これにてこの事件は一件落着ですね」

 

恋太郎達はそれぞれツイスターに対してお礼や褒め言葉を贈っていると彼女も若干照れた顔を浮かべる。

 

「べ、別に当然のことをしたまでよ…そんな褒められる事はしてないわ」

 

「其処は素直に嬉しそうにしなさいよ」

 

「唐音さんだからそれは貴女が言える台詞ですか〜?」

 

謙遜な態度を取るツイスター。それを見た唐音はやれやれと言わんばかりにしてそんな唐音に羽香里は揶揄ったりして先程の戦いが嘘だったように場が和みかけていると、いきなりターボマンの声が聞こえる。

 

「ぐっ…やってくれるじゃねえか…!」

 

『ッ!?』

 

「ターボマン!?」

 

その時倒したと思われていたターボマンがゆっくりと立ち上がってこちらを見ていたのだ。そのため、ツイスターは恋太郎達を守る為に再び前に出ると拳を構えていつでも戦闘できる姿勢を取る。

 

「よせよ、今日はもう戦える程の力は残ってねえよ。カプセルの力でボロボロになった身体を無理させるだけでなくお前らの愛の力って奴を受けちまった所為で立っているのもやっとって所だ」

 

ターボマンの台詞にツイスターは改めてターボマンの姿を見ると全体の装甲は所々ひび割れており、関節部分も火花が飛んでおりもうまともに戦える状態じゃなかった。

 

「今回も俺の負けだが、お前の新たな力…愛の力って奴は中々の物だったぜ。次戦う時は俺が勝ってやるからな…首を洗って待ってろよ」

 

そう言うとターボマンは転移してその場から去って行った。それを見てツイスターは今度こそ安心して変身を解いたのであった。

 

 

──────────

 

それからと言うものの戦いを終えた後、らんこは恋太郎達に街の中にあるそれぞれ好きな場所を案内して一緒に買い物をしたり食べたり楽しんだりして行ったりとしていた。中でもらんこがいるにも関わらず恋太郎達はお互いにキスをしたりしてらんこは胸焼けを起こす事があった。

そんな楽しい時間はあっという間に過ぎていき、らんこはソラシド市行きのバス停におり恋太郎達も彼女を見送りに来ていた。

 

「皆さん本当に今日はご迷惑をお掛けしました」

 

「らんこさん気にしなくていいよ」

 

「そうよ、あれくらいの事私達ではある意味日常茶飯事よ」

 

「え、日常茶飯事!?」

 

今回のターボマンとの戦いについて謝罪したらんこは唐音から自分達も似た様なことを何回も体験している様な台詞に思わず聞き返してしまう。

 

「前に楠莉が作った薬で教頭が怪獣にみたいに大きくなって男達を食べようとしていた事があったのだ」

 

「その時、恋太郎ちゃんロボを皆んなで操縦して活躍したことを思い出すわねぇ」

 

「あと、ラピュタに遭難して恋太郎君がゴム人間なって其処から皆んなでギチギチになってスカイダイビングをして脱出したのも良い思い出だよねー」

 

「え、何?ひょっとしてあなた達って結構な経験者なの?」

 

「この街はメルヘンな事が多いですから」

 

恋太郎達もひょっとしたら自分以上にトラブルに巻き込まれている事にらんこは思わず仲間を見る様な眼差しを送ってしまう。

 

「それよりも今度らんこさんの友達を連れてきてくださいよ」

 

「らんこちゃんの友達もプリキュアなんでしょ?ぜひ知り合いになりたいわ」

 

「ああ、俺もらんこさん達の友達やらんこさんのこともっと知りたいからさ」

 

「皆さん…ええ、今度はみんなを連れてきて遊びに行くからその時はまた街の案内をお願いします」

 

『もちろん(よ)(です)(ですわ)(でございます)(なのだ)(でやんす)(じゃ)(さ)(にゃん)(でい)』

 

「物凄い語尾の大渋滞!?」

 

思わずツッコミを入れてしまうらんこであるが次来てもまた案内をしてくれる恋太郎達にらんこは嬉しく思い、その後それぞれお土産を貰うとやってきたバスに乗り込む。その後、らんこは窓から恋太郎達に手を振りながらソラシド市へと帰っていった。その様を見つつ恋太郎達もらんこの乗るバスが見えなくなるまで手を振り続けるのであった。

こうしてらんこの梳杉町での一人旅は幕を閉じ、元のソラシド市での生活に戻るのであった。

 

─おまけ─

 

ソラシド市に帰ってきたらんこは自分の家に帰る途中、恋太郎達から貰ったお土産の中に虹ヶ丘家の面々が喜びそうな物があった事を思い出す。そのため夕方ではあるものの虹ヶ丘家に寄って行った。

 

「ましろ〜、皆んないるかしら?」

 

大量のお土産が入った紙袋を片手に持ちらんこは虹ヶ丘家のインターホンを鳴らすと暫くして慌ただしい足音と共に扉が開く。すると恐る恐るましろ達が扉の前にいるらんこの姿を見つめる。

 

「ら、らんこちゃん…こ、こんばんは…」

 

「にゃんこー!」

 

「え?…こんばんは…何かあったの?」

 

「う、ううん!なんでもないよ‼︎本当に何でもないから!!!」

 

何故か元気なエルに対してましろが余所余所しい姿にらんこは気になったが、其処は彼女の気を遣って詳しく聞かない事にした。そして、ましろの後ろではソラ達がいるのだが彼女達も様子がおかしい。

 

「あの服らんこさんは前に着てましたっけ?」

 

「い、いえ、僕の記憶では今日初めて見る服です」

 

「それにしても結構可愛い服だよね…」

 

「まさか、やはりひかると一緒に…!」

 

何やらましろの後ろではソラ達が小声で何かを話している様だがらんこには聞き取れなかった。

 

「実は今日1人で少し離れた街に旅行しに行ってきてその時のお土産を持ってきたのよ」

 

「え、1人で旅行?…ひかる君と一緒じゃなかったの?」

 

「え、ひかると…なんで?」

 

何故かひかるの名前を出してきた事にらんこはキョトンとなりつつ思わず聞き返してしまう。

 

「う、ううん気にしないで!」

 

ましろはらんこが今日1人で過ごしていた事を聞いてほっと一安心する。ソラ達もそれを聞いて同様に安心をするがあげはだけは「せっかく赤飯炊いたのに…」とぶつぶつと言って不満気な顔を浮かべていた。

 

「なんか気になる言い方だけど…まぁ良いわ。これ、あっちに行ってきた際に偶然にも雪房田夢留さんって絵本作家さんと知り合ったからその時もらった絵本をエルに読ませてあげて」

 

「わあ、ありがとうらんこちゃん!エルちゃんも良かったね。新しい絵本だよ」

 

「えほん!」

 

新しい絵本と聞いて目を輝かせたエルにらんこは早速お土産が入った袋から絵本を探し出そうとするが、34人分のお土産が入った袋である為一応幾つか小分けしてはあるものの探す事に。その後、一苦労するものの絵本らしき物を見つけるとそれをましろに渡す。

 

「あったわ。ほら、これがその絵本よ」

 

「へぇ、これが…ってあれ、これ絵本じゃなくて何かのざっ!?」

 

らんこから間違えて渡された雑誌の表紙を見てましろは思わず固まってしまう。ソラ達も気になり後ろからましろの手に持つ雑誌を確認してみると同様の反応を見せる。

その雑誌は育児雑誌でしかも0歳から1歳半といった生まれたて赤ちゃんに対する育児の内容が書かれた雑誌なのであった。

 

「あ、間違えたみたいね絵本はk「うわあああああん!!!らんこちゃんが大人のエレベーターを登っちゃったよーッ!!!」はあっ?急に何を言っているのって、ああっ!?その雑誌は!?」

 

泣いているましろが手に持つ雑誌を見てらんこはソラシド市に帰ってくる前に羽々里から無理矢理渡された育児雑誌である事に気がつくと同時にましろが良からぬ想像をしている事を察した。

 

「お、落ち着きなさいましろ!私は別に今日やましい事なんt「だ、駄目ですよらんこさんその歳で子作りなんて!?」ソラァ!?」

 

「そ、そうですよ!な、何を破廉恥な事をしているんですか貴女は!?」

 

「やっぱりひかる君とヤル事はやったんだ!これなら赤飯を炊いた甲斐があったよ!」

 

ましろに誤解を解こうとしたがソラ達まで勘違いをされてしまいらんこは困り果ててしまうが、その中で1人ベリィベリーが静かである事に気が付き彼女に助けを求めようと藁にもすがる思いで話しかける。

 

「ベリィベリーあんたが最後の希望よ!みんなの誤解をとい…」

 

誤解を解いてと言い掛けたらんこだがベリィベリーの顔を見て思わず言葉が止まる。何故ならベリィベリーの顔は真っ赤になっており、今にも泣き出しそうであった。らんこはそれを見て慌ててベリィベリーが何かを言う前…と言うか余計場を混乱させない為にも彼女の口を閉じようとしたが間に合わずベリィベリーの口からぶっ飛んだ発言が放たれる。

 

「こいつら交尾したんだ!!!!」

 

「交尾言うんじゃないわよ!!!!」

 

こうしてソラシド市に帰ってきて早々に大きな騒動に巻き込まれたらんこ、果たして彼女の休息する日はあるのだろうか?

尚、この後誤解を解くのに30分時間を掛けて漸く解くと虹ヶ丘家にて夕食を食べる事になったのであった。

*1
尚、その中でヤクだけは◯ラえもんと聞いて首を傾げていた。

*2
尚血糊は灰尾凛から貰った。




次回から本編の話に戻ります。お楽しみに。
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