「「「「「「はああああっ!!!!」」」」」」
「一斉に攻撃を仕掛ければ勝てるという考えは悪くないが、俺には通用しねえ!」
変身完了したツイスター達5人に加えてベリィベリーはランボーグとターボマンに突撃してそれぞれ攻撃を仕掛ける。対してターボマンはランボーグの前に立つと相手が6人にも関わらず余裕で攻撃を避けたり受け流してみせた。
「忘れたか?俺にはお前達プリキュアの最新の戦闘データが常に更新されているから効かないぜ!」
「だとしても私達は戦う!ハアッ!!!」
ターボマンが自分達のデータを持っていようが関係ないと言わんばかりにプリズムは諦めずに1発でも当てようと光弾を大量に放つ。その光弾はターボマン達に命中…ではなくその隣の方の道路へと降り注がれる。
『ラン?』
「なんだ?今のは牽制のつもりか?」
『プリズム?』
光弾が1つも当たらなかった事にターボマン達は不思議に思った。一方でツイスター達も光弾による遠距離攻撃が特化したプリズムが巨体であるターボマン達に当てられなかった事に不思議に思い彼女の方に視線を向ける。
「はあ…はあ…!」
「プリズム!?」
「やはり疲れが体に残っていて上手く攻撃が定まらなかったか!」
変身前まで身体に蓄積していた疲労が変身後も残っていた所為でベリィベリーのいう通り普段の様な正確な攻撃を出来なかった様だ。
「おや、どうやら1人動きが鈍い子がいる様だね」
「そうみたいだな。なら、さっさとこのゲームにはリタイアして貰おうか!」
「させない!」
疲労によりその場に止まっているプリズムを格好の的と見たターボマンは彼女から先に倒そうと距離を詰めて拳を叩き込もうとするがバタフライがプリズムの前にバリアを貼り攻撃を防ぎ、その隙にツイスターがプリズムを抱えて脱出する。
「弱っている仲間を庇うのは良い事だが、それが命取りになるかもしれないぜ!」
『ランボー!!!』
プリズムと彼女を抱えて両腕が使えないツイスターを倒そうとランボーグは光線を放つが中々命中せず、それを見たターボマンが足についているホイールを飛ばそうとする。
「「「させません(るか)!」」」
「うおっ!?」
『ラン!?』
だが、飛ばそうとした直後スカイがターボマンにウィングとベリィベリーがランボーグに攻撃をして動きを止める。
「ウィングとベリィベリーさんはバタフライと共にランボーグを!私はターボマンと戦います!」
「良いぜ。前々からお前とは戦ってみたかったからな!」
ランボーグをウィング達に任せたスカイはそのままターボマンと戦闘を始める。スカイはターボマンに近づくと連続攻撃を繰り出すが全て避けられてしまう。
「どうした?そんな速さで攻撃しているつもりか?攻撃って言うのはこうやって速く動くもんだぜ!」
そう言うとお返しと言わんばかりに回し蹴りをスカイに放つ。それをスカイは逆に利用。その足を踏み台にして飛びターボマンの眼前に近づき顔面に一撃を放とうとする。
「甘いぜ!」
「ガバッ!」
だが、ターボマンはスカイが一撃を入れる前にすかさず上体を下げ、片手を地面に置きその手を軸に身体をコマの様に回転。追撃と言わんばかりの回し蹴りが放たれ、それがスカイの胴体に叩き込まれると彼女を吹き飛ばした。
「へへっ、まだまだ俺のターンは終わらないぜ!」
更に追撃をしようと吹き飛んだスカイに迫り一撃を叩き込もうと拳を振るう。
「「そうはさせない‼︎」」
「ウゴアッ!?」
其処へツイスターとプリズムが某蜘蛛男の様に近くのビルの屋上に引っ掛けたマフラーを使って大きくスイングする事で勢いがついた強烈な蹴りがそれぞれターボマンの頭部と腹部に命中し吹き飛ばした。
「スカイ大丈夫!?」
「大きな怪我は…してない様ね」
「ありがとうございます2人とも」
スカイは助けてくれたツイスターとプリズムから差し伸べられた手を掴み感謝の言葉を伝えると2人の横に並び立って倒されたターボマンを見つめる。対してターボマンは「いちち…」と声を漏らしながら立ち上がる。
「今の蹴りは中々良かったがツイスターと比べてプリズムの方は全くと言って痛みはなかったな」
「くっ…」
先程のスイングによる蹴り体力万全のツイスターはターボマンにダメージを与えたが、疲れがあるプリズムの蹴りはあまりダメージが入らず。その事実に苦々しい表情を浮かべる。
「ちょっとポンコツ!プリズムを馬鹿にするなら許さないわよ!」
「私たち以上に疲れているプリズムが一緒に戦っているんです…その言葉侮辱として捉えさせて頂きます!」
「スカイ、ツイスター…」
プリズムが馬鹿にされた事にスカイとツイスターさ怒りの表情を見せるとプリズムは自分の為に怒ってくれた事に嬉しく思い、プリズムもそんな2人のサポートをしようと光弾を生成。ターボマンに放つとスカイとツイスターも同時に彼に向かって動き出す。
一方でランボーグと戦うウィング達はツイスターの事を気にしている様だ。
「やはり彼方は苦戦しているみたいです!」
「奴はお前たちの戦闘データを持っているからなこのまま長期戦になると不利になる!」
「なら早くこのランボーグを退治して3人に加勢するよ!」
ウィング達はランボーグを早く浄化してターボマンと戦うツイスター達の元へ向かおうと考えているとバッタモンダーが話しかける。
「おやおや、そう言う台詞は実際に勝ってから言うもんだよ。ランボーグ舐めている彼女達に少し痛い目を見せてやるんだ」
『ランボーグ!』
そう言ってバッタモンダーはランボーグに指示を出すとランボーグは再び光線を放つが、ウィング達は咄嗟に避けるとベリィベリーがグローブに電撃を溜め込む。
「ランボーグこっちを見ろ!」
『ランッ!?』
ベリィベリーの声に反応したランボーグは振り向くとその瞬間、ベリィベリーの手から激しい電撃による光が放たれランボーグの目を眩ませる。
「はあああああっ!!!」
『ランボーグ!?』
更に其処へウィングがランボーグの足に突撃してランボーグを地面に倒した。
「今ですバタフライ!」
「決めろ!」
「オッケー!決めちゃうよ!」
2人が作った絶好のチャンスを無駄にしないと意気込んだバタフライは仰向けに倒れるランボーグに真上に高く飛ぶ。
「ひろがる!バタフライプレス!!!」
バタフライの技が発動しそのまま地面に倒れるランボーグへ急降下し押し潰そうとバタフライの足場となっているバリアが迫っていくが。
「ランボーグ!お前の力を見せてやれ!」
『ランッ!』
すると倒れていたランボーグの信号で出来た胴体が青から赤に変化し、技を発動していたバタフライがまるで映像を一時停止したかの様に空中で静止してしまう。
「ええっ!?な、なに!?身体が突然止まったんですけど!?」
「僕たちも動けません!」
「これは…一体…!?」
更にはバタフライだけでなく近くにいたウィングとベリィベリーにターボマンと戦っていたツイスター達3人も動きが止まっていた。
すると、バタフライの攻撃を受けそうになっていたランボーグの信号は赤から青に変わった瞬間、ランボーグは慌ててその場から離脱。バタフライも再び動くもバタフライプレスはランボーグが逃げられた事で不発に終わってしまう。
「今のってなんですか!?私たち全員の動きが止められましたが!?」
「まさか時を止めたの!?」
先程の現象をその身で体験したスカイとプリズムは驚愕の表情を浮かべてしまう。そんな中プリズムは先程ランボーグの信号が変わった事でランボーグの仕業であると察しはしたが、その能力は時間を止めると言うトンデモ能力ではと推測するがツイスターが否定する。
「違うわ。さっき動きを止められた際に私たちは身体は動かなかったけど意識ははっきりしていたし、近くにあった時計もちゃんと動いていたわ」
ツイスターは動きを止められた際に一瞬プリズムと同様に時を止められたのだと思い込み掛けるも近くのビルの壁に備え付けられた巨大な液晶パネルに映し出された時間が1秒ずつ刻まれているのを確認しランボーグの能力は時を止める能力ではないと判断したのだ。
「恐らくあのランボーグは信号をベースにしているから青から赤に信号の色が変わると私たち全員の動きが金縛りの様に止められてしまうのよ!」
「何ですって!?」
ツイスターの推理にスカイ達は驚きの表情を見せる。一方でバッタモンダーは肩をすくめながらツイスターの推理を認める。
「ご名答。君の言う通り今回のランボーグの力は対象の相手の動きを止める能力さ。だからランボーグは君たちの技が決まる直前に動きを止めて回避したんだよ」
「それなら止まる前に倒すまでだ!」
自分達の動きを止められる前に技を決めようと豪語したウィングはオレンジ色のオーラを纏いランボーグ目掛けて飛んでいく。
「ひろがる!ウィングアターック!!!」
『ランボッ!』
だが、ウィングの技も先程のバタフライと同様に命中する直前に信号の色を変えて動きを止められてしまう。
「無駄さ。君達が技を決めるよりも先にランボーグが君たちの動きを止める方が早い」
いつにも増して自信満々で答えるバッタモンダーだがよくよく見ると彼もプリキュア達と同じく身体が動けなくなっていた。
「って、なにカッコ付けたポーズをしているのよ!あんたも動きを止められているじゃない!」
「と言うか見て下さい!バッタモンダーだけでなくランボーグも止まってますよ!」
バッタモンダーだけでなく能力を使っているランボーグも見てみたらその場から動こうとしない事に気づく一同。恐らく能力が発動中はランボーグも動けない仕組みになっているのだと考えられる。
「なら、ランボーグの信号が再び青になった瞬間を狙ってランボーグが避ける前にウィングアタックを決めてみます!」
先程はバタフライの技は避けられたがウィングは周りと比べて動きが早い事から能力解除時に技を決めると意気込んだ。
「成る程、確かに君の言う通り能力が解除され、君の速さを持ってすればランボーグに攻撃は当たるだろうね。でも、世の中そんな都合よく行くとは限らないよ」
「何を言っているんだ?僕の計算上ランボーグまでの距離を考えれば僕のウィングアタックは能力解除時に決まる筈だ」
バッタモンダーの発言に一瞬疑問を浮かべるもウィングは己の速さを持ってすればランボーグに技を決められると確信しており、バッタモンダーはただの強がりだと決めつける。
「確かに君の言う通り今の君の位置ならランボーグが能力を解除した瞬間に避ける間も無く技を受けてしまうのは目に見える。…だが、それはあくまでも僕達が何もしなかった場合だ。そう、例えばこの状態で君たちを攻撃したら状況は大きく変化する…そう思わないかい?」
「あんたは何を言っているのよ。あんた達は私達だけでなく自分達まで動きが止められているのにそれで一体何が「出来るかだって?」…え?ガアッ‼︎」
出来るんだと呆れた表情で言い切ろうとしたツイスター。直後に隣から聞こえた声で彼女の側にはバッタモンダーと同様に動けない筈のターボマンが立っている事に気がつく。しかし、次の瞬間にはツイスターは動けないはずのターボマンの拳を叩き込まれて吹き飛ばされると近くのガードレールに身体を叩きつけられる。
「ツイスター‼︎」
「嘘っ…何でターボマンが!?」
吹き飛ばされたツイスターを見てスカイ達は彼女を心配しつつ何故動けない筈のターボマンが動けたのか疑問を浮かべているとそれに察したのかターボマンが答える。
「何故俺が動けるのかだって?その秘密は俺の頭のてっぺんを見てみな」
そう言うとターボマンは自身の頭部に指を指すと其処には先程まで無かった赤く点滅するランプが付いていたのだ。
「なんですかあれは?」
「なんか…パトランプに似ているね」
スカイ達はあまり見た事はないがプリズムやバタフライは覆面パトカーに備わっているパトランプの存在を思い出す。
一方でガードレールに叩きつけられたツイスターはプリズム達の会話を聞いて何かを察する。
「パトランプですって……まさか!?」
「その通り、この何の変哲もないパトランプこそ俺がランボーグの能力を無効化してお前に攻撃した超重要アイテムだ」
「ど、どう言う事ですか?」
「変哲もない…ぱとらんぷ?」
「それのどこが超重要アイテムなんだ?」
それを聞いてスカイ達はピンと来なかったがプリズムとバタフライは漸く理解する。
「パトランプ…つまりターボマンは自身をパトカーの様に装ったんだ!」
「パトカー含めて緊急車両は信号などの交通規則を守らずに動けるんだ!」
今のターボマンはパトランプが備わっている事で自身を緊急車両に装う事で信号が赤に変わっても優先的に動ける本物の緊急車両の様に信号をベースにしたランボーグの力をターボマンは無効化したのだ。
「そういう事だ。ターボタックル!!!」
「「「「「ああああああああっ!!!!」」」」」
「みんな!」
動くことが出来ないスカイ達をターボマンは全速力で突進し彼女達を吹き飛ばし、地面に倒れ伏せさせると同時にランボーグの能力は解除される。
「やれやれ今回僕は完全に脇役だけど、偶には主役を引き立てる脇役も中々楽しいものだね」
最初ターボマンの引き立て役として動くバッタモンダーは不満があったが、目の前で一方的にやられるプリキュア達を目の当たりにして気分が良くなっていた。
「くっ…あいつ自分だけ止まらずに動けるなんて反則でしょ…!」
敵味方の中で唯一ランボーグの能力が効かないターボマンをどう対処すれば良いかとツイスターは頭を悩ませていると、バタフライが何か思いついた様な顔を浮かべる。
「そうだ!こう言う時こそミックスパレットの力で!」
ミックスパレットによるバフ効果でランボーグの能力を打ち消せるかもしれないと考えたバタフライはミックスパレットを取り出してパレットのボタンを筆で押そうとする。
「おっと、そいつにはあん時痛い目を見たからな使わせねえぞ!」
「きゃっ!?」
「「「「「バタフライ!!!」」」」」
しかし、そうはさせまいとターボマンが自身の身体に付いているタイヤをバタフライに飛ばすと彼女の身体に2個のタイヤが巻きつけられ、突然の拘束された事でバランスが取れず地面に倒れてしまう。
「そら、お前達もだ‼︎」
バタフライに続きツイスター達にもタイヤを飛ばすが彼女達は飛んでくるタイヤを避ける。
「え…えるっ!?」
「エルちゃん!」
「いかん!」
「プリンセス!」
自分達が避けたタイヤは後方に離れていたエルへと飛んでいった事に気付いたスカイ達はエルを守る為慌てて動き出す。
「待って!それは罠よ!」
「もう遅えよ!」
ツイスターが罠である事を指摘するも時すでに遅くエルを襲おうとしていたタイヤはUターンをしエルを守ろうと動き出したスカイとウィングとベリィベリーに飛んでいき、3人は突然標的を変えたタイヤに驚いてしまい避ける間も無くタイヤが身体に巻きついてしまった。
「「「しまった!?」」」
「やったぜ。これで4人も捕まえたぜ!」
「でかしたぜターボマン!」
タイヤに身体を巻き付けられて動けなくなったスカイ達にターボマンとバッタモンダーは喜びの声を上げる。
「くっ、こんな物直ぐに破って…!」
「ぐ、ぬおおおっ!」
自身の身体に巻き付くタイヤを力づくで引き裂いて抜け出そうとするスカイであったが、それは中々引き千切れず。それならばとベリィベリーは自身の電撃で破壊しようとタイヤに流すがまるで効果はなかった。
「無駄だぜ。俺のタイヤはパワーを吸収する上に電撃は効かないから破る事は不可能だ!」
「くっ…どうすれば…!」
ターボマンによってスカイ達4人は動けない状態となり、現状動けるのはツイスターと疲労が溜まっているプリズムのみ。更に言えばランボーグは周りにいる人物の動きを全て止め、その中で唯一動けるのはターボマンのみである事からツイスター達は不利な状況を強いられてしまう。
(どうすれば良いの…!)
この不利な状況にどうやって立ち向かえば良いのかとツイスターは頭を悩ませてしまう。
「えるーっ!」
「「「「エル(ちゃん)!」」」」
「「プリンセス!」」
そこへ身動きが取れなくなったスカイ達を心配してエルが自分達の元へ近づいてきた。
「エルこっち来ちゃダメよ!」
「エルちゃん逃げて!」
今は戦いの最中でスカイ達も動けずエルを守る余裕は無くツイスター達は彼女に逃げる様に呼びかける。
「何だ?今は戦いの最中だぜちびっ子」
「える!?」
しかし、ターボマンはエルの存在に気づくと彼女の前に立ち塞がり更にはエルが持っていた封筒を取り上げてしまう。
「さっきから気になっていたが大事そうに持っているこの封筒の中身はなんだ?」
「その封筒を返して!」
「そうよ!その封筒はあんたが持っていて良いものじゃないわ!」
取られた封筒を取り返そうとツイスターとプリズムはターボマンへ突撃をするが、その直後ランボーグが再び信号の色を変える。
『ランボーグ!』
「ナイスアシストだぜランボーグ!」
「「あああっ‼︎」」
「「「「ツイスター!プリズム!」」」」
2人は再びランボーグに動きを止められるとその隙にターボマンの回し蹴りをまともに受けてしまう。そのまま吹き飛ばされるとビルの壁に叩きつけられてしまう。そしてビルに叩きつけられた2人にターボマンは煽る様に封筒を揺らして見せびらかす。
「どうやら必死になって取り戻そうとする辺りこの封筒の中身はとても大事な物みたいだな。それに、お前たちは最初時間も気にしていた…ポストは直ぐ側にあるがお前達は見向きもしない…よって今日中にこの封筒を何処かに届けないといけないみたいだな」
「くっ…!」
ターボマンの推理を聞いてツイスターは思わず険しい顔を浮かべる。封筒の中身はまだバレてはいないものの、中身は今日中に市役所へ提出しないといけない期限付きである事がバレてしまった。
「んじゃ、こいつを俺が持っていたらお前は困ると言う事だな。変形!」
「一体何をするつもり!?」
突然変形フォーミュラカーに変形したターボマンにプリズムは思わずこれから何をするのかと問いただす。
「いやな、単純な話だ。お前達はこれから俺と鬼ごっこをするんだよ」
「鬼ごっこ…ですって?」
鬼ごっこ…その発言にツイスター達は理解出来ずにいた。
「お前達はこの封筒を今日中に何処かに届けなけりゃならねえって事ならその封筒を逃げる俺から取り戻せって言う単純なゲームだ」
「ふざけんじゃないわよ!私達があんたの遊びに付き合う訳ないでしょうが!良いから封筒を返しなさい!」
封筒を取り戻そうとターボマンに突進するがターボマンは一瞬でツイスターから距離を離した。
「別にお前達の意思は求めてないがこいつが無ければ困るのはお前らだろ?なら、取り戻したいなら取り戻してみな!」
「ま、待って!」
走り去って行くターボマンを追いかけようとするプリズムだが、疲れにより足に力が抜けてその場に転けそうになるが咄嗟にツイスターが手を掴んで支える。
「プリズム無理しちゃダメよ!」
「でも、原稿の入った封筒が…!」
封筒の中にある絵本の原稿は今日まで自分や支えてきてくれた友達の力で出来た大事な物で更には自分の夢への第一歩になるかもしれない存在なのだ。それを取り戻したいプリズムではあるが、身体に蓄積した疲労により身体があまり言う事を聞いてくれず。封筒を持ったターボマンはどんどん自分達から距離を離して行く。
「任せてプリズム、封筒は私が取り返してみせるから!」
そう言うとツイスターはターボマンを追いかけてその場を離れ、それを見たバッタモンダーはほくそ笑む。
「美しい…実に美しい友情だ。だが、現実はそう上手くいかないようになっているんだよ。ランボーグ!」
『ランボーグ!』
「くっ…!」
ランボーグはプリズムへと近づいて行く。一方でプリズムは迫り来るランボーグを迎え撃とうとファイティングポーズを取ろうとする。
「しまった!プリズム!」
封筒を取り返すことばかりを考えてバッタモンダーの存在を忘れていたツイスターは慌てて彼女の元へ戻ろうとするが時既に遅く。ランボーグはプリズムへ飛びかかり、プリズムも迫り来るランボーグ光弾で撃ち抜こうとするが疲労で光弾が上手く作れず、そのままなす術もなくランボーグに襲われる。
「「「「させるかああああああっ!!!」」」」
『ランッ!?』
「ナニィッ!?」
かと思いきやにタイヤが身体に巻き付いて自由に動けない筈のスカイ達4人がランボーグを横からタックルをして倒してしまう。
「プリズム大丈夫ですか!?」
「怪我はしてない?」
自由に動けないスカイ達はぴょんぴょんと跳びながらプリズムに近づくと彼女を心配する。
「私は大丈夫だよ。それよりも皆んなは?」
「私達は大丈夫です」
「この状態ですからいつもの様に激しく戦えませんが…」
「あんなデカブツ倒すのにさして問題はない!」
普段と比べて動きが制限されているスカイ達であるものの戦う気持ちは失ってはいなかった様だ。
「くっ…揃いも揃って間抜けな姿をしている癖してまともに戦えない奴等が調子に乗ってんじゃねぇ!ランボーグ彼奴らを徹底的にやれェッ‼︎」
「まともに戦えないからって、私達を舐めるんじゃありません!」
迫り来るランボーグにスカイ達は飛び跳ねつつ戦いを挑むのであった。そんな様子にプリズムも一緒に戦おうとする。
「待ってプリズム!」
「バタフライ?」
其処にバタフライがプリズムを呼び止めると彼女に何かを差し出そうとする。
「プリズム、今の私じゃ使えないから代わりにこれを使って」
「これって!」
バタフライが差し出してきた物を見てプリズムは驚きの表情を見せながら差し出してきた物を受ける取るのであった。
一方でツイスターは封筒を取り返すべくターボマンを追いかけ続けていた。
「止まりなさい其処の違法改造マシーン‼︎」
「止まる訳ないだろ!止めたければ力強くで止めてみな!」
ツイスターは全速力で走ったりマフラーを使って建物をスイングするが、中々距離が詰められずにいた。
(このままじゃ締め切りが間に合わない…!)
走りながら所々にある時計を見かけると時間が刻々と過ぎていき、これでは絵本コンテストに間に合わない。
「そうなったらプリズムの…ましろのこれまでの努力…そして夢が…!」
そう言うとツイスターの脳裏には今日まで努力してきた
(そうよ!あの子は今日まで努力してきた…夢の無い私と違って…!)
するとツイスターの身体から緑色のオーラが溢れ出る。
「私には夢が無い……でも、
緑色のオーラが炎の様にツイスターの身体から噴き出すと一気に加速する。
「なにっ!?データ以上の強化をしやがった!?」
「ましろの封筒を返しなさいッ!!!」
どんどんとツイスターはターボマンに距離を詰めていきあと少しで手が届きそうな所まで来ていた。
「ランボーグ!ツイスターを止めろッ!!!」
このままでは捕まってしまうと思ったターボマンはスカイ達と戦っているランボーグに能力を発動させる様に指示を出す。それを聞いたランボーグは信号の色を変えようとする。
「2つの色を一つに!1つに!レッド!イエロー!守りの力、アゲていくよ!」
その時、辺りにバタフライがミックスパレットを使う台詞が聞こるとツイスターの身体がオレンジ色の光を包んだ。同時にランボーグの信号は赤へと変化し、ターボマン以外のこの場にいる者達は動けなくなる…筈だが、ツイスターは止まらず尚もターボマンの後を追いかけていた。
「なんだと!?何故止まらねえんだ!?」
本来ならランボーグの能力はパトランプを持つターボマンには通用せず他は問答無用で動きがその場で停止してしまうのだが、どうやらツイスターの身体を包んだ光は守りの力。これは対象人物の身体に敵の能力を無効化するバリアを纏わせる事ができる。これによりツイスターはランボーグの能力を無効化する事ができたのだ。
「今のはバタフライ…いや、まさか!」
一方でツイスターはミックスパレットを使ったのは一瞬持ち主であるバタフライと考えたが、彼女はスカイ達と同様にタイヤで身動きが自由に取れない筈であり先程聞こえた声も彼女では無く別の声である。しかもその声はツイスターにとって馴染み深い声であり、恐る恐る後方に視線を向ける。
「頑張ってツイスター!」
其処にはバタフライから託されたミックスパレットを握るプリズムの姿があった。
「プリズム!…ええ、頑張るわ‼︎」
感謝の言葉をプリズムに贈るとツイスターは更に加速していきターボマンに手が届く距離まで近づいた。
「どうやらあんたはミックスパレットの力を全て把握しきれてなかったようねっ!」
「ちぃっ!なら、これはどうだ!」
するとターボマンはマフラーから炎を噴き出し、すぐ後ろを走るツイスターの身体を焼こうとする。しかし、ツイスターはターボマンの行動を予測していたのか跳んで火炎放射を回避。其処から首に巻いたマフラーを解くとマフラーを振りターボマンの前方にあるフロントウイングに巻き付けて自分は地面に着地。その場で足を止めて腕にマフラーを硬く巻き付ける。
「覚悟しなさい!こんの…ポンコツロボオオオオオオオオオオオオッ!!!」
「なっ!?や、ヤメグボバァァァァァァァァァッ!?」
マフラーを巻いた腕をツイスターは地面に突き刺し固定するとフロントウイングに巻き付けたマフラーはピンッと貼り、ターボマンはぐいっと引っ張られる形で宙を大きく舞ってしまう。その際持っていた封筒も宙を飛ぶがそれはツイスターがキャッチする。そして、ターボマンはひっくり返った状態で地面に叩きつけられるとツイスターが近づく。
「封筒は返して貰ったわ。あと、ついでに迷惑料として一本貰っとくわ」
「も、貰っとくって何…いでぇっ!?」
するとツイスターはターボマンのタイヤからホイールを無理矢理引き剥がすとそれをスカイ達に向かって投げる。そのホイールはスカイ達を拘束するタイヤを全て切断し彼女達は解放される。
「て、てめぇ!俺のホイールを!バッタモンダー何してやがる!早くこいつらを止めろ!」
こうなったらランボーグの力で再びスカイ達を止めてそのうちに一網打尽にしようとターボマンは考えた。
「ダダダダダダダッ!!!」
「はああああああっ!!!」
「ハアーッ!!!!」
「痺れろーッ!!!」
『ラアアアアアアンッ!?』
「能力は既に発動しているがこいつらは動けてんだよ!」
「なんだと!?」
しかし、能力を発動しても何故かプリズム以外は動けていた。どうやらミックスパレットの力はツイスターだけでなくスカイ達にも使った様であり、そのためランボーグの能力は効かず。スカイ達4人は今までの鬱憤を晴らすかの様にそれぞれランボーグに向かって一斉に攻撃して信号のレンズを砕き、そのままターボマンの方に吹き飛ばした。そして、ツイスターはプリズムのもとに向かうと封筒を渡した。
「プリズム。取り戻したわよ」
「ありがとうツイスター」
受け取った封筒を大事に抱きしめるプリズムの姿にツイスターは近くの時計を確認するとプリズムに話しかける。
「プリズム後は私達に任せて!あんたは市役所に封筒を持っていきなさい!」
「えっ…で、でも、ランボーグが…!」
市役所に原稿の入った封筒を持っていくのも大事だが目の前のランボーグとターボマンを放置して自分だけ離れるなんて出来ないと思ったプリズムは自分も最後まで戦うと言おうとするが、スカイ達も続いて口を開く。
「プリズム行ってください」
「貴女のお陰で僕たちはランボーグの能力を封じ込める事が出来ましたから」
「能力を使えんランボーグなど我々にとって恐れるに足らん」
「そう言う事、後は私達に任せて。だからプリズムはエルちゃんと一緒に先に市役所に行ってて」
「皆んな…」
此処にいる誰もがプリズムに市役所へ行く事を優先する意思を見せている事にプリズムは嬉しそうになる。
「ほら、わかったならさっさと行って最優秀賞を取ってきなさいよ」
「プレッシャーを掛けないでくれる!?…でも、ありがとう皆んな!行こうエルちゃん!」
「えるっ!」
この場をツイスター達に託したプリズムはエルを連れて走り出す。
「なに自分だけ逃げようとしているんだ!ランボーグ!プリズムを攻撃しろ!」
『ラン「させるかーッ!!!」ボオッ!?』
プリズムとエルに攻撃をしようとしたランボーグだがウィングの強烈な蹴りをまともに受けて吹き飛んでしまう。
「何やってんだお前は!こうなったら俺が行くぜ!」
ターボマンは人型に変形するとプリズム達を追いかけようとするが其処にスカイとツイスターが立ち塞がる。
「俺に挑むか?面白え!ターボナックル!!!」
「「プリキュアダブルパーンチッ!!!」」
迫り来るターボマンの拳にスカイとツイスターが対抗する様に2人の拳がぶつかり衝撃が起こり互いに大きく後退する。だが、ターボマンは負け時と再びタイヤを飛ばしてスカイ達を拘束しようとした。
「させるか!」
「なにっ!?」
「ほら、特盛サービス!」
しかし、其処へベリィベリーがターボマンの足元に電撃を放ち土煙を巻き起こすと視界を塞ぐ。更には追撃する様にバタフライが投げキッスを飛ばしターボマンにダメージを与える。
「チィッ、地味な攻撃をしやがっ『ラアアアアン!?』うおおおっ!?」
するとターボマンの後ろからウィングによってランボーグが飛ばされきてターボマンの身体を押し潰して身動きを取れなくする。
「バタフライ決めましょう!」
「オッケー!行くよ!」
バタフライは好機と判断してミックスパレットにある色を全て混ぜるとウィングに光を纏わせて火の鳥に変化させ飛び乗った。
「プリキュア・タイタニック・レインボー・アタック!!!」
火の鳥となったウィングはそのままターボマンとランボーグに迫っていくが、漸くターボマンはランボーグを退かすとウィング達に向き直る。
「前回は油断したが今回はそう行くかよ!!!」
すると、ターボマンはタイヤのホイールを剥がすとそれをウィングに投げつける。ウィングはそれを見てすぐに避けるが、ホイールはウィングの後を追いかける。
「嘘でしょ!?これついてくるの!?」
「バタフライ気をつけて!それ切れ味も凄いから!」
ピタッと背後を追いかけてくるホイールに更にツイスターの忠告に冷や汗を流したバタフライはウィングにもっと早く飛ぶ様に指示を出そうとするが、更に其処へランボーグが光線を放った。
「良いぞランボーグ!あの焼き鳥を撃ち落とせ!」
『ランボーグッ!!!』
ターボマンのホイールに加えてランボーグの攻撃の板挟みを喰らうウィング達、それを見てスカイ達はウィング達を助けようかランボーグとターボマンを攻撃しようと考える。
「舐めないでよね!これくらいの事で挫けるキュアバタフライとキュアウィングじゃないよ!」
するとバタフライはそれに対して再びミックスパレットを構える。
「2つの色を1つに!レッド!ブルー!ワンダホーにアゲてこ!」
それはかつて事故でツイスターに猫耳と尻尾を生やせた不思議な力をバタフライは使った。しかし、彼女又はウィングの身体には猫耳などは生えず、その代わり紫の光が包むとボスンという軽い音と共にバタフライとウィングがそれぞれ10組になっていた。
「「はあああああああっ!?」」
『ラアアアアアアンッ!?」
「え、ええええええっ!?2人が増えたーッ!?」
「ど、どうなっているんだこれは!?」
「まさか、分身の術!?」
その場にいた一同は増えたバタフライとウィングを見て物凄い驚きのリアクションを見せる。そして、ターボマンは増えた2人を見て驚いた事でホイールのコントロールを失い地面に落としてしまう。
「行くよ!プリキュア・タイタニック・メテオシャワー・アタック!!!」
『スミキッター…』
まるで流星群の様に10匹の巨大なプニバードと化したウィングがランボーグとターボマンに向かって降り注いでいき、ターボマンは慌ててその場から逃げ出す。しかし逃げ遅れたランボーグは浄化され、発生したキラキラエナジーをスカイがミラーパッドで回収する。
「チクショーッ!なんでだ!?なんでこんな弱ぇ奴らにこの俺が何度も負けるんだ!?」
「当たり前です!嫌がらせばかりする貴女にヒーローは負けません!」
「そうよ。あんたは小狡い手ばかり使っているけど、そんな事で私達が負ける訳ないでしょ」
バッタモンダーはこれまでエルや一般市民などを狙って自分達を倒そうとしてきたがツイスター達はそんな彼に今までの鬱憤を晴らすかの様に呆れた表情を浮かべて発言する。
「キーッ‼︎これで勝ったと思うなよ!次は絶対勝ってやるからな!バッタモンモン!」
「全く、バッタモンダーの野郎。噛ませキャラみたいな事を言い残しやがって…まぁ良い。んじゃ、俺も帰らせてもらうぜ」
捨て台詞を吐いて撤退するバッタモンダーとそんなバッタモンダーに呆れながらターボマンは後を追いかける様に撤退して行った。
──────────
それから一同は変身を解くと急いで市役所へ向かう。道中時間を確認しながら走っていくと17時ごろに一同は市役所に到着すると中から先に市役所に向かったましろとエルが出てくる。
ましろ達もらんこ達の存在に気づき駆け寄ってくる。
「皆んな大丈夫だった!?」
「ええ、私達は大丈夫です」
「それよりもましろ締め切りは間に合ったの?」
ソラがランボーグを倒したと報告するとらんこは絵本コンテストの締め切りに間に合えたのかましろに聞く。
「うん、ギリギリね。皆んなのお陰でなんとかなったよ。ありがとうね」
「良かったです」
「ああ、何とか間に合った様だな」
「本当、時間ギリギリだったからハラハラしたよ」
封筒を締め切り間近ではあったものの市役所に提出できたと聞いて一同は安心して胸を撫で下ろす。
それから数日後、一同は絵本コンテストが開催されている展示場へとやってきた。どれも展示されている絵は素晴らしいものでまるで美術館にきた気分を味わっていた。
「ましろさんの絵本はどこでしょうか?」
「念入りに探しなさい。絶対に展示されている筈だから」
そんな中ソラとらんこはましろの描いた絵本を探す為に辺りを一生懸命見渡しているとベリィベリーがある絵を見つける。
「お、おい、皆んな見てみろ」
「え、あっ!これって…!」
「Pretty Holicの…!」
それは以前Pretty Holicにて見た人魚の絵と同じ海の中の絵で其処には海亀に鯨、魚の群れなどといった海の生き物が泳いでいる姿だ。
「嘘でしょ!まさか、これ全て菜摘さんの絵なの!?」
「菜摘さんの絵……ヤバ過ぎでしょ」
絵の下には菜摘の名前が書かれており、しかもそれが幾つも同じ空間…つまり大賞入りのブースに飾られている事から彼女の絵描きとしての実力を再認識した一同は唖然となる。
「やっぱりみんなも来ていたんだ」
「あ、菜摘さん」
「大賞入りおめでとうございます!」
「おめでとうござます菜摘さん!」
すると噂をすれば何とやら、菜摘が一同の前にやってきて大賞入りした事を祝った。
「皆んなありがとう。でも、私はましろさんの絵本も素敵だった。あの優しさ溢れる物語につい感動しちゃった」
「み、見たんですか!?」
大賞入りした菜摘から自身の描いた絵本の内容を見られた事にましろは恥ずかしくなって顔を赤くする。それから一同は菜摘の案内の元ましろの描いた絵本がある場所まで向かった。
「ありましたましろさんの絵本」
「エルちゃんましろさんの絵本を一緒に読んで見ましょうか」
一同はましろの描いた絵本"ブランコ"を見つけると早速ページを開いて読み始める。
内容はある日エルに似た紫髪の少女が一人で遊んでいると森の中で大きなブランコを見つけた。少女が一人で遊んでいるとそこに同い年くらいの少年がやってくると一緒に乗せてと頼む事に。少女はその頼みにいいよと返事をすると一緒にブランコに乗る。
それから暫くしてブランコの噂を聞いたのか、森の動物達が次々にやってくると皆で一緒にブランコをグングン漕ぐ。すると彼女達の視線の先には遠くの空に大きな大きな綺麗な虹が見えたそうだ。それを見た皆んなは綺麗だと考え、皆はすっかり仲良しになると幸せそうな顔を浮かべるのでした。
「あーい、なかよち〜!」
絵本を読み終え、エルは気に入った様で拍手を送った。その様子に一同は微笑ましくエルを眺めるとらんこがましろに話しかける。
「やったわねましろ。エルがあんなにも喜んでいるわよ」
「うん、最初は入賞出来なくて残念なんて思ったけど、エルちゃんの喜ぶ姿に私もっと絵本を描いてみたくなったよ」
「ましろさん、これからも私はましろさんの絵本作りを手伝いますよ」
「僕もです!」
「私も私も!」
「プリンセスがここまで喜んだんだ。これからも期待しているぞ」
入賞はしなかったがエルの心を掴んだ絵本にましろはこれから先絵本作りを続けて、一同もその手伝いをするのであった。
「もっかい、もっかいよんで、ぶらんこ!」
「!?」
尚、エルがアンコールを所望した際にタイトル名を呼んだがその際らんこは何やら物凄い神妙な顔をうかべるのであった。
─おまけ─
「エル見なさい。あれは何かしら?」
「ちゅべり台!」
「じゃあ、あっちは?」
「じゃんぐるじむ!」
晴れた日、らんこはエルを連れて公園に訪れて何やらそれぞれの遊具の名前をエルに呼ばせている。そんなやり取りにソラ達は不思議そうな眼差しを向けていた。
「らんこさんは何をやっているんでしょうか?」
「エルちゃんと遊びたいのかな?」
普段エルと一緒に住んでいる自分達と違いらんこはエルと遊んでいる回数が少ないことからエルと多く遊びたいのかと考えたがそれをツバサは違うと否定する。
「実はあの展示会でプリンセスが絵本のタイトルである"ぶらんこ"を呼んだから、らんこさんはこれを機に自分の名前をちゃんと正しく呼んでもらおうとしているみたいなんです」
「そうなの?」
確かにらんこはあの日以来何やらエルを見て何か考えたりエルに"にゃんこ"と呼ばれる度に複雑な顔をしていたが、まさかそんな事を考えていたとは思わなかった。
「でもまぁ良いじゃないか。私のびりぃびりぃ呼びはまだしもらんこはあまり気に入ってなかったみたいだからな」
「え〜、私はにゃんこちゃん呼びは気に入っているんだけどなぁ」
エルがらんこの名前を正しく呼ぶ事に何やらソラ達の中では賛否が両論している様子だ。そんな中、らんこはエルと共にブランコに乗って漕ぎ始める。
「エルこれは何かしら?」
「ぶらんこ!」
ブランコの名前を呼んだ事にらんこは目を光らせると続け様に自身に指を指して口を開く。
「じゃあ、私の名前は?」
「ぶ…にゃんこ!」
「なんでよちくしょぉぉぉぉぉぉぉっ!!!?」
結局らんこの努力は虚しくエルはにゃんこ呼びを変えることは無かったのであった。そんならんこの姿にソラ達は同情の眼差しを送るのであった。